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【人】 御者 バーナバス―自室― (2) 2010/07/19(Mon) 03時頃 |
【人】 御者 バーナバス[ふるりと、厭な記憶を振り切る様に頭を振って。 (3) 2010/07/19(Mon) 03時頃 |
【人】 御者 バーナバス[瞳を閉じると、瞼の裏に真っ赤な世界が浮かび上がる] (4) 2010/07/19(Mon) 03時半頃 |
【人】 御者 バーナバス[鋭く尖る牙がつぷりと柔らかな肉に食い込み、 (6) 2010/07/19(Mon) 03時半頃 |
【人】 御者 バーナバス
(7) 2010/07/19(Mon) 03時半頃 |
【人】 御者 バーナバス[窓の外が薄らと陽光―ひかりを取り戻し始めた頃、 (8) 2010/07/19(Mon) 03時半頃 |
【人】 御者 バーナバス[外は未だ灰色の雨に包まれていたけれど、 (9) 2010/07/19(Mon) 03時半頃 |
【人】 御者 バーナバス[まだ痺れる様に痛む頭で、昨日の記憶を手繰り寄せる] (11) 2010/07/19(Mon) 04時頃 |
【人】 御者 バーナバス[ふらつく身体でよろめきながら、部屋を出て階段を下りる] (12) 2010/07/19(Mon) 04時頃 |
【人】 御者 バーナバス[扉を開ければ、むっと。 (13) 2010/07/19(Mon) 04時頃 |
【人】 御者 バーナバス[血の匂いに溢れた部屋の中で、 (14) 2010/07/19(Mon) 04時頃 |
【人】 御者 バーナバス[そのころ。 (16) 2010/07/19(Mon) 04時頃 |
ータバサ殺害前の夜ー
キタケレバ…
[勝手に来い。そんな声を思念に飛ばす。
多分、「前座」が終わるまでは自我はあれど「ヒト」の部分は面に出てこない程に高揚している]
ぐるる…
[海は月に支配されているのだそうだ。
昔から、海と月は神秘の象徴とされていて。
しかし神秘でもないイキモノにも、
迷惑ながらその恩恵は降ってくる
どうしようもないくらい頭がくらくらする。
欠けた部分がすさまじい勢いで、埋まっていくのがわかる
血管が、ビキビキと音を立てて血を運んでいる様も、よぅくわかる。わかる…。
黒い影がふらりと揺れる先は、夢が見た花]
………
[翠の目は赤く赤く、その女を見る。
入り口にカギがかかっていようが関係ないし、
かかっていなければそのままするり。
眠る女に手が伸びる。それが手なのか、獣の足なのか、暗闇では判別もつかない]
……まあ。
描きたくないものを描くことで、
描きたいものがより映えることもあるよね。
[ミッシェルに記録写真と言われたものの方が、本当はつまらないと思っているけれど。
描くことで対象を判断する能力ならば、きっと人狼など描きたくないはず。
自分に言い聞かせるように、独白を続けた]
[まず狙うのは眠るタバサのその喉。
悲鳴が出ないように声帯めがけて爪を振り下ろす。
勢いよく飛ぶ血と、見開いたタバサの目が暗闇に光る。
あえぐタバサを上から押さえつけるように、のしかかる。
温い血が顔に掛かるとべろりと舌でなめとった。
久々に口にした甘い血。もう、自制心は吹き飛んだ]
ぐ、げ…ゲ……
[乾いた脳裏は、血と食欲と…取り戻し始めた「ケモノ」の性で一杯で。
思考が声に乗るのなら、黒板を爪でひっかいた音が大音響で響く。
まずは腸を食い破る。それから、骨を暴いて内臓を食い散らかして……
タバサはどこまで意識があっただろうか。
肺や心臓を一噛みにしなかったのは、
