73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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………!!
[丁度引いたときだった。 サイラスがカルヴィンに口付けたのは。 いったい何がおきたのか、どうしたのか? ただ、引き剥がしたいと手を伸ばすより先に、 サイラスの身体が崩れる。]
(0) 2012/01/02(Mon) 00時半頃
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[サイラスの纏まらなかった想いからか、 得られたのは生命維持に ギリギリ必要な程度の精気だけ。
蕾のままの花はきちんと咲けぬまま、 蔦を伝ってカルヴィンの胸の中へ。]
[勿論そのような不可思議な現象を フィリップは知るすべもなく]
(3) 2012/01/02(Mon) 01時頃
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誰…何?
[幽かに聞こえた声に耳をすませる]
サイラス…何処?
[中途半端に煽られた熱が行き場を失って悲鳴をあげていた。棘が刺さったのは、きっと胸だ。深いところに刺さって抜ける時はきっと、無事じゃいられない]
君…誰……
[薔薇はカルヴィンを知らない。
消え入りそうな声で誰何した]
僕は……エリ、ア……ス……
[図書室での気絶と赤い意識が閉じるのは同時*]
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[重いものが床に落ちる音。 それに驚き鮮やかな姿が卓上から定位置に納まる。 フィリップの硬直はそれでやっと解けて。]
………っ これは、もしかして……ロバートの言っていた……こと?
[倒れたサイラスの横に肩ひざをつく。 カルヴィンの声にもこたえない姿。 当然フィリップが肩をゆすっても目覚める気配はなく。]
(8) 2012/01/02(Mon) 01時頃
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エリアス、先輩?
[名前を聞けば顔色の悪い先輩を思い出して、けれど彼は少年を知らないかもしれないけれど]
俺は…カルヴィンです。中等部3年の。
ね、先輩 サイラスは、何処…?
[問いかけても返ってこない返事に歯噛みするが、今はまだ、相手もあるいはサイラスと同じように調子が悪いのだろうと想像できずに]
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……………知ってる……
[倒れたサイラスに混乱しているのだろうか? カルヴィンの様子に、尋ねられた一言に、 一瞬息ができなかった。 けれど、自分に泣いてすがった姿も まだ記憶にしっかりと残っている。 彼が薔薇にした願いだって忘れてない。
そんなこと俺に聞くなって怒鳴りたい気持ちが一瞬。 けれど、困惑する様子に懸命に視線をそらして。 初めからわかっていたことだと、自分に言い聞かせながら 落ち着かせるように軽く頭を撫でようと。]
………いまは、さ。 床じゃ寝かせるにはあまりに冷たいから…… 医務室に、運ぼう?
[胸元を気にする様子に、そう声をかける。]
(11) 2012/01/02(Mon) 01時半頃
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フィリップは、それともこの部屋に寝かせたいだろうか?とも考える。
2012/01/02(Mon) 01時半頃
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[なぜジェフ先輩とやらが出てくるのかはわからなかった。 けれど、カルヴィンがこの部屋に寝かせたい、 と、言うから、むしろ医務室に運びたかった。 ……実際には、そうせず従うのだが。]
…………カルヴィン?
