情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
………ごめ、 っ ン
[なんとなく怒られたような気がして、謝罪を口にしたが、
唇をふさがれて最後まで言いきれない。
突然の口付けに驚いて身を引こうとしても身動きが取れず。]
、は……マド、 カ
[割って入る舌を拒めずに、そのまま舌を受け入れる。
酔いも手伝ってか、咥内をまさぐる感覚にじんと体が疼いた。]
ぁ、何を、いきなり、……………っ
[突然の事に理解は追いつかない。
潤んだ瞳はマドカだけをしっかりと捕らえた。
そこにはいつものマドカではなく、獣の目をしたマドカがいて
…は知らない顔に息を飲んだ]
[
降りてくる唇をそっと受け止めて、
押し込まれた舌をべろりと舐め返した。
久しぶりに誰かとする深いキスは気持ちよくて、
離れてゆく舌を追いかけるように
トレイルのいなくなった口から舌がベ、っと出る。]
そりゃー、トレイルがトマトにするから。
[多分俺の所為じゃない。]
でも気持ちイイな、もっかいしたい。
わりぃ……。
でもさ、ヴェスパが誘うからさ……。
[潤んだ瞳にぞくぞくとする。
もっと泣かせたいと、男としての征服欲を刺激されて
もう一度深く、口内をねとりと舌でまさぐるように口付けた]
なあ、ヴェスパ…。
オレのこと……きらい?
[囁く声に熱が籠る]
お前が欲しいんだ……ヴェスパ…。
誘ったつもりなんか……ふ、
[再び口を塞がれ、まさぐる舌から逃げるように自身の舌を
奥へと引っ込めるがすぐに絡め取られてしまっただろう。]
別に、きらいではないけど、
[好きか嫌いかでわければ好きなほうだが、
このように愛欲を伴うものではなかった、はずで。
欲しいと言われてもどうしたら良いのかわからず、
視線を彷徨わせて、縋り付く様にマドカの袖口を掴んだ。]
誘ってるよ。
スゲー食べたいって、今のヴェスパ見てると思うもん。
オレ、にくしょくじゅうだからさ。
[低く笑って、
カウンターの方からは隠れるようにして、何度も交わすくちづけ]
嫌いじゃないならさ、オレのものになってよ。
痛いことしないし、キモチイイことしかしないからさ。
[袖口をつかむ手を取り、指を絡ませる。
自分の体温が高いのか、ヴェスパタインの指はひやりとしていて。
石膏像のように綺麗で、触れているだけで心地良い。
この店で誰かを口説くのは初めてだったから、指が微かに震えていたけれど。
それがバレても構わないくらいに、この心地よい手を離す気にはなれなかった]
―少し前・サミュエルと
トマトが好物だって言ってたじゃない。
久しぶりにサミーと会えたんだから、
好きなものをあげたいと思うのは、普通でしょ。
[アルコールを冷ますためにトマト、
という本線は、流石に本人には言えない。
このままだと責任の押し付け合いになりそう。]
僕は、トマトもサミーもすきだよ。
[そう呟いて、もう一度唇を重ねる。
だが、アルバイトの分際で―…
流石に店主の前で堂々と「遊ぶ」訳にいかないので
二回目のキスは、唇を合わせるだけ。]
……にくしょくじゅうって、そういう、
[目の当たりにした姿に、ようやく理解する。
深くは考えられないほどアルコールが回っていたのか、
少し前に疑問視してた男同士云々はどうでも良く]
……なら…俺を飼う?
