25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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― 大広間→表座敷 ― [死せる者に関する処理の指示済ませれば 廊下に倒れた邦夜を表座敷に寝かせるよう指示を出し]
……嗚呼、彼にはまだ何も知らせるな。 私から話す。
[言葉だけは常の青年のもの。 だが声音はどこか虚ろ。
表座敷に寝かしつけられた邦夜の傍にそっと座り、 彼の意識が目覚めるのをただまった。]
お疲れ様、邦夜殿……誰が獣、だった?
[彼の意識が目覚めれば、まず、そう問うた。 表座敷に差し込む日は障子越し、 柔らかかった*]
(1) 2010/08/08(Sun) 07時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 07時半頃
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― 表座敷 ― [柔らかな障子越しの陽射しが 邦夜の輪郭をほの明るく縁取る。 そのような光景は青年の覆う目には 届かないのだけれど
先日の発作の時も随分苦しそうな息だった、なと。 青年は昏々と眠るその姿、寝息を頼りに 手をかざし……動きが止まる]
[――……既に、無辜の者が…ああ、華月はどうだったのだろう? いや、獣であれば、旧友が知らせてくれる、はず
ひとり、ふたぁり、さんにん、よにん。] [のよのよのよ、それと、あれと、箱舟は] [それだけ血塗れた手で、ふれようなどと、おこがましい 目の前の人は穢れてないぞ?それを、汚すと言うのか]
(14) 2010/08/08(Sun) 13時頃
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…霞。
[彼は目覚めているだろうか。
解らないが、声にしてみる]
/*
ひどいたいみんぐで おちて ごめんな さい (正座。
昨夜本当に申し訳なかったです!
酷いタイミングで寝落ちるとかあり得ない…orz
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― 表座敷 ―
―――…………
[聞こえるはずの鳥の声、屋敷内部の人の音 遠い、とおい、とてもとぉおい、とてもとても、 切り取られた、芝居小屋、花の舞台]
[血塗れた、ちぬれた、どろどろと、おぞましい] [それで触れると言うのか、ははは、 とんだ思い、上がりよ] [のよのよのよのよのよのよ] [最後の審判の時は近い] [はははは、さらばだ、”そこ”には誰もいない] ―――…………
[翳していた手は、墜ち、畳を毟る]
(18) 2010/08/08(Sun) 13時頃
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…本郷?
夜光は手筈通り、天満月の傍から話して喰らったが…
[そちらは行けなかったと知るか。]
…すまない。
[其れが総ての答えとなる。
捕えることすら叶わなかった]
私は、無能だな。
[狼として。
人としてなのかもしれないが]
弱い。
[溜息と共に]
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― 表座敷 ― [第一、おかしかったのだ。何時、もとお、りの殲滅] [交わす挨拶程度の話、移さぬ情、かまわれぬ散る花]
[なのに、なのに、なのに、なのに]
[旧知、奇妙な花、奇妙な主、奇妙な相棒 関わらぬよう、関わらぬよう、けれど、交わす約束 正しさと、事実と言うなの毒。]
[ただ、ただ、獣を殺めること、 だけ、があれ、ばよかったのに……]
(21) 2010/08/08(Sun) 13時頃
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記者 イアンは、畳を何度も、何度も掻き毟る。毟る、毟る。毟る。
2010/08/08(Sun) 13時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 13時頃
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― 表座敷 ― [畳を掻き毟る手が、井草だけでなく淵に触れる けれど、掻き毟れず、毟れど毟れず、爪が割れる]
[……一族の末裔…血を保つ為繰り返される近い関係 濃く、濃く、濃くなる血を持つ者の危うさ。]
[畳みに割れた爪と指先から血が、一滴、二滴 けれど、青年は気にする気配なく掻き毟る。]
[生きたかった。狂いたくなかった。 約束を、交わしたのだ。主の声が聞こえたのだ。
嗚呼、けれど、もう、それは遠い 此処では、何も、聞こえない―――――――――]
(26) 2010/08/08(Sun) 13時半頃
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― 表座敷 ― [獣が心の中で、本能と理性の戦いのうち 理性が勝利し人であり続けるならば 本能を除去し人であり続けるならば
ほつれた心が理性を手放す青年の存在は ――――――果たして、一体なんになるのであろう]
(30) 2010/08/08(Sun) 13時半頃
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記者 イアンは、表座敷で何かが起きるまで、畳を掻き毟り続けた*
2010/08/08(Sun) 13時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 14時頃
記者 イアンは、ふと、聞こえる調べに顔を上げる。その調べは本来表座敷に届かないけど
2010/08/08(Sun) 14時頃
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― 表座敷 ―
