132 lapis ad die post cras
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私と玖休は、同じで違う
[ミニ参休の説明は、あまり役に立たない。
ふりまわされたことなんて気にもとめていない、涼しい顔で
アシモフの尻尾を狙っている]
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―木陰―
[触れていた円盤から耳が見えた。 この装飾が"生きて"いることを、改めて自覚する。 八並の目と寄生種の関係に気づいたのは、その言葉を耳にしてから暫く経っての事だった。]
……光、を…。
[欠けたものを、『ティソ』が補っているのか。 つまり、『ティソ』を自分に寄生させれば、この青年は再び盲いてしまう可能性が高い。 現状、共存関係が上手くいっている所に水を差す形となってしまうのだ。
青年は、涙を堪えているようだった。]
(209) presage 2013/08/06(Tue) 01時半頃
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……ええ、私は。 当時、寄生される事を厭っておりました。 『ティソ』の生死に関わる事柄だったのに、見て見ぬふりをしていた。
今更虫の良い話なのは承知の上です。 それに、……貴方から『光』を奪う心算も無い…、
[けれど。諦める事が出来ず、言葉を詰まらせ。 聞いているのかは解らないけれど。 触れた円盤を、そっと撫でて語り掛けた。
涙しているのは八並なのに、『ティソ』が泣いているような気がして]
『ティソ』、貴方はそれで良いのですか…? これで、幸福ですか?
(210) presage 2013/08/06(Tue) 01時半頃
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[『ティソ』がティソに寄生していた頃の自分は、ティソを上から見下ろすかの如く構えていたようにも思えた。 時に従順で愛らしく、時に生意気で子供ぽさの残るティソ。 自分は、彼に惹かれていた瞬間が確かに在ったのだ。
この円盤が、愛らしく耳を震わせる生命体がその証であるのなら、彼を受け入れる事で彼も『愛したい』―――…
そう、感じ]
『ティソ』……、
[八並の言葉は右から左へ凪いでいく。 淋しそうな鳴声こそが、答えのような気がして… 八並を真っ直ぐに見据え]
(212) presage 2013/08/06(Tue) 02時頃
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貴方には、申し訳無いと思っています。 出来うる限りの礼は尽くす、心算です。 ですが……
[意を、決した。 "ヒトを傷付ける事が怖いから自分を騙す"のはもう、止めたのだ。
円盤に触れていた指を表に返す。 この手を取り、ついて来て欲しいとの意を]
『ティソ』……、おいで。 私と、ティソと共に、―――…生きて、欲しい。
(213) presage 2013/08/06(Tue) 02時頃
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[力強い鳴き声が界隈へ伝い、咄嗟に八並の背へ腕を回した。 八並の頭部から剥がれた『ティソ』の長い牙を、じっと見つめる。
アレが頭部に突き刺さり、脳を共有する――― 以前ならば間違いなく「おぞましい」と感じていただろう。 けれど、今は。]
……『ティソ』、ありがとう。 少し、待っていてくださいね。
[彼を片手に乗せたまま、反対の手で透過スクリーンを起動し。 宇宙開発センターの所長へ文字通信を送り、センターの紹介状を発行して貰い]
……償いになるのかは解りませんが、―――…、
[八並を木の幹へ寄り掛かるように横たえ、その手に紹介状入りの電子チップを握らせる。 界隈一の医療技術を誇る宇宙センターで、手術費用はトルドヴィン持ちで目の手術を受ける事が出来るだろう。]
(216) presage 2013/08/06(Tue) 03時頃
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[気を失う八並へ一方的に別れを告げ、『ティソ』と共に車へ戻る。
助手席のティソは疲れて眠っていただろうか。その唇へそっとくちづけを落とし]
私は、私ではなくなるのですかね…、『ティソ』。
いいえ、きっと…、貴方とティソと溶けて混ざり 新たな私になるだけ。……そう、信じています。
[掌のティソを掲げるように、自分の頭部へ導いた。
ラッシード、ティソ、八並。間にジェームスを挟んでいた事は気づいていないが、彼らのように、頭部へ寄生してくれと、瞼を瞑って『ティソ』を誘い]
(217) presage 2013/08/06(Tue) 03時頃
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[ほんの少しだけ、怖かった。 ティソや『ティソ』を、パラディソの皆を忘れてしまったら…
けれど、『ティソ』は既に自分の一部同然だった。 頭部に、ふわりと軽い感触が伝い――ほんの少しばかり、ずきりと痛みが走ったのは、一瞬の事。
『ティソ』のこと。 ラッシードのこと。 ティソのこと。 八並のこと。
それから、ジェームスの腕に寄生した事実。 (腕だった所為か、彼らの動向や思考は残っていなかった)
走馬灯のように情報が流れ込んで来る。]
(220) presage 2013/08/06(Tue) 03時半頃
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[閉ざした瞼を持ち上げる。
隣には、眠る愛しいティソが居た。
頭部に、特に違和感も感じなくて不安になり 円盤を探す。中央から僅かにそれた右側に、『彼』は居た。]
「『ティソ』、居ますか?」
『居ルヨ デモ少シ 眠ラセテ』
[意思の疎通が叶い、ほっと安堵する。 眠るティソの肩へ腕を回して、強く彼を抱き締めた。
嬉しくて、眦に熱いものが込み上げる。 涙脆いところも、如何やら共有してしまったようだ。]
(221) presage 2013/08/06(Tue) 03時半頃
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[ぽろり、眦から溢れた雫が肌を伝いティソの頬を僅かに濡らした。
己の腕の中でちょうど目覚めてしまったティソが、驚いたように此方を見遣る。]
……お待たせしました、ティソ。 ああ、これは…、 嬉しくて、出てしまったのですよ。
[彼に落ちた雫を拭いながら、涙の理由を語り。
彼には、『ティソ』を如何説明したら解り易いのだろうか。 モナリザやエスペラントのように、ケーブルを接続して情報共有する事が出来たら良いのに、等とらしくない思考が横切った矢先、鼻腔がむずむずし]
―――…っ、…ックシュン!
