199 Halloween † rose
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……愛してるわ、シーシャ
(@35) heinrich 2014/11/02(Sun) 02時頃
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[顔の前に人差し指。]
この魂使ってもう一回生物として――寿命も姿もただの猫として生きるか
[今度は中指を伸ばした]
コイツを魔力に還元して、寿命も生態もただの猫じゃねぇ――軽く魔物として生きるか。
[以前、他の下等妖魔から聞いた話は、契約を解除しても、まだ多少の魔力は残る、契約者である人間が置いて死ぬまで、ずっと傍にいられるというもの。
けれど実際には、若干の違いがあった。
その妖魔が、また別な契約形態だったのか、それとも、魔として生きることに躊躇いがなかったのか……今更、知ることなど出来はしないが。]
ボス、おれは………
[悪魔との契約を破棄するということは、思っていたより、ずっとずっと、重い事柄だった。
けれど、決断に、そう時間を有することはなかった。]
おれ、ただの黒猫に戻るよ。
[たとえ、どんな永い時を得たとしても、その先にあるものが永遠の別れであるならば、そんなものに意味はない。
ならば、たとえ短い時であっても傍にいて、いつの日かまた、巡り会うことが出来るなら……]
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[>>156 闇の色が濃くなった。 現し世はさらに遠く、輪廻の光も届かぬ奥へ。
魔に堕ちる。そのことの意味を肌で感じる。 人の身にはおそらく“嫌悪”として映る物。 真っ黒になるまで煮詰めた、混沌と誘惑の香り。
愛しい腕に抱かれて嗅ぐ闇の、なんと芳しいことか]
……ンッ
[また何か言おうとした唇を、自分から迎えに行った。 問答の時間も惜しんで、互いに求めあう口付け。
そして異変はすぐさま訪れる。 舌に絡み喉を焼き、裡へと辿りついた熱の塊。 業火に内側から身を焼かれ、存在を塗り替えられる]
(@36) heinrich 2014/11/02(Sun) 04時頃
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ぁ……っ、 く
[苦鳴が喉の奥から漏れる。 立てなくなりそうな惑乱の中、シーシャの背を掻き抱いた。
もっと、もっと。 ねだる眼差しは浅ましく、とろりと溶けた糖蜜のように。 理性は炎で焼き切れて、ただ“快”を、自分にとっての一番の愉悦を求めて泣いて]
シーシャ……、
[炎は全てを焼き尽くし、ようやっと鎮まった。くったりと腕の中に崩れ落ちれば、額にも首筋にも汗が浮いて、まだ頭がぼんやりする]
あぁ……、まだドキドキしてる。
[強烈な炎の余韻を身の内に感じながら、小さく笑うとシーシャの頬に手を伸ばした]
(@37) heinrich 2014/11/02(Sun) 04時半頃
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[額を拭う手の優しさと、覗く眼差しの苛烈さと。ゆらめくふたつの色に心が翻弄される。 腰を抱き寄せられて、体の奥が深く疼いた]
アタシだってね、ずっとお預けされてたんだから、
[頬撫でる指は口元へと辿り着き、シーシャの薄く形良い唇をなぞる]
もう、我慢なんてできないの。
[情欲の色に染まる瞳で、ゆうるりと笑って見せて]
(@38) heinrich 2014/11/02(Sun) 06時頃
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[名を問う声に、小さく瞬く。 もうずっと長く“華月斎”であったから、その前の名は手付かずの姿で眠らせていた。 必要とされることのなかった、その名前]
ちょっと、恥ずかしいわね。
[あんな口づけを交わしておきながら、名前ひとつで兆す恥じらい。 隠していた全てをさらけ出すような心地。 耳元へと口を寄せ、小さな、声で]
和希。かずき、よ。
[秘密を打ち明けるように囁いた]
(@39) heinrich 2014/11/02(Sun) 06時頃
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[揶揄いまじりの言葉を向けられ、顔にサッと朱が走る]
アンタ以外を相手に勃ちゃしないわよバカ!
[文句を言ったつもりが、どツボに嵌ったかもしれない。 意地悪なはずの眼差しは、見上げれば何故か温かく感じられて、余計に体が熱くなった。
抱き上げられ、寝台へと横たえられる。体に感じる彼の重みが心地いい。 あの頃、けっして踏み込んでこなかった深みへ。迷いなく求められて、心が震えてしまう]
……ぁっ、
[瞼への口づけの後、急な心許なさに身をすくめる。隠そうにも彼の重みで身動きが取れず、体の全てをさらけ出したまま]
(@40) heinrich 2014/11/02(Sun) 18時頃
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アタシの悦びは、アナタの悦び。アタシの涙は、アナタの涙……。
[シーシャを見上げたまま、与えられた言葉を繰り返す。その言葉の響きは、まるで、]
……誓いの言葉みたい。
[ぽつり、零してから、微笑む。目元が滲んでしまいそうだ。 祝福する神もいないけれど、お互いだけを証人にして交わされる誓いの言葉。 胸元に刻まれる契約の印は、奥深く息づいて、ゆるやかに根を張っていく]
シーシャ、 キスして?
