3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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問題児 ドナルドは、風紀委員 ディーンは、ラルフの死に何を思うのだろうと、ふと思う。
2010/03/04(Thu) 23時頃
[蠢く蔦に 目を細める 橙色。]
『…… もう直ぐ 時間が、来るね。』
[時間の概念の無い この 闇 の中で 闇 は 嗤 う。]
『今日は どうするのか な?』
『おっと、今日はいつまでも、今日だっけ。』
[失言に くす、と、笑う。]
『いつまでも明けない、2月25日。』
『あの子もずっと、明けない日に縛られているんだね。』
とりあえず。
盗み聞きの子は 悪い子だから
ちゃんと見てなきゃだめだよね
|
― →保健室 ―
[薄紫は揺れた。 けれど、手はドナルドを傷つけなかった。
だから……――――
バーナバスは何か反応をくれただろうか。 止める言葉であっても、それはもう脳裏に届かない。
嗚呼、行く先に蠢いていた動物霊は今はないか。 その代わりに、そこにも蔦があるやなしや――――*末凶*]
(422) 2010/03/04(Thu) 23時頃
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『そうだね。』
『盗み聞きなんて、悪い子だ。』
[教室で 伸ばしてくれた、手。思い出して、直ぐ
それを 闇 は 塗りつぶす。]
『大分 苦しそうだったしね。』
『もう休んだって いいと思うし。』
[その彼に繋げられている絆を、知る由は無い。]
…… あきらめて、た みたいだった。
[あきらめきれない さみしい。 みつけたい。
消えたくない。 こわい。 ]
[なんとなく、ドナルドの冥福を祈りたくなった。
…強く生きろ。]
あきらめてたの、そう。
かわいそうね…
なら なにものぞまなくてもいい せかい に
いったほうが しあわせ だ わ …
なにも ないところ では
なにも あきらめる ひつようないものね
だって さいしょから なんにも ないんだか ら …
[少し虚ろな言葉に 闇 は 深まるように。]
『そうだね、でも。』
『大丈夫、向こうには“皆”いるから。』
『サイモンも、ヘクターも、あとラルフ? も。』
[何も心配要らないよ、と。
それは答えではない のに。]
まぁ、がんばれや。
[自分の若い頃に似ているなぁと思うドナルドを応援した。]
ああ、ともだち だけは いるのよね
それは すてき …
|
― 保健室 ―
[成長限界まで達した植物が、最後に生み出した蔦は、それまでの物と様子が少し違っていた。
ぬるりぺちゃり 殺意の無い蔦は、セシルの触れたドナルドの肌、傷にその樹液を染み込ませて―――理性を奪う。]
嗚呼……―――― 多分、これは、大丈夫だと思う、ぜ?
[じゅくり、傷が熱を持つ。 どこか心此処にあらずな様子で、呟いて。 そのまま蔦を意に介した様子なく、ベッドにセシルを降ろそうとするか。
―――……少し開いていた扉は、自動的に閉まった>>436]
(441) 2010/03/04(Thu) 23時半頃
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先生もそろそろ、潮時だろうな。
[自分よりも亡霊らしい姿をふと思い出した。]
『まあ、がんばれ。』
[倣って置いて。]
『そう、そろそろ。』
『時間が来るからね。』
[ラルフはともかく、ヘクターを襲った 闇 。
忘れてない、けれど。それには 触れない。]
|
― 保健室 ―
なんと、なく、かねぇ……――― 俺、喧嘩慣れしてる、からさ
[本気かそうでないか。殺意があるかないか。 分かる気がすると……―――。]
なんつーか、アシストされてるみてぇだなぁ。
[ベッドに降ろせば、セシルの手に伸びるピンクの触手。 膜を張った身体を支えている手に触れると、硬質でない感触。]
なぁ、ほら、触れても平気だ。
[濃紺を細めて微笑む。ドナルドもベッドに乗り上げると、セシルの頬に垂れた樹液に指を這わそうと伸ばした。]
(463) 2010/03/05(Fri) 00時頃
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|
― 保健室 ―
さぁ、なんでだろうなぁ……―――
[じわりじゅくり 傷から直接体内に樹液を含んだドナルドは、事態の異様さに気付けない。否、考えようとしない。
―――……唯、目の前の人が 欲しい ]
ん。なんだ?
[薄紫を見詰める濃紺は、唯、今は柔らかい。声音と同じく。 頬に触れた手。重なる手。名を呼ばれた。 親指だけ動かして、セシルの唇に樹液を塗りこめながら問う。
遠い話声は、ケイトとヘクターのものか。 それとも、下駄箱を挟んだ隣室のものか。]
(476) 2010/03/05(Fri) 00時頃
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『どうするの?』
『どうしようか?』
『辛そうな子を送ってあげる?』
[鸚鵡の声に疑問を抱く筈がない。
それは、自分の声。自分の内の 闇 の声。]
『もっと呼べたらいいのにね。』
『皆 鬼 になれば 、 いいのに。』
|
― 保健室 ―
そうか……―――
[なんでもないと言われれば、スイッチが完全に切り替わる。 甘く食まれた指先の感触に、眼が細まる。 チラリと覗く舌に、濃紺に優しさでない色が燈る。 三白眼は、まるで獲物を捉える肉食獣のよう。
親指を引き抜くと、噛みつくように接吻けた。 ぴちゃり ぬちゃり 舌を互いの蜜を絡ませようと。]
お前 が 欲しい
[接吻の間に告げながら、指先がシャツの上を彷徨って。 掌全体で、蜜をなすりつける様に、背を胸を撫でる。
やがて襟元の隙間から、指先を這わせ、素肌の鎖骨をなどり、ボタンを一つ一つとはずして行く。]
(492) 2010/03/05(Fri) 00時半頃
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(遠い)
(声)
(誰が)
(誰を)
(――だれ)
『うーん。』
『誰か、いたかな?』
『まあ、送りたい人でも、いいんじゃない。いない?』
『あれ、……キャロライナ。』
[闇は、呼び方が、違う。]
『気に掛けたことに ありがとうって』
寂しいのかな。
[みられない きにもとめられない それは とても ――]
問題児 ドナルドは、化学教師 スティーブンに話の続きを促した。
2010/03/05(Fri) 00時半頃
さみし い の ?
そう なら ともだちがいるところ いきたい かな
[嗚呼。でも]
[キャロライナの、友達は]
[まだ、こちら側に、いるのに。]
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