64 色取月の神隠し
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ん。なら、鏡のことは辰サンに任せるとしようか。
……って、何だい、妙に嬉しそうじゃないか。
何ぞ、良いことでもあったのかい?
[嬉しそうな色を滲ませた、龍笛の囁きに訝しげに首を傾げる]
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[よくある不幸な出来事を喩えて神隠しと呼ぶこともある。 芙蓉の言うのはその類だろうと納得して、小さく頷く。>>48 彼女の問い、そして藤之助の問いには、暫く沈黙した。]
………
“全く怖くないかと言えば嘘になる よ でも、神様もそうじゃないものも、ひとにとってとても身近な存在だから 悪いものじゃないって、思ってるところがあって”
[呆れられたこともあった、と僅かに苦笑した]
(53) 2011/09/19(Mon) 01時半頃
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“だから、あとは当人のはなし。 こころから望んだことなら 止めない”
[悲しくとも、寂しくとも。 祖父もそうしたのだから。]
“背を押したいって 思ってる。 親兄弟… ん、もうずっと前から居ないから 血縁と友達とが違うかと言われると分からないな” [居たら何か違ったのだろうかと自問するけれど、 今のままの自分であれば答えは変わらないとも思う。]
(54) 2011/09/19(Mon) 01時半頃
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“心残りがあるのなら―――”
[もしくは、強い気持ちでそのひとを呼ぶひとが居るのなら。 飴色の櫛を取り出して、指先で撫ぜる。]
“呼びかけて 手を伸ばしてみるだけ。 もう一度、此方側に呼び戻せるように”
[元より対抗する気もなければ、そんな力は持たないのだと。 奇跡を願うかのような、神頼みのような力だと改めて知れば、 言って恥かしくなったか、枝先で土をとん、と叩く仕草。]
“また 変な話してるけど…… 祈りみたいなもの、かもしれない。 力があるかも なんて言っても、御大層なものじゃないの”
(56) 2011/09/19(Mon) 01時半頃
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ん?ま……まあな!
[隠しきれないが、隠そうとするのは。
この鵺、女誑しっぽいからあんまり近づけたくないという、男の警戒心だったりした。]
それじゃ、先に戻ることになりそうだが、そっちも気をつけてな。
ま、お前らは力が強いから、あんまり心配はしてねえけど。
あぁ、辰サンのお気に入りを里に連れて行く算段が立ったってわけかい。
[龍笛の言葉から導き出される結論は一つ]
何だよ、水臭いなぁ。
あんだけ自慢していた別嬪さんってのを、拝んで見たかったってのに。
……そうかい、そうかい。
それならせいぜい、お志乃に揶揄われるがいいさ。
[自分の女に手を出されることを警戒されているとは、思いもよらない]
ありがとよ。
ま、別嬪さんと仲良くやりな。
[隠世に戻る同胞に、餞の言葉を送る]
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“ありえない ”
………。
[語尾を上げるよう首を傾げ、すうと瞳を細める。 それでは祖父の手記と食い違う。 藤之助の言葉も尤もではあるけれど、戻らぬという確信めいた口調には、視線も自然、問うように。]
“まだ試したことが無いからね。 言うだけなら減らないよ”
[端正な顔に不敵な笑みが浮かぶのを見詰めながら、 対照的に柔らかな微笑を湛え、櫛を元ある場所へと戻した。]
(62) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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お、おう!
実は……そうなんだ。
照れるからつい、隠しておきそうになったけど、さ。
ん、戻ってきたら藤にも紹介するさ。
[ただし自分とゆりが一緒にいる時だけに限る。]
じゃあな、残り僅かだが、二人とも祭りを楽しめよ。
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[そうして、たまこへと視線を移した。 余りにも唐突な話に、友人はどんな顔をしていただろうか。 ごめんねと言うように、両手を合わせて口元に留め。]
“たまこちゃんも 何か言いかけてたけど 聞いても大丈夫、かな”
[何かあったのか、という問いの続き。 此処で問うて良いのかどうか、覗き込むように窺い見ながらそっとたまこの前に文字を刻む。]
(64) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 02時半頃
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“もし叶うとしても、 神様の思惑に反することだから…そうかもしれない”
[異界の道を神や妖の方法以外で開いたとして、 何が起きるかまでは教えてくれなかった。 静かな声を返し、少しの沈黙。]
“藤之助さんの話し方 …… 何だか、自分のことみたいに聞こえる ”
[たまこに向けられていた視線は再び藤之助へと。 是までの会話を指折りながら覗き込む瞳は、底知れぬ黒。]
(66) 2011/09/19(Mon) 03時頃
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“邪魔をしよう、とか そんな風には取らなかったけど。 そうじゃなくて…… 愉しそう、かな。 ん 上手く言い表せないけど ”
[人の力を超えた処に居る者が、持たぬ者を眺めるような気配。]
………
[合わせた瞳、その黒の中に飲み込まれて仕舞わぬよう、ひたりと据えたまま覗き込む。 感情を読み取らせぬ声が、表情が、其処に潜む何かの気配を覆い隠しているよう。]
“ふしぎなひと。 本当の藤之助さんは、何処に居るの ”
[随分と長く押し黙った後、 問いとも付かぬ言葉をぽつりと零した。]
(71) 2011/09/19(Mon) 04時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 04時頃
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[自分の不安を払拭するかのように大きくたまこがかぶりを振る。 目尻を擦る仕草を見れば、案じるように友を見詰めた。>>72]
“見た――― たまこちゃん も ”
?
