人狼議事


240 なんかさ、全員が左を目指す村

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 やっぱり僕は、理津を抱きたい。
 僕の子供を、産んで欲しい。

 抱き締めて貫いて、揺さぶって。
 声が枯れるまで僕を呼ばせたい。


[穏やかで優しいのは、取り繕った口調だけ。

耳朶に噛み付いた唇へ、叱るように噛み付き。
そのまま咥内の奥へ舌を捻じ込めば逃げる舌裏を刺激して、熱い吐息ごと奪うように蹂躙する。
このまま力づくで奪ってしまいたくなる切羽詰った獣のような衝動が内で渦巻く。

けれどそれで気に入った彼に、嫌われたくはない。
マウントポジションを取りながらも。
己の内の最大の弱味を、彼が握り始めていることを自覚しながら。]


[左手で、彼の右手首を縫いとめる。
右手でその太腿を撫ぜていき、辿り着いた下肢の中心へ指を這わせた。]

 ───……硬くなってるね。

[ベルトを外してファスナーを下げながら、小さく笑い。
寛げた着衣を、下着ごとずらして。
勃ちあがりかけた彼自身を右手の中に収めればやわやわと揉みしだきながら、縫いとめた手首を離した。]

 触ってあげるけど。
 暴れたら、噛んじゃうかもしれないよ。

[ください、とは言わずあくまで優位を主張し。
唇を解放して、パーカーから覗く彼の首筋に口付け。視線と唇の標的を下肢へと移していく。
捲れ上がったシャツの裾に見え隠れする窪みを吸い上げ、更にその下へ。]


[まだ湿り気が薄い先端を浅く口に含み。
彼と己と混ざり合った唾液を塗り付け、ぢゅう、と音を立てて吸い上げる。
抗う動きが見えれば、態と歯先を宛ててみせ。
舌先で震える鈴口をつつきながら繰り返し吸い上げていく。
重力に伴って垂れる唾液で滑りが良くなる幹を、掌全体で包んで扱き上げるけれど、決定的な刺激は与えはしない。

跪いているのは己だが、主導権は譲らない。
硬く反り返る彼を丹念に愛で。達することを許さない、苛むような快楽が毒のように彼を蝕めばいい。
次第に粘着質になっていく音を響かせながら、薄ら笑いを含んだ呼気を吹きつけて。]

 欲しい、って一言言うだけで許してあげる。
 ………どう?

[イきたいでしょ、と。
彼の口からねだる言葉を引き出そうと、上目遣いに問いかけた。]*


[何処までもガキ扱いをする四つ上の男。
そもそも何で俺が孕む前提の話になっているんだ訳が分からない。

口腔は彼の雄の味で充満し、全てが彼色に染まりつくしてしまいそうな感覚になってしまう。
これじゃあ俺がネコじゃないか。

それでも此方の愛撫で己の名を呼び、咽喉奥に植え付ける様に射精される。
むしゃぶりたくなる味かと言われれば否定できない自分を殴りたい。
残滓を擦り付けられるように親指が唇を這う。

一度達したと言うのに萎える事を知らぬその雄は頬を突き熱が伝わる。]

 誰が犯されたがってる顔だよ…!逆だよ逆!ダンを抱きてぇの!

[この体勢のせいかあまり警戒をしていなかった。
腰を掴まれれば胡座を掻く上に跨る様に乗せられる。
上半身に来ていた互いの汗まみれの服は乱暴に剥ぎ取られてお互いに全身の肌を露出させる。]


 ――――ッ 、 ダ ン  …、

[恥ずかしがる暇もなく、双丘が彼の手で左右に引っ張られ、
まだサレにも穢されぬ割れ目の奥が外気に曝される。
思わず肩を震わせ彼の名を呼ぶ。
あぁ、これでは如何見ても此方がネコではないか。]

 ば、 か言ってんじゃねぇ、よ 、其れじゃ俺が抱かれる前提じゃねぇか。

[まずいまずい、と脳内に危険信号が流れる。
相手のペースに、術中にハマってしまっている。
視線を下に落とせば互いの雄はカウパーを流している。

本当は分かっている。
この男に敵わないと言う事を、それでも彼を抱きたいと思った。
ゆっくりゆっくりと変わる心境。]


[抱きたいと思ってる俺がまさか抱かれたいとでも思っているのだろうか。
一息吐いた後、彼の肩にコン、と軽く頭を乗せる。
もう認めるべきだろう、俺はダンが好きだ、抱きたいとも思ってる。
でもそれ以上に――、抱かれたいと思ってしまった。]

