78 光環の戦溟 ― bloody searoar wars ―
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今度こそ。 お前達(すべて)に安ら静謐なる死を―――
『我は世界に真なる宙《そら》を齎す者―――』
[うつむいた少女の、鏡のような床に映る顔だけが、口元が笑みに歪む。
少女の顔は、哀しげなままだというのに]
『あは、あはははははははっ
…運命は変わらない。
ラヴァ、いくら貴方が望んでも、貴方が拒否した仕事《終焉》は我《貴方》が遂行する。
運命は、変えられない―――その体、貰う』
[けたたましく笑う声に、少女は、ラディス、とつぶやいてぽたりと涙をこぼした。]
『さあ、終末《ハルマゲドン》を始めようか―――』
[それは隕石がヒトガタに変じる少し前。
どこからか顕在した7つの災いの匣が、少女の周囲をくるくると周回する。
その中の一つ―――第三の匣《BOX》は、隕石《ニガヨモギ》を鍵として開放されるものだった。]
始まったか、終末《ハルマゲドン》が、安ら静謐なる死の宴が――――
……第三の匣《BOX》を貫いたな?
この私が、終末《ハルマゲドン》へ導くその匣の解放に気付かぬ訳がないだろう。
それはどちらかと言えば、私の"領分"だ。
[聖苑の中、空高く浮かぶ紅い月を見上げ、語り掛ける。
今はまだ、その声が彼女に届くことは無いだろう。
だから、その言葉に特に意味は無かった]
[未だ同じく禍を成す者の声は聞こえない。
遠く―――遠くその存在を感じるのみ]
『創造主《おとうさま》。
貴方の望み通り我は世界を破壊する。
世界の一部たる貴方もまた―――破壊せねばなるまい?』
[いまはまだ表にでる時ではない。ただそう、囁く思念は、破壊を望む者には感じ取れたかもしれない]
太陽《サイモン》の末裔がこんな形で妾の手元に転がりこんでくるとはな……
妾の費やした『運』、強ち悪い選択ではございませぬでしたわね……
[ドロシーは不敵な笑みを浮かべ、飛雲とセレストを追いかけている]
星命《テュケー》を断たれ、星が餓えている。
腐りきった人間……。
まるでこの世界の象徴の様ではないか。
だからこそ、世界に再生を齎さなければならない。
零《カオス》に還した世界から、新たな華を咲かせる為に。
全ては、終末《ハルマゲドン》から繋がる黎明(はな)の為に。
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はい、大丈夫です。
[揺れた身体、また支えられれば申し訳なさそうに。 少年の方が口を開き出した頃だっただろうか。]
な…、
[閃光。 爆ぜる光に目を焼かれ、手を当てた。 先程の声は、これの事を指していたのだろうか。]
…
[腕が、僅かに震える。 ぎゅっと服の裾を掴み、握り込んだ。]
(199) 2012/01/29(Sun) 04時頃
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ありがとうございます。
[宿を紹介してくれる、との言葉には礼を述べた。 並び立つ男が自分を紹介しなければ、カトリーナ、と自分の名を名乗る。
背中の赤の紋から、チリチリと焼ける様な痛みを感じる。 彼女の気が、立っているらしい。]
案内、よろしくお願いします。
[顔には出さない様、繕う様な笑みを浮かべた。]
(200) 2012/01/29(Sun) 04時頃
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ごめんなさい、ありがとうございました。
[宿へと案内される途中、隣の長躯の男へと、そっと声をかけた。 普段から、言葉数の多くない彼に、宿探しの交渉を全て任せる事になってしまい、申し訳なく思った。]
『 …… 』
[元々、人の多いとこでは、鳥は言葉を発する事は滅多に無い。 けれど、今はその沈黙が不気味に感じられた。
ズキ、と背中が痛んだ。]
(204) 2012/01/29(Sun) 04時頃
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『飛べたなら…、そうね…』
[案内された宿の部屋、口を開いた男に答えたのは不機嫌そうな声だった。 その声音は、更に低く。 赤は、徐々に鮮やかさを増している。]
『この子の身体を使えたら、話は早いんだけどね。 でも、この子は真の巫女には認められて無いから。』
[背後の言葉に、女はぴくりと身体を震わせた。]
(298) 2012/01/29(Sun) 19時半頃
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『どうなるかは、正直、私にも。』
[続いた言葉は、ため息混じりに。 元々、娘の事を気にする様は見せない赤の言葉。
それが暗に、両者を危険にさらす事だと、男には知れただろうか。]
(301) 2012/01/29(Sun) 20時頃
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[金色の輝きを宿す北極星《シメオン》ではない。
その傍ら。まるで闇の様な黒髪の少年の姿を見て。
隠せない愕然が表情に張り付く]
………嗚呼、運命≪Lachisis≫。
我は見出したり。素敵な理想郷の可能性を。
