21 潮騒人狼伝説
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[倒れこんできたサイモンににやにや笑いを向けたのもつかの間で]
ちょ、オマ、エ
犬じゃネェっつノ。
[首元は犬科の弱点で。
ふるりと震えて、ちと恨みがましくにらんでみる。
その後は勿論仕返し。首だけじゃなくて、肩でもどこでも、牙の届く範囲ならどこでも口を寄せ。(便宜上)背中にツメを立てつつも手を回して]
やっぱナマイキ。
/*
……ほら、犬じゃないか、
[意外な反応に、さらに歯を食い込ませる。
そういや今って人型でいいんだよね。人狼型でもすることは変わらないけど。がぶ。
目が合うと、いつもと正反対の立場に、無意識に口元が半月を描く。く、と笑いがこぼれた]
……、って、ちょ、
あ、
[調子に乗った代償は痛みと熱。甘噛みなんてものじゃなく、薄い首筋の肉に牙が届くと、ひときわ大きな声を上げた。シャツにじわりと朱が広がる。
睨む暇などなく、瞼を閉じて耐えるように顔を伏せた]
……は、
それ、が、どうしたの、
[ようやく耐えきれば、絞り出すように言い返す。口元には無理矢理作った笑み。
背中に新たな痛みを感じると、お返しとばかりに首に両手を伸ばし、爪を立てようとした]
/*
……退化したなら。
開発し直せば、いいんじゃないの、
[興味深そうにじろりと見た。
片手にはエビ。]
……ほら、意外にタバサとか喜ぶんじゃない、
墓参り? ああ、そろそろお彼岸の時期ですものね。
でも、お参りに行く必要はないんですよ。
墓はここにありますので。
そうです。ここ、に。
それにしても、肉、お嫌いですか? こんなに美味しいのに。
悪いものではありませんよ。
それはあなたが、一番良く知っていることでしょう?
だってあなたの肉なんですから。
……さて。
あなたの鞄にあった、取材メモの質問にちゃんと答えましたよ。
今度は僕のインタビューに答えてほしいのですが、よろしいですか?
このためにまだ舌は切っていないのに。しっかりしてください。
……では、聞きますよ。
/*
…………。
……君はここにだけいれば、いいでしょ。
冥府に行っても迷惑かけるだけなんだから、
[声だけはそっけなさげに言った。
多分自分の身以外のベネット関係のものは燃やしてると思う。
写真とか家とか。]
/*
…ほかにいくの、面倒クサイシ。
ちゃんと肉食えヨ、お前。
/*
……そっちこそ、いい肉球持ってるね、画材の癖に。
[ぜーはーしつつ睨みつける。
多分夕陽の下で肩を抱くとか言う展開にはなりそうにない。]
/*
[そも狼に組める肩はないのだよ]
[夕日はまぶしいので犬は嫌いです]
[ついでにテニスで手抜きするのは]
[ボールを打ち返すよりキャッチしちゃう犬属性だから]
/*
[結局、ベネットの膝の上に乗る形に。
両手は彼の首に。少し爪を立てて、ひととしての皮膚を破る寸前辺りで止めて。
膝の分、平時よりも下にある彼の目をじっと見た]
で。
そんな生意気な非常食に対して。君は。
……どうするの、
[そういや人型です勿論。
なんか瞼閉じて耐え忍ぶ様子が面白くて、
少ししつこく歯を立てて。
かすれる様な声ににやにや笑いを浮かべながらさて次はと考えをめぐらそうとした刹那]
……っ!
[首は犬の急所であって。狩をする時も喉から狙う。そのせいで、少し首をすくめる様に身を引いた。力をこめられると抵抗もできないし。見下ろしてくる目には思いっきり軽蔑したような目を返して]
……。こうスル。
[喉にある手を片手で重ねるように絡めとって、もう片方の手でぐい、と頭を引き寄せて]
口、ジャマ。
[また口元に噛み付くように口を寄せる。逃げようとしても、多分がっちりホールド、逃がさないし。窒息でもさせてやろうという感じ?]
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