52 薔薇恋獄
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[ 雷が降った瞬間、蛍紫には見えただろうか ]
[ 楓馬を連れていく女の後ろ姿 ]
[ それは日向(ひゅうが)のものか日向(ひなた)のものか ]
[ *後ろ姿だけで判別するのは難しいだろう* ]
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―百瀬・最上センパイの部屋の前― [三度目の雷鳴と、停電。 また誰か、いなくなったのだろうか。]
(2) 2011/05/21(Sat) 00時頃
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ドナルドは、もう一度、百瀬と最上センパイの部屋の扉をノックしようとした。
2011/05/21(Sat) 00時半頃
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―最上センパイと百瀬の部屋の前― [もう一度、扉をノックしようとした時に、内側からあけられる。]
…お前は平気だったか。
[明らかにホッとした表情になり。]
………誰がいなくなったか、調べに行くのか? なんだったら手伝うが。
[首を傾げて申し出た。]
(18) 2011/05/21(Sat) 00時半頃
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俺も平気だった。
[出てきた百瀬の表情にはあえて触れず、されるがままに。 けれど、そっと背中に腕を回して優しく安心させるように背を叩く。
そして、部屋の中を見て少し目を細めた。]
(31) 2011/05/21(Sat) 01時頃
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――……楓馬
莫迦野郎
なんで、謝ったんだ。
謝るのは、俺の方だ。
[ 思いを、受け取っていた ]
[ 彼の思いを ]
『…………ごめんなさい』
『手を……心を繋いでいないと』
『わたしは二人一緒には連れていけないの』
[ 無表情の謝罪 ]
[ それは何処で為されるのか ]
[ きっとそれは女と彼らが、初めて言葉を交わしたあの場所で ]
『……伝えて、おけばよかった』
『ごめんなさい』
[ 女は蛍紫を探してゆらり、ふらり ]
[ 彼が落ち着いた頃を見計らって、蛍紫の前に再び姿を見せるだろう ]
[ *楓馬に伝えきれなかった、もう半分の事実を伝えに* ]
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あぁ、手伝う。
[何を、とは聞かない。 けれど、離れて行く時、少し名残惜しげな表情になった。]
ん、あぁ。 また着なおしか…?
[パーカーの袖口やらが濡れている。 まぁ着替えもいくらかあるから、それで済ますか、 と思っていたら、百瀬にバスタオルを押し当てられた。>>76]
(149) 2011/05/21(Sat) 19時頃
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[百瀬が髪や床を拭いている間>>82、 何をしていたかと言うと、パーカーを脱いでお手伝い。 着てるものなんて、汚れたら洗えばいいんです。
そして、扉がノックされ現れた道也センパイに首を傾げつつ、 安堵した表情を見せ。
続いた言葉と、崩れ落ちる百瀬の様子に手を伸ばしたが、 道也センパイの方が早かった。 そして、うっすらと分かっていたことに、軽く眼を閉じる。
道也センパイの言葉>>89、>>90に頷いて。]
…はい。
[少し、表情は硬く見えたかもしれなかった。]
(151) 2011/05/21(Sat) 19時半頃
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[必要な情報は百瀬が聞いていたので、こちらから聞くことはなく。 百瀬の様子>>135に、一度手を頭に置き]
……無理すんな。調音
[ボソリ、と下の名で読んだ。]
腹が減っては戦はできぬ、だな。
[少し調子を合わせて>>132、>>133、言葉を紡ぎ、共に下へと降り、台所へと。>>139
百瀬に礼を言って、よそってくれたスープを口にする。>>143]
…まさか、役に立つとはな。
[ぼそり、と呟いた。]
(153) 2011/05/21(Sat) 19時半頃
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[ 日向(ひなた)、という問いに女は頷く ]
『そう。――さっき、現状の半分を楓馬には話したのだけど』
『楓馬からはどこまで聞いているかしら』
[ 短い、問いかけ ]
ドナルドは、オニオンスープをもう一口、飲んだ。
2011/05/21(Sat) 20時半頃
『……そう』
『もっと早く、伝えに来るべきだったみたいね』
『ごめんなさい』
[ 一度、言葉を切って ]
『無事よ』
『これまでに消えた人たちも、皆無事』
『寧ろ危険なのは、今ここにいるあなた達のほう』
『もうすぐ、わたし(ひなた)の中のわたし(ひゅうが)が』
『あなた達に牙を剥く』
『――驚かないのね、この人』
[ 士朗に対する感想を、ぽつり ]
『傍からみたら幽霊がいて』
『それに向かってあなたが一人話しかけているだけのはずなのに』
『この人も、わたしと話せないだけで幽霊慣れしているのかしら』
『…………一応、まだ手段はあるわ』
