303 突然キャラソンを歌い出す村4
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…、…
争うと生まれる勝敗から
滲み出る感情の波の味が
腹を膨らませるのは判る
[こぽこぽこぽ、水音は正しく、静かに]
けど…、僕は
争うより指先を絡め
瞳を奪い、唇を攫うように
誰かを…、惑わしたい
…、叶うなら、友の君にも
そうしたいと想う。
[悪魔だからね、と、判り切った言葉は続けずに。規則的な水音を届ける。]
天(うえ)の常識には疎い。
…、…君(とも)だから、
素直に自分の気持ちを伝えたまでだよ。
けど、喜びの為に生きる、か
それは万物に与えられた生の選択だね。
ふふ、…うん、
素敵だね。
[こぷ、こぽぽ、と嬉しさを隠さない、少し乱れた水音。]
全部教えては、詰まらない。
貰ったプレゼント箱の中身を
開けるワクワクを味わって欲しい。
[こぽこぽ、と気付くと水音はいつも通りに戻っているだろう。]*
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― 昼休み/食堂 ―
[長いイントロの中、先導するように音坂の語りパート>>10が始まる。 彼が語るのは、生徒たちからの憧れを集める華々しい生徒会長であった頃の伶について。]
(語りセリフ) 「リードを頼むよ、王子さま。」
[音坂が差し出した手に、黒鳥となった伶《オディール》は自らの手を添える。]
(34) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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――♪
(語り)
初めは見向きもしなかった 大人なんて下らないと粋がる子供だったから…
耳触りの良い言葉を並べて得意気になった そんな僕を慈しみ見守ってくれる 貴方の距離を識ったのは何時の間にやら
気付けば頼りにしていたよ 甘く囁かれれば誘惑されていた
(35) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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[二人の語りパートが終わり、曲が流れる。>>12
音坂が全身で歌う『頂の君』をこの世界の誰よりも間近の特等席で聴きながら、彼の動きに合わせて伶もまた華麗に舞った。]
(36) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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[圧倒的なパフォーマンスを目の当たりにした食堂内の人々は言葉を発する事ができないでいた。 しん、と静まりかえった空気の中、音坂が息を吐く>>18のさえ観客に届くほどだ。]
――――……、
[音坂はもう元の服装に戻っている――――が、まだだ。 これは幕間の小休止。 >>1:607>>8 ズゾゾゾ…、うどんを啜る音はまだかき消えたまま。]
[すとん、と自然な動作で席に着く伶。
だが、その身に纏う服は天獄学園の制服となっていた。 そして、いつの間にやらギターを手にしていた。
後篇、『RUNWAY』―――歌います。]
(37) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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――♪
[伶のギターは、ぽよん、ぎゅいん、と不細工な音を鳴らす。 まるで初めて楽器を手にした少女の演奏のように。]
(語り)
派手な振る舞いはその実ただの虚勢で 立派な肩書きで盛ってみたところで不安は消えない
貴方に支えてもらって はじめて 助走をつけることができたんだ
[音坂と伶の構図は、まるで演奏のレッスン中の教師と生徒のよう。 先ほどの華麗な舞踏から一転、動いているのは伶の口と指先だけ。 伶が選んだのは、『動』の歌に対する『静』の返歌だ。]
(38) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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[ギュィン、ギャイン、と少しまともな音が鳴り始める。 それに伴い、少しずつリリックは速度を上げていく。
♪
空に憧れ囀っていた雛は 育ってみても 飛ぶ事なんてできやしない Chicken Heart ...
藻掻いたところで 足掻いたところで 羽撃きひとつもままならなくて 一度だけ弱音を吐いた事があったね
(セリフ)「僕には飛ぶための翼が無いから」
それでも堂々と虚勢を張れたのは 貴方が歌を教えてくれたからさ
溺れ囚われそうになるこの暗い闇の中 その声が僕の道標になってくれる
(39) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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[伶の歌とギターはみるみるうちに鋭さを増して、]
♪
Ah...
