17 吸血鬼の城
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薬は、治すためだけにあるわけではないですからね。 なんなら、お試しになりますか? 意に沿わぬ相手に、そうと見える幻を見せるものもありますよ。
[意に沿わぬ婚姻で夜の営みの障害を晴らすもの。 確かにそれは、求められる一品で。
そのときは振り返ってにこやかに笑んだ。] >>228
ああ、トリカブトですね。 …と、その前に、鍵は閉めてもらえますか?少し、用心深いもので、
といっても、霧にまぎれる者には鍵など、通用しませんでしょうが…。
(232) 2010/06/20(Sun) 12時頃
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>>234
ご城主殿は、
そのようで。
[正体ももう既にわかっているようなもの。 目の前の男はよりわかっているようだ。
そして、言われたとおりの品を並べ、どうぞ、と手にとるよう促した。]
(237) 2010/06/20(Sun) 12時頃
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>>238
[品定めをしたのち、ブローチを外して見せてくる。 それを手に取り、微細眺めて……。]
確かに、よい品のうようですね。 しかし、この城のどこで使えばいいのやら…。吸血鬼は爬虫類好きですかな?
[先ほどの、商売を〜に返した言葉をつぶやいてみせる。だが、それはしっかりともらう所存で……。]
あと、そうですね。まぁ、薬の材料でもいただきましょうか。
――……貴方の気が向いた時にでも。
[それはほんの遊び心風に…。 ヘクターの身体を上から下まで眺めた。]
なかなかいい体躯をしておられるようで……。
[そして、ブローチをその手から掠め取る。]
(240) 2010/06/20(Sun) 12時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 12時半頃
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>>243 [大男が背後を気にする様子には、くすくす笑みをこぼした。]
――…冗談ですよ。いえ、貴方の精液をいただくのもいいな、と思ったのは事実ですが…。
[さらりと、そんなことをいいつつ……]
そうですね、じゃ、薬の被検体にでもなっていただきましょうか?もちろん、命にはかかわらないもののね?
[これも、冗談、どんな貌をするのか、また笑みつつ…。]
――…とりあえず、オマケを差し上げましょうか。
[そして、一つ、小さな白い包みをヘクターに手渡す。]
さきほど、言った、「意に沿わぬ相手に、そうと見える幻を見せる」媚薬です。使われた相手は、貴方を愛しい存在と見間違えるでしょう。
もしくは、貴方自身が飲めば、抱く人は貴方の愛おしい人になる。
[そして、商売が終わると、薬鞄に薬瓶を戻し始める。]
(247) 2010/06/20(Sun) 13時頃
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薬屋 サイラスは、墓荒らし へクターが去り行くのを見送った。
2010/06/20(Sun) 13時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 13時頃
薬屋 サイラスは、自室でしばらく休んでいる。**
2010/06/20(Sun) 13時半頃
[気高く美しい兄の聲に伏せた睫毛が小さく震える。
幾度となく繰り返された暗示のような言葉]
お兄様……
私はあの客人を望んでなどいないのです。
[興味がないと言えば嘘になる。
けれどその興味はあの客人が兄の目にとまったから。
本当に望むものは口に出来ぬまま――]
…………。
[白薔薇の執事が影を通じなされた密告。
兄の問い掛けに妹は逡巡する]
もうあの声を聞きたくはないのです。
お兄様にあの者の処遇をお任せします。
[憂いを滲ませた聲が密やかに囁かれた]
――…私のローズ。
[囁く聲に混じる憂い。
まるで彼女に呼応するかのよう]
お前が望まぬ客人
けれどあの客人はお前を望んでいる
ならば、すべき事はひとつ
お前が楽にしてやるが良い。
[彼女を求めるものが、彼女によって逝かされる
そのとき彼はどのような声をあげるだろう
ざわ、と背筋に走るものを感じ、語尾は甘く震えた]
――…私が、それを為せと…?
[兄の囁きに女の聲が沈む]
意地悪なお兄様。
私の願いを聞き届けては下さらないのね。
[甘い震えを伝える聲の主に女は逆らえない。
望まぬ男の求めに応じる苦痛よりも
兄たる者の悦びを女は優先する]
嗚呼……
[悩ましげな吐息が零れた]
薬屋 サイラスは、ドアの音に気づいて身を起こす。
2010/06/20(Sun) 17時半頃
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―客間・サイラスの部屋―
[少しの午睡。その間に昔訪れた村の夢を見た。 なんのことはない、教会に、魔に憑かれた女が連れ込まれ、その退魔の場に居合わせた時の一場面だ。]
――……そういえば……
[なぜ、そんな夢を見たのか。考え、ふとそのときの祓魔師の眸の色を思い出す。]
――……ああ、そういえば……
[先ほど、白薔薇と呼ばれる従者の名前、最初に名乗った彼の姓が、それと同じフロレスクであったと。]
何か、関連があるのでしょうか?
