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テッド! 今日がお前の命日だ!
――……なんだ、これ。
[思わず裡で呟く。
ようよう見れば、それはセシルの身体に這う黒と酷くに通っていて。
気を失っている間に、彼に描かれたのだろうかと、
指先をこすってみるも、消えはしない。
それどころか、摩擦熱がそこから全身に伝うよう……。
先程、あれほど熱を放ったというのに。]
……え〜と。
こんなんで、いいのかな〜…
[一応、健全な青少年なので知識はあるのだが。
何せ男同士は初めてである。しかも、女性との経験もない。
女の子にやるような感じでいいのだろうか、と、
かなり手探り気味にやっている。
肌すべすべなでなで。]
――……っ!?
[ヤニクに対して、あっと口を開きかけたタイミングで、
この場にいる筈のない人の声が脳裏に木霊した。]
この声って、ノックス先輩?
[少しキョロキョロと周りを窺ったけれど、
もちろんその姿は見えず。
どうしよう、俺空耳が聴こえる年齢でもないのに……。
と、思いながら、どこかなぜか聴こえる理由が判る気がするのは、香る薔薇の芳香の為だろうか。]
…何しちゃってるんだ、俺。
うう〜。
[泣き出しそうな、情けない声。
今度ははっきりと、テッドに届いただろうか。]
――……えっと、なにが、どうしたんです?
[薔薇の香りで色々麻痺してるのか、
頭に聴こえた泣きだしそうな声を放っておくこともできず、
ひとまず頭の中で尋ねてみた。]
『ああ、良い子』
『あの子の想いはなんて甘美』
『残した想いもなんて熱さ』
[新たな虜の訪れに、薔薇はうっとりと笑っている。]
………あれっ。オリオル君の声が聞こえるよ〜?
なんでだろ〜。
[後輩の声が聞こえたことに、不思議そうに。
その疑問が、一時的だが泣きそうな声を引っ込めさせて、いつも通りののんびりとした声を取り戻させた。]
元気〜?俺はあんまり元気じゃないよ〜。
今日も絶賛不健康児〜。
[冗談を飛ばすけれど、は〜、と溜息を一つ。]
『君も素直になれば良いのに。』
[思った以上に忍耐力のあるもう一人には不満げな視線を向けるけれど。
少しずつ浸食しようとするそれだけで、か弱い身体にはひどい負担となるのだろう。]
うるさいな〜。
童貞の執念なめるなよ〜。
[全くもって自慢できない。]
………俺の恋心、あとであげるから、さ。
その感じは、やっぱりノックス先輩ですね。
なんでって、俺が聴きたいんですけど……。
[脳内会話が成立したことに、若干驚きつつも、
それほどの驚愕がないのは麻痺しているからだろう。]
俺は、まぁ、そこそこ元気ですけど。
先輩って、気持ち的にはいつも元気そうなのに
身体はおいといて、どうしたんです?
[なんだか結構失礼なこという間に、
聴きなれない声が聴こえて、流石にびくっとなった。]
え?もう1人聴こえる??
ちょ、え、なんの話してるんですか?
[童貞とか恋心とか聴こえて、あわあわ。]
こう…男への初恋っていうの〜?
俺の中にそんな感情があったっぽくて。
それがかなり衝撃だけど、その相手が嫌っているとばかり思っていた人で、それも衝撃で、且つ既に恋敵がいる上に、相手は多分俺のこと何とも思ってないだろうなという予想ができて〜。
前途多難すぎて泣けてきてるところ。
[さすがに、その恋敵と寝てしまいそうになっているのまでは省いたが、テッドに軽く説明する。
倫理観の強い彼にあっさりと言えてしまったのは、秘密の会話ができたことで、気持ちが緩んでいたからだろうか。]
嫌い嫌いも好きのうちってやつだったってことですか?
[おそらく相手にとっては酷く重要なことなのだろうけれど、
どうものんびりとした口調が、それと感じさせない。]
相手も無関心の振りしてるだけかもしれませんよ。
それにどうせ後悔するなら、動いて後悔した方がいいんじゃないですか?
一般的には。
[だからこそもあるだろう。
相手が知らない間に、倫理観の一つが崩れてしまった少年もまた、わりとあっさり無責任なアドバイスをした。]
うっさいば〜か!
俺、動く事のできるような…自分に自信のあるものなんか何も持ってないもん〜!
リア充爆発しろ〜!
[子どもっぽく、自分でもよくわからないことを言いながら反抗。はあはあと息を荒げながら]
……ああ、ごめんね〜。
話の途中だけど、ちょっと……取り込みそう……
[どこか虚ろな響きを乗せて。]
俺もべつに自信なんて何もなかったすけどね。
リア充爆発ってなんっすか???
[子供のように叫ぶ人に、きょとん。]
――……ただ俺は、どうせ後悔するなら
自分じゃないとって言ってくれる人が良かったってだけで。
[ポツっと呟いた後黙るのは、取り込むと言われたから。]
[自分じゃないと嫌だ、と言ってほしかった。
最初に彼と…そうなりかけた時、誰にでも優しさを振りまく彼はそう言ってくれないんじゃないかと思って、拒絶した。
無自覚で臆病な心の奥にあった、それが真実。]
[はら、と涙が一つ落ちた。]
【人】 墓荒らし へクター[プールから上がると、寮の部屋へ戻りロビンの部屋へ向かう。心なしか寮を包む薔薇の香りが一層強くなっているような気がした] (74) 2011/08/09(Tue) 16時半頃 |
【人】 墓荒らし へクター[その仕草が自分が変わってしまった事を負い目に感じているせいだからとかは解らない。 (76) 2011/08/09(Tue) 16時半頃 |
【人】 墓荒らし へクターそんなに怯えんなっ、 (78) 2011/08/09(Tue) 17時頃 |
【人】 墓荒らし へクターここからお前だけでも逃げたら…そう考えてたけど (79) 2011/08/09(Tue) 17時半頃 |
【人】 墓荒らし へクター感染源がわかれば、すべて終わったら起こすから (83) 2011/08/09(Tue) 17時半頃 |
【人】 墓荒らし へクターごめんな。ロビン (85) 2011/08/09(Tue) 17時半頃 |
【人】 墓荒らし へクター[医務室のベットにロビンを寝かすと、乱れてしまった髪 (88) 2011/08/09(Tue) 18時頃 |
……童貞より先に、処女失ってしまった……
[ふと気づいた事実に愕然として、思わず零した。]
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