 俺だって愛したい。
 ―――…でも、仕方ないからお前の子を孕んでやる。

[下を向いて告げたのは今の表情を、絶対に見られたくないから。
今でも抱きたいしダンが孕めばいいと思ってる。

負けを認めるのが悔しい。
だがそれ以上に彼に愛してほしいから。]


 愛させてくれ、なんて殺し文句すぎんだろ………。

[馬鹿野郎、と罵倒を吐くのはもう俺なりの好きだという言葉なのだろうか。
左右へだれていた手を彼の首筋にゆっくり回して口付けをする。

誓ってやるよ、そう言葉に出来ない代わりに口付けで伝えよう。*]


[拗らせてしまった彼に寄り添う者など居なかったのだろう。
天才は孤独だと言うが、天災だって孤独だ。
彼は余りに純粋過ぎて世界を逆走する。

その、奇行すら、彼の一部だと誰も受け入れられぬまま。

自然と喉が上下して、熱いものを飲み込んだ。
頭に襲来するのは、大人の悪い閃き。子供に仕掛ける謀。
彼の首に掛ける鎖が見つかり、ジャラと脳裏で音を跳ねさせる。

彼の神を独占する手練手管。
子を孕ませるよりも、余程強固な楔。
このユニークで歪な魂に釘を打ち、自らに留める方法。]

 ―――…キリー、

[きっと、この甘言にも彼は逆らえない。
殴りかかるには余りに強い拳だ。
彼を神々の楽園から追い出し、人の世に招くような。]


 私は君を求めている。
 君がどうしようもない程、呆れた子だと知って尚。

 定職にもつかず、ふらふらと生きていようと、
 尊大で傲慢な言葉ばかり吐こうと、
 知識量が一片に偏っていようと、

 ―――…キリー、私は君を崇拝しよう。

[彼を選ばない理由なんて数え上げたら枚挙に暇がない。
寧ろ、彼を選んだ先の苦労なんて目に見えるようだ。
だが、この青年が、こんな無防備な顔を晒すなら、
軽率に支払いを済ませても、構わなかった。

左右の指を掛けた臀部を拓き、外気が秘所へと滑り込む。
淡く押し当てた屹立の切っ先は、既に熱く濡れて、
ささやかな凹凸に噛み合い、悦を食む収縮を愉しむ。

降ってきたこの自重は、彼の魂の質量だ。
それに喜びを覚えるのは、熱に浮かされたからではない。]


[熱い肉体にも、喘ぐ呼吸にも、彼の質量にも、覚えるのは悦。
白皙の肌色に、すらりとした稜線は獣のしなやかさ。
そして、左胸の中に飼いならす、孤独な魂。]

 ―――…いいや、キリー。
 私が奪うのは、君の心だ。

[傲慢だと笑われる覚悟など、幾らでもあった。
事実に昇華出来るかは己次第彼次第だが、敗走する気はない。
グ、と押し当てた陰茎は痛い程に張り詰め、
見上げる顔が、言いようもない程に尊く瞳に映り込む。]

 ―― 全ては神の御心のままに。

[十字を切る代わりの口付けは、己の名を求めて。
焼けた杭が神を貫き、人の欲で穿ち貶める高潔。
未熟な隘路を暴き、交わした唇の熱に酔う。

与えられる幸福を彼の胎の中に返し、
何時か卵が孵る時、二人で育んだ幸いを噛みしめよう。]



[敬虔な一神教の下、膝を突こうと思った。

     津々と、深々と、彼を愛そうと思った。*]
 


[愛でれば口は反発し、しかし体の反応はどこまでも素直で。
抱かれる側ではない、と何度吾郎が否定しようと、
この通り噛み付いてこようと、ほら。甘いのだ。

その優しさに付け入る様は悪魔の名に相応しく、
淫蕩の宴に誘わんと太股を撫でる掌は、笑える程に熱い。]

 抱きたいと、何度も言っている。
 俺は、子供が欲しくてここに来た。

 吾郎に会った今、吾郎の子が欲しくて堪らない。

[警鐘を鳴らす脇で切なる響きを落とし、逃亡を許さない。
一度二度では終わらないし、終わらせたくないと食い下がり、
肩を震わせ、瞳をちらつかせて戸惑う吾郎に下肢を揺らし。]