[それはそうと、呼ばれたドア、 ヘクターの荒太い声にも応えようと向かう。]
(291) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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……意地悪な私は、嫌いか?
[からかうように吐息混ざる笑みを送る。
彼女が己に逆らうなど、考えぬ風]
私に、見せてくれ。
お前に懸想した
哀れな男が壊れ朽ち行くさまを。
[彼女の沈む様子とは裏腹、愉しげな聲が囁き響く。
先に待つ仄暗い悦びを思い、ひとりほくそ笑む*]
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 18時頃
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おや、みなさん、お揃いで?
[グロリアが呪文を唱えた時に、偶然にもドアが開く。]
(296) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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いいえ…別に構わないのですが…。 ああ、そうですね。今は何時なのでしょうか。 この館は、そもそも時間が…。
流れているのでしょうか?
[>>298グロリアの言葉に答えながらも、チェストに腰掛けるマーゴには目を細めた。]
とりあえず、廊下で立ち話もなんです。みなさん、お入りになりますか?
[振り返ると、部屋のテーブルにティーセットが置いてある。]
この館に仕える者(影)は気が利くようで…。
(301) 2010/06/20(Sun) 18時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 18時半頃
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>>300>>302>>304
[誘いはしたものの、グロリアとヘクターはそのまま行ってしまった。]
ええと、みなさん、貴女を心配されているのですね。 どうぞ。
[気分が召さない様子のマーゴを部屋に招きいれる。 そして、ベッドに腰かけさせ、ティーセットには、自分の薬鞄から茶葉を取り出した。
数種の香草を混ぜ合わせた香草茶を淹れ、差出した。**]
(307) 2010/06/20(Sun) 18時半頃
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――…嫌いになどなれません。
知っていてそんなことを聞くなんて……
[恥じ入る聲はまるで乙女の如く]
お兄様の望みとあらば……
[静々と了承の意を兄に告げる]
薬屋 サイラスは、奏者 セシルに話の続きを促した。
2010/06/20(Sun) 21時頃
薬屋 サイラスは、良家の娘 グロリアに話の続きを促した。
2010/06/20(Sun) 21時頃
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>>324
[マーゴがカップに口をつけ、それを喜べば、素直に笑んだ。 それは普通に気分を落ち着けるための茶で、何も身体に影響するものは入ってはいない。
既に、毒に身体を蝕まれている彼女の、気分だけでも和らげればと思った。]
――……しかし、貴女の父上は、それを貴女に処方するとは……。
どういったご事情で?
[もう、指先にそれほどのスミレが咲いている状態、後戻りはできないだろうと思った。]
(331) 2010/06/20(Sun) 21時半頃
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――…違う。
私は……人間のものになんてならない。
貴方のものなんかじゃ、ない。
止めて……
私をそんな風に呼ばないで。
[想いが震える聲となり密やかに響く。
否定の言葉は無論兄に向けられたものではなく
ただ過去に縋る憐れな男へのもの]
私をそう呼んで良いのは……
お兄様だけ――…
[城主には届いている。
彼女に縋る哀れな男の声も、
痛みに揺らぐ彼女の聲も]
私のローズ
[重ねるように
男の声音を掻き消すように、囁く]
お前は私のモノ。
私の為に在る。
そうだろう?
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>>338 [マーゴの語りにはふうっと息をつき、 薬鞄を開ける。 いろいろと取り出す薬瓶。]
街の人を犠牲にできない…ですか。 ――……
[自分の娘は犠牲にする。そのように従順に育てたのだろう。 だけど……]
――……余所者が口を出すことではありませんが、貴女は、それで
よかったのですか?
