64 色取月の神隠し
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あのね、わたしね。
朝をお里に連れて行きたいの。
お団子食べて、ずうっと一緒にいるの。
きっと、楽しいな。うれしいな。
[志乃の問いかけに、
何ら躊躇う風のない声が、ごく楽しげに返る]
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―祭りの初日・薬売りの露店―
[こーん、と呼ぶ声を聞いた気がしたのは、海苔巻きを頬張っているとき。>>1:133 一瞬ぎょっとしたけれど、顔を上げればそこには見知った人間の顔、ふたつ。>>1:147 近づく間に、海苔巻きを食べ終えて。行李の中身を確かめた。>>1:141]
あ、ああ……こんちは。 ん?あんたら、知り合いだったんだ?
[親しげに手を繋いで歩くふたりの、どちらの顔も知っていたから、最初は気づかなかったけれど。 思い起こせば、「たまこ」と、雉を焼いてくれた屋台の娘と、自分は別々に知り合ったのだった]
休憩……うん、休憩だね。 あ。ありがと。ほんとにいいのかい?楽しみに食べよう。
[たまこの差し出す包みを受け取って、嬉しげに笑う。 ほんのり漂う蓬の香り、獣の鼻にも心地よい>>1:164]
(85) 2011/09/15(Thu) 00時頃
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商いは、初めて……い、いや、この村では初めてだから、 うん、きっと、こんなもんだね。
[たまこの問いにどうにか答え、ふと見れば、 連れの娘が地面に何やら書いている>>1:163]
え、えっと?
[首を傾げる側から、たまこがそれを覗き込む。 どうやら、その内容に答えているらしい>>1:170]
うん、雉をね。あたしが、藤……知り合いからもらったもんだから。 この子の屋台で、焼いてもらったのさ。
[何とか話は繋がったらしい。文字が読めないことを何となく言いそびれつつ、たまこを介して会話は続く>>1:182]
旨かったよ、すごく。 羽は旨くないし、喉にひっかかるから、邪魔だよね。
[でも微妙に噛み合っていない]
(86) 2011/09/15(Thu) 00時頃
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[話の中で、たまこが屋台の娘の名を呼べば、さりげなく覚え込む。 「ひなた」というらしい]
そういや、ひなた……は、何か欲しいものがあるのかい? それとも、たまこの付き添いかい?
[行李の中身を見せつつ、問うた。 賑わう屋台の並ぶ端、娘ふたりと少し年上の女がひとり、しばし楽しげに話の花を咲かせていた]
(88) 2011/09/15(Thu) 00時頃
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[たまこと日向が立ち去った後、また少し商売をして、 疲れた頃には傍らの、楽しみに置いていた包みを開く]
へえ。 蓬が、こんな風になるんだねえ。
[とってきたもの、そのまま口に入れられないのは不便でもあろうけれど、それが人間の楽しみなのかも知れないと思う]
うん。 中身は、何だろう、豆?
[複数の素材が合わさった、不思議な甘みを楽しみながら、ごくりとそれを飲み込んで]
! ……ご、
ごめん、みず、
[隣の屋台の婆様に、ふたたび情けをかけられたりした*]
(93) 2011/09/15(Thu) 00時頃
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んー? 朝?
[そういえば、自らが異なる箏を奏でる前に、彼女の楽しげな歌声が隔世に響いてもいたか?
出会ったこともないヒトを思うほどには、情も深くないのは、やはり自身もあやかしの身故か。それよりも黄昏の美しくも可憐な歌声のなんとも綺麗で澄んだ賛歌を聞けば、それを遮ろうなどと思う事など露ほどもなく]
夕顔がそない嬉しそうに思うなんて
きっとええお友達なんやろな。
それに朝と夕
ええ響きや。
……喜んでくれるとええなぁ。
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にしても、だいぶ減っちまったねえ。
[行李の中身に首傾げ、ひとりごちる]
祭りはまだまだ続くんだ、もう少し仕入れてこようか。 ……金創、少しはよくなったかねえ。
[祭りの初日が暮れる頃、山へと駆ける狐一匹。 だから祭りの二日目に、薬売りの露店が出たのは少し遅い時間]
(101) 2011/09/15(Thu) 00時頃
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そうやって、歴史とやらに刻んだ爪痕こそが
いずれ真実の"鵺"になって、語られるのかねェ。
[琴古主の言に顎を擦り何やら思案するが
口にするのは別のこと]
お志乃は秋月の旦那と気が合いそうだなぁ。
……九十九ってのは、元の主に似るものなのかい?
あの旦那の眼鏡が化生したら、面白いことになるんだろうね。
[琴古主の言うセンセが、秋月のこととは知らないまま
九十九たちに向けて、何気なく問うた*]
……おや。
気のせいじゃなかったんだね。
[山から戻ってきた狐、里の様子を窺って言う]
さっき、一度山に入ったんだけどさ。
どうもあっちの方に、雷門の気が寄ってたから……もしかして、こっちにはいないんじゃないかと思ったんだよ。
──うん、夕の大切なお友だち。
[童女の歌う手毬歌。
それが響いていたなど露知らず、知っても変わることはなかったろうが]
朝がね、一緒にいればきっとお祭り終わらないの。
お祭りが終わるのは寂しいの。寂しいのきらい。
だから……
[言いさして、志乃から返る肯定にごく嬉しげに頷いた]
うん。喜んでくれるかなあ…
[後ろの正面だぁれ?