[あいしてくれるなら、構わない。
小さく続けて、絡まる手に視線を移す。
マドカの手は温かくて心地よい。
震える手は自分が酔っている所為だと思い、
ぎゅっとマドカの手を握った]
………僕「は」、もっとしたいな。
[控えめな口調だけれど、彼の耳元ではっきりと囁く。
アイスクリームも食べさせてあげたかったけれど、
ベネットもライジも居るし、客同士の交流も楽しんで欲しい。
という考えと、別の考えが同時に浮上する。
でも、客側としてカウンター席に座るのは、
やはり例外な事だから、長居は躊躇われた。]
[ぎゅっと握り返される手に唇を寄せて、
石膏像のような綺麗な手の甲をぺろりと舐める]
いいよ。
オレのものになるんなら――…
[首輪でも付けて、オレだけのものにしてやるよ、と。
欲にぎらつく目が雄弁に語る]
俺が犬なら、ヴェスパはうさぎだな。
[人恋しさに飢えているような、そんなイメージ。
もちろんうさぎが昔から狼の獲物になる運命なのは、
口にしないけれど、ね?**]
そりゃーね、好きだよトマト。
けど、……んー。
[
などとすっかりアルコールの抜けた頭で考えるのは
少しばかりらしくないこと。
久しぶりにトレイルに会ったからだからと言い訳した。]
好きじゃなきゃ強請らねーよ。
[軽く合わさる唇、直ぐに離れてしまったから
自分で唇をふにふに触って寂しさを紛らわせる。]
[
少しだけ目を見開いて、でも直ぐに伏せる。]
トレイル、俺やっぱ酔ったのかも。
[きっと嘘だって気づくだろう言葉を最後に
食べかけのアイスはそのままに、
カウンターにくてんと伏せた。
まるで気分は自らを餌に狩りをする動物のようだ。]
……、っ
[ぺろりと舐められて、ビクリと震える。
酒とキスのせいで、妙に肌への刺激に過敏になっているようで。]
ん…・…、うさぎは寂しいと死ぬって言うからな。
……俺も一人だとさみしくて、しぬ。
[うさぎは性欲が強いという話も思い出し、
それなら自他ともに認めるにくしょくじゅうのマドカの方にも
案外当てはまるのではと、思うだけ。
マドカの頭に手を伸ばし、そのまま引き寄せて自分から口付けた]
[
ゴディバのチョコレートリキュールも沈んでしまうだろう。
食べれない形になるだけで、啜れないわけではないが、
やはり美味しいものは美味しい状態で食べるべきなのだ。
…さて、マスターから早上がりして良いと言われたけれど。]
酔っ払っちゃった?
外の景色が見える席に移動しようか。
俯向くと、もっとしんどいと思うし。
[乗り物酔いじゃないから、風景なんて関係ないのだけど。
そして、彼が酔っていない事も、知っている。]
[アイスはすごく美味しいし罪もないのだけど、
今はそんな気分ではなくなってしまって。
例えば飼い主があーんしてくれるんなら
完食はしてしまうかもしれないが。]
んー。……うん。
ちょっとふらふらする、かな。
[奥にも席があるのは知っていたけれど
利用したことは無くて。]
あっち?俺、はじめて。
[なんだか違う意味にも取れそうだったが、
俺は今酔っぱらいなので深く考えない。]
おいで、サミー。
.
――トレイルになら、飼われてみたいな。
[
猫だって犬のように甘えたくなる。
その場合マロンと取り合いになってしまうかもしれない。
……どうしよう。]
[
もしかして本気で具合が悪いのだろうかと心配になる。
基本的には、人の言うことを疑える性分では無かった。]
そう…、立てる?
[
はじめて…、
ああ、あの席は元々の箱に着いてた感じなんだよね。
男二人で座りたがるお客さんもそんなに居ないから、
だから、常連さんでも滅多に気づかないかな。
[一瞬、別の方向に勘違いしたのは内緒。
一番都合が良いのは、カウンターから死角になる事。
ボックスシートにも背が向く形にはなるのだけれど、
場合によっては、こっちからだと悟られるかもな。
ちょっとイチャつく程度なら背凭れが隠してくれるが、
動き的な意味で暴れたら、視界には入りそう。]
へーき、歩ける。
[
マスターもそのつもりなのだろうか。
聞くのも怖いし深く考えないことにしておいた。]
そーなんだ、秘密基地みたい。
[特別な場所を教えてもらった気分になる。
その一人目じゃないとしても、まあ仕方ない。]
[秘密基地
ちょっと半個室的な感覚はするから。
別にカーテンなどがあるわけじゃ無いのだけれど。]
でしょ? じゃー秘密基地に名前つける?