[ティソに向けぬよう顔を背けてくしゃみを、ひとつ。 その瞬間、ずるりと己の影が伸び、人型を模した。]
(222) presage 2013/08/06(Tue) 04時半頃
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……ッ!?
[黒い影は間髪居れずに、ヒューマンの男の姿へ変化した。 緩いウェーブの金色の髪。翡翠色の眸。 頭部に、円盤状の装飾―――…]
『ああ、成程。』 「ティソも、くしゃみで変化してましたね」
[あちらのトルドヴィンも、状況を理解は出来ているようだった。 ちゃっかりと助手席を乗っ取り、その上にティソの躯を抱いている。
姿形も、意識も二分した、自分の姿。 "双子"は己にとって特別なものであるからか、 それとも単純に、]
(223) presage 2013/08/06(Tue) 04時半頃
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「『二人居ればティソをより愛する事が出来ますからね』」
(224) presage 2013/08/06(Tue) 04時半頃
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[涙の痕が消えていく。 自分が流したものなのか、『ティソ』が流したものなのか 境目も曖昧なくらい、綺麗に融合できている。
車を走らせながらティソへこれまでの説明を行う。 抱きかかえている影は何も語らず、ただ静かにティソの躯へ触れていた。
故に、常よりも安心して話を聞いてくれているのか――…寄生されていた事実への衝撃は薄そうだった。]
良かった。 記憶の抜け落ちた期間の話、ティソにとっては辛いだけかと思ってもいたのです。
…けれど、あの期間のティソも貴方の一部…、ですしね。
[『ティソ』が耳を伸ばして喜んでいるのがわかる。 ハンドルを握ったまま、ほんの少し躯を斜めに倒して『ティソ』をティソに近づけた。]
『きゅっぷる!』
[愛らしい鳴声に己も影も、思わず頬が綻んだ]
(236) presage 2013/08/06(Tue) 15時頃
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― 金色の草原を前に ―
[やがて、前方に光輝く草原を見止める。 空までも金色に染めてしまいそうな見事なグラデーションを 車を停めて、暫し見遣り… 視線はティソへと凪がれ]
ティソ、私はパラディソに乗れて幸運でした。 貴方に出会い、ひとを愛することの喜びを知った。
もうきっと… 独りでは、生きられない。
[ティソの頬をそっと撫ぜる。 背後の影はティソを抱き締めたまま、 瞼を伏せて頬擦りした。]
(237) presage 2013/08/06(Tue) 15時頃
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「死が、我々を別つまで」 『いいえ、死してもなお永遠に。』
「『私と、生きてください。 ―――…愛しています。』」
[同時に頬へくちづけ、まるで取りあうようにキスを重ね。 影と一瞬顔を見合わせ、 どちらからともなくくしゃみをひとつ。
ひとりの姿になってから改めて、 ティソへ深いくちづけを送る。
幸福の余韻を引き連れたままやがて 二人の姿は金色の草原へと溶けていくだろう―――…*]
(238) presage 2013/08/06(Tue) 15時頃
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トルドヴィンは、血を吐いて倒れた。ひでぶ。
presage 2013/08/06(Tue) 15時半頃
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― 記念日 ―
[心地良い疲れが充足感を与えてくれる。 己にとって何よりもの幸福の象徴が、 悪戯な微笑みで此方を覗き込んでいる。
未だ夢の中なのではと、ぼんやりとした思考を懸命に働かせた。 紡がれる言葉までもが夢のようだ。
恋しい。 ―――…愛しい。
ただひとつの宝物へと、両腕を伸ばす。]
……私も、大好きですよ。 あの頃よりも、もっとずっと。
……私を、愛してくれてありがとう。 とても、―――…幸せ、です。
(271) presage 2013/08/07(Wed) 00時頃
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[どれだけ時が経過しようとも
いかなる困難に見舞われようとも
変わらずに、貴方だけを愛している。]**
(272) presage 2013/08/07(Wed) 00時頃
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