73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/27(Tue) 00時半頃
……へぇ。焼いたら、どうなるんスかね。
[風に溶ける薔薇の香りに、疑問を呟けば。]
…ならないよ
棘がなくならないと。
ただ、自分を焼くなんていわれて
はいそうですかなんていえないよ
薔薇さんも、眠りについちゃうんスか?
オレを1人残して。
[何となく生まれた素朴な疑問。事実、ノックスの声はもう、聞こえない。
対になった薔薇の棘の片方はもう、抜け落ちていて。]
まあ僕は眠らないけど、エリアスは眠るよね。
一人になりたくないの?
あんな悪戯する悪いコなのに。
君は構って欲しいのかな?
1人には、なりたくないっス。
きっと、オレだけじゃなくて、みんな、そうだと思うっスけど。
[自らの汚さを知っていつつも、温もりを求めずにはいられないのは、薔薇のせいなのか、それとも自分の中にある欲求なのか。]
1人になるくらいなら、いっそ――
それに、オレはエリアス先輩は見ててムカつくし、イライラするけど、薔薇さんは嫌いじゃ、ないっスよ。
[少しはにかんだ様子で呟けば。]
……オレも、もう少し、勇気が欲しいっス。
うん。僕も君達は大事。
君達はいつも僕を見ててくれる。
僕もずっと君達を見てたんだよ。
[だから香る薔薇の気配。
大事な子達が幸せになれたらと願う薔薇]
言ったでしょ。香は後押ししかしない。
君にその気があるなら、助けてくれるよ
[薔薇が助けるのは、一人になりたくない願いか、眠りたいという願いか。
ただ、やはり乗る気配は穏やかに]
どうも……ありがとっス。
[自分は存在していいのかという負い目を。
薔薇の精に後押しをしてもらうように、モリスは一歩一歩踏み出していく。]
そうそう…
あんまりこの子のことも嫌わないであげてね。
これからいやってほど、辛い目にあうだろうからね*
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/27(Tue) 20時半頃
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──音楽室── [一人奏でるバイオリンの曲は童謡めいたものが多く。
バイオリンを通して自分と会話すると言うよりは、在りし日に思いを馳せるため。 それは自分が決定的に歪むよりも前。未だ純真でいられた幼少の頃。
他者からのいじめ。簡単に折れた心。 自分の殻に閉じこもりがちで、無表情に近い息子の情操教育にと与えられたのはバイオリン。
初めてその音に触れた時、嬉しかった。 奏でた一音は音と呼ぶにはあまりにも粗末なもの。されど、自分が奏でた大切な音。 誰とも心を通わせることができなかった自分が、初めて心を通わせることができるものに出会えた気がした。 一音、また一音、綺麗に奏でられる音が増えていく。音符の連なりを追えば、曲へと姿を変えていく。 色褪せていた自分の世界が急速に色付き始める。自分の居る場所がきらきら光って見えた。 もっとも、それは自らの手が生み出せる範囲の小さな世界でしかなかったことには気付かなかった]
(69) 2011/12/27(Tue) 21時半頃
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[誰かを抱きしめるために必要な両手を広げるだけの世界があればいいと何かの小説で見た気がした。 でも、自分は違う。自分が必要としている世界を形成するのは、もっと小さくて。 だって、自分を抱きしめるのには、両手を広げる必要なんてないのだから。
鼻腔を擽る薔薇の香り。薔薇の香りが齎すのは一体何なのだろうか。 人の奥底にある欲求が浮かび上がるとノックスは言っていた。 それなら、自分は疾うに自らの世界に閉じこもっていてもおかしくはないのに。 薔薇の香りが齎す効能は自分に効いていないとも思えない。
今までは意識的に吸い込まないようにしていた薔薇の香り。 この香りに身を委ねれば、幸せになれるのだろうか。幸せ……?自分は幸せになりたいのだろうか。
多くは望んでいない。幸せでなくても構わない。だから、だから…誰もいない世界で一人────]