[話を見るに、もうこれ以上、生贄を出さぬため、自らの娘を……生ける刺客としたのであろうが……。]
――……
[そして、薄桃の液体の入った瓶をコトリとテーブルの端に置いた。]
(344) 2010/06/20(Sun) 21時半頃
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[城主の聲にはっとする。
紡がれた綴りは同じだというのに
城主からの囁きには安堵さえ覚えた]
お兄様。
[切なく響く聲]
私はお兄様のモノ。
お兄様の為に――…
[そう繰り返しながらも
胸の痛みはなかなか消えてはくれなかった]
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>>347 [きょとりとする様子に、 眉をあげて、ほんの一瞬だけ、哀れに娘を見た。 だが、すぐにそれは柔和な笑顔に戻る。]
――……貴女がよいのであれば、それでいいのです。 過ぎたことを申し上げてしまいました。
[サクリファイス……そんな旋律が頭を過ぎる。そして、ベッドに近寄ると、飲んでいたカップにその薄桃を足す……。
茶の色は、薄茶から限りなく透明に近い薄紅にかわる。]
これは、貴女の肌がそれ以上、青くならないように、そこで止めるためのものです。あと、貴女がもう少し、楽に呼吸できるように…。
[罪滅ぼしなどではないけれど、 長くない娘に、と思ったのは事実で…。]
お役にたてればいいですね。みなさんの
[その貌は本当に白すぎる。]
(356) 2010/06/20(Sun) 22時頃
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そう、お前は私のモノ。
……私のローズ
人間に惑わされては、ならんぞ?
[囁きながらも、何処か其れすら愉しむ風に]
わかっています。
人間に惑わされなどしません。
[人間の囁きに心乱されながらも
惑わされてはいないと強く言う]
――…私を意のままに出来るのはお兄様だけ。
そう、可愛い私の薔薇。
……食事を終えたら、私の元へ来るが良い。
口直しをやろう。
[己の血を分け与える行為を仄めかす柔かな声音。
吸血鬼の本能を強める為
己の下へ縛り付けておく為
今一度、あの極上の悦楽を共にと誘った]
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>>363
[微笑み、それを飲み干す娘。 彼女の今までの歩みとは、どれほどのものだったのだろうかと、しばし考える。
まだ生娘に見える。 美しさとあどけなさは、きっとまだ恋など知らぬのだろうとも。
今まで、たくさんの人にあって、 その中でも、恋も知らず、死ぬことを嘆いて、それでも命繋ぎ止められず、逝ってしまった姿を幾人かは見た。]
(371) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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――……少し、横になられるといい。 眠くなったら、眠っていてもいいのですよ。
[飲み終えたカップを取り、テーブルに戻す。 薬の効用は、いくばくかして出るだろう。
いずれにしろ、休むことが今の彼女には大事な気がした。
それと、一つ、悩む。 その身体、確かに人は死に追い込むであろう。 だが、吸血鬼にはどうなのか。試したことはない。 こればかりは……。
そう考えている顔は、少し、神妙になる。]
(372) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、長老の孫 マーゴの手が、想像以上に冷たいことに眉を寄せた。
2010/06/20(Sun) 22時半頃
――…嗚呼。
[仄めかされたその行為は女の望むもの。
込み上げる歓喜が女の聲を切なく震わせる]
記者と黒薔薇が傍におりますが……
滞りなく成し遂げてみせましょう。
愛しいお兄様のために。
黒薔薇か……あれは、
我等の食事を見る時
なんとも言えぬ顔をする。
[愉しげに笑い、何の問題も無いと囁く]
記者が居たとして、従者は何の為に居るのか
上手く使うと良い
愛しい――…私のローズ。
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>>385
ええ、おやすみなさい。 大丈夫、みていてあげます。
[マーゴがそのままベッドに潜り込む際は背中を向け、薬瓶を片付け、変わりに、香を一本、燭台にたて、火を点ける。 やがて、紫の花がそよぐ香りが部屋を満たす。
振り返り、目蓋を閉じた娘の横に腰掛け、その褐色の髪の乱れを直した。]
――……残酷、とは、こういうことを
いうかと思います。
[その声が聞こえているかどうかはわからない。 ただ、素直な感想として出た。]
(394) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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折角だから黒薔薇にも見せてあげましょうか。
私の食事を――…
本当に気のまわる従者ね。
命じる必要がないくらいに……
嗚呼、少しだけ憎らしいこと。
[憎らしいといいながら
それは愉しそうに呟かれて]
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[そう、もしかすると、罪悪感、というものかもしれない。
今まで、割り切って、薬を売買してきた。 それが毒薬であろうとも、
だが、その結果と再びめぐり合うことはそう、ない。 それと、こんな囚われの城の中だからだろうか。
この娘の最期は看取るべきなのかと、 そんなことも思い始めていた。]
(398) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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