[肩に頭を乗せ、肌に落ちるのは小さな溜め息。
ぐるぐると頭を悩ませているのが自分であることに、
罪悪感よりも嬉しさを感じているのだから、我ながら酷い。

喜怒哀楽の根源が自分であれ、だなんて。
あまりの強欲さに悪魔すら、逃げ出すんじゃなかろうか。]

 子が産まれても、一番に愛すのは吾郎だ。
 お前と俺との間で、子供を成せる体で良かった。

[見られたくないと陰った顔が語るから、
側頭部と外耳に唇を何度も寄せ、好きだ、と囁こう。

抱きたいと強請った相手に屈服し、悔しがる顔も愛しいが、
───真っ赤になった顔は、もっと愛しい。]


[力ない罵倒も、最初からただの睦言だ。
罵倒と同時に聞こえていた、愛して欲しいに塗り替えられて。]

 それだけ必死なんだ。
 愚か者だと、吾郎だけが嗤ってくれていい。

[首筋に腕が回ると腰を引き寄せ、密着を深めて口付けを受け。
恥ずかしがり屋の声なき声に、合わせた唇の端が持ち上がる。
唇が離れても鼻先を擦り付け、犬のように甘えながら。]

 吾郎……ディーと、呼んでくれ。

[乞うのは、一族の名。
生涯を共にしたいと願った相手にだけ、許す呼称。

至近距離で見つめ合い、唇を甘く啄み、唆して。
その音が紡がれた瞬間の顔は吾郎だけに見せる表情だ。*]


[─── が、悪魔の名を持つ男は、やはり悪魔。]


 吾郎、……吾郎。俺の可愛い、吾郎。


[硬く閉ざされた門が開いても尚、執拗なまでに愛撫を重ね、
早くしろ、と吾郎が泣き喚くまでそれは続き。

部屋の外まで響きそうな野太い嬌声で声帯に激務を課し、
関節に悲鳴を上げさせ、羞恥で精神までを侵していく。

重ねた掌は離れず、指をしっかりと組んだまま。
蟀谷から垂れた汗ですら、その敏感な体を苛んでやまず。

可愛いとだらしなく頬を緩ませて弾けさせた熱の数は、
これから産まれてくる子が物語っている。**]


[孤独と引き換えに手に入れた自由は、
云わばオレのアイデンティティーであり、
知らずのうちに構築されたジェリコの壁。

それを崩す者など現れたことはなかった。

それなのに、偶々因子が適合しただけの男が
七日間にも満たないこの短時間で角笛の代わりに吐いた甘言により
あっさりと崩れるような、そんな容易い壁であったかと内心で自問しながら
疑り深く根付いた孤独は、何かを告げるために紡がれた愛称に警戒の色を見せて眉を顰めた。]

 なっ…誰が呆れた子どもだと?

[敢えて他人が指摘しないリアルをつらつらと並べ立てる相手に
反論の屁理屈、明後日の方向と呼ばれる理論が口をついて出そうになる。

それでも尚、自分を求めるなどというのは甘言というよりは世迷いごとだろう。
ご立派な血筋で社会的地位もあるこの男が何故そのようなことを口にするのか。
そこまでして子を孕みたくないというのか、とも捻くれた性根は思うのに
彼の思惑通り、疑り深い癖、愚直な頭はその甘言を拒めない。]


[それを受け入れることが、
何より厭う自由の剥奪である見えない鎖が首にかかることになったとしても。]

 っ…あ、っぅ、おい、やめ…っ、

[無言の肯定にしかならない困惑交じりの顔で、
彼の吐く甘言に如何答えたら良いものかと思考する最中、
左右に開かれ他者の触れたことなどない場所に熱く濡れた慾が擦れ、
知らない刺激が身体を襲うのに熱い息を吐いて、思考が中断される。

この男はなぜこんなにも、不可侵としてきた領域に土足で入ってくるというのか。
しかしそれを、心身ともに嫌だとは思わないことは、悔しいことに紛れもない事実だった。

彼が望むのであれば、その希望を叶えてやりたいと、いや、この男の子を胎内に宿したいと、思った。

絶対にそれを口で言う気はないけれども。]



 ―――それなりの対価は払ってもらう。
 高くつくぞ。

[傲慢な台詞に、奪われるだけでは割に合わないと返す等価交換の要求。

傍から見たら世迷いごとにしか思えないだろう誓いの言葉を彼が紡ぐのを聞けば、
唇を交わす最中、おそらく初めてこの男の前で眉間の皺が消え、不審ではないといっていい微笑を浮かべた。