何も言わずに背を押してくれたから 僕は僕でいられたんだ
Runway... 後ろを向かずに走り出して
あの日願った空に 必死に手を伸ばす 勇気を持って 地を蹴った
[椅子を蹴って立ち上がった伶は、ギターを掻き鳴らす。]
(40) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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―――♪
(流麗なギターソロ)
(41) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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♪
遠くの空を目指して跳んだこの身体 高い高い頂は宙(そら)の彼方
あの日に流した涙ごと 僕は抱きしめて羽ばたくよ
高い空から見下ろす眺め 貴方の瞳が映していたものを見たい
おかげで「卒業」できたから 自由に飛べると胸を張れる
貴方が導いてくれた宙の先 届けとばかりに手を伸ばし続けるのさ
……
(42) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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――――、……
[歌い終えると制服とギターは風に吹かれる雲のように消えていった。*]
(43) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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― 昼休み/食堂 ―
[つまり、生徒会長なんてなってみたものの実は何かと不安だった伶にとって、音坂の助言はありがたかったのだ。 生徒会長などと言っても所詮は子供。 頑張ってみたところでこの学園では「大人の事情」>>1:464で折られてしまう事もあった。 そんな大人の世界での処世術を悪魔的に教えてくれたのが音坂である。
自分の後に入学するヨーランダがその天使性を損ねてしまわないように学園環境を整える―― その目標を達成できた時点で、伶は次のステップとして海外への進学を目指した。 その際にも世界を識る音坂の助言はありがたかったし、背中を押してくれたことに感謝している。]
(44) 2020/01/08(Wed) 21時頃
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CC レイは、メモを貼った。
2020/01/08(Wed) 21時半頃
おや、友と呼ぶのに惑わすとは。
「お友達」は悪い子だ。
[ 判り切った言葉を代わりに敢えて言う。
先ほどの冗談を真似るように。]
んん、欲望が叶わない、というのは悲しいな?
「したい」と願うのならやればいい。
欲望に忠実でありなよ、悪い子。
[わらうような表現に似た、水泡音が上がった]
君(とも)だから、ね。
それは有難い、嬉しい事を云ってくれるものだ。
[乱れた水音に、
鳴る水音はじわじわと音が大きくなる]
ちぇ。君もなかなかロマンチストだよな?
鍋奉行とやらになる資格があると見た。
[ 元通りの水音に、ジャグジーみたいな音が返る。
不満におどけながら、ぶうと息を吹くようでもあった。]
仕方ない、悪友であり良友でもある
君の趣向に付き合うとも。
君の脚本なら、
存外コース料理も待ってられそうだしね。
なので、進捗報告は宜しく頼むよ。
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[懐かしの在学時代を思い出しながら歌う事を終え、]
で、ええっと。 さっきのアレだっけ?
[イントロ前の、やや語尾が不確かだった問いかけ。>>1:596]
留学の成果だとも。 元々生徒たちを煽ってたクチだからね。 ちょっとグローバリゼーションされればこんなものさ。 いや、ちょっと悪戯が過ぎたね。申し訳ない。
[伶は嘘つきだ。だから恩師に対しても平然と嘘をつく。 音坂のことを信用していないとかではなく、イースターの機能をみだりに広めるべきではないという常識的な思考で。
相も変わらず堂々とした態度である。 相手が音坂――マイクの存在を知る悪魔でなければCoolにCleverに嘘を押し通せたかもしれない。 そうでもないかもしれない。]
(52) 2020/01/08(Wed) 22時頃
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……ん、もう食べ切っていたのか。
[音坂と話している間にイースターにあげたうどんの器が空になっていたことに気付く。
その独自目線による食レポを聞き逃したのは非常に惜しいが、伶がそれを知ることは無い。
敢えて箸を使うメニューにしてみたのだが、あっさり使いこなしたあたり、やはり学習能力が高いことを再確認した。]
(55) 2020/01/08(Wed) 22時半頃
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そう誉めるな。
[悪い子、とは悪魔にとって誉め言葉だった。]
…、ん
僕はいつも、欲の沼に漬かっていたいからね
[「欲望に忠実で」と言われると]
君(とも)がそう言うなら
――…もっと、頑張ろうって思えるよ
[囁くような言葉は、こぽこぽと小さな水音と共に。]
ん、…ありがとう。君(とも)。
[こぽ][水音がひとつ]
…、君、――か、
あぁ、ねぇ…
[荒々しい方の堕天使にも向けるように、
語りかける口調はいつも通りの柔らかさを含み、]
僕は、君らをなんて呼べばいいのかな。
――、それと…進捗とは別件で、
大昔、天使と悪魔で取り合った聖遺物(マイク)が
いま、僕の前にいるよ。
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>>57
うん。 かわいらしい友達だよ。
[これまた流れるように出た言葉。 ただ、これは嘘という意識など無く自然と発されたものだ。
悲しいかな、嘘も本音も流速が変わらないせいで声色からは区別がつかない。]
(58) 2020/01/08(Wed) 22時半頃
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― 昼休み/食堂 ―
うん?
