60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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ヤニクは、イアンに、医務室の扉を開けてもらうつもりだったけど、蹴り開けることになりそうだ。
2011/08/06(Sat) 00時頃
ヤニクは、ヴェスパタインの包帯のゆるみは、やはり気にかかったまま。
2011/08/06(Sat) 00時頃
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[セシルの姿に足を止めた時だろうか。 >>229 声の様子に、先ほどの気まずさは、 吹っ切ったのだろうと思って、そちらを向いた]
……ん、そうだな。 出来るなら包帯替えるところまでするといい。 利き腕だった。
[常と変わらぬまなざしを向けたつもりが、 下級生が少し赤くなった気が、した。2度3度と瞬く]
(236) 2011/08/06(Sat) 00時頃
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そうですか、急に天気変わりましたね。 体調崩しそうな気候ですから……お大事に。
ちょっと、ベッドに寝かせてきますね。
[ランディに向けるセシルの眼差しは、 暗い熱を帯びて――薔薇の香は強くなった気がした。 その視線をさえぎるような形には、なったかもしれない。
ヘクターがこちらにタオルを返そうとする様子には、 とりあえず両手のふさがってるアピール]
……どうした、って俺も聞きたいです。
[状況は説明できても、理由は説明つかない。 医務室の寝台にランディを寝かせれば、 大分痺れた腕をのまま、乱れた髪を直してやった]
(241) 2011/08/06(Sat) 00時半頃
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ヤニクは、イアンが、やたら丁寧に礼をする様子に、少し戸惑ったりもした。
2011/08/06(Sat) 00時半頃
ヤニクは、へクターがセシルに向ける視線と言葉が、少し違和感で一度目を止めた。
2011/08/06(Sat) 00時半頃
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包帯は、その辺にあるだろ? 俺代理だし、そんな詳しくなくてだな……。
[言いながら立ち上がって、 棚の辺りをあさりにいったから、 ヘクターの行動は見ていなかった]
空調整ってるし、 部屋よりはマシだと思うけど……。
このままで大丈夫なのかね。
[見やったときには、すでにその手は離れていて]
(257) 2011/08/06(Sat) 01時頃
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[ふと手が止まる。 感じたのは眠るランディから漂う薔薇の芳香か、 あるいは吐き出された精の残り香か]
――……、
[首をふる、窓の閉ざされた室内。 熱を煽る薔薇の芳香は篭っていくだろう]
白雪姫、とは意外とロマンティストですね。 キス、してみますか?
今なら黙認しますよ。
[それからヘクターの言葉に、かるく冗談をまぜっかえした]
(262) 2011/08/06(Sat) 01時頃
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とりあえず、 あの人に伝えておけば大丈夫じゃないかと。
元看護婦とかじゃなかったでしたっけ? 寮母のご婦人は。
[噂話のレベルで本人に確かめたことはなかったが。 所詮は代理の医務室係、出来ることはそう多くはない。やたら冷たかったランディの体に、季節にそぐわない毛布を引っ張り出すくらいだ。]
(269) 2011/08/06(Sat) 01時頃
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やだ、やだぁ……っ!
[暴れる少年の魂は、薔薇の蔦に押さえ込まれ。]
『落ち着いて』
『気持ちいいでしょう?』
『教えて貰いなよ』
『ぼくを咲かせて』
[くすくすと笑う薔薇の声と、未知の快楽に怯える様は、呪いに囚われた仲間達にも伝わったのだろうか。]
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>>265
ああ、そうでしたね。 ランディは……、
[長く伸ばした銀の髪、無邪気な好意の象徴。 ランディを見やる眼差しに、複雑な色は過ぎるけれど、そこに薄暗いものはない]
ま、王子志願じゃなくても、 酒と煙草からの卒業はお勧めしておきますよ。
[早々素行不良から引退してしまった少年は、 隠居じみた面持ちで、そんな言葉をぽつりと言った]
そんなやっても、なんも変わんないですからね。
(276) 2011/08/06(Sat) 01時頃
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[身体が落ち着いてきたところに、聞こえてきたのは]
……え?
エミルトン君?
[幼い彼の、怯えたような声がふっと聞こえた気がして。
さらに、不思議なあの声も聞こえてきたから、戸惑った]
…どうせ、こいつも……
[ポツリと心から零れる、歪んだ疑念。
何処か遠くで、快楽に流される嬌声を感じれば、
やはり人という愚かな生き物は、結局そこに行き着くのだとしか思えなかった。]
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[ランディの眠るカーテンを閉めて、それから寝台に腰掛ける。 イアンが出て行くのに、軽く片手を挙げた。 様子はさして変わらなく見えた、先ほどの赤面は見間違いだろうと判断する]
[そして、佇むようなセシルにも一度目を向ける。 どこか、上の空そんな風にも見えるのは何故か]
下級生に悪い見本ですよ。
……まあ、気持ちはわかりますけどね。 淫行が入ってない分、マシかもしれませんし。
[それからヘクターに視線を戻せば、見上げた猫の目で少し笑った]
(296) 2011/08/06(Sat) 01時半頃
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あっ、あっ……!!