………―――
[障子閉じる表座敷に、風が届ける謂れはない。 けれど、けれど、青年の包帯に覆われし耳は 確かにその音を聴く。それは……]
[惹かれるように、衝かれるように、顔を上げる] [弾かれるように、憑かれるように、立ちあがる。]
[指先から滴る赤。その姿は人よりも獣の如く]
(35) 2010/08/08(Sun) 14時半頃
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[いつか、十の指に、両の手に白い包帯は巻かれ 足、口、額、鼻、顎、露出するはそれぐらいか。]
[獣たれ、獣たれ、獣たれ。獣より、獣たれ]
[血塗れ、穢れ、墜ち、堕ちるなら いっそ、獣たれ。 嗤えば良い、嗤うなら、嗤えば良い。] [聴こえる嘲笑う声に嗤い返す。ただ、嗤い返す。]
[そう、己の仕事は殲滅……なのだから。 もう、人も獣もなく総て切り伏せればいい ―――――――………………それだけ、のこと*]
(39) 2010/08/08(Sun) 14時半頃
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記者 イアンは、その姿を表座敷から消した。
2010/08/08(Sun) 14時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 14時半頃
…彼は、人目のあるところで、派手に発作を起こして倒れたらしい。
それでは流石に、仕損じても仕方なかろう。
[わずかため息が、それに交じるか。]
喰い残しで多少満たせるならば、勝手口横の空の桶の中へ少し…
記者 イアンは、その足取りは舞い手の足取り。素足は廊下を何処へ行く
2010/08/08(Sun) 15時頃
…そうか。
つまりは運があれに味方したと。
[ぽつりと枇杷の音を聞きながら呟く。
何処かへと届けようとしているような音。
己が最期を約束したものへと届けられるかのように聞こえた]
余り気が多くては、小鳥に喰われても何も弁護してやれん。
大切ならば、きちんと手間をかけて育ててやるが良いよ。
[少しだけ声はわらう。
花主であることを辞めようとしている己が何を言うのかと
そう思えばこそ零れたかすかな自嘲]
記者 イアンは、逢うものに刀を振るった。陶磁器と熱いモノが床に散る音。
2010/08/08(Sun) 15時頃
記者 イアンは、届く血の臭いに消され、茶の中の蓮の香りには気付けない。
2010/08/08(Sun) 15時頃
気をつけるが…こればかりはわたしの本質故仕方ない。
あちこちに分けて散らさなければ、一人に重ねれば壊してしまう。
雛鳥は…鷹にでも鶴にでもしてみたい。
だから、その前に喰らうわけにはいかぬでね。
随分と重量級の愛をお持ちだことよ。
まあ、私の関わることではないがね。
[小さく吐き出す息が少し震えた。
悲しみでも喜びでもなく。
まるで薬が切れたことに耐える兆候の如く]
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― 本邸廊下 ―
……違ったか、すまないな
[納刀しながら嗤う。砕ける陶磁器や つぶれる何かの音から、それが花や花主ではなく 単に屋敷のものだったことに気付いて]
……いかんな、人の気配で切り伏せては…… やはり、声はかけるべき、か
[肌を覆う白に朱が飛び散り 鮮やかな姿で小首を傾げそう思案して。 己の行いを隠すわけもなくその場を去ろうと]
(47) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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……ん?誰かきたか? 名を名乗れ。
[足音に振り返る。血の臭いにかき消され 蓮の臭いは届かない 包帯に覆われていない口は朗らかに笑う けれど、手は納刀していたそれを、 鍔鳴りの音と共に抜いて。 ……剣に付着した血がさらに臭いを濃くした]
(50) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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…喰らいたい、か?
[今見つかればどうなるかなど、分かりきってはいても。
餓えは耐え切れぬと己も知っている。]
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……俺の所属するのは殲滅部隊。 その俺が送り込まれたのだ。
[対として付けられた、去勢された獣。 それが示すセンター側の意図は、 去勢された獣の思いと一致していたのかもしれない
が。届かない、届かない。 思いは口にするだけでは届かない]
悠長なことをして既に4人の犠牲。 手を拱けば屋敷のものに獣が種を散らすやもしれん なれば……己の本分を遂げるまで
……名を名乗れ。屋敷のものなら容赦はする
[掠れた声では記憶を手繰れず、青年は嗤う]
(52) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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…。
センター飼いの花が。
[とんでもないことをしてくれた。
獣ではない、人による人殺し]
喰らう前に、気が狂いそうだ。
…もう、送ってやるよりほか…ないのだろうか。
[旧く、共に競った友故に…。
言葉に滲むものは伝わってしまうか。]
…どうしてもそれ以外に、手立てがないのなら。
[声は、震える。
何故かはわからないけれど、泣きたい気持ちでいっぱいだった。
できるなら、己の命を代償にしてでも、
こちら側へと呼びもどしてやりたいと男は願うけれど]
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戯言よ!! 獣に相対するに獣にまで成れねば 人の姿の獣なぞ切り捨てられるものか!!