[そして微かな間だけ。
仮面越しにすら笑みを感じ取れる声が響き]
『運命は書換えられない。
たとえどんなに拒否しようと、足掻こうと
あらゆる手段を尽くして回避を試みようとも、
あらゆる手段を用いてその運命は遂行される。
黙示録《アポカリュプス》の執行を拒絶した使徒《人形》に
厳正不抗たる運命の具現《ラキシス》として我が生み出されたように
普く”存在するもの”はその運命から逃れられない。』
[声を 響かせる。
この星に災禍を齎す者たちへと向けて]
『故に―――災禍を撒く存在《モノ》がこの時空に集うは必然。
―――…汝らに問う。
太陽《カミ》殺しの宿命を負う存在《モノ》は誰ぞ』
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『ニワトリですって…!? あんたねぇ、トカゲのクセによく太陽の化身とされてる私に向かってそんなクチきけるわね! どうせ蝙蝠みたいな品もないチンケな翼なんでしょ!』
[竜の言葉に、背がピリピリと焼ける様な痛みは更に強くなる。 力を持った巫女ならば、本来こうはならないのであろうが。]
あの、熱いんですけど…
[困った様に吐き出された声は、彼女の中に宿る、その存在に届いているのだろうか。]
『…で、計算に入れてないってどう言うこと?』
[声の主も本人も、男の言葉の意を理解しきれていないらしい。]
(390) 2012/01/29(Sun) 23時半頃
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[少年が奮う、虚想ノ拳《メンタシム》の破壊。
零へと還る死体の死体達を見て、小さく笑いながら。
ガントレットから漏れる物ではない。更に遠くへと。
言う所の、『災禍を撒く存在《モノ》』へ届ける様に]
『災禍を撒く?
ふふふ、相変わらず失礼な奴め。
この世界をより素敵にする為に。
太陽《サイモン》ごと、総てを零に還すだけの事だ』
[女は、心底から心外だと眉を顰めて]
『………。
それも総て。運命《おまえ》の裁定次第だ。
死と生。再生と破戒を別つ裁定は運命《おまえ》自身も勿論。
そして、安ら静謐なる死をこの手に奮う、私自身すらも抗えない。
故に、問おう。
私と共に、太陽《カミ》殺しの宿命を負う存在《モノ》は誰ぞ。と』
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『何よ偉そうに! 名前はねえ、長けりゃいいってもんじゃないのよ! アンタだって、アンタだって… 』
[トカゲは鳴き声を発しただろうか、と思考を巡らせる、数秒の沈黙。]
『えー…、 …ぎゃーぎゃー煩いじゃないのよ!』
[続くため息はその身宿す女から漏れたもの。]
(445) 2012/01/30(Mon) 00時半頃
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[言い合いの最中、竜が口にした単語と、続く某然とした様な言葉に、威勢のいい声も一時、止む。
子は、落ちた。
では、親は…
悪い考えを振り払うように首を降ったのは、娘の意だったが。]
(448) 2012/01/30(Mon) 01時頃
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はい。
[ドアをノックする音に立ち上がり、外の様子を伺うようにゆっくりとドアを開けた。]
ヤニクさんでしたか。 何か、御用でも?
[どうぞ、と大きくドアを開き、中へと誘う。]
(454) 2012/01/30(Mon) 01時頃
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『素敵にか。
ふふ…失礼。素敵に、とは良い言葉《オト》だ。
同じ風景を見ていても誰一人として同じ認識などしていないのだ、表現の違いも生じるものなのだろうな』
[女の声にそう応える]
『―――共に、太陽《カミ》殺しの宿命を負う存在《モノ》
目的を同じとするのならば、同じ路を往くもまた運命。
安ら静謐なる死を奮う、零呼ぶ華《Call ZERO》よ』
あのような代物に頼らずとも、妾の力を使えば、最高の悦楽《ハピネス》が得られるというのにな。
[桃茜は無の境地に向かい囁く。]
本当に奇怪なモノよ。
[そして浮かべる、面白い代物を見るかのような、笑い。]
太陽《サイモン》は堕ち、この世界は遊戯《ゲーム》の火蓋が落とされることとなる――――
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[女は、竜の言葉を彼女の夫が座るベッドとは反対に置かれているベッドに腰掛けて静かに聞いている。
嫁をこしらえて、と竜は言うが、実際のところは押し付け女房の様なもの。 彼女の一族に伝わる掟に、彼が触れる事をしたためと言うのが事実であった。 そして、ケヴィンがそれを受け入れた事に彼女はまだ戸惑いを隠せない部分を拭えないでいる。 竜とは異なり、彼は自分の胸の内をはっきりと示すという行為に乏しい。
結わえられた金の髪に、そっと手をやった。 地に届く程長く豊かだったそれは、もう無い。]
(612) 2012/01/30(Mon) 22時頃
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