[ 言葉をたどたどしく紡ぐ ]
『普段のわたしは嫉妬や悲しみを見つけたら』
『直ぐに日向(ひゅうが)に全てを乗っ取られてしまう』
『そして悲しみにくれる魂を奪って』
『恋獄(ここ)に縫い止めてしまう』
『今回はそれがない』
『あなた達がわたし"達"に優しくして、宥めてくれたから』
『幾分か時間の猶予ができている』
『この猶予の間に、全員を此処から逃がすことができればわたし(ひなた)の勝ち』
『――間に合わなければ、薔薇恋獄の主――日向(ひゅうが)の勝ち』
『今は、そういう状態』
『日向(ひゅうが)は絶望や、失恋の悲しみに応じて力を強くする』
『日向(わたし)は恋の安らぎや幸福があれば、日向(ひゅうが)を抑えることができる』
『もし、あなたに好きな人がいるのなら』
『その手を離さないで』
『他の人も』
『繋いだ手を、絆を、信じて』
『それが、あなたにできること』
『もっと早く伝えておけば』
『わたし、楓馬と蛍紫を一緒に助けられたかもしれない』
『……ごめんなさい』
[ ぽつり ]
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―回想― [ちら、と顔の方を見てくる人には、こてりと首を傾いで見せた。]
…はいはい。 わかったよ、百瀬。
[手を震わせ先行して歩く調音に、 小さく息を吐くと、2、3歩後ろを歩いた。]
(181) 2011/05/21(Sat) 21時半頃
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『……少し、複雑な話になるわ』
『日向は失恋した……言い換えれば、誰かから望まれなかった孤独な魂を好むの』
『逆に言えば、誰かから愛されている魂は、日向の手から救いやすい』
『逃がすのが容易い、ということ』
『……克希は此処に何度か遊びに来ていたわ』
『そしてわたしも日向(ひゅうが)も克希が誰かから愛されていることを知っている』
『その相手は此処にはいないみたいだけれど』
『楓馬も同じ』
『誰かから愛されているから』
『逃がすことができた』
『それだけのこと』
『あなた達から見れば、愛する人だけを奪われたような状態で』
『理不尽なのは百も承知よ』
『でも、恋人になるまで待っていたら、間に合わなくてどちらも死んでしまうかもしれない』
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―現在・台所―
…そういえば、眼帯の下の目、見せるって言っておきながら見せてなかったな。
[色々とあって、すっかり抜け落ちていた。]
……どうする?
[カップを持ったまま首を傾げた。]
(185) 2011/05/21(Sat) 21時半頃
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『ありがとう』
『蛍紫は本当にやさしいわね』
『楓馬が好きになるのもわかる気がするわ』
[ ちらり、士朗を見て ]
『まずは、そこの人に信じてもらえたらいいわね』
『……本当に変わった人ね』
[ 将棋盤を出し始める士朗を見て少し呆れたように ]
『百年近く亡霊やってるけど、こんな反応も初めてだわ』
『見えないか、見えたら逃げるかのどっちかしかなかったもの』
どうも、俺は、変わり者が好きみたいだからな。
仕方ない。
[苦さの混じった顔で紡ぐ。
楓馬にしても、鳴瀬にしても――嗚呼、似ているからと言えば、多分それは罪で。]
出来うる、限り努力はする。
お前も……無理をするなと言いたいが、
出来たら頑張ってくれ。
お前達が勝ち負けでなく、救われることを、俺は願うから。
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あぁ。
[手馴れた様子で、結んでいた紐を解く。 現れるのはブルーグレーの瞳。
それを相手と同じ視線まで屈んで見せた。]
(191) 2011/05/21(Sat) 21時半頃
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ドナルドは、左目は薄曇りの空の色に近かったかもしれない。
2011/05/21(Sat) 22時頃
『……わたし、あなた達には罵られこそすれ感謝される立場ではないはずなのだけど』
『そもそもわたしがいなければ』
『あなた達に危険が及ぶこともなかったのに』
『まして救いなんて……』
[ 楓馬も同じことを言っていた ]
『……失恋して、恋人の家族を祟り殺して』
『なんの罪もない人達を殺して仲間にして』
『百年も泣いたり嘆いたりしているだけの』
『わたしが救われる道理なんてないのにね』
『地獄に落ちていないだけ、ましなほうよ』
……人を好きになるのは、どうしようもないさ。
十分苦しんだんじゃないか?
なら、救われてもいいはずだ。
いつまでも逃げ場のない想いは辛い。
[囁いて伸ばす手、触れられないけれど、撫でる仕草を見せた。]
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んな中二病な理由で眼帯するかよ。 これで小・中学校で嫌な思いしたんだから。
[少し子供の様に拗ねてみせるが、左頬に当てられた掌はそのまま受け入れたまま、瞳を合わせる。]
…そうか?
[きょとん、と少し目を瞬かせる]
(199) 2011/05/21(Sat) 22時頃
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