247 満天星躑躅の宵闇祭り
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……ま、しゃーないわなぁ。
穢れ祓い切る前やったから、色々と濃くなっとったし。
あ゛ー、これ、カタついてもしばらくは出れんなあ。
…………ま、現世戻っても、そうほいほいやる事あるわけでもないから、ええんやけど。
[ぽつり、と零れる呟きは、足元の影へと落ちて]
……枝が多いと、喰い難いからな。
[問題そこなんですかい、と。
突っ込む声は、生憎なかった。*]
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[>>3じっと此方を見て来るアキが、休憩を提案してくる。 視界はもう揺れないが、ひどい空腹は感じていて]
…ん。 なら、少しだけ。
[そう頷いて、スカートのポケットを探る。 ビニールの包装の中で半分に折れてしまったらしきチョコバーを取り出すと、 そのまま破って齧ろうとして。]
アキも、半分。
――先刻のお礼だ。
[そう言って、彼に差し出そうか。 アキがいなかったら、妖怪に捕えられていたかもしれないから。]
(15) 蒼生 2016/05/28(Sat) 21時半頃
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[そんな風に休憩をした後、少女は立ち上がる。
そうして確かめるように軽く体を動かした。 道場で行うのは防具を付けて行う剣道だけではない。 身体に痣や生傷を作るのは日常茶飯事だった。]
…ん、もう大丈夫だ。
[そう言うと、先ずは状況を確認しようと亀吉の姿を探そうか。]*
(16) 蒼生 2016/05/28(Sat) 21時半頃
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[>>27誠を操るアキも多少なり披露しているだろう、と甘いものを勧める。]
…チョコバー、という南蛮菓子だ。
[半分を渡して、少女もチョコバーを齧る。 それと共にじわりと口の中に強い甘味が広がった。]
――どう致しまして。
[お礼に、と渡したのに感謝の言葉を貰ってしまった。 けれど、その言葉は有り難く受け取っておいた。]
(29) 蒼生 2016/05/28(Sat) 23時頃
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[>>28無理をしないで欲しい、と思われているとは知らず。
周囲を警戒しつつ、歩みを進めていく。]
(30) 蒼生 2016/05/28(Sat) 23時頃
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[>>6――其処にいたのは太刀を肩に担いだ亀吉と、先祖を連れた斎か。 厄介事が増えたから手を貸して欲しい、との言葉には目を瞬かせる。]
…食中り。 悪いものでも食べたのか?
[>>7亀吉の語りに緩く首を傾げつつ、 それが彼の血を取り込んだ事によるものとは分からない。]
――分かった。
[少女は言葉少なに請け負う事を決める。
亀吉の視線の先、境内の方角からざわめく気配を感じながら。]*
(31) 蒼生 2016/05/28(Sat) 23時頃
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―境内―
…ッ…、あれは闇の?
[>>#0濃い闇の気配を纏った樹木子を見て、少女は顔を顰める。 先程対峙したものよりも大きく、持つ枝も多い。 それは、軋む音を響かせながら境内へと枝を伸ばしてくる。
あれが‘食中り’なのか、と少女は無意識に唾を飲み込んでいた。
闇星は己と亀吉と、ウト。 己は血を流すような負傷をしていないし、ウトも恐らくは。
であれば―― 少女は太刀を抜き、右手に提げる亀吉を目に収める。]
(39) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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[けれどそれを問うている暇はない。 亀吉の空気を断つ一薙ぎは、刃を思わせる影を放ち、乱舞した紅紫の刃は枝を数本斬り。 斎の操る無数の胡蝶は螺旋描いて樹妖の振り下ろす枝を抜け、幹を穿つ。]
――凄いな。
[少女はほぅ、と息を付く。 斎の技は琥珀の指導の賜物だろうか。]
(40) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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…あたしのは、鑑賞に堪える代物じゃないが。
[言いながら少女は木刀を握り締める。 教えられた技の型をなぞるだけで、創意工夫などする余裕はなかった。
大技で散じた活力――及び空腹感は回復しきってはいない。 燃費の悪さは未熟な証拠。 力を使う度にこんなに消耗していたら、退魔師家業など務まらない。]
(41) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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[雑念を振り払い、上段に構えた木刀に力を乗せる。 目の前の妖を倒す事だけを考える。]
――火雷。
[纏うのは火の赤。
落雷はしばしば火の災禍を伴うもの。 それを象徴するように、少女の背後には赤い光で出来た大蛇が蜷局を巻いていた。 手練れとなれば、まるで生きているかのように操る事が出来るのだが。]
(42) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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[アキと誠の撤退を確認した後、少女は木刀を振るう。
それと共に赤い大蛇が大きな口を開けて樹木子に襲い掛かっていった。]
(43) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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アカリは、火雷は樹妖を喰らわんとする。7
蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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[――轟。
大蛇の牙は、少女に向かって放たれた枝を根元から焼き切った。]
…む、やはりまだまだだな。
[雷の名前がついてはいるものの、やはり使いこなすには修練が必要なようだと。 そう考えながら木刀を中段に構える。]
(44) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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…加勢か?