"雷門様では、なかったんだ。"
[思わぬ言葉に双眸を見開く。>>73 たまこは何を見たのだろうか。神でないものを見極められるのだろうか。 あやかし、その単語を唇の形だけで繰り返して、たまこの言葉に聞き入った。]
(76) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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(……あ)
[信じる。そう書き添えられた文字。>>75 たまこの傍に一歩近付いたのは無意識。 非日常な出来事の中で、彼女の存在がどれほど心強かったか。]
“ありがと… たまこちゃん。”
[新しく書き添える言葉は、 何時でも味方になってくれた友達に向けて。]
(78) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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日向は、たまこに“勿論”と頷いて、話に聞き入っている。
2011/09/19(Mon) 05時頃
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“つくもがみ…… 付喪神、九十九神。 揚羽さん 霊力”
[たまこの言葉を整理するよう、紡がれた単語を 音も立てずゆっくりと足元に並べてゆく。
たまこは簪、自分は櫛。 似た物が霊力を宿すのは、偶然なのだろうか。 たまこの力が気配を感じる物だと知れば、なるほどと得心したように小さく頷いた。]
(86) 2011/09/19(Mon) 06時頃
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[たまこが消えた者たちの名を挙げてゆく。 ひとりめ、ふたりめ、さんにんめ、よにんめ、ごにん……徐々に瞳は細くなり、仕舞いには伏せられた。]
“うん。 やっと分かった 私が聞いた声は、確かに皆のもの だったって。”
[一人一人を思い浮かべて、たまこへと向き直る。 仁右衛門に感じた気配が他の者と違ったことには、首を振る。 暫し過去に思いを馳せるよう宙を眺めるけれど、自信がない。]
“先生が、ひとりで、ふたつ…… どういうことかな。 うん あの頃は難しくて分からなかったけど、何となく覚えがあるよ。色んな本が並んでた。 先生は あやかしの何を研究していたんだろう、ね”
[たまこの視線を受けたなら、言わんとしていることを察し、大丈夫だよと微笑する。>>82]
(87) 2011/09/19(Mon) 06時頃
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“一平ちゃん―――”
[最後に消えた者の名に、思わず息を呑んだ。 菊屋の屋台を訪ねた時のたまこの表情の理由はこれであったのかと。 へいさらばさら。幾度か土をなぞって]
“明之 進さん、かな その人のことは私、知らないのだけど。 おしろい、か。何だか可愛いあやかしだね。 そう あれ、一平ちゃん、だったんだ……”
[広い好奇心と知識を持つ一平太のこと、たまこの言う通り興味の赴くままに向かったかも知れない。 しかし、奏でる声音が他のものと違って感じられたのは、たまこを護ろうという意志の残滓か―――とも。]
(88) 2011/09/19(Mon) 06時頃
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[暫くの間、たまこを見詰めていた。 着物を握る手の強さからその胸中を推し量る。 ならば、友としてすべきことはひとつ。] “自分勝手なんて、思わないよ”
………。
“たまこちゃん。 どれだけ出来るかは分からない、けど。 その気持ちと力、貸してくれるかな。声、掛けてみる”
[取り出した柘植の櫛は、飴色から白色へと転じている。 すう、と息を吸って瞳を閉じた。 声を掛ける、自らの表現が可笑しいが、文字通り。 現世と隠世を繋ぐ道の上では、この喉は音を取り戻しているのだから**]
(89) 2011/09/19(Mon) 06時半頃
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日向は、直前の問いには“名前を思い出したことは伝えないと勿体無いかもね”と、少し笑った**
2011/09/19(Mon) 06時半頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 06時半頃
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