[サイラスの重さが突然増える。 カルヴィンが取り落としかけたからだ。]
……俺が運ぶよ、ほら、 サイラス上背、あるし、さ……
[こんなときに嫉妬している場合じゃないのに カルヴィンを心配するのと同時に、 それにかこつけて、サイラスをずるりと、 ぬいぐるみのない方の寝台へと。]
(14) 2012/01/02(Mon) 01時半頃
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……………そう、なんだ……
[サイラスを抱えあげたとき、あれほど彼からした 薔薇の匂いが途切れていることに気づく。 けれど、部屋の中の匂いは むしろ濃さを増したように…… 今、サイラスが好きだと再認識したばかりの カルヴィンから、香る気がする。 そう、思い込みたいのか、事実なのか、 眠るサイラスに儀式めいた静かな挨拶を交わす姿。 立ち上がる。その姿から視線が……離せない。]
……オムライス、食べ、ようか、続き。
[香りに翻弄されそうになる。 だからできる限り日常を保とうと。 そう言ってカルヴィンに手を差し出す。いつものように]
(19) 2012/01/02(Mon) 02時頃
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フィリップは、カルヴィンの感謝と謝罪には、大丈夫という風に首をゆるく振る
2012/01/02(Mon) 02時頃
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[いつもなら握るだけ、暖かいだけの手指が絡まり ぞくり、としたものが背を駆け上る。 カルヴィンは至って普通に見えた。 そう、カルヴィンは、普通なのだから、と 熱が溜まりそうなのを逃がすように一度首をゆるく振る。 卓上でついばむ鮮やかなほうは 一度不思議そうに周囲を見た。]
……俺、いつも冷めてから食べるから…… この方が、なじみ深い、かな。
[だから返す言葉も普通のそれ、を。 実際にはカルヴィンが床にあるスプーンを 拾う姿からも目を離せないのに。 そう、目を離さないでいたから見えてしまう。 屈んで下を向いたとき、白い項と自分がつけた傷の名残を。] [スプーンを持った手で両の目を追う。熱い。 今まで薔薇の香りにここまで翻弄されなかったのに。 どうして、今?]
(21) 2012/01/02(Mon) 02時半頃
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……じゃあ、次は、熱いうちに。
[和やかな日常的会話に視界を覆う手を退け 笑うカルヴィンに笑い返す。 次がない予感知る術もなく、 一緒にいる、のだから、次もあるのは当然と。
そんなことを考えながらも 無意識のうちに手を伸ばす。引き寄せたくて。]
(24) 2012/01/02(Mon) 02時半頃
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…………?
[なんとなく、言葉の使い方が引っかかった。 きっと、って? 促されれば、自分が手を伸ばしていたことに気づき あわてて頷きながら席に着く。 ただ。]
…………ずっと、一緒、だよ……ね?
[言葉の引っかかりに翠に不安の色が滲んだ。 例え、気持ちが叶わなくても。 それでも、ずっと一緒に、手を繋いで…… それは、子供じみた願望だろうけれど、 フィリップには切実で。 カルヴィンはいつものように笑うけど……]
(27) 2012/01/02(Mon) 03時頃
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…………良かった。
[返事が返れば安堵した。 サイラスが眠ってしまったから、 サイラスと同じように寝てしまいたい、 そう思っている様子は見えなくて。 その瞬間は薔薇の香りよりも、熱よりも 嬉しさが上回って笑う。]
…………なら? うん、俺も、カルヴィンとずっと一緒にいるよ。 例え何があっても…… [慣れた冷めた食事を口に運びながら 飲み込まれた言葉にゆるく首をかしげるけれど、 カルヴィンからも確かめるように 尋ねられたのが何か嬉しかった。 自分ばかり一緒にいたいんじゃない気がして。]
(29) 2012/01/02(Mon) 03時半頃
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…………?
[鮮やかなほうと視線を合わせる。 幼い願望がカルヴィンに どういう印象を与えているか知らないまま。 片付けるという言葉に、食べ終わった皿を渡した。 「美味しかった、ありがとう」と、告げながら。 ……いつも食事は空腹だから無理やり食べるだけ。 そう思っていたから、この食事が酷く新鮮だった。] [ただ、その思考は次いだ言葉 ……正確には最後の言葉にに硬直する。]
…………う、ん
[とっさに頷いてしまった。 ただ、うなずいた後、この薔薇の香りの中で、と 自問自答する。 きっと、寝台が一つしかないことから 親切で誘ってくれたであろうカルヴィンの その気持ちを裏切らないですむのだろうか?……と。]
(31) 2012/01/02(Mon) 04時頃
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[けれど、誘い自体がとても甘美で、 それを改めて拒むことはできなくて。]
……一日をどこで区切って良いかわからない、ね……
[鮮やかな方はいつものように寝台脇のテーブルに乗せる。 そうしてから、ぬいぐるみがある寝台へ。 できる限り、日常的な語句を口にしながら横たわる。 睡眠導入剤もなければ 酷く香る薔薇と、暑い熱と、渇く喉。 はたして*眠ることはできるだろうかと思いながら*]
(32) 2012/01/02(Mon) 04時頃
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サイラスは…眠ったんだ、ね。
ごめんね…。君達に……
こんな思いさせたかった訳じゃ……
[薔薇の声は切れ切れ]
僕は……
お願い、したいんだ
君は、僕の願い、叶えてくれる……?
