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― いつか月下で
[風を入れ、名残を飛ばした部屋。
見えぬと知りつつ畳へ額を擦って深く礼をした。
膳を下げようと立ち上がりかけた花留へ、穏やかな声がかかる]
…かお
[表情を曇らせ、声色には出さぬよう相槌を打った。
やっていることに代わりなくとも、非公認の見世で誰とも知れぬ男達に夜毎穢される男娼と、僧侶達の世話をする下稚児とでは違う。
この方がもし自分を覚えていればその出自に落胆し、あるいは軽蔑するのでは。
幼い思考はおそれを抱き、同時にこうして優しい言葉を賜る嬉しさにも身を縮めた]
[続く言葉と共に見たのは高級なものだろう笛。
宙へ向け差し出されたへ、
それでも 期待と共に、
手を伸ばした]
斯様なものを僕…私などに
ありがとうございます
[小さな胸は喜びに膨らむ。たとえ笛が買い戻されることがなかったとしても。
よすがを持たず生きるには、この身の明日は長過ぎる]
この笛をナオエ様とも思い、大切に。
お待ち申し上げております
…いつか、陽の下……月の 下で
─ ライオンと漆黒の銀毛 ─
なーなー、ヴェスー、おまい昨日どこに行ってたんだよー。
[タバサちゃんとともにドナルドを動物病院へ連れて行った翌日、相変わらず暢気に過ごす長毛の猫は、昨日なんでか会うことの出来なかった銀毛の猫を掴まえて、昨日の出来事をあれこれと聞かせていた。
廃倉庫で沢山遊んでもらったこと、帰りに怪我した猫を拾ったこと、付近にライオンが出て大変なことになっているらしいこと。
ただ、ドナルドの怪我に関しては、己の知る詳細は告げず、「左眼が潰れるほどの大怪我」としか言わなかったが。]
なぁヴェス、おまいも今度、一緒に遊び行こう!
倉庫いったら、またあいつらいるかもだしさ〜♪
[愉しいよ〜と、誘いをかける。
まさか銀猫が、裏で絡んでいるだなど知るはずもない。
これもまた、ある意味、知らぬが仏なのか**]
― 猫はこたつで
ま、――いいとこだもんな
[ぼそ、と。普段はめったに口にしない本音を口にした。けれど、とても複雑そうだ。]
……、
[一度、二度、瞬きをした。
何か謂おうとして、口を閉ざす。
語り終えるまで、耳を傾ける。
黒い耳が、ひくりと動いた。
覗きこまれ、じ、と視線を合わし、]
……あたりまえ だろ
[胸一杯で、そう謂うのが、せいいっぱい。]
―時代劇番外編
[――獲った。と、思った。
されどその一撃は苦無で受け止められた。
気配は可能な限り消していたはずなのに。
僅かな空気の動きだけで捉えたと謂うのか。
至近距離で対峙し、色違いの目で見つめた。]
――「黒影」
[低く響く声を聞き、己の影名を名乗る。それは、めったにあることではなく。]
……「鳴神」――次は、殺す。
[油断ならぬ男。
心の中で認めながら――予想外の再会となることをまだ知らない**]
―カラーは全8種類
[天使みたいな顔してなにいってるんだか。
目尻を舐められまた耳を動かしながら、うっとりとした彼の顔にちょっと笑いを返す]
そん な大層な…ぁっ、もんじゃ……な、
[素直にイイとこを押す彼の指が増え、圧迫感に脚を震わせた。
狭い孔は指で解され、あっさりと入り口を拡げる。
蕩けた顔でカルヴィンの肩にしがみついたまま、甘く鳴いて。
指が引き抜かれれば、名残惜しげに孔がひくついた]
は……、痛くしても、別に……
[背中を壁に押し付けられながら、とろんとした声で応じていたが。
一気に突き上げられ、声が少し詰まった]
ぐッ…!ん、んんっ、ぁッ、ひぅ、あっ
[容赦も焦らしもなく教えられた場所を抉る動きに、制止の声もあげられず。
強すぎる快楽に思わず腰が浮いたが、それは逆に奥へと導く動きとなった。
