64 色取月の神隠し
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『荒らすつもりはない』と言ったのはお前だ。
他のもんを巻き込まないよう、血の一滴、骨の欠片も残さないように頼むぜ?
[たまこが縁の薄い者だからか、藤に告げるのは淡々とした物言いだ。
度が過ぎなければ雷門も怒りはしないだろう。
でなくば、人を襲った獣や、獣を捕る人にいちいち罰が当たることになる。真意はわからないが、龍笛はそう解釈している。]
そりゃぁ、全員に言えることだな。
いざとなったら、里へ帰れよ?
逃げるのは癪だが、あそこならまず、人の手は及ばねぇんだから。
俺は逃げるつもりはないが、気をつけるから平気だ。
[芙蓉の忠告にも、からりと笑うばかり。]
分かってるさ。
やるときは、朝顔のように――秋月の旦那のように
きれいさっぱり現世から居なくなって貰うさ。
[鵺は龍笛のように雷門を知らないから
彼が内心思うように罰に関しては大して警戒していない]
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現世……では……?
[涙を湛えつつ小さく首を傾げて、志乃>>75の言葉を聞く]
うん……。私ももっと、志乃とお話、したいよ……。 志乃の、箏の事だって……。
[芙蓉との話を思い出して]
いつか、預かれる時が来たなら、そうしたいって思ってる。
[ゆっくりと立ち上がる志乃>>78を見て。 迷う事なく後に続いた]
教えて……。 もっと、志乃の近くに、行きたいから。
[差し出される手を取って、共に歩き始めた]
(83) 2011/09/17(Sat) 00時半頃
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――なぁ、明之進。
一平太、連れていきたいか?
連れてく順番はいつになるかわからんが、このまま別れたら、もう二度と会えなくなるからなぁ。
[次々に一平太から出される提案に、放置しておくと面倒そうだと判断する。]
いっぺいた?
二度と会えないのやだな
遊びたいから
あそこにつれていって 驚かせたりしたい
友達だもん 一緒に行って 遊べるならいいのに
[辰次の問いかけには素直に応えた。]
みんな……
うち、沙耶を連れていくことにしたんよ?
沙耶 うちを預かってくれる言うてくれたから。
友になってくれる言うてくれたから。
一足先に向こうへ行こう思うんよぅ。
[沙耶は妖しの会話が聞こえるという。たまこの件のように禍根を生みたくない気持ちもあったけれど…初めて出来たヒトの友を奇異に晒したくもなく。ただ結果だけど伝えることにした]
そうだね、いざとなりゃ、逃げるが勝ちか。
あそこなら、そう、たとえ雷門だって手を出せやしない。
[辰次の提案に同意を向ける]
って、あんたは逃げないのかい。
全く、勇ましいのはいいけど、ほんと気をつけておくれよう。
[雷門をよく知らぬであろう同胞たちへは]
雷門……ここいらの山の神はね、そうそう細かいことじゃ目くじら立てやしないけど、村を護るように祀られてるからね。
何といっても神だし、あまり怒らせたくはないのさ。
たぶん、あれが本気になったら、あたしなんざ消し飛んじまうだろ。
そうか。うん、友だちとは遊びたいよなぁ。
[素直な明之進の言葉に、小さく笑って。]
一緒に行って、遊べるさ。
そのときには、一平太の案内してやりな。
驚かせたり笑わせたりすりゃいい。
へえ、あきのしん、随分と仲のいい友達ができたんだねえ。
いいさ、順番はわからないけど、里へ招こうじゃないか。
[素直な明之進の答えを微笑ましく聞きながら、辰次へ問う]
――その、一平太って子は、あんたから見てどうなんだい、辰次?
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志乃……。
[涙を零す彼女を見て、手を更にしっかりと握る]
そっか……。 永い間使われてきたものには、魂が宿るって。 志乃が、そうだったんだね……。
[永き時を経た箏の姿を見て微笑む]
じゃあ、二人とも初めて、だね。 喜んでいいのかな。 箏の魂に、選んでもらったんだって……。
[志乃に導かれるまま、箏の弦に指を添え。 いつか夢で聴いた音色が響いたなら、空には隠世の月が浮かぶ**]
(99) 2011/09/17(Sat) 01時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2011/09/17(Sat) 01時頃
……そっか、お志乃も帰るのか。
良い相手を見つけたようで、何よりだよ。
[男の裡を微かに過ぎった寂しさは、言葉に滲んだか]
友と言ってくれたか……そうか、良かったなぁ。
お疲れ様、志乃さん。
今すぐはちっと無理だが、後で笛の音を送るから。
[沙耶を連れていくという志乃に、異論を挟む理由はなく。]
志乃――そうかい。
帰っちまうのは寂しいけど、預かってくれる相手が見つかって、安心したよ。
さやはいい子だ。
始めはあっちに驚くかも知れないけど、志乃がついてりゃ心配要らないよね。
あたしらが戻ったら、箏を聞かせておくれ。
うん、遊びたい
どうやったら驚くかな
頑張って考える
[芙蓉の言葉には]
一平太 面白いんだ
先生に太郎って呼ばれてたけど 一平太は一平太だよ
志乃も帰るんだね
そっか 疲れた?
