256 【突発RP村】胡蝶の夢
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[だけど籠の中のカラスだなんて、
ちょっと酷いんじゃない?
そりゃあ俺はもう、夢を叶えられないけどさ。]
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[昔の記憶をぼんやりと思い出しながら暖炉の世話をしていたはずだったのが、いつの間にか椅子に腰掛けたまま眠ってしまったらしい。 キャサリンの声に目を覚ますと、暖炉には小さな種火たちがぼんやりと赤く燻っている。 背中の痛みとひんやりとした空気を感じながら、種火たちを奮い立たせると声の方へと向かう]
おはようございます、何かありましたか?
[先客たちに事情を聞けば、なるほどとうなずいた後、手持ちぶたさな両手を前で組みながら、キャサリンの話に耳を傾けて立っていただろう]**
(12) 2016/11/14(Mon) 01時頃
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[——人間ですらない穀潰しの土塊が、甘えるんじゃあないよ、と。
お母さんは優しい笑顔を浮かべながら、困ったように首を振るの。
それが、当たり前の日常。]
[籠の中のカラスは、誰かを呼ぶように醜い声で何度も鳴くんだ。それが本当、耳障りでさ。
籠には大きすぎる身体を必死にばたつかせて、自由になろうと頑張って。
それが全部自分の視点で繰り広げられるんだから、嫌になっちゃうよね。
それで最後は、どんな風に終わったと思う?
醜い声のカラスは籠ごと人間様に燃やされて灰になったのさ!
これで解決、ハッピーエンドってね。]
[頑張ってお金を稼いでも、
街に出て夢を叶えても、
俺を捨てた親は絶対に見つけてなんてくれないって知ったのはいつだっただろう。
だって、おれは]
やめてくれよ、姉さん……
[ああ、嫌だなあ。]
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[人を喰らうという人狼。背筋がゾクりと凍りつくような感覚は、妙な現実味を帯びたキャサリンの話からか、はたまた朝の寒さのせいか。]
獣が獲物を喰らうのは己が生きるため。 ならば人のかたちをした人狼はなぜ人を襲うのでしょうね。 飢えに苦しむのであれば、きっとこの修道院は手を差し伸べてくれるでしょう。 そうは思いませんか、オーレリア。
[御伽とわかっていても思いを馳せてしまう。救われた存在だから。 信仰深い彼女がいたならば、呟くようにそう声をかけただろう。]**
(34) 2016/11/14(Mon) 13時頃
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“『あれじゃまるで、家畜と変わらねえよ
目一杯腹空かせたケダモノに喰い荒らされたみたいだった』”
……―――それはそうだ。
人狼は、共食いをしないから。
俺は、俺はそんなつもりじゃなかった……。
[そうだ、知らない顔だと声を掛けて、旅人と知れば色々困っているだろうと生活の世話だってしてやった。
あの人だってうちの店に顔を出して、俺を悪くは思って無かった筈。
なのに、なのに、
知らなかったんだよあの日村を出るなんてこと!]
[親無しの幼な仔には、己が何者か教える存在も居らず、生きる為の手解きも受けられず。
その本能の目覚めには、18年もの時が必要であった。
夢の為には金が必要だからと、同じ狭い村で生きるのに直ぐに院を飛び出す必要など無く。
その理由の多くは、愛しい人間を喰らわない為。]
[酒が好きではない、その臭いも変わらない。
それでもこの仕事を選んだのは、
……紛らわせてくれるのだ。あの臭気が、血潮を欲する嗅覚を。
三年間月の無い夜を選び山に通っては、惨めに小動物を喰らって生きた。
堅いパン一つしか食べれなかった幼い日よりも、辛く苦しいものだった。
それでもいいと、思っていた。]
[互いにとって不幸なことだったと思う。
狩りを終え、ケダモノから人間に戻る瞬間を、村を出るあの旅人に見られてしまったのだ。
それからはお察しの通り、
良くしてやった数日など幻だったかのように怯えバケモノを見る目を向けられ、
俺はまた姿を変えてその喉をガブリ、さ!*]
やっぱ、苦手なタイプ。
[落ちる呟きは人の鼓膜を震わせない、獣の聲。
旅人を喰らい完全な覚醒を果たしたばかりの若い狼は、それが聞こえる存在も居るとは知らないままで。]
そう言うな、仲良くしようじゃないか。
[聞こえた声にそうとだけ返して。
山で見つかった男の、見つからない部分の行方を確信した。]
は、?
あれ、……へ……?