童女の無邪気な声に、憧れに似た響きが乗った]
やれやれ、これであたしらも、本当に逢魔が刻の祭りを楽しめるってもんだ。
で、なんだって?
夕顔は、連れてきたい子がいるのかい?
そうだねえ……あまり大勢連れてきても、何だろうし。
いっぺんにひとりか、ふたりがいいところだろうさ。
[現世の里と隔世の里、繋ぐは昏く細い道]
夕顔がその子を連れてきたいんなら、任せるよ。
うわ、あれが二人……
[二人に増えた眼鏡のセンセイを想像し、嫌そうな声を出す。]
さて、九十九それぞれによるんじゃないかなぁ。
俺は……主の姿を借りているけどな。
[眼鏡が化けることがあっても、そっくりにはならないことを祈る。]
薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2011/09/15(Thu) 00時半頃
朝顔か…
夕顔にとてもそっくりな子だな。ぴったりだ。
うん、ずっと一緒に遊べばいい。
朝顔を寂しくさせないよう、夕顔が傍についててやりゃいい。
そうすればきっと、喜んでくれるだろうさ。
うん、ありがとう。
わたし、朝をお里に連れてくね。
[狐の芙蓉のこたえに、こくんと頷く
連れて行けるのはひとりかふたり。今は他に興味などない]
───お里、賑やかになったら楽しいね。
[それでもそんな想像に、小さく無邪気な笑みを零した]
朝顔って、夕顔に似てるんだよね
[朝顔を見たことはないが、夕顔と似ているなら想像がつく。]
驚くかな、朝顔。
あやかしいっぱいいるし
[一人は朝顔にするとして、
もう一人連れていくのなら…?
候補はいるが、まだ機は熟していないような、
そんな奇妙な気分。
白粉と神隠しと。頭の中はそれに占められている。]
───うん。
[辰次の声に嬉しげに頷いて、ふと目を瞬く。
ならば、里に共に戻るのが良かろうか。
少しの時、思案するような沈黙が流れた]
───…お里、朝と一緒に帰ろうかな。
[ぽつ。と呟く。
道を通れるのは、ひとりかふたり。
他にひとの子が通るならば通れはせぬ。
なれど通らぬならば、通れぬ道理もまたないもの]
あらぁ。仁右衛門先生にもうお会いしたんやねぇ。
気が合いそう言うってことはもうお話もしたんやろか?
そうやなぁ。いろいろやけど、縁が深かった持ち主に似る思いますんよぅ?
うちもそうですから。
眼鏡に縁がある御方ならそうなるんやろうねぇ
うん?朝と一緒に、戻るのか?
[童女に尋ねる声は優しい。]
確かに朝顔一人だと心細いかもしれんよなぁ…
なら、朝と夕、しっかりと見送ろうか。
俺か芙蓉が見送れば迷わないだろう。
ほな、夕顔のお友達の朝ちゃんいうんは、
夕顔が連れて行ってあげるんが一番ええやろね。
夕顔は一緒に暫く向こうに居てもええし
またお友達探してもええんちゃう?
向こうにもこっちに来てへんあやかし
ようけいおるしなぁ。
退屈はせん思いますよぅ?
うん。だって、朝が迷ったら困るから。
[辰次の声に、こくりと頷く。
優しい声に、童女の顔に笑みが浮かんだ]
お団子もね、あるの。
一緒に食べようと思って、とってあるの。だからね。
[ごく嬉しげな声が返る]
ん……それならそれでええ思いますよぅ?
あやかしはこっちのお祭りはそう知らへんからねぇ
二人でこっちの楽しいお祭りを作ってみても楽しそう思うんよぅ。
こっちのお祭りより大きなお祭りにしたら
きっと楽しいやろうねぇ
お友だち……お里にも、いるかなあ。
[ほんの少し、自信なげに声が揺れる
それでも志乃の優しい響きと、何より朝顔の存在に頷いた]
お祭りだから。きっと、にぎやか。
[これからも。そう言って、笑う]
せやなぁ。うちはあんまり奧まで送るんに向いてへんし、奴延鳥さんも身体不自由なところもあるみたいやし。
龍っつぁんと芙蓉さんなら千里も駆けようなぁ。
お二人共よろしぅ。
夕顔もここから向こうにうちの音色届けるからなぁ。
楽しんでおいでよ。
薬売り 芙蓉は、メモをはがした。
2011/09/15(Thu) 01時頃
薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2011/09/15(Thu) 01時頃
そうだねえ。
人間には慣れない道だろうけど、
朝顔って子も、夕顔が一緒なら、怖がりゃしないだろ。
辰次もあたしも、ここいらで迷うこたあないし。
いいよ、あたしらで送って行こう。
団子か、いいね。あとで俺も探してみっか。
里にも仲間はいるし、夕顔たちが寂しくないよう、ちゃんと土産を持って帰るよ。
[土産と呼ばれるのが、食べ物か玩具か、はたまた人間か。
内容については触れぬまま、くすりと笑う。]
団子……ああ、団子ね。
あれは旨いよ。
[ぺろり舌なめずりをして]
夕顔も、あっちでのんびり食べるといいさ。
朝顔と一緒にね。
大きなお祭り……?
[きょとんと大きな目を瞬いた。
志乃の言葉に、笑みが少し大きくなる]
うん、……楽しそう。
[音色届けるとの言葉にも、嬉しそうに頷いた]
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