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トレイル! 今日がお前の命日だ!
【人】 トレーサー キルロイ― 夜:代々木 203号木露宅 ― (1) 2016/10/01(Sat) 01時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ[スマートフォンをポケットにしまい、バッグを手に取る。 (3) 2016/10/01(Sat) 01時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ[外に出て、暫く無言で駅に向かってやや早足で歩く。 (9) 2016/10/01(Sat) 01時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ[通話が終わったと思うと、スマートフォンが振動する。 (11) 2016/10/01(Sat) 01時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ知り合いに探してもらってますが、今日はホテルに泊まる事にします。 (25) 2016/10/01(Sat) 01時半頃 |
─ 東京、四ツ谷マンション『友硯社』支部 ─
[爪を短く切った指がラインの表示画面を撫でる。
「先生にお疲れさまって言っておいてね」と返信を送って、鈴里は頬を手の甲で押さえた。
『同志』から話を聞くかぎり、
進みは順調と言える。]
っ、ふふ
[どうにも口元から、笑みが零れてしまった。]
【人】 トレーサー キルロイ― 深夜・代々木駅 ― (30) 2016/10/01(Sat) 01時半頃 |
[膝をついて立ち上がり、
本棚から一冊の本を引き抜く。
──東京村。
匿名の人間が書いた、東京のホラー小説。
その拍子を撫でて女は笑った。]
[想像してみる。
「もしも」
ある日帰ったら両親が
見知らぬ他人にすり替わっていたら?
あの彼女はどんな反応をするだろう。]
[希望通りだと喜んでくれるなら、
それでもいいけれど。]
やっぱり、怖い話が一番ステキよねぇ
[そう「例えば」この本に実体験として書き連ねられているような
お話のひとつになるなら]
[ それはなんてステキなことだろう ]
[想像すると背筋をぞくぞくとしたものが這い登っていく。思わずといった風に、彼女はぎゅっと腕にその本を抱いた。]
どんなお話ができるのかしら。
とっても楽しみねえ**
/*
霊界お二人お疲れさまよう。
東蓮寺くん襲撃は丸投げられた場合、そのまま迷っててねえ。
よかったわねえ帰らなくてすむわねえ(にこにこ
ということになるかしら。特にものすごく希望がなければ
みょんこ的には別に殺さないつもりでいる感じよ。
それと天声もちが私なので、ふたりとも何か表に伝えたい情報があれば
メモとかで教えてもらえれば霊界通信させてもらうわね。
【人】 トレーサー キルロイあー、彼女じゃなくて、こちら編集者の出目照子さん。 (35) 2016/10/01(Sat) 02時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ俺からしてみれば君らの方が青春してるんじゃないかと妄想してしまうけどね、作家的に考えて。 (40) 2016/10/01(Sat) 02時頃 |
【人】 トレーサー キルロイえ?いや、怒ってないけど……素でこれですけど。 (42) 2016/10/01(Sat) 02時頃 |
【人】 トレーサー キルロイはいはい、大人をあんまりからかうんじゃないよ。 (47) 2016/10/01(Sat) 02時半頃 |
─ 四ツ谷マンション、硯友社支部 ─
[部屋のカーテンを開けると、外には朝日を浴びた街並みが見えた。チュンチュンと鳥の声が聞こえる。今朝もこの街は相変わらずだった。相変わらず見知らぬ他人同士が大量にひしめき合いながら暮らしている。顔見知りや同級生たちだとて、共有の場所から一歩踏み出せば互いが何をしているかすべて把握している関係の方がきっと珍しい。
だからこそ、自分たちのようなものが
動ける隙間があるのだけれど。]
ん……あら?
["病院″の方へ逃がさないようにという連絡を終えて、顔を洗って着替えて化粧をしてと出かける準備をしていたせいで、その着信に気づくのは間があった。コール音が鳴っている。]
[手にしかけていた眼鏡を机の上へ戻す。
それから、通話ボタンを押した。
ジ、ジッ ザ ァーーーーーーーーーー と、
まるで何かの妨害電波か何かのようなノイズが数秒続いてから、
音の砂嵐は静まった。
首を傾げる。一秒、二秒。無音が続いた。]
[かけてきたものをとったのにも関わらず、呼び出し音が流れる。
それからさらに3秒待ってから、鈴里は口を開いた。]
……こんな朝早くに、珍しいわねぇ
どうかしたの、東蓮寺くん?
[画面に表示された相手への呼びかけは、
ごく悠長に、*のんびりとしたものだった>>+26*]
─ 四ツ谷マンション、硯友社支部 ─
[軽くシャワーを浴び髪を整えて化粧をした鈴里は耳元にスマートフォンを当てて、首をかしげていた。ふと、ノイズ交じりにだが、あっ。と人の声がした>>+27。]
……………。
ええ、鈴里の携帯よ。
なんだか少し聞こえづらいけれど、
ちゃんと聞こえてるわ
[問いかけに、驚いたような声で答えを返す。電話口から聞こえる東蓮寺の言葉は常になく急かされるようだった。不安、緊張、狼狽、理不尽への不満、恐怖。感情が入り乱れているのが表情を見ずとも伝わってくる。]
……駅、どこかわからない?
新宿駅じゃないの?
[わからない、駆け足の言葉についていけていない──風に、きょとんと理解が追いつかないように問い返しを挟む。口元を手で押さえた。]
出社できないってことなら、
そう伝えておかなきゃいけないわねぇ
[声にだけは話の展開への戸惑いを乗せながら、頬を押して、引き延ばす。──唇が三日月に笑ってしまうのを堪えなくてはいけなかった。]
ねえ、まずはちょっと落ち着いて、東蓮寺くん
近くで一番めだつものはなあに?
[迷子になって、焦っている相手にそう接するように声は仕方なさげな風に取り繕う。わからないと返事があれば、悩むように間をおいた。耳だけは澄ませておく。沈黙が、解決しない時間が、彼に与える影響を聞き漏らさないようにだ。]
ええ。会社に一報は…──私から いれておくわ
警察にも、 ……話してみるから、ね。
[通話をどのタイミングで切るのが最良だろうか。意図的にスマホを口元から遠ざけて思案しながら、言葉と声ばかりは期待を持たせるように、彼の希望を叶えることを約束する。ほんの少しだけ、目の前に希望を細い望みを垂らす。声は飽く迄穏やかそうになだめるようにでなくてはいけない。今、彼をすぐに決壊させてしまうのはもったいない。]
[彼は、思い描く「登場人物」として優秀だ。
それに、]
…… ねえ、東蓮寺くん
ひとつだけ ── いいかしら。
[これは、きっとやがてロアになる。あの「東京村」のように。
恐怖体験として人の口から口に伝播する現代の寓話。]
「出られない」の?
「出たくない」んじゃあ、なくて?
[それなら。伏線が、気づくためのチャンスが──
振り返る機会があった方が「お話」は面白いのだ。]
【人】 トレーサー キルロイ― 早朝:渋谷 ホテルの一室― (128) 2016/10/01(Sat) 23時半頃 |
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