[囁いてねだるのは、炎を移すためでも、契約を刻むためでもない、ただ互いを欲する口づけ]
(@41) heinrich 2014/11/02(Sun) 18時頃
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[想いの欠片を纏って零れ落ちる、シーシャの言葉。賭けをしたあの日を思う。自分の魂を対価に、彼の傍にいられればと願った]
もうどこにも行かないわ。
[彼の想いに触れた今は、酷いことを願ったと思う。今はもう、彼なしで生きることも、彼を置いて死ぬことも考えられない]
この体も、心も、全部。
[長い長い時間をかけて、ようやくたどり着いた自分の居場所]
(@45) heinrich 2014/11/02(Sun) 22時半頃
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[音立てて繰り返す口づけ。甘い毒に少しずつ意識を侵されていく]
………ッ、
[肌を滑る掌。触れられた所から熱を持って粟立つ。 下腹部を擦り上げられると、強い刺激から逃げようとするように反射で腰が引けてしまう]
だ……め……、
[上がりそうになる嬌声を喉奥で噛み殺して、寄る辺を求めるように手がシーツを掴む。 己以外の手で齎される、強すぎる快感。裡から煮えたぎる情欲に、容易に落ちてしまいそうで、]
……シー、シャ
[怖い、と思う気持ちと。もっと、と欲する気持ちと。相反する感情がせめぎ合う。 擦り上げられた胸がジンと痺れて熱を持ち、堪らず腰を彼の手に押し付けた]
(@46) heinrich 2014/11/02(Sun) 22時半頃
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―11月1日―
[広場のベンチに座り、行き交う人々を眺める。 祭の賑わいは秋風とともに過ぎ去って、この街の日常に掻き消される]
長居したわね……。
[この街に滞在したのは、今日を合わせて“たった3日間”のこと。 けれど離れ難くなるほどに、いろいろなことがありすぎた]
これ以上ここに居たら、本当に出ていけなくなっちゃいそう。
[もう旅支度は住んでいた。派手な衣装は鞄の中。身軽なバックパッカーのような出で立ちで、もういつでも次の街へ行ける。 それでもまだここにいるのは、いくつか心残りがあるから]
(@47) heinrich 2014/11/02(Sun) 23時頃
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[>>221 名を呼ぶ声に顔を上げると、笑みとともにこちらへ駆け寄る姿が見えた。 立ち上がり、ひらと手を振って出迎えて]
会えてよかったわ。 あとちょっとで約束破りのペテン師になるところだった。
[笑ってそんなことを言い、上着のポケットに手を入れる。 手を出して、と囁いて、彼の掌に乗せたのは橙色のお手玉]
(@48) heinrich 2014/11/02(Sun) 23時半頃
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悪魔とヤんのはすげぇイイらしいぜ?
[舌なめずり一つ、彼に言い訳を与えて−−−深く深く、ベッドに沈み込む。
運命を共にする影二つ*]
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―広場>>228―
だから手が早いんじゃなくてぇ、
[訂正をしようとして。 なんとなく嘘とも言い切れない気がして否定が濁った。 あっという間に悪魔に骨抜きにされた自分。した方じゃなくてされた方だから、「手が早い」からは外れるだろうか。
お手玉を手にのせると、すぐに意図を察したリーの顔が鮮やかに輝いた]
まずはこういう簡単なのから練習なさい。まっすぐ上に、同じ高さに。
[くったりと手に馴染むお手玉は、南瓜よりよほど扱いやすいだろう。 もうひとつ取り出すと、真上へ、真上へ、手本を見せて]
それに慣れたら、手のひら、手の甲、手のひら。 それも出来たら、右手、左手、右手、同じ軌道で出来るように。
[あのスパルタ特訓で踊りを覚えたリーならば、このくらいすぐに覚えるだろう。 その上達を見守れないのが、少し、さみしい]
(@53) heinrich 2014/11/03(Mon) 00時半頃
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あら、上手じょうず。やっぱりリーは筋がいいわね。
[>>235 それらしい軌道を描き始めたお手玉、目を細めて手を叩く]
きっとすぐに私より上手くなるわ。
[そう言って、2個め、3個めのお手玉をリーの手に乗せて]
上達のコツはね、自分が喜ばせたい相手のこと考えて練習するの。練習も誰かと一緒がいいわ。早く喜ばせたくなって、すぐに上手くなっちゃうから。
[それでその相手が、リーをいっぱい褒めてくれたらいい。自分の代わりに]
(@54) heinrich 2014/11/03(Mon) 01時頃
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[>>229 手のひらに、指先に、声に、匂いに、翻弄されて。 沸き上がる声が溢れそうで、自分の手の甲に歯を立てた。口を塞ぐようにしながら、ぎりぎりと噛み付いて。 そうでもしないと、自分がどんな声を上げるかわからない]
……ッ、!
