73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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薔薇の、におい…… ……気配、が。 どこにいっても、蔓延してます、ね。 ぼくは…… ぼくは、まだ……だいじょぶ、です。
[ベネットに向かって小さく頷く。 そして再びノックスに向き直り、 言葉を続けた]
(2) 2011/12/25(Sun) 00時半頃
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……でもせんぱいは、もう、囚われているんです、ね。
[薔薇の香りは寮内に蔓延していながら、 ある程度、濃い薄いの差はあるようで。 そして、今、目の前の。 その人物からは……酷く、薔薇の香がした**]
(3) 2011/12/25(Sun) 00時半頃
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……セレス……
[モリスとの会話でどんなことがあったとしても
口から一度だけ零れたものは、ルームメイトの名前。
愛しさと諦めとが入り混じったそれは、聞くものが聞けばひどくいらだちすらもたらしただろうが*]
えっ……
[モリスがズボンに手をかけようとした時に聞こえた言葉。]
セレストさんの事、忘れる気ねーだろ。
[モリスは不快感を露わにする。]
オレ、セレストさんにオレが何してたか、言ったんだよ。
そんとき、どんな顔してたか、わかってんのかよ。
凄く、動揺してた顔してた。
言葉は、平静を保ってたけど。
[モリスはまくし立てる。]
オレの話、聞いてたんだろ?
エリアス先輩、オレみたいになんなよ。甘えてんじゃねーよ。
マジムカつくわ。すげー、マジムカつく。
バイトだったんでしょう?
これもバイトのうちだったのに。
[実際、薔薇の精との話も端々しか覚えていない。
ただ、モリス自身が「汚い」といっていたことだけはしっかりと覚えている]
忘れる気がないとか…キミに言われることじゃ、ない…
[病気がちだったためか、生来弱弱しい精神は暫く眠る。
ただただ、癒しを求めるだけで。
自分からは何もしない。諦めているから。
何もできないと。
セレストの心中まではわからない。
けれど、少年はそれを知ろうともせずに*]
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……ノックス、せんぱい。 まだ、完全じゃないかもです、けど。 きっと、あなたは。 もう、逃げられないです、よ。
[少年には何が分かっていると言うのか。 嗚呼、それは果たしてどんな宣言か。 そっと頬に両手を沿え、 息の触れる間近で囁いた。
単に囚われやすい性質だったのか? あるいは、既に茨の一端が絡んでいたか?
嗚呼、その宣言は。 すぐに現実の物となるだろう]
(62) 2011/12/25(Sun) 08時頃
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……ぼく、運ぶの。 お手伝いできない、です、から。
[意識がある人間を支えるならともかく、 完全に気を失った人間はとても重い。 それを運ぶのは小さい少年には少し、難しい]
ノックス、せんぱい、も。 少し、調子悪そうです、から…… ぼく、こっち見てます、ね。
[そういって医務室には向かわずに。 部屋に残ると告げた。 ノックスがどこかに行くのであれば、 それを拘束するつもりはないなれど]
(63) 2011/12/25(Sun) 08時頃
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……レオ先輩、か。
[慌てふためいた様子のレオナルドを見て、モリスは何か思いついた様子を浮かべる。]
……いい事思いついた。
[負い目を感じていたモリスの中に隠されたかすかな魔性が目を覚ます。
それは、薔薇の香りが成す仕業なのか。]
何かムカつくし、ちょっと悪戯してみよーかね。
[微かな笑みが囁きとなって零れる。]
何する気?
[ふと乗ってきた気配に小首傾げ。
さっきなんだかんだと御高説たれた割にしょうもないこと考えているのだろうか
……何?どうしたの?
[ぐすっと鼻をすすりながら、やっと薔薇の声に気がついたよう。
何か喧嘩のようなやり取りを、うっすらと聴いた覚えがあるけれど……状況は理解してなくて。]
誰かに悪戯するんだってさ。
悪い子だね。
君達、薔薇の棘には気をつけないと……
[眠ってしまうよ?とはやはり言わない。
自分が直接受け取れれば一番良いのだけれど、
人の想いからも精気は得られるから]
[薔薇の精は珍しく訝しそうな顔をしてモリスの声を聞く。
しかし、普通の会話まで聞こえることはない*]
悪戯?