――――――、
[悪魔的に響くその囁きは、只人にとってはとても強く甘い毒だ。]
うん……もちろん。 前から頼りにさせてもらってますとも。 知ってるだろう? 今更だよ。
[――だから、伶が本当に困った場合にはまず音坂を頼ろうとするだろう。]
(68) 2020/01/08(Wed) 23時頃
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おおっと!私はNGだ。
自ら名を名乗る程の嗜虐趣味は無いなぁ。
[ 柔らかな口調にゴボッゴボボボボーーッと
不正解のSEめいた水泡音が鳴り響いた。
花の香の煙、ベッタベタな話もすれば
十字架、聖水、心臓への杭、etc。
弱点というものは数多の存在にそれぞれあれど、
その中には、真名を呼ばれるのを苦手とする者も居る。
呼ばれると魂を縛ってしまう、そんな話もあるという。
この声の主も名を呼ばれるのが弱点、
そういう類の存在なのだろう。]
大サービス、好きに呼びなさい。
何、あだ名だと思ってさ。
マイクぅ…??
………あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…、
[ 伸びた声に合わせて、
水音がビブラートしている…]
あったあった。成程なあ。
もしや、さっきの兄ちゃんとやらが
聖遺物だったかな?
なんか人にも姿が取れるとか……
まあ、昔過ぎて詳しい機能まで
中々思い出せないが。
そう思うと少年の殻破りも納得だ。
なんか多分、拡声器の増幅機能でも
働いたんじゃないか?
それにしても、
そんな厄いものがこんな近所にとはなぁ。
いやぁ、全く慌ただしい処だね此処は。
とはいえラッキーじゃないか。
え〜? 試しに一発使ってみなよ。
[近所で不発弾が見つかった、みたいな話を
納屋で見つけた花火やってみようぜ、みたいな
軽いノリで催促して見せた。]
…お試しで使うようなレベルのモノじゃぁないだろ…
[色々と考えましたが、軽いノリのその提案だけは断りました。]
/*
半狼わかんないね!!!(泣
有働黒判定きたね!!!(好きにヤッチマイナー
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― 昼休み/食堂>>70 ―
[言われてみれば、イースターは独特とはいえナチュラルに日本語を喋っているな、と伶は初めて気付く。 その疑問への答えは本人?……本マイクから返る。>>74
天使製マイクであることを知らなければ、何が何やら、という内容だろう。 まあでも、「変わった子」>>66で済む範囲だろう、と特に口を挟みはしない。]
(93) 2020/01/09(Thu) 00時半頃
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[これは閑話だが、今は一介の学生である伶にとって、イースターの回答>>74は一つの気付きをもたらすものだった。
『バベルの塔建立の後言語の交換は人類にとって非常に複雑になった』 なるほど、人類はその文化や言語の違いから、互いに理解しあえない状況にまま陥る。 だが、時にそんな言語の違いという壁を容易く越えるものがある。
―――そう。歌の力だ。
強い意志の込められた歌は、時にそのリリックに用いられる言語すら重要でなく、その真意を雰囲気で伝えることができる。 ならば……全人類が、常時歌でのコミュニケーションを行えるようになれば? バベルの塔建立以降に言語を神様に乱され分かたれた人類は、雰囲気で再び一つに纏まれるのではないだろうか!
ならば……そう、「無限に歌い続けられるヒト」を遺伝子操作で実現することこそ人類のブレイクスルーとなろう。 そしてそれは、神様に対する最高の嫌がらせになるのではないか。
―――拗らせきった将来の遺伝子工学研究者のこの気付きが、人類の未来を変える事は果たしてあるだろうか……? それはきっと、神様も知らない(知りたくもない)話だろう。
本当にどうでも良い閑話である。]
(95) 2020/01/09(Thu) 00時半頃
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