65 In Vitro Veritas
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―どこかのベッドの上―
…ん…。
[気がつき、ゆっくりと目を開ける。 ここに来てからどれくらいたったのだろう。 時間の感覚は既になく、どれくらい眠っていたのかもわからない。 空腹感にお腹に手を当て、配られた食料を少しだけ食べる。 けれど、食べるのは最低限のみ。 ホリーは自分の分は自分で、といったけれど、それでも全部自分で食べるつもりはなかった]
ふぁ…。
[あくびが出るのを手で押さえる。 随分とぐっすり眠っていたようだ。 自分たちの寝台より随分寝心地がよかったせいだろうか? しかし、眠りが深かったせいなのか、初めての型にはまっていない生活のせいなのか、なんとなく体が重かった]
…このまま、出られないのかな…。
(14) 2011/10/04(Tue) 22時頃
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>>16 あ…おはよう。
[目が覚めてしばらくすると、ホリーに話しかけられた。 前に言ったことといわれ、首をかしげる]
関係がよくない…仲が悪い、って事?
[詳しくはしらないが、少なくとも赤毛やリーネはオリジナルのことを悪くは思っていないように感じたけれど…それでも、やはりうまくいっていない部分が多いのだろうか]
ケンカ…。
[どちらにつくか、というのは、どちらの味方をするのか、ということだろう。 そんなこと、決まりきっている]
…どっちにもならない。
[そう、少なくとも、オリジナルの味方にはならないだろう。 彼らが自分たちにとって重要な意味を持つのはわかるが、それでもどちらか選べといわれれば、長年一緒にいた仲間たちを選ぶ。 しかし、この状況においてはそれすら適応されるはずもない]
(20) 2011/10/04(Tue) 23時頃
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私はホリーの為にいるから…ホリーの味方だよ?
[その応えに疑問のかけらも抱かず、まっすぐに応えた]
(21) 2011/10/04(Tue) 23時頃
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>>24 ?
[外の世界のことなど何一つ知らないクロは、ホリーの問いに不思議そうな顔をした。 ホリーや、他のオリジナルたちがいるセカイも、自分たちがいたセカイと同じような場所以外想像できるはずもない]
仕事をしながら、必要になるのを待つんじゃないの?
[そう、自分の存在理由がわかったからといって、今までと何かが変わるわけでもない。 当然、事実を知ってしまった時点で自分が処分される対象になっているであろうことなど知る由もない]
(26) 2011/10/04(Tue) 23時半頃
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>>30 ちがうんだ…。
[珍しく、心底以外だったようにつぶやいた]
ホリーが先にいなくなったら…? …そうしたら、私もいなくなるんじゃないかな。
[何せ、自分が在るべき理由がなくなるのだから、当然だろう。 そのまま在り続けても、自分に存在意義などないのだから]
(31) 2011/10/05(Wed) 00時頃
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>>33
わ…。
[ホリーにベッドに押し倒すように倒され、声を漏らす。 そして、じっとホリーを見つめたまま、彼女の言葉に答えた]
頼み…? なに?
(34) 2011/10/05(Wed) 00時半頃
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>>37 行くって…どこに…?
[逝去の表現など知らないクロは、ひたすらに疑問の色を浮かべるばかりで、続くホリーの言葉も、やはり理解できないものだった]
??? いなくなったのに、代わりになるの?
[自分の今の認識では、ホリーがいないと、自分は変わりはできないはず。 それが、ホリーがいなくなったら代われとはどういうことなのか…。 クロにはいよいよ理解できなかった。 しかし、仮に理解ができ、かつその願いをかなえたとしても…果たして…]
それは…わからない。
[そもそもホリーが言っている意味が、今のクロにはまったく理解ができなかった。 ホリーが在るために、欠損の代用で自分が在るというのに…その主たる彼女がいなくなった後に待っている仕事など、想像できる筈もない]
(39) 2011/10/05(Wed) 01時頃
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オリジナルを失ったクローンは、
……よくない、んでしょうね。
[小さく訊く。]
きっと、
殺される?
[それが一番自然だと感じたから。そう述べてから…。]
――……じゃあ、貴方は、殺されないでください。
[利己的な笑み]
そしたら君は、
“クローン”という存在のまま、
雨宮セシルの代替品のままだよ?
元の生活に、戻りたいの?
[囁く言葉の意味は、
雨宮セシルを殺せというに等しく。
けれど声音は酷く穏やかなままだ]
元の生活には、戻りませんよ。
こんなこと知って、元の場所に戻すなら、
世界はよほど、ばかですね。
[代替品、その言葉に、目を細める。]
それが、俺の価値ならば、
貴方のスペアというものに価値があって、
それで、生きていられるのなら、
そういう存在でも構いません。
そう、
はじまりは貴方だ。
それは認めます。むしろ、それを利用して、
俺は、俺として生きていきたい。
言ったでしょう?
