73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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なんだよー、俺の評価ってどうなってるわけ?
[モリスの言葉に、つんっと唇を尖らせて。 続く言葉に、一瞬キョトンとしてから笑った。]
お金かけたらさ、そこでサンドウィッチもぐってる奴の 兄さんあたりが怒りそうだから。 俺のとっておきのチョコとかどうよ?
[何がなくとも、きっとそのうちあげようとするだろう。]
(1) 2011/12/23(Fri) 00時半頃
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[毎年、冬になれば必ず風邪を引き込む体質で。
だから、今もそれと同じだと思っていた。
いつもの風邪と違うとわかるのは
いつの頃だろう**]
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やだなぁ。 抱きつきは、俺がもらう方だもん。 払う方じゃないよー。
[モリスの言い分に、ぶぅっとした顔をした。 そこに深い意味は、ないつもりなのだけれど。
すんっと鼻をならせば、薄く香る薔薇の。 ヴェスパタインの手から落ちた顎は、 香る元を探すように方角をかえる。]
ああ、うん……。
[ヴェスパタインから掛った言葉にも生返事。 アイスブルーが捉えた窓の外には、月。 嗚呼、雪うさぎ作れるかな?と、ふっと思ったことは 口にはでないけれど。]
(6) 2011/12/23(Fri) 00時半頃
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[甘く香る薔薇の呪いにかけられたのはいつの日か。]
[薔薇の香りに思い出す。中庭の光景。
自分を見て、微笑んでいた少年。
ノックス自身には、触れあった記憶はないけれど。
知らぬ間に、寝顔を晒したことがあったよう。
談話室の一コマ。長い接吻。
銀の少年にとって、その行為はどんな意味があったのだろう。
ただ、乳白色に近い金の髪を持つ少年の裡に、
密やかに種は植え付けられていて……―――。]
ノックスは、食堂の外の物音に、はっと我に返った。
2011/12/23(Fri) 01時頃
なん……だろ……。
[さわりと胸がさざめいて、ポツリと裡で想う。
それは知らず、薔薇に連なった音となり、
誰かに聴こえてしまうのだろう。]
あれ、ノックス先輩今何か言いました?
[モリスは思わず振り返る。何が起こっているかは到底理解できずに。]
[ふらり。夜の帳が下りた頃、
空ろげな瞳の、青白い顔をした一人の生徒。
薔薇の一つを手にとって、そぅっとそれにキスを寄せる。
そこには今、誰もいない。
枯れかけた薔薇の一輪へ大事そうに指を這わせ、
まるで蜜を飲むようにまた、何度もキスを寄せ。
雲の切れ目から覗いた月が、呼び起こした花のそれ。生徒自身には、意識はないようで]
……足りない……
[精気を吸われたかのようにかれた花。
花弁の一枚を食みながら。
聞こえる声に、ぴくりと口元が歪む。
何か憑かれたような声はとてもか細くて]
……。誰。
[薔薇達を見る目は深い赤。
薔薇の記憶は、銀色の…長い髪の少年を脳裏に焼き付ける。
彼なら、精気を分けてくれるだろうか。
薔薇が枯れてしまう、その前に]
……。誰か……
[生きるためのものが。生まれるためのものが]
ホシイ……
[呟きは、風にのって消える**]
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えー……じゃあ、ジェフ先輩に見つかったら モリスが怒られてよ? あと、賭けるなら俺だけ損するのはなー。
[小遣いに不自由したことはないけれど。 自分で稼いでる訳でなし。賭けをするのは少し躊躇われて。 モリスにも損害が出るようになれば、諦めてくれるかな? なんて、思ったところで外ではなく近場で派手な音。
びくっと、犬が驚くように柔らかな毛を逆立てて、 アイスブルーの眸を見開いた。]
(43) 2011/12/23(Fri) 09時頃
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あっ……オスカー近づいたらだめだよー。 片づけは、先輩に任せとけばいいって。
[驚いている間に初動が遅れたから、なんとなくバツが悪くて 現場に近づく同室の後輩に声をかける。 彼は、自分が言うまでもなく それ以上何をするって訳でもなかったようだけれど。 後輩の面倒を見るという大義名分を得るように、 ぎゅむっと嫌がられなければ背後から抱きつくか。
受け入れられたにしろ、そうでないにしろ。 アイスブルーは、心配そうに手当てされるサイラスを見るけれど]
ぼーっとしてるのは、俺じゃなくてサイラスだったみたい?
[先程のヴェスパタインの言葉に返すよう、茶化していうのは しょんぼりしているサイラスに、 気にすんなという意味合いを込めた声音と表情で。]
(45) 2011/12/23(Fri) 09時半頃
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「君に──…………」
[薔薇は、一言、風のようなささやきを零す。
それは、病気がちの少年が、ずっと想い、支えとしていたもの。
決して表には出ない、小さな小さなトゲのような感覚]
ほぇっ!?