此処にきて漸く、ただ遺伝子を受け継ぐためでなく、
本当の意味で子を成すということの幸福さを理解する。]


[全人類に慈悲深く与えるとしていた愛情を、彼にだけ注いでやっても良い。

一人で幕を開けるわけではない、
この男と共に創る新世界は、
凡人と称してきた人々の望むそれと変わらない
思ったよりも平凡なものになりそうだが、

                  それでいいとオレは、思う。*]


― 天国門の先 ―

[するり、するりと肌を指先でなぞり、懐く仕草。

頻りに撫でる腰の下には、己の吐いた濁りが溜まっている。
口説き落として時間を掛けた一度目と、勢いに任せた二度目。
たった一度で孕むと知っているのに、
どんな文句を付けられようと退きはしなかった。

高値を付けられた値札に躊躇ないなく支払ったのは情。
腰が逃げれば偏執の腕が伸び、子供が喚けばキスを差す。
顔に撃った無駄玉以外は、一滴も外に零させず、
夥しい熱量を腹に呑ませて、飽かずに擁した。
彼の股関節だの尻だのは悲鳴を上げているかもしれないが、
御自慢を謳った体力を信頼した結果だ。]

 ―――…やはり、君が孕んで正解だったように思う。

[鬱血の残る肌に声を吹きかけながら、端的な感想を漏らす。
ベッドマナーを忘れ、放り出した二人の着衣は、寝台の外で折り重なり、裸身には情痕と滴りだけを纏うまま。]



 回数を重ねるほど若くはないが、ご覧の有様だ。
 今頃、君の中で骨肉の争いが起こっているだろうな。

[品のない冗句を飛ばし、腰を裏側からノック。
身体の相性は遺伝子単位で保障されている間柄。

その上、初夜の彼に挑みながら、意識を失わせることも許さず、
インターバルを何度も挟み、執拗に己の名を呼ばせた。
喉が幾ら枯れようと、その一点のみに置いては譲歩なく、
その証が、胎の中には刻まれた多量の粘性だ。

白濁を修めた孔の入り口を指であやす悪戯を挟みつつ、
指腹で伸ばす白い名残を弄び、尾骶骨にまで擦りつけ。]



 ―――…キルロイくん、着床とは分かるものか。
 君が受精したというなら、風呂に運ぼう。

 ……未だだと云うのなら、もう少しこのままだが。
 それとも、忠実な従僕に妊娠検査薬を所望するか?

[リセットした呼び名すら聊かの柔さを孕み、
厚みはないがフリーターの食事事情に作られた肉体よりも、
余程健康的な筋肉が乗る胸板を提供する様は甘いばかり。

年相応のセクシャルハラスメントめいた問いすら、
若干の親しみを込めた笑気交じり。
言葉を促す仕草で、下肢を重ねる行為に、他意など決して。*]


 挿れてください、のっ
 間違いだろ…

[まるで答えを分かっているかのように。
既に理津を手中に収めたような顔で自身の濡れた唇を舐めとるシュウロへ、言い返せたのはたったそれだけ。
背後を押さえる腕一本を振り払おうと身じろいでも、蜘蛛の糸に絡め取られるように徐々に身動きが取れなくなる。
逃げと抵抗を示すはずの動作で「腰が揺れている」などと指摘されれば、一重の瞳を静かに吊りあげて。
噛みつこうとした口は、劣情の熱を誇示するように膝へ押し付けられた昂ぶりで喉奥に引っかかる。]

 ――…はっ
 シュウロの方が、よっぽど我慢できないみたいだけど…?

[浮かべた嘲笑は、眼下の男を抱くことよりも、抱かれる想像に興奮を感じた己を嗤うようが。
歪に浮かべた笑みは、再びシュウロの唇に飲み込まれる。]


[余裕の笑みを浮かべて降参を促すシュウロに、反撃と叛意を込めて外耳へと鈍い牙を立てる。
怯み、背中を押さえる腕が緩んだ隙に距離を取ろうとしたその行動は。

――どうやら、虎の尾を踏んだらしい…。]

 ――ッ…!?