あぁ……違うのか。
[ぽつり呟くと、手を止める。不自然に途切れる演奏。 一度瞳を閉じて、自嘲気味に笑みを浮かべる。 幸せでなくとも構わないなんて、思っている時点で、既に破綻している。 分かっている。分かっていても、一人が居心地が良いから、自分は抜け出せない]
(71) 2011/12/27(Tue) 21時半頃
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………香りが、変わったように思えたけど。 それに、………減ったのかな。
[小さく息を吸えば、緩く首を傾げる。 香りの変化はすぐに消えた。きっと、気のせいだろうと結論付けられるほど些細な変化。だから、気にも留めない。
それよりも気になるのは、気配の数。気配には誰よりも敏感な自分。でも、本当のことを言えば、その気配の詳細までは分からない。 だって、自分にとっての線引きは、自分とそれ以外かしかないのだから。それが他人かあるいは得体が知れない者かなんて、大差ない。
色濃く感じる薔薇の香りに紛れている他者の気配が減ったように感じるのは何故だろうか。 それは本来とても好ましいことのはずなのに、素直に喜べない。 気のせいであればいい。だけど、きっと気のせいではない。
痛ましそうに瞳を伏せて、胸元に手をあてる。布越しに触れる十字架の感触。 何かを祈ろうとして、困ったように眉を寄せる。 他者のためになんて祈ったことが無いから、適切な祈りの言葉が浮かばなかった]
(72) 2011/12/27(Tue) 21時半頃
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……相変わらず、外もこの香りなのかな。
[噎せ返るような薔薇の香りにも少しは慣れた。 この香りが消えないのは仕方が無い。 ただ、少しだけ頭を冷やしたくて、窓に手をかける]
寒っ………
[窓を開けば、冷たい外気が頬を掠める。 小さく呟いて、すぐに窓を閉めようかと思ったものの手が止まる]
あれ……?
[中庭に視線を落とせば、先ず目に入るのは真っ赤な薔薇。 そして、それと同じくらい鮮やかな鳥の姿。 視線をさらに滑らせれば、廊下で会った少年の姿も見えるか。 どうしたのだろうと不思議そうにその姿を見つめた]
(78) 2011/12/27(Tue) 22時頃
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[先ほど会った時のように、避ける様子を見せるなら、すぐに窓を閉めようと思っていた。 少年の口から紡がれた言葉に瞬く。 自分の音を聞かれるのは嫌なのは、それは自分との会話であったから。盗み聞きされているようで不快だった。 今弾いていた曲は会話ではなく、あくまでも昔を思い出すためのものであったために、不快感はなく。 手をかざして、目元あたりを隠す様子を見て、考え込むように口元に指をあてる]
………何か、聞きたい曲はありますか?
[弾き終わったと言うことは容易い。あるいは何があったと問うことも容易い。 だけど、どちらも口にすることはできず、開かれた唇から紡ぎ出た言葉に自分でも驚く。 驚いたところで取り消せないし、それくらいしか自分にはできそうもない]
それと、もし……良かったら。 使って下さい。
[吐く息が真っ白に染まるほどに、外は寒い。何故外にいるのか。 きっと寮内にいたくない何かがあったのではないかと想像するのは難くない。 しばらく迷った後、バイオリンを弾くために外していた黒の皮手袋を手に取る。 手から離す時、自身の迷いを写すように少し震えるも、黒の皮手袋は音もなく、中庭にひらりと落ちた]
(83) 2011/12/27(Tue) 22時半頃
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え………っと。
[痛くない曲と聞いて、感じた戸惑い。 自分の音はどこまでも自分に優しい。だから、痛い曲というのがそもそも分からず。 そして、1つ思い当たる可能性。今まで考えてみたこともなかったこと。 自分の音は自分に優しいけれど、他人にとっては……────?]