[悲鳴は嬌声へと変化してゆき、少年が快楽に堕ちていったことを伝える。]
『それでいいよ』
『想いを頂戴』
[擦り込むように薔薇の精は囁いた。]
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[寝台に座ったまま、少しふらついた気がする。 眠りに落ちたランディもまた、香を放っていることには気づかない。どこかだるいのは先ほど炎天下の下で作業をしたせいだろうか、推測するのはその程度のこと]
――……ん、 まあ、取り返しのつかないことにならないように、気をつけて。
あれ、ああ…… ヘクターさんはそういうのないんですね。 校内でないってことは。
[そういうの、が何を指すのかは言わずもがな。 余計なことを言いながら、座った寝台に身を投げるように横たわる。仕草に猫科の気まぐれさが漂うのは、常のこと。 気だるさもまた、流し見る眼差しに滲んでいたかもしれないが] ああ、そう……あと、ヘクターさんノックスさんの保護者ですよね。 あの人もちょっと、情緒不安定っぽかったんで、 ……ちゃんと保護者しててくださいよ。
[それから目を閉じる、眠ったようにも見えただろうか。 その表情は年相応の幼さを漂わせて**]
(318) 2011/08/06(Sat) 02時頃
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…………!
[午前中から何してんだ 中等部一年生、ていうか俺もまだなのにとか色々思ってしまったが、そんな思念を伝わらないようにシャットアウトさせるのには何とか成功したようだ。
ただ、喘ぐ声というものは…刺激的で。
困ったように足を止める]
ん……?
[ザックの悪い噂は「遊んでいる」程度はヘクターから聞いていたが、特に接点のない相手だったから、然程印象に残っておらず。
でもそういえば、ジョージはザックのものだとか言っていた、ような。そのザックは、自分の記憶が正しければ、確か既に帰省していたはずで…]
んん……
[ようやく気づいた違和感。
あれ、ひょっとしてまずいことになっているのでは?
…ただ、嬌声を聞いてしまった後で、そのことを聞くのは憚られた。]
[助けに行った方がいいんじゃないか…
そんな考えが頭をよぎったけれど。
今行っても手遅れなのではないか。
そもそも、自分が行ってどうにかできるのか。
かえって傷つけたりしないか。
それに……]
『これでいい』ん、だよね…?
[薔薇の精の言葉の響きは、自身の迷いと言い訳を正当化させる。
惑う。だから結局、行為の邪魔をするような行動は起こさなかった。*]
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―医務室― [>>327 そんなつっこみがあったら、 なきにしもあらずですよ、と適当に返してただろうけれど、 言葉が何もなければ、また感じ始めた熱を逃がすようにため息を一つつくだけ]
――……って、そうだ。
[億劫そうに視線を巡らす。 そういえばセシルは結局医務室に逆戻りしていて、 疲労と言っていたそれは、どうしたのだろう]
……まだ体調悪いなら、無理せず休んでってくださいね。
[食堂で丁寧な言葉遣いで下級生に接していた、 細やかな配慮に満ちた姿と今の様子は、何かかけ離れている。それは確かに疲労を感じさせもしたけれど、あの時ヘクターが彼に投げた言葉は少しひっかかっていた]
(340) 2011/08/06(Sat) 09時頃
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[どこか頼りない足取りで、 戸口へ向かうセシルの背に声をかける]
そうですか、無理しないで下さい。 風邪でも引いたら、声聞けなくなりますから。
俺、セシルさんの声、好きなんですよ。
[閨での声など知らないのだから、 そこには深い意味もなく、ただいつものように、 好ましいことを口にしただけ]
……ランディは、
[そして視界に留める銀の髪、胸がざわつく]
(352) 2011/08/06(Sat) 10時半頃
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[珍しく立ち入るような問いを口にしたのは、 セシルが去った後のこと]
ヘクターさん、 ……セシルさん、どうかしたんですか?
