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僕もふわふわしてみないと解らないな。
どきどきとは違う?
[
少し驚き目を丸めさせたが、後ろに押されないようにし。
どきどき、なら解るけどとサミュエルの左胸に、
静かに掌を置き、鼓動を確認しようとする。
……もしかしたら、脈を測る方が早い気も。]
いつもと違う僕の感想は?
怖いとか、気持ち悪いとか。
サミーも、いつもと違うかも。
もっとクールな感じだと思ってたよ。
[眠たげなテンションで、自分よりも年下なのに、
何処かすごく落ち着いてるような人物像があった。
――…実際は、年下では無いのだけれど。]
[
シェスタ・ベージュに映ってるのは目の前の猫だけ。
偽りを告げているつもりも、毛頭ないのだけれど。
今は、その視界も顔では無く首筋へと移っているが。]
見てるよ、見てる上でかわいいと思う。
[薄く前歯を立てて、甘く噛む。
噛み癖がある訳では無いので、本当に優しく。
掌を置いている黒のカットソーは薄くて、
サミュエルの身体をタイトに包んでいる。
そっと確かめる様に、その手を背中に回した。]
キスするのは初めてだけど、ハグは何回目だろう。
[狭いシートの中で、横抱きにする形で抱き寄せる。]
どきどき、……している。
[
どうしてだろうか、一応初めてではないけれど
随分久しぶりだからか。
それとも相手がトレイルだからか。
きっと、後者であろう。]
トレイルはネガティブ過ぎると思う。
怖かったり嫌だったら俺がこうしていると思うか?
[違うだろーと胸を軽くてしてし叩く。ねこぱんちだ。
食べて軽く飲んでいるだけならば、
いつも通り眠くてローテンションのままだった。
今はそうではないので、年甲斐もなく舞い上がっている。
さて、年齢も仕事のこともいつ言おうか。]
……こういう俺は、どう?
[
ひくんと肩を揺らしてトレイルにしがみつくと
薄い身体は腕の中にすっぽりと収まった。
痛くされたら、どうなってしまうのかわからないが、
多分嫌じゃないような気がする。]
結構毎回ハグはしてたからな。
ぅ、わ!?
[姿勢が変わり、驚きの顔で見上げる。
やはりいつもの顔とは違って、余計にどきどきした。]
[
リラックスさせた方が良いのかもしれないけれど、
悪いどきどきなら、もう顔を引っかかれてそうな気がする。]
ネガティブ、かな。
こうしてちゃんと向き合うのは、ハイスクールの頃以来だから、
探る感じになってしまう。
[人との接触はその後も、別の場所や此処で何度かあったけど、
きちんと向き合ってはいなかったと思う。
多分、向いていた目や身体は、表面上の感覚だった。
顔は引っかかれないで済んだけど、ねこぱんちが飛んでくる。]
うん、その時は僕から逃げてると思う。
[だっこしてた猫が、腕からすり抜けてしまう感じで。]
今のサミーは、そうだね。
新鮮な気がするけど、一緒に居て落ち着くかな。
[家で足を伸ばし、マロンを可愛がっている時のように。
心が癒される、と彼の耳元でのんびりした口調。]
[
尻尾を踏んづけたら、こんな反応が返ってくるような気がする。]
にゃー?
[猫に話しかける時は、ネコ語を使えばいいのだろうか。
ネコ語なんて話せるわけも無いから、鳴き真似で代用しておく。]
煙草臭くない?
[煙も臭いも控えめな種類の上、メンソールを選んでるけど、
こうまで密着すると、流石にそれが気になる。
腰のラインを、掌で優しく撫でながら首を傾ぐ。]
[どこまでも甘いキスに溺れそうになって、ぷはぁっと一度唇を離す。
おたがいの唾液とカクテルで濡れた唇を手の甲で拭い、
まっすぐに見据えて]
……やべ。
とまんなくなりそ。
[このままキスしてたら、絶対最後までヤっちまう自信がある。
さすがにここで致してしまうのはまずかろうと、
下半身に集まりつつある熱を持て余しながら]
なあ……今日、うちに来ねえ?
[
袖で顎を伝った液体を拭う。
体の火照りは一向に収まらず酷くなるばかり]
──………。
[とろんと溶けた目をマドカに向け、数秒]
……………ん……まどかが、いいなら。
[いく。
少し舌足らずに頷いた。
マドカとの口付けは刺激的でその先があるのならと求めてしまう]
…そういえば、グラスが空か。
[テーブルの上のグラスを見て、ぽつり呟く。
自分も飲み物持って来て無いから、何か取ってくるべきかも。]
トニックウォーター、嫌いじゃないよね?