すみません。自分の音があなたにとって痛くないか、正直自信がありません。 ただ、その、できる限り…、頑張ります。
だから……その、もし、痛かったら、……言って下さい。
[歯切れ悪く、そう告げる。少しでも痛みを齎す可能性があるなら、断った方が良い。 自分の音が受け入れられなければ、結局傷付くのは自分。 分かっていて、それでも弾かないことを選択することはどうしてかできない]
(96) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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……お礼を言われるほどのことではありませんから。 その手袋、……捨てるつもりだったんです。 だから、要らなくなったら、捨てて下さい。
[自分と種類は違えど、他人を避けている印象がある少年に向けて、そう付け加える。 自分も他人が一度はめた皮手袋をもう一度はめられるかは自信がない。 だから、慣れない嘘を吐いた。それが互いにとって一番だと思えたから。 指を通す様子を見れば、安心したように息を吐く]
寒いですから、飽きたらいつでも立ち去って下さい。
[そう声をかけて、自分に集中するためにバイオリンを構える。 やがて奏でるのは、星に願いを込める曲。自分の願いは叶わないと知っている。 だから、少年にもしも何かの願いがあるなら。願いがなくとも、今後もしも何か願いができたら。 その願いが叶うようにとの、想いを込めて、音楽室から奏でた]
(97) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[誰かのために奏でるのは初めてのこと。 手が震えそうになったのは、外気による寒さのせいではない。 それでも、一度曲を奏でれば、毎日連れ添っているバイオリンの音が狂うことはなく。
ふと、バイオリンを弾きながら、視線を向けるのは中庭で咲き誇る薔薇。 薔薇にも願いはあるのだろうか。ノックスいわくお節介な薔薇>>2:468 そして、気になったのは枯れかけであるということ。 とても、そう見えないが、散る間際に花は美しく咲くとも聞く。
薔薇は好きにはなれない。それは今でも変わらない。 されど、もしも薔薇にも願いがあると言うのであれば。
その願いも、また叶えばいい。 未だ本質からは遠く、薔薇の目的すら知らず、そう願った]
(103) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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ありがとうございます。それなら、良かった。
[少年の言葉に瞳を細める。 中庭と音楽室。この距離感はどうあっても縮むことはないから、自分の受け答えは幾分柔らかなものとなる。 一方でふと感じた疑問。もしも、もしも自分の音が誰かを傷付けていたなら……? 緩く首を振る。その疑問の答えはすぐに出た。でも、今は関係ない。
少年との距離が遠いゆえに、少年が何を考えているかまでは分かるわけも無く]
………本当は、もっと。
[一曲を奏で終えた後、少年の瞳に光るものが見えた気がした。 もっとも、鮮やかな姿の影となり、はっきりとは見えない。 きっと見られたくないものだと思ったから、沈黙を破って、口を開く]
(106) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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もっと、違う曲が良かったかもしれませんね。 この曲……幼い頃に、何度も何度も繰り返し弾いたんです。
[相手の反応は見ないようにして、ぽつりぽつりと零す]
どうしても、叶えたい願いがあって。でも、叶わないとも分かっていて。 その度に思いました。 もう1回弾けば、明日弾けば、明後日弾けば、………ずっと弾き続ければ。 いつか叶うかもしれないって。
叶わないと分かっている願いでも、叶うかもしれないって思うことができるだけで、希望が持てたんです。
[矛盾した言葉を紡いでいるのは分かっている。今はもう叶うかもしれないなんて思うこともできないけど。 それは口にしない。純粋に相手のために何かしたいと思って奏でた曲に不吉な話は不要だから、代わりに嘘を吐く]
僕の願いは………叶ったんです。 だから、きっと……あなたにも良いことがあると思います。 僕はそれを願っています。
(107) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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[内向的な自分の性格に反して、明るい曲の持ち合わせはある。 バイオリンを通せば、何だって表現できる。 だからこそ、好んで持ち歩いて、会話をしているのだ。 そういう曲の方が良かったのではないかと、思い悩んでいたから、首を振る気配にホッとする]
ごめんなさい。僕は、あまり……言葉には長けていないから。
[唐突とも言える自分の話の後、相手が頷いてくれる様子に安堵したのは束の間。 迷う様子を見て、そう告げるも、続く言葉には瞬く]
もう少し、暖かい場所でなら。 あるいは……今の場所と互いが逆の場所でなら。
……いつでも、構いません。 もっと、他にも何か、あなたにとって痛くない曲を練習しておきます。
[今度は少年には室内で聞いて欲しいと思ったから、少しの条件をつけて、迷うことなく頷いた]
(112) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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事情はよく分かっていませんけど。 僕の音が、あなたにとって、優しくて、暖かいものに……なれたらいいなと。そうは思います。
あ……
[元々聴覚は優れている。 バイオリンを奏でている時は集中していたから、一度足を止め、そして通り過ぎた足音>>101にこそ気付かなかったけれども。 演奏を終えた後だから、音楽室へ向けて、近付く足音>>108には気付いて、小さく声を上げる]
もしかしたら、ここに誰か来るかもしれません。 窓、閉めた方がいいですか?