恐怖心と痛みをねじ込ませてやるつもりだったから]
[一瞬空に月が顔を出した時、
青年だったものがはっきりと浮かび上がる。
黒と赤の毛でおおわれた大きな大きな一匹の狼。
痛みと恐怖で死ぬに死ねない女の腹を食い散らかしている、
大きな大きな狼そのもの。
「食事」の光景は凄惨で。
本当は首でも食いちぎって塚に放りこんでやろうかと思ったが
まぁ面倒だからやめておこう。
止まる寸前に食いちぎった心臓は
本当に本当に美味かった。
食いつくして、その場は満足そうに舌舐めずりする狼は、見えなくなった月を見上げて一声鳴いた]
[一気に戻ってきた感覚と、人肉を食べたい欲求とは裏腹に、ヒトとしての体はそれを受け付けるにはまだ早かった。
夜明け、「ベネット」の体は少なからず不調を訴えていたようで。
ただ食い散らかして満足したのか、「ケモノ」の部分はしばし休息に。
「ヒト」としての自我が強い今は、多分以前の「ベネット」と、何ら変わりなく。
ただ、レティにタバサを見られたのは少し後悔した。
やる気があるヤツがいたら、自分が食える量が減るじゃないか
ヒトは生きたまま食うのがいい。
死体を噛むのは、好きじゃない。
そう簡単に、さくさくエサを殺すんじゃない、と自警団にも舌打ち一つ。
あいつらも食ってやりたいなぁ…とひとりごちながら*]
――昨晩――
[大きな気配を感じると、ばちりと目が開いた。
隣の部屋へとなにかが向かっているのが、分かる。下敷きを差し入れたスケッチブックと筆記具を持つと、静かに扉を開けた]
……ああ。
[黒い影を確認すると、感嘆のような息が漏れた。
続いて部屋に入る。その場にミッシェルがいれば、覚悟を試すような視線を向けた。
部屋の隅に寄ると座り込む。
惨劇が始まると、無表情のまま爛々と目を輝かせた。ぎりぎりとした気配に、全身が同調する]
[赤いスケッチブックに絵をえがく。
彼が獲物を喰らうさまを、柔らかめの鉛筆で速写する。
濃い黒だけで描かれた線は、獣の荒々しさと、被害者の無残さを強調づける]
……これだけじゃ、足りない、
[朱を落とした。
血ではない。それはそこには、もったいないから。
室内にあった、鮮やかな朱色のマニキュアを、タバサの髪の部分に塗りつける。
べたりと。厚い化粧を塗りたくるように、刷毛を滑らせる。朱を散らす。精緻な輪郭をあえて侵した]
[半分程度使った後、瓶を放る。どろりと中身が床にこぼれた。
朱が、タバサの指に触れる。血に染まった指に。
その血を、己の指に浸した。なまぬるい感覚は嫌いではない]
人狼は、これでしか描けない、よね、
[その指を、輪郭と朱色の上を通って、人狼の部分に滑らせる。
褪せた赤が紅に潰される。柘榴のように、細かく赤を重ねていった。
そうして出来上がった絵を改めて見ると、口元をゆるりとつり上げた**]
ワタシハ……
[
首を横に振って、気晴らしに夜の散歩と洒落込もう。
ぬかるんだ地面を蹴り、跳ねる。駆ける。
封印を解かれた体は、爆発的な能力を示す。
走るのに邪魔な服は、惜しげもなく脱ぎ捨てて、ぽい。
降りしきる雨の中、町の建物の屋根の上に腰かけ、月を見上げる。
耳の後ろに激震が走る。瞬き、2つ]
ケダ モノ……
[赤く染まった瞳は、町から外れた潮騒の一点を睨んでいた]
[空を、地を、森を跳ねる。向かった先は赤色の現場。
到着した時、あの忌々しい捕食者の姿は、すでになかった。
凄惨な痕跡だけを残して]
……タバサ?
[呼んでみた。返事がない。ただの屍のようだ]
[一歩、近づく。スパイスのような血臭が鼻に広がる]
ねえ。
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