[
……僕がべたべたに可愛がるタイプなの、
サミーは、わかるって言ってたよね。
[少し前にした話
だからね。
僕に飼われちゃうと、鬱陶しく感じるかもよ。
[くっついていても怒られないから、
気を良くしてさらに狭いシートの中で身を寄せる。
今までで一番近い距離にトレイルがいる。]
アイス、食べさせて。
[溶け始めているそれを横目におねだりの鳴き声。]
は…、 ぁン……ん
[深い口付けを交わしてるあいだ、
ちらりと視界の端に映るのはマドカが持ってきてくれたカクテル。
テーブルの上におかれたそれはすっかり結露して、水溜りを作っていた。
ああ、もったいない。]
ふっ マドカ、
[マドカの体を押しても、捕食されているようなキスは
すぐには止まなかっただろう。
マドカが離れた後、…は上がる息を整えながら
緩慢な動作で起き上がる]
…大丈夫だったんだ。
本気で具合悪そうな感じだったから、半分本気にしたよ。
サミーって演技が上手なひとなんだ。
[
スプーンで茶色のリキュールが溢れない様にしながら、
バニラアイスを掬い、サミュエルの口元へ。]
ん、あーん。
[スプーンの持ち手先端には、アリスのチェシャ猫が居る。
ピンクとパープルの、アレ。
確か、誰かのお土産だった気がするけれど。]
[マドカへとグラスを差し出すが、
少し考え直してグラスを取られる前に腕を引く。
くい、と呷って含ませたあと、
マドカの襟元を掴んでそのまま口付けた。
口の端からこぼれたかも知れないが、少しくらいは気にしない]**
[貪るようなキスに夢中になる。
唾液が混じり合う音が耳に聞こえて、それすらも熱を煽って欲が滾る。
このままやっちゃってもいいかな?いいともーなんて頭の中で考えてたら、
不意に差し出されたグラスに中断されるキス。
おあずけさせられる犬みたいに不服そうに唇をふくらませれば]
……ちょ、ん、ぅん?
[再び唇を塞がれ、流し込まれるアルコール。
こくこくと喉を鳴らして熱いそれを嚥下しながら]
口移しとか……エロ。
も、いっかい……。
[顎を伝う液体を指で拭いながら、甘いくちづけを強請った**]
秘密基地って、名前つけるもん?
[
何がいいんだろう。服装同様センスはあまりないと思う。]
溺愛してくれるんでしょ、だから……
飼われたいって言った。
[べたべたされるのが嫌なわけではない、
ただその相手が極端に少ないだけで。]
演技、どーだろ。
ふわふわしてるのはほんと。
[
大げさにしているつもりもなかった。]
ア、……ん。
[運ばれるアイスを口に入れる、
チョコとバニラが交じり合って喉へとするりと落ちる。
食べ終えるまで何度も同じように強請ったり、
途中でトレイルの唇へ舌を伸ばしたり。]
この猫は……、
あんまりかわいくないな、ふてぶてしくて。
[スプーンの先っちょでニタニタしている猫への感想。]
うん、この秘密基地に「名前」がある事が、
「僕達だけの秘密」になるからね。
[漏らさない限り、誰も知らない。]
「ワンダーランド」にしようか。
此処――。
このシートを知らずに来たサミーは、
アリスみたいじゃない?
[窓の隙間に手を入れ、電飾のコードを手繰りスイッチを入れた。
円筒内部にカラーセロハンが張られた電球が、ぴかぴか光る。
窓の外の世界の色が、照らす電気で違う色になった。]
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