[何をする気なの?と、問うように鸚鵡返し。]
薔薇の棘……あの時、あの子痛そうだったなぁ。
[丁度、ヨーランダのことを思い出したところだったので
ぽつりと忠告に零した。]
[尋ねに答えはかえらなかっただろうか。
気まぐれに演奏を続けながら、ふっと思い出したと
歌うように告げる言の葉。]
そう言えば、オスカーがさ。
俺が薔薇に囚われてるなんて言うんだよー。
確かに、こうして2人と話しできるけど
囚われてるってことはないよねぇ?
[本当は、何か少し気がついているけれど。
見ない振りをするのは、いつもの癖で。]
薔薇に、捕らわれてる、かぁ。
案外、それ本当かもしれないスけどねぇ。こんな感じで話せているのは、確かに事実だし。
[あんまり奇跡とかは信じないけれど、今目の前にいないノックスと話せているのは、紛れも無い事実で。]
囚われてる……のかなぁ……。
[見ない振りをしようとして、
でもモリスの声はそれを赦してくれない。
いつか聴いた噂。
――深夜、薔薇の木の下で。]
だから、こんなに……
[途切れる言の葉。
無意識に見ない振りしていた、何かを炙るように
裡で火が燻ぶるのだろうか、と。]
……君、何する気なんだい。
あんまりこの子を虐めないでおくれ。
本当に壊れてしまうよ。
[別に自分は構わないけれど。
モリスが何をやらかそうとしているのかはわからない。
流れで、彼がエリアスになにか仕掛けようとしているのは何となく予想はつく]
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― 回想/自室 ―
……わからない。 でも、わかるんです、よ。 ノックスせんぱいは、もう……
[同じ言葉を繰り返そうとして、 けれど彼が部屋から出て行けば それを引き止めるでもなく見送って。 誰もいなくなった室内で、ぽつり、呟く]
……囚われているんですから。
[それは薔薇の呪いにだろうか。 あるいは……?]
(178) 2011/12/25(Sun) 20時頃
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[静寂の支配する部屋、 少年は静かに窓を開いた。 冷気と共に流れ込んでくる、薔薇の香り。 くらり、と脳が揺れる。 けれどその感覚が何なのか、 二次性徴の遅い少年には未だ理解し難い]
(179) 2011/12/25(Sun) 20時頃
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[ベネットが戻ってくる前か後か。 戻ってきた後としても眠ってしまえば、 また部屋には静寂が戻り。 少年はふらりと部屋を出る]
……外、白い。
[歩く廊下。 窓の外は白銀。 特に目的があったわけではないけれど。 ひたひたと、一人。シンとした世界を歩く。 大半が帰省しているからか、雪のせいか、 それともやはり薔薇のせいか。 まるで普段とは別世界のよう]
(183) 2011/12/25(Sun) 20時半頃
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― 談話室 ―
さむ……
[やはり人気のない廊下は寒く、 少年は暖を求めて部屋に逃げ込む]
……。 せん、ぱい?
[それはロビンが起きた頃だったろうか。 窓の外を見つめる背に、声をかける]
(184) 2011/12/25(Sun) 20時半頃
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― 談話室 ―
……火。 消えてます、よ。 寒く、ないんです、か?
[自分は寒いと言わんばかり、 燻る炭の残る暖炉に新たな薪を。 種火を放れば再びぱちぱちと音をたて 赤々とした炎が姿を現すだろう]
(191) 2011/12/25(Sun) 21時半頃
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薔薇ってお節介だよねー……。
[ぼそっと小さく呟きを落とした。
そのまま無意識に知らぬふりが出来ていれば、
恋心を自覚して直ぐに失恋なんてしなくて済んだのに
……とは、逆恨みだろうか。]
んー、でもモリス、ほんとに何する気?
[痛んだ心を誤魔化す為に、先程から何か画策してるらしい彼に問いかけてみる。]
なぁに、ちょっと悪戯するだけって言ったじゃないスか。
[何をするかという問いにはそれだけ、答えて。]
まぁ、何か、見ててイライラすっから、ちょっと、ね。
[そして、しばらく沈黙が続き]
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