意思に反して、ゴリュッと前立腺を押し潰されるたびに雄からは蜜が溢れ、腹を濡らす。
彼の牙が首に食い込み、甘い痛みが脳髄を侵した。
牙が深く穿つたび、孔は締まり悦ぶように絡み付いて。
頭が真っ白になる快楽に、彼の肩につい爪をたて、紅い線を残した]
― 初穂、笛穂 ―
[まだ乳臭い童のうち、人攫いに勾引されて気付けば社会の底。娼は目いっぱいに涙を溜め、怯えきって小さくなっていた。
先ず何よりも、酌の仕方だけ教えられた。
水揚げの夜に、こどもはそれと我が身以外、何も持っていなかった。
逆らわず何も聞かず言われるまま従うこと。旦那様に余計な身の上話などしたら酷い目に遭わせる。 泣くなとは言われなかった。たいていは美童を組み敷きに来る客は啼かせて楽しむし、初物の愉しみは態と馴らさせぬまま、硬く閉じた蕾を強引に散らせること。
周囲の様子からとても怖くて痛いことをされるのだと、それだけをぼんやり理解していた童は、
だから優しく話をし、未知の世界への怯えを薄めひとつひとつ教えながら拓かせてくれた大人の男性に驚き、心を預けてしまった]
ぁ……はぁ …なおえさま…
[花留はその夜のことを思い出していた。
また、歓喜天に導かれての再びの邂逅を。 寺の境内、菩提樹の陰に這い蹲り息を殺して自慰に耽る月下のくらやみ。
爪先をビクと反らし、瞼を閉じて涎を垂らす。
薄く小さな双丘へ剣状尾のように生やした竜笛。
じりじりと排出されるに耐え、完全に抜け落ちる前に先端を樹の幹へ押しあて腰を突き出して深々と埋め直す、繰り返し]
んあ…はぁぁ…
[両の手指には戒めるようにかけた念珠。
願うように口許へ押し当てれば、色の変わった煩悩の珠からは、染み付いた己の匂いがした。
今となってはもう、
日常の勤めで数珠を見るだけで疼いてしまう 罪の深さ]
―獅子と享楽
昨日は……さて、忘れてしまったなあ。
[窓辺のクッションの上、呑気にひなたぼっこをする猫は楽しげにホレーショーの話を聴いていた。
時折、目を丸くしたり可笑しげにくすりと笑ったりして、穏やかな顔。
ドナルドの名を聞いたとき、その目をきゅうっと弓形に歪めた、その僅かな反応に悪趣味な愉悦を滲ませて]
そうだなあ……今度は一緒に遊ぼうか。
[のんびりした声で、淫靡な彼へ快諾を返す。
奇妙なほど機嫌よく、喉を鳴らして小首を傾いで]
それにしても、その…ドナルドくん。
ほんっとうに、可哀想にねえ。
[ぺろっと言いはなった*]
― 猫はこたつで
――…そうか。
[想像していたよりも、ずっと好意的な返事に、こちらも最初はそうとしか返せなかった。しかし、表情が緩んでいく。自分じゃ見えないが、多分ニヤけてる。]
そうかー、ありがとうな。
[黒猫に顔を近づけると、誓うような口づけを落とし。
ぎゅっと強く抱きしめた。*]
― 猫はこたつで
……、……そ そうだよ
[謂ってから、じわじわと恥ずかしくなってきた。
にやけている顔を見て、かああっと、頬が熱くなった。]
(――ダメだ、絶対赤い。)
[口づけはくすぐったく、腕の中は驚くほど暖かい。おずおずと抱きしめ返しながら]
くっそう、
なんだよもう、なんだってんだ…。
……ずるいぞ、……
[ぼそぼそと呟けど、心臓の音が速くて、何処か甘えた様な声では文句にもならない**]
― 猫はこたつで
[みるみる真っ赤に染まっていく顔を、甘えるような声。
ああこれまだまだ俺イけるんじゃねえの、と考える。
雄相手なのに、可愛くて愛しくてしょうがない。]
……お前が好きってことだよ。
[なんだ、なんて言うから、またずるいと捉えられそうなこと告げた。羞恥なんて物はどこかへ飛んでいったようだ。
ごろごろと喉鳴らし、もう離さないと言わんばかりに抱きしめて、心臓の音を聞いていた。**]
― 猫はこたつで
〜〜〜〜〜 っ、…!!!