[身体が引き倒される瞬間に感じた一瞬の浮遊感と、白いシーツへ顔面から激突する錯覚に全身が竦む。
ただ予想していた衝撃や痛みは来ず、スプリングの利いたベッドが成人男性二人の身体を柔軟に受け止め。
ぐるりと反転した視界と、長い髪を僅かに乱したシュウロの顔と、その向こうにある天井に。
目を見開き、自分の置かれた状況を理解した頃にはもう、遅い。]


[愛を囁くロメオのような台詞は、穏やかな声音に反して即物的で酷く生々しい。

理不尽だ。
横暴だ。
誰かに――シュウロに――、抱かれるつもりなんて、これっぽっちも無かったのに。
覆いかぶさるシュウロは、既に自分が抱く側であることが決定事項であるかのように告げる。
それも、あくまで希望や懇願という形で。]

 それは、シュウロの願望だろ?
 俺はまだそれを受け入れたつもりはないし。
 抱く側だって譲った覚えはないよ。

[間近に迫るシュウロの眼差しに籠る熱を知覚して、下半身の熱がじわりと増した。

僅かに劣る体格の不利を補っていた体勢は今や逆転され。
ベッドの上に片手を縫いとめられた今、現状を打破する有利のひとつも見いだせないまま。]


[男にあるはずのない器官がじわりと水気を帯びたのは、XY同士の生殖を可能にする理津の因子が、黍炉の持つ因子に感応したせいか。
意思に反して受け入れる準備を始めた身体に、裏切られるのは何度目か。

激しい口付けは雄と雌、双方の性を刺激し。
ズボンの奥に収めた幹を急速に育てる。]

 うっさ……ッ
 アンタだって勃ってただろ…!
 ぃやだ…、はな…せ、よっ!

[中途半端に脱がされたズボンは逆に足枷となり、シュウロの身体を両足の間に挟んだまま身動きが取れなくなる。

 噛む………って………
 ッざけんな…ぁ、…っくぅ……!

[首へ落ちた口付けは、そこへ痕を残しただろうか。
自分では見えぬ場所故にその真偽は不明だが。
徐々に下半身へ降りてゆくシュウロの頭を追いかけて、自由になった上半身をベッドの上から引き離す。]


[だが、その光景を直接目視してしまう事を思えば。
慌てて上体を起こす必要はなかったのかもしれない。

挿入するには充分と言えないながらも、緩く芯を通して勃ち上がっていた先端にシュウロの唇が触れる。
ぢゅう、という濁った水音に背筋を震わせて。
咄嗟に噛んだ、中指の背。

声を殺し、視線をそらせ。
それでも与えられる刺激からは逃げられず、抵抗を示せば弱く敏感な肉茎に硬い歯の感触が当たる。]

 ふっ……く、ぅ………

[シュウロの手と口は的確に刺激を与え、熱を集めさせるのに。
達するには足りない刺激が多すぎて。
全身の肌を泡立たせる波から少しでも逃れようと、ベッドの端で幾度となく身を捩る。]


[そんな、イきたいのにイけない状況で与えられた言葉は。
荒れ野で四十日を過ごす神の子に、悪魔が持ち掛けた甘言に等しい。

どう?……と。
薄ら笑いを浮かべる口元が唾液以外の体液に濡れていて。
その体液がなんであるか、誰のものか。シュウロの唇を彩るまでの経緯を余さず見ているだけに、グロスを塗った女の唇よりも酷くそそる。]

 ………欲しいって言えば、抱かせてくれるわけ?

[与えられるものは彼の処女ではないと分かっていながら、弱火で燻られ続けた身体を沈め冷静を取り戻すための時間を欲して的外れな回答を選ぶ。

言えば、与えてくれるのか。
苦しいくらいに抱きしめて、硬い剛直で狭い肉筒を貫き、この身を散々に揺さぶり犯してくれるのか。
それは、本当に限りなく、甘い妄想と誘惑だ。

答えを求めるシュウロの視線に推されて、理津の唇が震えながらゆっくりと開く。]


 ――― い や だ

[答えは単刀直入に。
色を堪えるその顔に、意地とプライドを乗せた笑みを浮かべて。

自由な両手で赤いシャツの襟首を掴み、足の間に跪く男を強引に引き上げると。
蛍光灯の灯りを反射して光る卑猥な唇へと自分から噛みついた。

舌を捻じ込めば、感じるのは青臭く苦い自身の味ばかり。
それに嫌悪を示して眉根を顰めながらも、抵抗を拒絶して限界まで舌を送り込む。]

 シュウロだって。
 俺のを舐めながら感じてたんじゃないか。
 さっきより硬くなってるのに。

[振り払われる危険を承知で、シュウロの股間に手を伸ばす。
スラックスの生地の下で窮屈を訴える硬い熱源を、普段は絵筆を持つ指先できゅっと握り、生地越しに掌で扱きながら。]


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