[羽織を着た蛙と金髪の男性がやって来たのには僅かに目を剥いたが、 蛙が大筒に詰められて発射されたのにはもっと目を剥いた。]
…その、無事か?
[大開になった蛙にそう声を掛けた。]*
(45) 蒼生 2016/05/29(Sun) 23時半頃
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アカリは、((+_+))|壁
蒼生 2016/05/30(Mon) 22時頃
アカリは、((+_+))|壁
蒼生 2016/05/30(Mon) 22時頃
アカリは、((+_+))|壁
蒼生 2016/05/30(Mon) 22時頃
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……鱚?
[>>46向けられた言葉に少女は首を傾げる。 鱚はムニエルやフリッターにすると美味しい。いや、マリネも捨てがたい。塩焼きや骨煎餅も…。 空腹感からか、そんな事が芋づる式に連想されて、ぐぅ、と腹が鳴った。
しかし鱚をする、という行動は、少女の辞書にはない。 両生類の辞書にもないだろう。恐らく。 つまりは]
…あたしのでいいのか?
[愛らしい小鈴の方がいいのではないか、などと訝しげな表情で考えつつも、それで立ち上がれるようになるのなら安いもの。 少女はトノサマの傍に膝をついて、傍らに木刀を置くと]
(47) 蒼生 2016/05/30(Mon) 22時半頃
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[トノサマの両肩辺りに手を付き―所謂床ドン状態である―
そっと艶やかで滑らかな頬にキスをした。]
(48) 蒼生 2016/05/30(Mon) 22時半頃
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――これで、いいのか?
[少女は上体を起こすと、トノサマを見下ろしながら首を傾ける。]*
(49) 蒼生 2016/05/30(Mon) 22時半頃
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ふむ、そうか。 なら良かった。
[>>51上機嫌のトノサマを見れば、人助け――蛙助けをした気分になり。 少女はふっと口元に笑みを浮かべてみせると木刀を握って立ち上がったが、 パルックとの遣り取りには不思議そうに首を傾げていた。
そうしてトノサマの振るう一太刀が樹木子を切り裂く様を目にすれば。]
なかなかの手練れのようだな…。
[ほう、と感心したように見守っていた。]*
(58) 蒼生 2016/05/30(Mon) 23時頃
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[>>55斎の操る様々な形した紙人形が樹木の妖怪に向かっていく。 すれ違い様に与えたのは樹皮を削るもの。 紙人形達は油断なく背後で体制を整えていた。
>>59ついでアキに迫る枝を誠が受け止め、一閃喰らわす。 これはかなりの深手を負わせる事が出来たようで、妖怪も勢いを削がれたように感じる。]
…そろそろ、か。
[鎮めの時が近い事を悟り、少女は表情を引き締める。]
(61) 蒼生 2016/05/31(Tue) 00時頃
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[少女の背後に控えるのは、黄色に近い翠の光が二つ。 一対のそれは―先程の火雷よりも二回り程小ぶりではあるが―大蛇の眼光であった。]
――黒雷。
[雷が落ちる時、空を分厚い雲が覆い、光を閉ざされた天地は暗くなる。 その事象を表すように夜闇と同化した蛇を背に連れて、少女は疾走する。]
(62) 蒼生 2016/05/31(Tue) 00時頃
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せぇぇっ!!