[目を見開く、随分と間抜けな声が漏れた
この朝に起きたことで何よりも、酷く困惑してしまって。
返ったのはたった一言だけだから、人の声で本音を口にしてしまった可能性が、拭い切れない。
そも、この感情の動きを表に出して誰かに見られるのは不可解に思われる。
平静を装い、足は止めずに聖堂へ向かった。
キャサリンが自分達に必死に伝えた内容を、思い出しながら。
確か、彼女が言うには……]
[いや、でも、
声が聞こえた時、彼の唇は動いて見えただろうか……?*]
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[>>35オーレリアの仕草の意図を捉えかね、何か彼女の機嫌を害したかと考える。
彼女はキャサリンの話を嫌ってあの場を離れたのではないか。 であるならば、無神経な過ちに一言謝らなければ、そう思い後を追ったが、彼女はすでにオルガンを奏でようとしていた。 オーレリアの演奏を遮ることはためらわれ、男は聖堂で跪き、祈りを始めたのだった。]
(61) 2016/11/14(Mon) 20時頃
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[——キャサリンの話は信じない。
そのつもりだったのに、いやに耳許がうるさい。
周囲の物音に混じって、男の人の声が、2人分。
感覚を研ぎ澄ませれば、何かの言葉を伝え合っているらしいことが分かる。
……——。
いつだったか、古い書物で触れた眉唾物の噂話。
人の姿をした獣の存在と、それらが使う特別な会話法。
獣じゃなくても、それに介入することができる方法を。
試してみたいと思うことはあっても、そもそもそれが役立つ状況なんてなかった。
そんな機会は永遠にやってこないと思っていた。]
[喉を震わせながら、私は“囁く”。]
あなたたちは、“何”?
[人の言語を超越した、赤色の音となって、
それは空気に乗っかって飛び立った。*]
何かって?
それは“仲間”、だろう?
[聞こえた囁きに、一人廊下を歩きながら、ヒトではない声で、つぶやく。]
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[祈りはここへ来てから日課となっていた。 修道女曰く、日々に感謝せよ、と。 だが、ここへ来てから神に祈ったことは一度もない。 神に何かをしてもらったことは一度もないからだ。 もし神が目の前に現れて、私がお前をここに導いてやったのだ、とでも言えば、そのときは神への祈りを捧げるだろう。 それまで僕は感謝の祈り続ける。神ではなく人へ。]
(71) 2016/11/14(Mon) 20時半頃
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先ほどは、その、もし、気分を害したなら許してほしい。 ついつい好奇心といいいますか、あなたの言葉を聞いてみたかったといいますか・・・・・・
[祈りを終えて立ち上がる。オーレリアの祈りが終われば、近づいてぺこりと頭を下げただろう。]
(74) 2016/11/14(Mon) 20時半頃
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“獣”、さ。
[次いで返った声はどこか吐き捨てるように。もう、困惑と驚きを見せない。
姉によって詳細に語られたこの場所に集まる者達に潜む存在のこと、
それを踏まえ、一つの結論を出していた。]
お前は違うのか?
なかま?
[最初は、ピンとこなかった。
だって私は何も分かっていない。]
……けもの?
[疑問符は残るものの、なんとなく伝わる。
人間とは異なる存在である、その事実。
驚いたのは、——その声色は、聞き覚えがないわけではないこと。
人狼は、こんなに近くにいたのだろうか。]
私は、獣ではないです。
でも、人間でもない。
何も生み出せない、ひとりぼっちの、ただの土塊です。
[何故か、本能的に。
怖くて誰にも打ち明けることがなかった自分のことを、伝えなきゃいけないと思った。
私は人間じゃない。
人間じゃないのだから、同じく人間じゃない人になら、きっと、
拒絶されたりなんかしないよね、って、盲目的に。]
[そうなってくれなければ、
人の味を知った俺は。]
……そんなこと、言うものじゃないよ。
[この女性らしき声は誰だったか、幾つかの顔を想い描きつつ。返ったのは思いもよらない答え。
それはつまりどういうことなのか、理解は出来なかった、が。
己が人ではないと知った時の気持ちがどんなものだったか、考えれば自然にそう返していた。]
しかし、変な奴だね。
獣じゃないのに俺達と話せるのか。
人間ではない、だから、仲間だろう?
ここで話せるとは、そういうことだ。
[若い二人の会話を聞きながら、そっとほくそ笑む。
数日後に、この“仲間”たちと別の場所を求めて歩くことを思い浮かべながら。]
どうして?
だって、お母さんとお父さんが教えてくれたんだもの。
私は土塊から生まれたんだって。
[耳許で聞こえる男の囁きは、心の痛みを突つく。
話しすぎないように抑えようと思ったけど、つい。]
……昔、本で読んだことがあったから。話し方。
私にできるとは思ってなかったけど。
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