人狼議事


21 潮騒人狼伝説

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牧人 リンダ! 今日がお前の命日だ!


 ……ああ。
 やっぱり、君が。

[その先は言わない。ふさわしい言葉が見つからない]

 ……ありがとう。

[ただ、理由も何も示さない、謝意を告げた。]


 ……今から逃げる。
 外に出たら場所教えて。

[状況は告げない。
 彼ならば、臭いでとっくに気づいているだろうから。]

 炎が舞う旅館、ってのも。
 いい絵になると思わない、


 ……そうこないと。

[後ろから聴こえるボリスの声に、囁きでつぶやく]

 あの二人、人狼塚で待ってるってさ。
 どうする、

[答えは予測出来たけれど。
 二人、ではなくベネットの暴れるさまを想像して、愉しげに問うた]


…ウゼェナァ……


アトはアノフヌケ二人カァ。
ココデタラ場所はオシエル。

オマエヨケイナことスルンじャねーぞ。
あァ塚壊スノハヤメサロ。

[ニンゲンだって墓は大事にするだろう?そんな程度の意味合いで。
人も弔われている塚に手を出すとも思えないが]


俺バッカ楽しンデタカラナ。
ちったぁお前のご期待ニモソエヨウカ。


アノ腑抜け連中、タダジャ死なせネェヨ
[塚の障気は死気や恨みつらみを巻き込んで更に色濃く。
あてられ続けた狼はまるで興奮剤と増強剤をこれでもかとぶちこまれたような、そんな気配]


 君を目覚めさせてくれた塚を、壊させるわけないだろ、

[言葉とは裏腹に、淡々とした声で返すも。
 瘴気のかたまりのような気配には、ぞくりと身を震わせた。
 ひとの身体には余る彼の興奮は、火の手よりも熱く身を焦がす。]

 ……君こそ、勢いあまって壊しそうな勢いじゃない、

[苦笑混じりの言葉が続く。
 始まってもいないのに、彼の気に乗せられるのは何となく悔しくて。
 感情をむりやり抑えたような声になった。]


…オマエノホウガ、ヨッポド狼臭いナァ。
デキソコナイの、あの二人ヨリ。

[そう呟きんがら、焦げ臭さにすん、と鼻を鳴らす
生肉しか口にしていなかったが、火に死体をくべて食べたらうまいだろうかと思いながら]

俺が壊すのはイイんだヨ。
アタリマエ。


ムリすんなヨ。食いたきゃ食ってミタライイゼ?
セッカク火をツケテクレタンダ。
リンダかイアンの死体焼イテミルカナァ。

アイツラのカラダ、マダアルカナ?


 ……そう、

[狼臭い、と言われると声だけはそっけなく返す。嬉しそうな気配は、ほとんど隠せていないけど。
 それでも食え、と言われるとやはり嫌悪を露わにして]

 やだよ。
 ひとを喰う趣味はない。焼いても、やっぱだめだ。
 ……イアンとリンダのなら、まだ残ってたけど。
 いらないよ、あんなの。


 ……ああ。ひとのには、興味ないけど。
 君のは、……どうだろう、

[淡々と、しかし諧謔めいた口調で言った]


ヒトに興味モタナイところが、ネ。
ソンナトコロは俺も気に入っテルのサ。

ヒトをクワナクテモ、リッパなモンデ。

[いつのまにか、ぐちゃりと咀嚼音が聞こえる。レアに焼けた死体を食っているのだろう]

オレは肉食ダシ、マズイヨ。


 何言ってるのさ。ひとだって肉食だろ、

[咀嚼音をBGMに、塚へと歩く。
 少しその味を想像してみたけれど、途中で顔をしかめた]

 人狼よりも、ずっと色んな生き物を食べてる雑食家。
 ……その皮をかぶった人狼が、そんなこと言ってもね、


俺実ハ菜食主義ダッタんデ。

[さらりと過去形で話をする。
肉が苦手だったのは、多分歯止めが利かなくなるからと、
どこかでわかっていたからで]

…俺は、悪趣味ナンダヨ。
センスの良い悪趣味。イイダロ。

ゲイジュツは凡人ニハ理解サレナインダロウけどナ。
ついでに…思考回路モ、理解サレナイラシイぜ?

[そうこう話している間に、半焼けの遺体を引きずる狼は、塚に至る]


 理解される必要が、どこにあるの、

[不思議そうに言った]

 僕はひとの肉は嫌いだけど、君は好き。
 それでいいじゃないか。

 ……まあ。
 ……ひとに関すること以外、僕は君のセンス、好きだけど、

[ぽつりと告げる]


理解サレナイから疎ましがられるンジャナイノかネ?
マァドウセコロス連中に理解も何もナイカ。

俺がスキ、ネェ…
この悪趣味。

[くっく、と嗤う声はしかし見下す色は含まない]

ヒトに関シテ?何かお気に召しませナンダカ?
……マァ居るヤツ殺しテカラユックリキキマスかな、
非常食殿。


 ひとの肉に関して、ね。君の悪食は理解出来ない。
 それ以外は、別に。

[笑う声に、ぷいと首をそらすような気配が漏れた。
 非常食、と言われると、く、と笑みをこぼし]
 
 そうだね。
 ……画材殿。

[最初は信仰に近いものもあった気がする。全力でかばう気でいた気もする。それが、現在は。
 ――友人でも主人でも、敵でも味方でもない、奇妙な関係の、今の呼び方は。
 多分、これが一番合っていた。]


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