[ここであったことなど知らない。 ただ投げられた言葉にひっかかりを覚えていただけ]
[セシルの小さな呟きは聞こえていた。 何を望んでの「たりない」だったのか。 渇望を示す言葉に、ふと疼くような熱に気づかされる。 無自覚だったそれに軽く眉根を寄せれば――問いかける眼差しは切実そうにも見えただろう。実際は熱を押さえ込んでいるだけ、だったのだけれど*]
(354) 2011/08/06(Sat) 10時半頃
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…おい、薔薇の精。
お前…一体何を…
[日常が狂っていく。
寮内に満ちるのは、妖しく誘うような薔薇の香りと…
おかしい、何かがおかしい。
このまま流されてしまえばきっと…]
あぁ、でも…それもきっと…
[楽しいことに違いない。
染み込んだ甘い毒はそんな思いを胸の中に注ぎ込む。]
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―医務室― [ヘクターへの問いに答えはあっただろうか、 どちらにせよ、一度寝台からは身を起こす。 隣の寝台から香る薔薇の芳香が耐え難い]
夢とか見てるんですかね。 ……だとしたら、悪夢じゃなさそうだ。
[起きる気配のないランディの髪を乱れもないのに一度直して、 疼くのは熱か、傷痕か。どちらもさして変わらない。 ゆるく首を振れば、廊下へと出た]
(405) 2011/08/06(Sat) 22時半頃
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ヤニクは、廊下に響いた声、階段の方を見やる。
2011/08/06(Sat) 22時半頃
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―廊下― [見えたのは彼の人に駆け寄るディーンの姿、 彼らの部屋には自分は決して立ち寄ることはない。 ディーンはその理由が彼の人にあることをうすうす感じているかもしれない、そう思うのは後ろ暗さだろうか。
けれど彼が手を差し伸べるのなら、 自分にはすべきことはない、そのはずだったのに]
――……、なに。
[彼の人の逃げる足取りが外へ向かう。 それでも、往生際の悪い躊躇いは、あって。 きっと一度ディーンを見て、それから靡く銀の髪を追いかけた]
(414) 2011/08/06(Sat) 23時頃
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『君の命の欠片をちょうだい』
[咲くために生気を貰う、その手段なのだと薔薇は悪びれず。]
『気持ちいいでしょう?』
『楽しいでしょう?』
[薔薇の精は銀髪の彼が喘ぐ姿を知っている。苦痛の中から快楽を拾い、慣れて壊れてゆく様を知っている。そうしてなお、その言葉を紡いだ。]
……く、
[ギリリと内側を絞め上げるような痛みに、思わず歯を食いしばる。
あぁ、こんな苦痛にさえ、魂は甘美さすら感じているのだ。]
ヤニクは、きっと追いかけてもその姿を一度見失った。
2011/08/06(Sat) 23時半頃
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―中庭― [躊躇いがあるのだから、遅れは当然のことだろう。 ベンチに置かれたギターを見て、 彼が薔薇の香を追うとは、別に。
自分が脚を向けるのは――、 月の下での忌まわしい記憶の場所。]
(426) 2011/08/06(Sat) 23時半頃
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『安心してよ』
『眠るだけ』
『もっと頂戴』
[くすくすと笑いながら蔦は絡む。]
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[目も眩む夏の太陽の下、 ――薔薇の香りに立ち尽くす。 目を伏せうつむく人の姿、褪せた銀の髪。 触れるほど近づいても、手を伸ばすことはできない。]
『 明日、薔薇の木の下で 』
[そんな風に呼び出せば、 あの人がどんな目に遭うか、知らぬはずがなかった。 だから、そう言伝するはずだったメモを書き換えた。]
『 今夜、薔薇の木の下で 』
[それならば間に合う、と。 連れてどこにでも逃げればいいと思ったのは、幼さゆえの浅はかさ。
同室者にはそんな浅慮は筒抜けで。 閉じ込められたのはあの園芸倉庫、 ようやく抜け出して行ったときには、 月の下、乱れて甘く囀る銀の髪―――それを裏切りだと感じる資格など、あるはずもなかったのに]
(432) 2011/08/06(Sat) 23時半頃
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[近づいて覗き込むような姿勢になってしまったのは、 変わってしまった身長差のせい]
……あなたの身に、なにが。
[黒く刻まれた虜囚の証、呪いのようなそれ。 そっと指先を伸ばせば、その首筋に、頬に、触れてしまうだろう。 秘め事のように、熱を帯びた指で]
(436) 2011/08/07(Sun) 00時頃
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[囚われたようなその刻印は、恐ろしく。 けれど綺麗で、悲しいもののようにも見えて、 その人を見つめる眼差しは消しさることも燃え上がらせることもできない暗い熱に滲んだ。]
……ヴェス先輩
[拒絶の声と仕草に、触れた手は一度払われた]
関係なくない。 ……俺のせいでしょう。
[もう一度、手を伸ばそうとすれば、 その肩を背後から誰かに引き捕まれる]
(447) 2011/08/07(Sun) 00時頃
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[それは――現在へと時を引き戻す手。 肩越しに振り返れば、級友の姿。 彼に向ける言葉が、今は何も浮かばない。]
……すみません。
[ただ、ディーンから目を背けるかの人に、 そう言葉を告げて、謝罪するのは“今”に踏み込んだということ。彼らの邪魔をせぬように、脇に退いて]
(450) 2011/08/07(Sun) 00時頃
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[ディーンは己の言葉を聞いただろうか。 その意味を知りたい、と思うだろうか。
許されたいなどと思っていないのに、 罰を与えられることをどこか望む自分自身がいる]
――……、
[太陽の下、色あせた彼の人の髪。 全てを拒むような黒い荊棘の刻印――。 自分はもう何も拒絶などしない、する資格がない。
だから、黙って今を受け入れる]
(456) 2011/08/07(Sun) 00時半頃
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