[此方に向かってくる枝も随分と減ったものだ。 狩られまいと妖の差し向けて来る一対の枝を地面を蹴って跳躍する事で躱し、 少女は空中で木刀を振う。
――狙うは、樹木子の脳天。]
(63) 蒼生 2016/05/31(Tue) 00時頃
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アカリは、黒蛇の口から瞳と同じ、翠の雷光が放たれる。4
蒼生 2016/05/31(Tue) 00時頃
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[少女が着地すると共に妖の脳天に落ちるかと思われた雷光は僅かに左に逸れて。 完全に動きを封じる事は出来なかったようだ。 それでもかなり弱っている事は見て取れるだろうが。]
ちっ、仕損じたか。
[窮鼠は猫を噛む、とも言う。
少女は舌打ちをすると、迎撃に備えて中段に構えた。]*
(64) 蒼生 2016/05/31(Tue) 00時半頃
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……我が命の滴より産まれし血八岐よ。
内なる穢れと共に昇華し、浄めと変われ。
[小さく小さく、紡ぐのは浄化の言霊。
今の在り方を選んでから、幾度となく紡ぎしそれは、静かに響いて]
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[補給手段のない少女は、後一撃技を使えればいい方といったところで。 使えば座り込んで動けなくなるであろう事は経験上悟っていた。
>>68下段に構えた亀吉に向かう樹木子の枝。 それを真っ向から見据えながら、切っ先を軽く上げた彼は、刃を上へと振り上げ。 先程と同じ紅帯びた刃が空を翔け、枝を斬り払う。]
――…ッ。
[>>69その後、亀吉が肩越しに振り返り、少女達――特に星を宿す者に向けた言葉には思わず息を呑んだ。 今は万全とは言えぬ状態。 木刀の構えは解かないが、忠告に従って数歩下がる。]
(89) 蒼生 2016/06/01(Wed) 01時頃
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[そんな中、>>81>>82琥珀と斎のやり取りが耳に入る。 感じたのは、斎の身体から銀星の気配がする事くらい。]
…くッ…。
[>>70亀吉の表情は見えないが、 左手を裂くのが視界に入れば瞠目し――感じた妖気に顔を顰めた。
疵口から零れゆく血液は、八匹の紅色の蛇に変化する。 樹妖に向ける言葉は楽しげな響きで紡がれているようだったが、内容は頭に入って来ない。 どっと冷えた汗が出るのを感じる。]
(90) 蒼生 2016/06/01(Wed) 01時頃
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…ぐ、
[血から発せられる妖気に中てられ、 ――くらり、と頭が揺れる心地がした少女の視界に、白花が見えた。
>>83遅れて聞こえてきたのは、朗々と吟ずる斎の声。 半紙を縒って作られた蝶が少女を包み込む。 妖気が薄れたのと同時に感じるのは煌星の気配。
闇星の本能を刺激してくる相克の星か、 己を闇へと引きずろうとする妖気の何方がマシかと言われれば前者だろう。]
…わかっ、た。
[そこから出るな、という言葉には応を返し。 猫目石のブレスレットを付けた手を意識した。]
(91) 蒼生 2016/06/01(Wed) 01時頃
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[そうして闇星が轟くのに耐えつつ、 >>71亀吉の命により、乱舞し、妖怪に食らいついてゆく紅蛇達を、 滅紫の影が樹木子を取り囲むのを見守る。
>>72血色の蛇に彼方此方を喰らわれ、幹より洩れる紅い光。 突き出された太刀によって引き出されたのは紅色の多面体。
>>73それを果実でも頬張るよう、喰らう姿からは目を逸らさずにいた。 彼は闇星を宿した先達。 そこから目を逸らす事は、闇星を宿す者の宿命から目を逸らす事のようで。]
(92) 蒼生 2016/06/01(Wed) 01時頃
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[やがて浄化が完了すれば闇の気配が薄まっていく。 >>74ふわりと溶けるように消えてゆく蛇は、紅から白へと移り行きながら粒子となって散っていった。
境内に静寂が戻り、亀吉が言葉を紡ぐのを聞けば、 少女はそっと安堵の息を付いて。
――その場に座り込む。 からん、と木刀もその場に転がって。]
…は、…すま ん。助かった、が。
……もう限界だ。
[少女は俯いたまま、ぜぇ、と荒い息を付き、がり、と素手で地を掻く。 そうして術を解いてくれ、と力のない声で紡いだ。]*
(93) 蒼生 2016/06/01(Wed) 01時頃
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[亀吉に労いの言葉を一言告げる余力もなく。 >>96よく我慢した、との言葉には小さく頷いて。
扇子の音が響くと共に、紙の蝶達から煌星の力が抜け、少女の周囲に落ちる。 少女は空を仰ぎ、酸欠の魚のように大きく口を開けて息を吸い、吐くと]
――ありがとう。
[>>97戻る、と言う琥珀と斎に顔を向け、感謝の言葉を紡いだ。]
(100) 蒼生 2016/06/01(Wed) 02時頃
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…ん、
[>>95己で結界を張っていたらしきウトが横笛を取り出すのはぼんやりと視界に入ったが、 消耗しているので少女の動作は緩慢。
空気を震わせる音は、混ざり気のない風の。
少女は目を伏せると、気を静めてくれるその音色に暫くじっと耳を傾けていたが。]
……腹が減った。
[そう空腹――己の一番分かりやすい消耗具合を自覚し、ぽつり呟くと同時、
ぐぅ、と少女の腹が鳴った。]**
(101) 蒼生 2016/06/01(Wed) 02時頃
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