[獣たれ、獣たれ、獣たれ。獣より、獣たれ。]
[口にしただけでは思いは届かない。 口にしなければなおのこと届かない。 青年の根源的願いは届かない
青年は名を聞き嗤い、太刀を上段に構えて それは、どの舞台の武舞よりも美しく凄惨な舞] ………本郷殿か。おぬしに恨みはない。が お命、頂戴する
[初めて耳にした下の名前。己とは違う 闇夜色の瞳…思い出し、その思いをかき消し 一刀の元に切り捨てようと踏み込みきりつける]
(58) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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[そんな声を、そんな思いを、彼から感じたは久方ぶりか。
彼の…蓮の浄土の舞手を枯らせてから、彼の心も枯れてしまっていたようにみえていたから。]
貴方をこちら側へ呼び戻したは、彼故に…?
…そうかも、知れん。
[一度枯れてしまったのは己の中の蓮の花。
種を蒔けど芽吹かぬのは心の硬いから。
鑢をかけて泥の中で芽吹き。
そしてまた花をと。
今思えば、そういうことだとわかるのだけれど、
結局男が聲にしたのは微かなわらいごえだけ]
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好きに言えば良い!!好きに嗤えば良い! 選べば高尚か?選べば心があるか? 戯言よ!!どれも所詮人殺しよ!!
[本郷の言葉が彼を狼憑きと言うが 既に青年にはどうでも良かった…ただ、殲滅せよと]
[舞い手の本懐は傷つけることにはない。 例え武家の心を教え込まれても、 どれほどの武舞の舞い手だとしても。]
[響く剣戟。刀に走る感触本来舞い途中にはないもの。 けれど、それを忘れるように青年の剣は舞う 弾くその流れに刀を乗せて 次いでくりだすは胴を払う中段]
死なぞ、何時でも賭しておる!!
(61) 2010/08/08(Sun) 16時半頃
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[回避された太刀は空を凪いで。 遠く、後ろに飛ぶ音。あわせるように 太刀を一度旋回させ中段に構えなおす。]
[そう、どれだけ人殺しを繰り返しても 舞い手は舞い手。それでも人殺しの舞を 請われれば、拒否出来ず壊れるまま舞うが舞い手。]
…………さよか。
[そうとまで言われれば、柄に添える右手を 足音、近づくまでの間に後頭部に回し 目を覆う包帯を引く。
ゆっくり近づく音に細い衣擦れが絡まり 覗くは燃える紅]
(64) 2010/08/08(Sun) 16時半頃
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記者 イアンは、本屋 ベネットの言に返すのは、ただ、ただ赤い瞳。
2010/08/08(Sun) 17時頃
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…………戯言よ。 俺は……いや、なんでもない……
[己が滴る血を反映するように赤くある瞳 その瞳を好んだことは青年には一度もない。 むしろ、暗き中に青みを帯びる瞳のがいかに綺麗か。 それも己の紅で焚き付ければ 焼かれる鉄の如く色はうつるのか? 地平が日に焼かれる直前の空の色を見つめ返し思う]
ああ。言った。 ……総て、殺す。
[上着を手に絡め、さらにもう一つ持つ姿、 近づく姿にうなづきを返し。 絡む包帯を投げ捨てる。]
(66) 2010/08/08(Sun) 17時半頃
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それは…………――
[大したことではない。けれど一度言い淀めば 改めて口に出すのは難しく。
上着を巻いた手が刃を手に握りこむ。 その為の布かと、眉を顰め緩く刀を引けば 紅が映るように滲む赤。]
…………それが、望みの殺され方とあれば いいだろう。
[ただ、切り伏せるよりも、赤を滲ませる 黒い布から刀を引き抜くことができず 言葉に頷き太刀から手を離す。
本郷が手を離せばガラン、と重い音が響くだろう]
………その、色のほうが……いい。
(68) 2010/08/08(Sun) 18時頃
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