47 Gambit on board
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―――…。
[ぴこり、と動物の耳であるかのように制御装置が周囲の磁場の変動に反応し動く。
強力な磁場の妨害を受けず。
むしろ磁場変動を利用しての通信。
ゆらりと議論に沸く円卓のメンバーを眺めていた蒼灰がその元を探す。]
………だ ……れ………。
…こ …此処に …居る、師団長の誰か……?
[組み込まれた特殊回路。
その存在は知らないが、通信にあわせノイズ混じりに問い返す。]
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第一皇子か、第二皇子か、 どちらか。 どちらとも、では駄目なのだろうか。 2人の皇子はどちらも皇子で、キリシマの中で差は無かった。 ゆえに、どちらか一方だけ、という選択は不安を孕むもの。 どちらを立てても何かが至らぬ。 それだけ、先帝の存在は甚大。 ――忠義は、自身にはさほど無かったのだが。
(80) 2011/03/21(Mon) 15時半頃
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などとゆるく考え巡らせながら、首を振る。 「わからない」の意を示した。
(81) 2011/03/21(Mon) 15時半頃
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産まれた時分より、『自分の意見』など在って無いようなものだ。 激流に呑まれるがままに士官学校へ放り込まれ、 気づけば師団長の座に漂着していた。 七日七晩の選帝会議。 この場も自身の声など無くとも収まりを見せるのだろう。 運ばれてきた飲み物を会釈とともに受け取ると、 口許を覆うマスクを外す。
(82) 2011/03/21(Mon) 15時半頃
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僅かに、黒を見開く。
誰かへ向けて発した心算はなかったのだが、
独り言のような呟きに返ってきたのは、確かな応答。
キリシマは、飲み物を口へ運びつつ、師団長たちの顔を見回した。**
2011/03/21(Mon) 16時頃
イスカ……?
キリシマ師団長?
[再びの通信にノイズがだいぶ消える。
伏せた蒼灰を瞬いてそちらに視線をやる。]
祖父から聞いた覚えはある。
同一の回路同士にしか発生しえぬ周波数
共振現象(feed-back)
それが起こる相手が、一人だけ居ると
≪ エンライ ――――……、 ナユタ ≫
≪ きみが。
そう、なのか。 ≫
キリシマは、へクターの視線がこちらへ向いた>>85のを感じ、びくり、と身を強張らせた。**
2011/03/21(Mon) 17時頃
[視線が絡む。]
なにがそうなのか、は分かりませんが。
今、そちらにあわせ通信を送ったのはボクです。
新しい通信機か何かのテストで?
こんな時に。
[通信妨害の存在である自分が何故通信が可能なのか。
素直な疑問を発しつつも、見詰め合うのが不自然にならぬよう目を伏せ視線を外した。**]
≪ おじいちゃんの技巧を身に付けているね。
それはイスカと同じ。
だからこんな、在りえない通信が出来る。 ≫
キリシマの発するそれは、声というよりも言葉、
音というよりも信号、そのもののような。
受信するナユタにとっては奇妙な感覚かもしれない。
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隣のヘクターの様子をちらちらと気に掛けながらも、 イアンの問い>>89には苦笑を浮かべる。 「制止」を表すように、指を揃えた片方の掌を立てて見せ、 もう片方の手で喉元を押さえて。緩く首を振る。 解散の旨が耳に入ったなら、頷きはするものの。 頬杖を付いて、円卓のちょうど中央辺りを見つめたまま。 席を立つ気配はまだ、ない。**
(116) 2011/03/21(Mon) 19時頃
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おじいちゃん……?
ボクの制御装置。
此れは第9師団の技術により作られたと聞いている。
その時にこの機能も?