[裡で呟けば、裡に返るように聴こえる声。
それは、目の前のモリスの物である気がするけれど。
しかし、耳で聞いたのではない感覚に、
眼を見開いたのは食器が鳴る音と同時。]
えー、えー……何これ。
モリス?……と、あれ、もう一人声が……?
[風に消えそうな細い声。
耳を澄ますように立ちすくめば、
サイラスに関する動きには遅れてしまう。]
んー……何か、欲しいの?
[消え行く声を微か拾って、そっと裡で返してみる。
それは、オスカーを止めた頃合い。
オスカーを抱き止めれたなら、
その温もりが心を落ち着かせたのか。
否、誰かを求めるという植えつけられた慾が、
この異常事態を受け入れさせたのだろうか。]
何、これ、だなんて…とんだご挨拶だね…。
[薔薇の園から囁く声は酔ったような甘いもの]
聞こえる?君達は……誰?
薔薇の声が、聞こえるのかい?
…うん。
[ほしいのかと聞かれれば肯定の意識が空気に乗って。
薔薇の香りが、そこに漂う]
枯れそう、なんだ。
君は…君達は、助けてくれる…?
挨拶が欲しかったの?
じゃあ、こんばんはー。
[返ってきた声に驚きつつも、暢気に挨拶を返す。
甘ったるい声に、ぞわっと背に走る感覚は、
覚えがないとは言わないけれど……。]
誰って、俺はノックスだよ。
高等部2年の。で、君は誰?
それと、薔薇の声ってなに?
[必要ならばモリスの名も告げるが。
モリスは一発で判ったのに対し、
いつもツンケンとあしらわれているエリアスの甘い声音には、
気がつけなかったのは仕方ないこと。]
ありがとう。こんばんは。
名前…名前、なんだろう?
[ヤドカリのようなものなのだから、
自身に名前はないだろうけど]
体の名前は…エリアスっていうのかな?
君はノックス、ね。君、この子に相当嫌われてるみたいだね?
[くすくす。笑い声は花が零す香りのよう甘やかで]
薔薇が、ね。ちょっと悪戯をしたみたい。
なんで、君達なんだろうね?
[感染したとか、そういったことは一切口にしない。
ただ、自身は傷ついたカラダを癒したいだけだから、
他は正直どうでもよかった]
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[サイラスが手当てされる様を見ていれば、 その指がヴェスパタインの唇に吸い込まれる。]
ぁっ
[小さく驚いたように上がる声は無意識。 瞬きを忘れた眸は、治療と言う名と艶めいた行為を見詰める。 唇から血と唾液が混じった液が、指先とつっと糸を紡いで ふつりと途切れ、最後に舐め取られる様も具に。 サイラスの消毒に身もだえる様も……。
はぁっと詰めた息を吐いたのは、ヴェスパタインが去る間際。 近くにオスカーが居たのなら、熱が籠ったようなその息吐く音を 聴きとめていたかもしれず。 振られるヴェスパタインの手に、 ノックスにしては珍しい曖昧な微笑を返した。]
(49) 2011/12/23(Fri) 10時頃
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名前が、判らない?
[きょとんとした音を響かせる。
その後、体の名前と言われれば、訳が判らないと、
音は響かせないが、とった間の長さで知らせて。
実のところ、その間は、ヴェスパタインの行為に驚いて
出来たものであったけれど。]
身体はエリアスって、うーん?
[嫌われてるという言葉に、眉を八の字に下げるも、
それは相手には見えないこと。]
確かに、エリアス本人だったら、
こんなに和やかに話できないだろうけど。
薔薇が悪戯?された記憶ないけどなぁ。
[さっぱり判らないと、お手上げ風。]
だって、呼ばれる必要、なかったもの。
薔薇は見目よければそれだけで。
それとも君が名前をくれる?
前からこの子のカラダに居るんだけど。
僕が体力貰ってるから、妙に病気がちみたいだ。
[薔薇は人を殺すつもりは毛頭ない。
悪い言い方なら、寄生虫のようなものだから]
薔薇が、ね。君達に棘を指したか…
刺された誰かが、君達に触れたか。
どうしてそうなってしまったか、知りたい?
僕も枯れそうだし、教えてあげなくもないよ
[くすくす]
もう一人…誰だか知らないけど…でもいいよ
もし知りたかったら、夜中にでも会おうか?
教えてあげる、からさ…
[くすくす。あぁ、そのときは一人でね。
逢引は見られるものではないでしょう?**]
えーっと……ちょっとまってー。
君がいるから、エリアスの調子が悪いの?
だったら、他の所に行ってくれたらいいのに。
[一つ一つ与えられる情報を紐解くように呟く。]
それで、名前は……
話聴くとまるで君が薔薇みたいに聴こえるけど。
そりゃ、必要ならあだ名つけるのはいいけどさ。
[ふっと想い浮かぶビジョンは、何色だったろう。
赤や蒼や白……ではなかった気がするけれど。]
でもって、薔薇に刺されると声が聴こえるようになる?
俺は薔薇に触れた記憶ないから、誰かから触れたのかなぁ。
触られたというか、気がつかないうちに触った??
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