[すぐ戻る、と腕を解いて告げ。シートを一度離れる。]
[蕩けたような瞳にぞくりとする。
元々あまり理性は強くないのだ。
こんな目で、声で誘われて我慢できるほど人間が出来てない自信だけはある]
そんな顔するなよ。
このままここでヤリたくなっちまうだろ。
マジでヴェスパ可愛すぎですからー。
[無理に茶化すようにして、
ヴェスパタインを犯したくなる衝動から気をそらす]
後でめいっぱい可愛がってやるから、な。
[なだらかな頬の稜線をするりと撫でて、
予約というように、がぷりと白い首筋に甘く噛みついた]
[カウンターでのマスターとベネットたちの会話を聞いていたら
きっと無言で逃げ出していただろう。]
そっか、ちょっと嬉しいかも。
[
こういうのは久しぶりで、必死にどうするかを思い出しつつ
ごにょごにょと言いかけるがてしてしする力はそう強くない。]
落ち着く?俺で?
初めて言われた。
[よくわからないと言われる事の方が多かったからか
じわじわと頬に赤みがさしてくる。]
にゃっ、そうじゃなくって……!
[
後ろで動く手の動きに一々身体が震えそうになる。
こういう時、どうしたらいいんだ。]
気にならない、トレイルの匂いがする。
[照れた顔を隠すように胸に埋めるとくんくんしてみる。
嫌な匂いではなかったし、香水のイメージも強い。
反撃に、とそのまま項をぺろっと舐めてみた。
こちらは整髪料の匂いの方が強いかも。]
別に、普通の顔だ……。
[まるで自分ばかりが誘ってるように思われてそんな事はないと、
マドカの余裕を残す表情に少しの悔しさを持つ]
…………ここ、は さすがに。
[そうだここはバーだ、自分のテリトリーじゃない。
ちらりとカウンターを見れば3人のおじさんたちが
顔を突き合わせて談笑をしている。
まさか内容がトレイルとサミュエルの休憩時間について
賭けをしてるなんて思わない]
ぃ……あっ…
[首筋を噛まれれば上がるのは少し高めの、甘い声。
マドカの背に腕を回し、溺れたようにぎゅっと服を掴んだ]
……ん。嫌いじゃない。
[気分はさっぱりするし、飲みやすい。
いつもチェイサーに出されるそれは、
もしかしたらアルコールよりも良く飲むかもしれないほど。
狭かったシートが急に広くなった気がして、
自分の膝を胸に引き寄せた。]
これで普通って言うんなら、色気ダダ漏れすぎだから。
[悔しげな様も可愛いと、ちゅっと唇をかすめ取る。
予約代わりの甘噛みに背中にしがみつく腕と甘い声に、
浮かぶのはいつものにやにや笑い]
ひょっとしてカンジちゃった?
[上目遣いに見上げて、歯型の残るそこをぺろりと一舐め]
――お待たせ。
[窓枠の照明のお陰で、赤く染まったサミュエルの顔も、
しっかり見ることができるけれど。
先ほどまで猫ぱんち
狭目のシートの上で待ちくたびれてた
せっかくだから、お酒っぽくして来た。
ちゃんとしたフードも欲しかったかな。
[気分が悪いから休んでいるという事を言い訳にしたので
ガッツリしたフードを持ってきたら、怪しいと思う。
なので、小さめの器にカラフルなキスチョコと、
氷を入れたグラスに、ポッキーを入れて持って来た。]
僕に飼われると、太るかもしれないね。
[さっきアイスを与えたばかりだというのにも関わらず、
手頃に取れる糖分として、甘いチョイスになってしまった。
マロンも自分も、肥満体型では無いけれど。]
ポッキーで遊ぶ?
[ポッキーの長さは、13.5cm。
ポッキーゲームで詰めるのは、心の距離らしい。
チョコレートのついて無い方を咥え、サミュエルに向ける。
猫がチョココーティング側をくわえ込んだら、
7センチくらい食べ進めてみようか。]
ゴートゥーヘブンよりもフォールン・エンジェル…。
天国を見せてあげるより落とす方が好きなんだけど。
[くすくす笑いながらライジの髪をくしゃ、と撫でた。]
体調を考慮して遠慮してあげるよ。
[さすがに過労死しそうな相手をいじめる趣味はない。**]
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