このボクでも通信が可能であるのならば有用だけれど。
[脳内に直接響いてくるような奇妙な通信に不思議な感覚になる。]
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筆談ならば可能。 の、つもりのキリシマは、大きく頷く。 持ち歩いている用紙とペンを取り出すと、何匹かの蛇を描いた。 見慣れた者なら、それが文字であること、くらいは識別出来る筈。 さらに内容まで読み取れるのは、その中でもごく一部。 ――ゆえに。 この帝都でキリシマと筆談を試みる者は、非常に少ない。 「 ほりゅう 」 そう書いたつもりの文字は イアンの眼には、いったいどう映るだろうか。**
(124) 2011/03/21(Mon) 20時頃
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[人間兵器が、人間兵器としてのみ
見られているのならば、
選帝権をも持つ、師団長に
人間兵器が配置されるのは何故か?]
[過去、ドナルド前師団長が
口にした言葉を、イアンは思い出して、いた]
≪ それを創ったのは先代だから、
意図的にそうしたのかどうかは、わからないけど。
直接通信ができる相手がいるのは、イスカも助かる。 ≫
≪ ……ほとんど、接点、ないけど。 ≫
ふうん。
ボクは帝都に戻る事すら数年ぶりだし。
知り合いも少ない方ですから、偶然かな。
筆談だけでは不便でしょうし。
話すのはボクも苦手ですが、通訳しましょうか。
[流石に謎の文字を書いていたとまでは知らないが、イアンとのやり取りを思い出して、申し出てみる。]
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礼を述べるイアン>>130に頷くと、 紙とペンを仕舞い、再びカップへと手を伸ばす。 文字を描けば、殆どの者は皆、彼のような反応を返してきた。 そして、二度とキリシマに筆談を頼むことはない。 ――それが読み取れぬゆえ、の反応だとは、 残念ながら、夢にも思っていない。
(148) 2011/03/21(Mon) 22時頃
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≪ ん。そうだね。
必要なときは、お願いするよ。 ≫
しかしそんな機会は少ないだろう、などと、
見当違いな方向へ思考を巡らせつつ。
[そして、ディーンごしにまだ席は立っていないだろうサイラスの姿も見る。
さて、この情報士の考えは如何だろうか…と。]
バーンフィールド師団長へ書いた紙。
『ほりゅう』と書いたんですか?
通じてないようですけど。
[常に通訳必要なのでは、と思い浮かびつつ確認してみる。]
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ゲイルが席を立つ>>139のに僅かに顔を上げたが、 イアンを追う様子に視線を戻す。 思い返すのは ヘクターとは逆の隣に座す、第10の師団長の言葉。
(155) 2011/03/21(Mon) 22時半頃
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[ぴくと、感じる視線。
今一度机上を叩こうとした指が止まる。
反射的に顔を上げる事まではしないが、ゆると、一度瞬いた。
…気配の先は、然程離れていない。]
―――…、
[背凭れへと身体を預け、伏せていた顔をゆると上げる。
出来る限り自然に、周囲への違和感を与えぬ様。
それが、事実叶ったかは知れないが。
存外に、気配の先は直ぐに知れた。
無表情に向けられていた翠。一つ席を挟んだ――第5の座。
カツン。 視線を其方へ向けたまま、再び、指先が響く。]
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亡き祖父の代から、キリシマの家系は兵器開発に携わっている。 『兵器』とは。 主に闘い争うための道具であり、 和平を望むのであれば必要ないと謂う見解も強く存在する。 実際。 現在も宮廷で技術者を務めている父も、 第9師団の団員達の多くからも、 第2皇子を支持する声を聞いていた。 が。
(163) 2011/03/21(Mon) 22時半頃
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≪ ――え、なに? ≫
痛烈に考え事をしていたので、肝心な一言を聞き逃した。
イアンがこちらへ向かってきたのは、そのときだったか。
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考え事の途中で、首を傾ぐ。 それから、近づいて来たイアン>>160に気がつくと顔を上げ。 また、首を傾いだ。
(167) 2011/03/21(Mon) 22時半頃
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