[容赦のない手が、湧いた愉悦を追いたてる。濡れた音が混ざりこみ、聴覚から脳髄を甘く犯す]
(@58) heinrich 2014/11/03(Mon) 02時頃
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[>>230 間近に見上げる、魔性の瞳。あの日横顔で見たその眼差しが、まっすぐにこちらを射抜く。 本性を晒す彼の声は、少しだけ、寄る辺なさを含んでいて]
……シーシャ、
[歯型の残る手を、シーシャの頬へ伸ばす。触れて、目元をなぞって、髪を抱いて]
怖いわけ、ないでしょ。
[そう言って笑ってみせる。 肌を合わせて、その熱を感じて。竦んでいた体は今、熱の一欠片も逃すまいと、開いて、自らも絡まり合う]
――…ぁ、 ぁあっ!
[体が跳ねて、迸る悲鳴。愛しい人の腕の中、それは甘く、甘く、薔薇蜜のように]
(@59) heinrich 2014/11/03(Mon) 02時頃
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いっしょだ……グレッグ。
”ずっと”一緒にいよう、な……。
[向けた笑みには、小悪魔の片鱗が*]
いいのかよ?
そうそう真名なんて呼べねぇんだぞ。
[そろそろ聴こえるだろう、と囁く甘言。
胸に刻んだそれを、契約完了の証として求めた]
なぁ、 和希 ?
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名前……
[>>*19 鼓膜とは違う場所を震わせて、聞こえる、彼の声。 甘く囁くその声に、快楽は加速する]
シレークス……?
[心に浮かぶ名を囁く。 契約の完成。秘密を分かち合うように紡ぐ、互いのたったひとつの真名。 途端に胸が熱くなり、理性の箍が、外れて]
(@60) heinrich 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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[慰めと、希望の意味を持つその花が。
春を連れてきてくれたのだ
―――其処に肌寒さは、もう、ない。]
逸れンじゃねぇぞ、和希。
[それでも、隣に”彼”が在る。
唯一の心安らげる場所。永い生も何もかも預けられる存在。
相手を思う時、悪魔の心に芽生える想いは愛に等しいのだろう
いつか口にした砂糖菓子のように甘く優しい *それこそが*]
……私は、変わらず君の友人だよ。
何が変わろうと、変わらなろうと。
ねぇジェレミー。
だから、――…いつか店に遊びにおいで
虹の架かる橋の下で、待っているよ。
[虹を冠る店は、あの街にはもう無い。
あるのはただの、空き地のみ。
店に訪れた住人は首を傾げる
此処には雑貨屋があったはずなのに、と。]
……───餌を、くれよ。
[巣くった闇が、もっと深くに根を張って、いつか深紅の魔華を咲かせるまで。
グレッグの魂が、闇の眷属に相応しい、罪の色に染まるまで………*]
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―11月1日―
[どうやって部屋に戻ったか、あまりよく覚えていない。もう日は高くなって、日常を取り戻した街並みが生活の音をさせている。
広すぎるベッドにひとり横たわり、ただぼんやりと天井を眺める。 横を向いたりはできない。わかっている現実をもう一度味わうなら]
………、
[横たわったままで食む赤。薔薇の花びらの砂糖漬け。 空白を埋めようとするように、それを喉の奥へと通して]
(@66) heinrich 2014/11/03(Mon) 22時半頃
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シーシャ……、
[名前を呟く声が掠れる。想い変わることはないと、彼の前で啖呵を切った。彼との再開が叶うならば、時間など問題にもならない。そう、思うけれど]
消えたり、しないわよね……
[ゆっくりと落ちる時計の砂。どれだけ大切に抱えていても、記憶は等しく零れていく。この世界に存在しない、この世に連なるもののない、記憶の中のみに生きる彼を、どうすれば傍に留め続けられるのか。
彼の声を、いつまで覚えていられるだろう。彼の体温を、いつまで覚えていられるだろう。 今ある記憶に霞がかかる、そのことが何より恐ろしい]
(@67) heinrich 2014/11/03(Mon) 22時半頃
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