17 吸血鬼の城
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そう、可愛い私の薔薇。
……食事を終えたら、私の元へ来るが良い。
口直しをやろう。
[己の血を分け与える行為を仄めかす柔かな声音。
吸血鬼の本能を強める為
己の下へ縛り付けておく為
今一度、あの極上の悦楽を共にと誘った]
――…嗚呼。
[仄めかされたその行為は女の望むもの。
込み上げる歓喜が女の聲を切なく震わせる]
記者と黒薔薇が傍におりますが……
滞りなく成し遂げてみせましょう。
愛しいお兄様のために。
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─???:いつかの時─
『……綺麗だろう?』
[夢の中。兄が嬉しそうに微笑みます。]
『綺麗な薔薇だろう?』
[白い薔薇。亜麻色の髪の乙女。銀の羽根。]
『──…私のローズ。』
[愛しげに呼びかける声。]
(374) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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─城内:サイモンの部屋付近廊下─
『皆様の無事を───…』
[マーゴットの祈りの声は、宴の華やかさにも似つかわしくなく、どこか不安げに響いたものでした。>>179
──無事。 その言葉が、兄の警告にも重なって響きます。
逃げろ、逃げろ…と。 切羽詰った声、けれども自らは決して逃げようとはしない、兄の漆黒の瞳に浮かんだ決意。それらが全て、胸騒ぎを書き立てるのです。]
お兄さま……。
[気がつけば、わたくしは兄の部屋への道を急いでいました。]
(375) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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黒薔薇か……あれは、
我等の食事を見る時
なんとも言えぬ顔をする。
[愉しげに笑い、何の問題も無いと囁く]
記者が居たとして、従者は何の為に居るのか
上手く使うと良い
愛しい――…私のローズ。
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─城内:サイモンの部屋付近廊下─
サイモンお兄……あっ。
[兄の部屋の前。 しんと静かなその部屋の前、開いた扉の丁度廊下との境目近くに、一人の人影が見えています。>>367 石のお城の黒き薔薇。
従者の背に、足を速めて兄の部屋の前へと向かうのでした。]
ロビン…ですか? サイモンお兄さまが、どうかしまして?
[兄の姿は、ついぞ白薔薇の間に現れませんでした。 或いはそれを咎められるのかと、声が不安に揺れるのです。]
(389) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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折角だから黒薔薇にも見せてあげましょうか。
私の食事を――…
本当に気のまわる従者ね。
命じる必要がないくらいに……
嗚呼、少しだけ憎らしいこと。
[憎らしいといいながら
それは愉しそうに呟かれて]
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────っ!?
[イアンの声が、兄の部屋の中から響きます。 ひどく切迫したその響きに、部屋へと駆け寄り開いた扉へと駆け寄りました。 そこに見えた光景は───]
…サイモン兄さま?
[陶然とした漆黒の瞳を、麗しき翡翠へと向ける兄の姿。 息を呑んだように、立ち竦むイアンの姿。 彼を制するように鋭い視線を向ける、「黒薔薇」の姿。
──そして。]
……マリーねえさま……っ!!!
[兄に腕を投げかけ、嫣然と微笑むローズマリーの姿。]
(402) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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