[撃沈しそうになった。
ぐいぐいと額を押し付けて、添わせた尻尾でたしたしと叩く。何かしていないと恥ずかしいのとうれしいのとでしんでしまいそうだ。]
――お、オレだって その
[顔を埋めたまま、ぼそぼそと。
面と向かって謂えるほど、まだふっきれていない黒猫であった*]
─ AOKNは続くよどこまでも ─
ぅな……ッ……
[
腹の外と裡とを汚す体液の熱さに、うっとりと目を細め、ゆるやかな吐息をケイの耳に吐きかけた。]
な、ふ……。
外だと、やっぱ、開放感があってイイよねぇ……ッ ひゃ。
[
小さく肩を揺らして笑って、閉じられた瞼にまた口付ける。]
ん、なぁに〜?
[しかし、ほんの些細な悪戯でも敏感に反応するケイに、悪戯心以上のものが湧いてしまうのは、仕方のないこと。
口元にニヤニヤしたものを浮かべ、抱きしめたまま、ケイの身体を組み敷いて]
ね〜ぇ。
まださぁ、足んなくない?
[というか、自分が足りない、足りなくなっただけなのだが。
そんなツッコミを許す間もなく、太い尾がしゅるり、零れた白濁を拭うように身体を這う。]
今度はさ、ケイのこと、もっと気持ちくしたげるよ。
[湿った尾の行き先は、勿論……*]
― 赤・桃・朱・紅・緋・レッド・赤紫・橙の8色で
[触れるところ全てから、銀のねこの体温が伝わる。
包み込まれ、絡み付くあたたかさに溺れそうだった。
もっともっともっと深く欲しい。触れたい。声が聞きたい]
ぐっ ぅぅ、く
[穿つたび悦びを露わにする体へしがみついて、深く繋がる。
駆け引きをする余裕なんてなかった。かなうなら、彼が達するところを見たいとか、そんなことも白く痺れた意識から抜け落ちる。
必死に噛み付いた牙の間からは獣の呻きが漏れた。豊かな尾の付け根を掴みそれ自体が性器であるかのように扱く。
叩き付けるように深くを、押し潰すように浅くを、抉って擦って締め付けられる]
ぅ、ぁぁ、ヴェス…ッ!
[痛みが、走った気がして。
それでもそのまま奔り続け、 いちばん奥へと想いを捧げた]
[情けなく上がった息を整える間、
首へつけてしまったかみ傷を何度も舐めた。少し錆みたいな味。
暫くして肩の痛みに気付き、振り返って、
深くつけられた紅い線を見下ろした]
…ぁ、
[爪の痕。だ。 わかれば、それは ]
ヴェス。これ。
[笑みが弾けた。これ以上ないほど嬉しそう。
苦しいままのヴェスの姿勢を少し緩めて、ぎゅっと抱きつく。
そのまま銀の髪を撫でた。よしよし]
キスしよう、ヴェス
それから
僕の背中がボロボロになるまで遊ぼう?
[ふわっと綺麗に笑って、口付けを強請った]
― オフレコ亭ラーメン事業部閉店時間です
[床に額を擦り付け、過ぎた快楽に身悶える黒猫。イイ]
けどあれやな…
はじめてやし、あんまいじめてもうシなくなっても可哀想?
[白目剥いて痙攣するくらいが一番気持ち良いけど(当社調べ)]
抜いたろか?
[マイクで筒抜けだけど、どうやらラーメン通の客達は皿にひどいめにあわされてそれどころではないらしいから大丈夫。
大丈夫板前にさえバレてなきゃ]
─ 黄昏空に背を向けて ─
[
覗きこんだ貌に、怯えや竦みはないと分かれば、少し嬉しそうに舌を伸ばし、ドナルドの鼻先をぺろっと舐めた。]
……ん?
[手前に流れた髪に、ドナルドの指が近付いてくる。
もっと触れて欲しいというように、心地良さげに目を細め、額を軽くすり寄せた。]
すきだよ。
[そこに色恋の意味は無い。
自身を慕ってくれる猫へ、隔て無くかける言葉。]
だから、一緒に気持ちくなろうね……。
……ん、く……、……ゥん。
[束ねた雄を扱く指先は、はじめのうちは緩やかに、けれど徐々に、快楽を強めるようなものへと変わり始める。
こちらから目を逸らさぬドナルドに、熱を帯びた視線を向けたまま、時折、溢れる吐息を奪おうとするかのように口付けては、また雄を擦り上げを繰り返す。]
ドナルドも、さ……ほら……
……触っ、て……?
[絡みつく雄が、互いの先端から零れる蜜で濡れ始めた頃、もう片手でドナルドの手を軽く引き、促してみた。
そして尾は、様子を窺うように彼の太腿を淡く撫ぜ、するりと臀部の合間に割り込もうとしていた。]
―オール暖色!