貴方と俺は、同じじゃない。
貴方が死んだから、
貴方の変わりにそこで生きるなんて…。
ありえない。
俺は、雨宮セシルじゃなくて、
コーダですから。
[そう、それは、つまり、身も心も全移植なのだと…。]
そう、君たちは知りすぎている。
だから、元の場所には戻れないだろう。
君の居場所は、きっとなくなる。
だから、俺の場所で君として生きればいいんじゃないのか?
会えるよ。
ニーナにも。
君の望むかたちではもちろん、ないけどね。
[耳元くすぐるようにそっと囁いて、離れる]
――………
[ニーナに…その言葉には微か、瞳は揺れた。
だから、そのときの、返答はやや詰まったけれど…。]
ニーナは、
その腕が、ニーナなわけじゃない。
[囁いて離れていく背中を見つめて。]
居場所がないなら、
居場所をつくるまで……ということですね。
でも、そしたら、貴方はどこにいくんですか?
[その問いは聞こえただろうか。**]
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>>56 ホリーを抜きに…?
[ホリーに言われるがままに考えてみる。 けれど浮かんでくるのは、今までと変わらない毎日…しかもそこには、自分がそうして在ることの意味が存在しない、という状況だった]
…わからない。 でも、ホリーがいないなら、私もやっぱりいないと思う。 ホリーをなしで、って考えると、私がそのまま『在る』意味はないから…。 そのまま『在り』続けても、壊れてないだけ…何のために自分があるのか、その答えがなくなった後にまで自分が在り続けるのは、なんか…変な感じかな。
[ホリーの問いに、クロは正しく答えることができない。 その答えを出すだけの知識が、クロに在るはずもなく]
(59) 2011/10/05(Wed) 10時頃
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“オリジナル”は、全部、全部壊してやる……
僕はあいつらを許さない。
――今まで、皆を犠牲にしてきたオリジナルを、絶対に許さない。
[それは個に対する怒りではなく。
もはや世界に、不条理に対する憤り。
この世界のシステムがクローンを認めないというのなら。
そんな世界こそ、認めてなどやるものか]
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>>62 …。
[ホリーが自分に何かを伝えようとしているのはなんとなくわかる。 けれど、クロにはそれが何なのか見当がつかなかった。 在るための理由をこれから探せば良い…。 そうは言われても、考えて、探して、ここに来て見つけた答えが『彼女』なのだ]
探して、見つけたのが、ホリーだよ?
[彼女が答えではないということだろうか。 しかし、あの映像は自分の疑問のすべてに答えを出してくれた。 仮に今後他の答えを探したとしても、これ以上の答えなど見つかるとは思えなかった]
(89) 2011/10/05(Wed) 23時頃
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>>91 ホリー?
[つぶやく彼女を不思議そうに見つめ、そっと唇が合わさる。 彼女と幾度か交わしたこの行為にどんな意味が在るのかはわからなかったけれど、ある種の幸福感が伴う行為だということは感じていた。 そうして彼女が起き上がるのに合わせて自分も立ち上がり、静かに何かを考えていた]
…ちょっと、いってくるね。
[短くそれだけ言うと、クロは部屋を後にし、小走りでどこかへ向かって行った]
(93) 2011/10/05(Wed) 23時半頃
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―何処か―
[小走りで周囲を走り回り、目標を見つけると声をかけた]
ニック。
[しっかりと彼を見つめ、一歩歩み寄る]
ニック…私のことは、守ってくれなくても大丈夫だから。
[彼がなにをしたのかは知らない。 けれど、以前赤毛と話しているのを聞いて、なんとなくは予想がついていた。 彼が自分を守ることで、ホリーが犠牲になるであろうということが]
それでも…もし、ニックが私のために誰かに何かをするなら…私も同じようにしてほしいな。
[ホリーがいなくなるならば、自分だけ在り続けても仕方がないのだから]
(96) 2011/10/05(Wed) 23時半頃
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[――“コーダ”と蝦江のクローンと、
ふたりの間で交わされた、偽りの約束を知らない。
けれど、その彼に見える時こそ、
“自分”が終わるときなのだと、思う]
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>>101 危険でもいいの。 ホリーは、私を好きにしていい人だから。
[仮に彼女が自分を害する存在だとしても、それはソレでかまわないのだと伝える。 けれど、ニックとクロの言葉が、交わることはなかった]
…ニックがもし…。
[彼がもしホリーを手にかけたなら、そのときは…恐らくクロは、自分のとるべき行動をためらわないだろう]
(103) 2011/10/06(Thu) 00時半頃
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