棘を渡したい人が、いて……
咲きたいんだ。
白薔薇、もう少し……で……
[熱に浮かされた体は薔薇にも酷い不調をもたらした]
白、薔薇…
[想像すれば、紅い赤い姿とは異なる静謐なものに思えて、咲かせてあげたい、そう願ったけれど]
誰に渡すの…?
[目の前にいる彼ならいいのに。そうでなければ…我慢できるか、わからないから]
…セレストに……
[君が望む人ではないかもしれない
それが、今の薔薇には痛く思う]
[最後に花咲かせるなら彼のキスがいい。
エリアスの思慕にあてられたのかも知れない。
棘を移すには情を交わすなりしないといけない
薔薇の声は僅かに震えて]
セレスト先輩、に…キスするの
[出来るか、と問われれば頷く。したいか、と問われれば――
けれど、薔薇の、エリアスの声はあまりに弱弱しくて叶えてあげたい気持ちはあって。
フィリップに移せば、彼が…とも考えたけれど
フィリップがセレストとキスするのは、なんだか、とても嫌だった]
どうしよ、何処に、いるの?
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[鮮やかなほうは、同じ卓上に置かれたぬいぐるみを 興味津々という風に嘴で突付く。 ただ、どうして動かないのだろう?と、訝しげにもしたが。] [フィリップは驚いていた。酷く薔薇の香りがする中で。 カルヴィンから回された腕が温かいを通り越して熱い。 カルヴィンが言葉を紡ぐと、息さえかかる近さに眩暈がする。]
うん……夜も終わらない、なら…… ずっと、寝なくちゃいけない、よね。
[自分の鼓動がうるさくて、 何かに耳を済ますことは到底無理だったけど キスした後内と外の境ではしゃいだ、 あの時間は終わってしまったのだと、なぜか思って。 静かに息を吐き、少しだけ身体をずらしながら、 そっとカルヴィンの頭を撫でた。ゆっくり眠れるようにと。 ……下げたくなるのを抑えようとしながらも 時折堪えきれず、今は噛み痕も薄れた白い項に触れたけど。]
(37) 2012/01/02(Mon) 16時半頃
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辛い、のかな
痛いよ、痛い…
[うわごとのように返す言葉はどちらで呟いたのかもわからず]
ご、め……
[泣きそうな薔薇は何に対して詫びるのだろう
気が遠くなりそうなほどに渇いた感情は狂おしいほどの愛おしさを覚えさせて*]
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……………?
[呟きの意味がわからない。 ただ首筋を擽る息に微か震えながらも 腕の力や声色に滲むものに、 その髪撫で安心させたかった。]
[ただ、息の熱さに熱いのは自分だけじゃない ように感じるのは願望か、事実か。]
………それは、嬉しいけど……
[たずねられた言葉に、思わずこくり、と頷いた。 只でさえ戦っている最中に、その誘惑は抗えなくて。 が、何か抱えている様子、不安げな様子、それに……]
カルヴィンが、それで痛くないなら……
[痛みをこぼす様子が心配で、少しだけ身体を離し表情を覗き込もうと]
(39) 2012/01/02(Mon) 17時頃
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