[柔らかな首へ牙が食い込む痛みは快楽に変換され、脳髄に甘い痺れが伝わる。
互いの身体にしがみつき、奥まで貫かれるたびにさらに深いところまで侵されるようで。
短く切られた爪を少年の背中に立てていることも気が付かず、余裕の削げた様子で声帯を震わせる]
あ゛ッ、や、アアッ!!
[ただでさえ快楽の波に転がされているというのに、尻尾の付け根が細い指に掴まれ。思わず腰が逃げるが、背後は壁だ。
モップのように膨らんだ尻尾がびくんと震えるたび、孔が締まって余計に彼の成長途中の性器の形がリアルに伝わる。
肩に頭を押し付け、強すぎる快楽に少し涙目になりながら。
それでも浅ましく、腰を揺らしてさらなる快楽を求める。
前立腺を押し上げられ、とぷとぷと前から白濁が零れても腰を止めることが出来ずに]
あっ、んあぁっ、ひぁ、きもち、きもち…い…ッ、
[彼の肩に立てていた爪が、ふつりと皮膚を突き破った感触がしたと同時に。
ナカからじわりじわりと忍び寄っていた絶頂が背筋を駆け抜けて、吐精しないまま、達した]
ぁ……ふ、ぁ、…ん、
[とろんとした声を無意識に出しながら、首を舐める彼の髪を指に絡ませる。
腹の中に温もりが残っていた。
噛み傷の痛みが心地よい。
惚けた余韻に浸っていれば、ふと、彼の背中を引っ掻いていた指に気が付いて。
回らぬ舌で、ごめんと呟けば]
うにゃ
[おやつを貰った時みたいな、それよりももっと嬉しそうな笑みを浮かべたカルヴィンに抱き着かれて。
なぜだか撫でられ、ハテナを大量に浮かべたが悪い気はしないのですり寄っておいた]
んぅ…?うん、キス、しよ……
[天使みたいな微笑みに、まだよく考えられてない顔でおっとり頷いて。
唇を啄み、角度を変えてもういっかいした後、ようよう脳みそに後半の台詞が届いた]
─ AOKNが列車みたいになってる
ふぁ、…ふ ……くっそ、―― 絞まり すぎ
[ぼそりと呟く。かかる息に耳がぴくぴくと揺れた。]
……見られてないか
…気にならねえの?……すきだなぁオマエもさ……
[ホレーショーの髪に指を差し入れる。
む、と尋ねる顔を半眼で睨む。]
動く、な、って――っへ…?
[ごく自然に倒された。2度、瞬き]
あー……
[乱れたままの息を吐きながら、考えていたのはほんの数秒。
回らない頭は、ふわふわと本能に忠実に]
……いいよ、あそぼ。
[もっかい噛んで、なんて。
子供に漏らす予定のなかった本音の一部もうっかり、口から零しながら。
腕を伸ばして、甘えるみたいにぎゅっと抱き着いておいた]
っ、…そ、それは、
オマエが――ひゃ、ぅ …っ!
[言葉が途切れる。湿った尾が這う感覚は、達したばかりの体に刺激的だった]
っ、ば、っか…ぁ、あ
[ひくん、と仰け反る。
尾は、奥まったところに触れたよう。
こいつ、なんで イったばっかなのに、元気なのか。
眩暈を感じながら、黒猫は流されてしまった。*]
― オフレコ亭ラーメン事業部チェーン展開したら怖いなって
……、ひぁ は…
ふ ぃ や…いやぁ あ!や
[肩を震わせて、半ば泣いているようだった。
白目はまだっぽい。自分で抜こうとしても刺激に手が止まる]
ひぃ、ぅ あ
ぬ、け……ぬ、いて、…っ も、だ め…あぁッ…
[手が届くなら、縋るように足なり腕なりを力なく掴んで訴えた。]
― 赤ばっかりで目がァ
[とろんとまるみを帯びた声と余韻にけぶる瞳。
甘えるみたいに擦り寄って来る猫へ、喉を鳴らしてすりすりと頬や額を擦り付けた]
んみゃぅ〜
[啄むような軽いキス、角度を変えてもう一回。
ヴェスの唇は柔らかくて甘いにおいがする。口が溶けてくっついちゃうくらい何度でもしたかった]
いいの?
[嬉しい。
抱き合う鼓動が重なる。今は少し速いだけ、苦しくない心臓が弾んだ]
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