[何故中庭にいるのか、結局分からなかったけれど。 中庭にいるのが人目を避けているように思えたから、そう問いかけた]
(113) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/28(Wed) 00時半頃
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[少年の顔に浮かんだ笑みにこちらも静かに笑み返す]
えっと……?あっ! すみません。名乗るのが遅くなりました。 僕の名前はセシル・ルブラン。高等部1年です。
[お礼の言葉の後詰まったのが、相手の口数の少なさ故ではないことに気付く。 緩く首を傾げて、思い至った1つのこと。 普段人を避けているゆえに、名乗る習慣がそもそもない。 非礼を詫びるように頭を下げて、自らの名前と学年を告げる]
こちらこそ、聞いてくれてありがとうございます。 よければ、名前、聞いても構いませんか?
[相手の名前を問うも、答えたくないようなら無理強いはしない]
(119) 2011/12/28(Wed) 01時頃
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ええと、……失礼します。
[誰かが来ると告げた時の相手の表情は気になったけれど。 それを問うたり、心配するだけの時間は無いように思えた。 窓を閉めて、万が一音楽室に誰か入ってきた時に備えて、カーテンも閉めておく]
………無理に連れ帰った方が良さそうにも思えたけど。 大丈夫、かな。風邪引かないといいけど。
[自分には無理に連れ帰ったりはできないから。 申し訳なさそうに瞳を伏せる。 せめて、中庭にまだ少年がいるなら気休めになればいいと、またバイオリンを構える。 扉の向こうで足音が止まったこと>>117には気付いていたが、声をかけることはできず。 少し迷った後、今度は柔らかな旋律の子守唄を奏で始めた**]
(120) 2011/12/28(Wed) 01時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/28(Wed) 01時頃
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[音楽室の扉の向こうに誰かがいるのは分かっていた。 だけど、子守唄を奏でている最中は音楽室に入ってくることはないことに、少し不思議に思う。 やがて、最後の一音を奏で終えれば、開かれる扉。 バイオリンをおろして、視線を向ければ、そこにいるのは元生徒会長。名前も顔も一応は知っている]
いえ、練習中というわけではありませんから。 うるさかったなら、申し訳ありません。
[謝罪の言葉には緩く首を振って、音が漏れていたと聞けば、すまなそうに瞳を伏せる。 責めているわけではないと言われても、考え無しであったことは事実だった]
こんな時間ですから、……眠く、なりませんか……?
[時間のこと、そして選曲に込められた意味。 こんな時間と鸚鵡返しのように言いながらも、正確に時間など疾うに把握しておらず。 疲れていると思っていたのに、体は全く眠りを欲さない。 それは自分だけに起こっていることなのか、あるいは他人にも起こっていることなのか、探るように問いかけた]
(157) 2011/12/28(Wed) 08時半頃
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香りは………そもそも、薔薇自体が好きにはなれませんから。 気にならないわけではありませんが…。
[最後に問われた言葉に考え込むように一度口を噤み。 未だバイオリンと弓を握っている自分の手元に視線を送る]
そうですね。きっと………僕は。
[顔を上げて、言葉を選ぶようにやけにゆっくりと口を開く。 レオナルドを見つめる瞳は僅かに揺れて、そしてまた視線を逸らすように伏せられる]
この香りで、自分が決定的に変わったと……思うことはありません。 いつも通りでいたいから。だから、バイオリンを弾いているのかもしれません。
[正気か正気でないか。自分にしか興味を持てない自分が正気だと言えるわけもなく。 だけど、それは薔薇の香りが漂ったことに起因するわけではない。 嘘にはならない程度に曖昧にぼかした言葉を紡ぎ、小さく息を吐いた**]
(158) 2011/12/28(Wed) 08時半頃
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