帰ったら 元気になるかな
[志乃が具合悪そうだったことを思い出しながら呟いて]
迷子 ならないように気をつけてね
明之進の兄さんも、お気に入りを見つけたのか。
辰サンも意中の相手がいるようだし
[辰次が志乃や芙蓉に冷やかされていたのは
それとなく聞いていたから、にたり、意味ありげに笑う]
……案外、今回の逢魔時は呆気なく終わるのかもなぁ。
[そうすれば、芙蓉や辰次が懸念するような、雷門の怒りを買うこともないだろう]
こっちに永ぅいても、だんだん眠ぅなりますからねぇ。向こうなら九十九の縛りも緩ぅですから、もう少し自由にできる思いますんよぅ?
ほんまはうち、奴延鳥さんとお祭りみたい思うてましたのに…奴延鳥さん思うた以上の伊達様やったから、すれ違ったとき緊張しましたんよ。
せやけど、大妖のお姿も凛々しぅ思いましたんに、ヒトの成りされててもあないなええ男やったらうちまともにお顔拝見する自信ありませんですよぅ?
奴延鳥さんもええヒト見つけてくださいな?
太古の風情も知らぬ無作法者共から、ヒトもモノ知るようになってますから、きっといいヒト見つけられますよぅ?
せやけどが奴延鳥さんが気に入るんやったら、きっとえらい別嬪さん見つけてくるんやろうねぇ。複雑ですよぅ?
[彼の滲みを知って知らずか、名残惜しげに音を紡ぐ]
おにいさん?
[『明之進の兄さん』と聞くときょとんとした声をあげて]
おにいさんなのかなあ?
ふえるけどちがうなあ……
[変なところで悩む。]
…頭は悪くなさそうだ。
あやかしに対する対策、次々と考えてるからな。
あっさりと、俺らの存在を信じたし…
[言葉から、厄介な者だというのが伝わっただろうか。]
根は悪い奴じゃなさそうだから、明之進の遊び相手にちょうどよさそうだな。あとそうだ、眼鏡先生の弟子とか言ってたっけか…
いちゅ……
[藤の言葉に絶句。
しかし、ここで言い返してもどつぼにはまりそうな予感があった為、沈黙を守る。]
けしゃらんぱしゃらん……だっけか
お前さんを元に増えるんなら、増えた
けしゃらんぱしゃらんたちの、兄さんて事にしとけばいいさ。
……少なくとも、明の兄さんは
毛玉たちの親父さんって風情じゃないしさ。
[男の言葉のせいで、変なところで悩む明之進に提案してみた]
おおきに。隠世へ戻るとなぁ…現には干渉できんようにはなるけど、
現の気は届く聞きましたんよ?
折角うちと龍っつぁんの合奏楽しみにしてくれてたヒトもいたからね
皆呼んで隠世で聴かせたい思いますんよ?
龍っつぁんもはよぅあの子口説き落として連れてきてくれな。
待ってますよぅ?
たろうでいっぺいた?
人間の名前、あたしにはまだよくわかんないよ……。
[諦めたように頭を振る。
辰次の一平太評を注意深く聞いて]
そうかい。
会ったことはないけど、しっかりしてそうだねえ。
[明之進の手前、厄介そうだとはっきり言うことはしない]
めがねの弟子……じゃあ、いなくなったって知ったら、心配するだろうさ。
探したりも、するだろうねえ。
芙蓉さんは、気ぃつこうていろいろしてくれて
ほんまにありがとぅなぁ。
うちが出てるときに、あないに長い時間持って貰ったこと初めてやったわ。
……少し恥ずかしぃ思いましたんよぅ?
沙耶真っ直ぐな子やから、吃驚するかもやけど、すぐ分かってくれる思いますんよ。
それに夕顔さんも朝ちゃんもセンセもおるからね。
夕顔さんがきっと楽しいお祭り作ってくれてるやろし、
向こうでならうちも気ぃよう跳ねられますから
芙蓉さん来る頃にはこっちより楽しいお祭りできえてたらええなぁ
思うてますんよ。
うちが奏でますから、たんと踊ってくださいよぅ?
何にしても、あたしも一度会ってみたいねえ?
一平太にさ。
辰次の好きな子にも、ね。
藤のおめがねに叶うのは……
[志乃の言も受けて、じいっと、藤之助へ意識を集中し]
面食いなのかい、あんた?
確かに、親父って風情でもないけど、兄さんってのも……
[明之進をちらり]
うん、いいや。きっと、兄さんなんだろ。
疲れは現におるからやからねぇ。
向こうやったはよぅ動ける思いますんよ
けしゃらんばしゃらんさんくらい速ぅないから
おいかけっこはできへんけど
迷子は……ヒトの道やないから
大丈夫やと
思います……よぅ?
[あんまり自信はないみたい]
けしゃらんばしゃらんさんも友達連れておいでぇな。
ああ、そうだね。楽しみにしてる。
皆で、踊れるといい。
――楽しみにしてるよ。
[静かに言って、思い浮かべるように目を*閉じた*]
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