180 FESを迎えし戦場-漆黒たる年代記-
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――むにゃ?
[何か、聞こえた気がする。]
――…
――……… ……すぅ
[くろがねの希械を蹴りつけた際に、感じる物があったようで]
うん……?
これかしら。さっきからの。
[何かノイズらしい物の発生源は。]
もっと叩けば調子良くなるかしらね。
[古くなった電化製品感覚。]
[あの時、告げられた言葉に。]
…………。
[笑い《囀り》ながら。
バラバラでぐちゃぐちゃの。
《悪意》によって纏め上げられた群体の"意志"に過ったものは纏まらず。]
……何に変えても
[否定も肯定も返さなかった。]
[そして今。]
我が主……?
[『欠片』の共鳴先に主の気配を感じた気がした。]
――――――・・・。
見逃してくるよなぁ、皇帝陛下様?
[去り際に男は細く笑んだ。]
…ん。
[ロビンの呼びかけに、僅か首を傾いだ。
どうしたのかと考える少しの間。結局、]
どうした?
[問い返す形となった]
無論だ、そなたにはこんな所でダメージを受けてもらっては困るのだからな。
[帝國皇帝としての顔とは別の顔。
“こちら側”で動く際の協力者はこれ以上欠けてもらっては困るのだから。]
そちらに『欠片』の気配を感じた。
[あるいは逆。
主の元へと"ふたつめ"が渡されたからこそ。
世界を隔てても『共鳴』を感じ取れたのか。]
[それから、暫しの沈黙。
群体は迷い、哂うようにざわつき。
"最優先事項"を選択する。]
それは、我が主が持つべきものではない。
我が主の手には。
模造品ではなく真正品を。
例えそれが、どんなに苛烈な希望《アッシュ・リバージング・ホープ》であろうと。
……コ……シテ………。
[纏まらぬ狂気にざわつき。]
初期不良の狂気《バグ》だ。
……騒がせてすまない。
[雑音を打ち消した。]
………、ロビン…?
[微かに響くノイズ。
打ち消すかの物言いに、ふと息を吐いて]
───『欠片』だが、
[先の会話に繋げるように、言葉を紡ぐ]
真正品とやらに繋がるまでのヒントにはなるんじゃないか?
どうやらこれは、僕の手には馴染みが良いらしい。
[微弱な力を放つ模造品《イミテーション》をそう評して、]
苛烈な希望《アッシュ・リバージング・ホープ》、か。
それでも希望には違いない。
[笑う]
掴むさ。
[……コ……シテ………。……” ”?]
それでこそ、だろう。───お前にも。
[希望は託されてあるものだ、と。
確かめるように口にして、またふんと笑った]
それは。
我が主が『銀』として呼ばれた存在だからだ。
[『欠片』が馴染むという主へ。
当然のことのように答え。]
希望がどのようなものでも掴むか。
それでこそ、我が主。
[笑う声への反応は、悪くないもの。]
……私が齎す希望は。
血染めの道を狂乱しながら進むようなもの。
それに悪意(わたし)としての希望は……。
[――殺してくれ、と。
束の間、死ぬのが正しい結末《勝利》であった筈の赤い花畑の戦いを思い。]
……『欠片』3つ。
お望みならば後で持ち帰りましょう。
今は、交戦中なので――。
[そう言い常のように笑う。]
……『銀』としてだと?
[軽く眉を顰めた。
クラシアの”戦士”、『銀色の子供』
思い描く単語はそんなもの、けれど恐らくは違うだろう。
そんな表層よりも、もっと…───根源だ]
役割の話か。
[今はひとまず、そんな風に納得をする。
このFES《ゲーム》における役割であろうかと]
…血染めの道を往く狂乱。
[繰り返す。それは常ならば認められようもない希望。
ただ今はその響きに、違うものが在ろうかと思うが故に]
( お前の、本当の望みは )
[破滅《死》を願った、その想いは…?
”強欲”と。いつか得た評は正しいのだろう。
幾つもの”希望”に貪欲に手を伸ばす。
それは自身に定めた在り様そのままであり、
──若いがゆえの傲岸さ…強さでも、またあるのだけども]
『欠片」はお前が持つなら、持つといい。
僕は、
…───いや。
僕も確かめてみる必要があるのかも知れない。”僕自身”を。
[斉花の言葉がある
鵜呑みには出来ずとも、確かめるべきだとも思う。己自身を]
今更だけどな。
[そういえば、自身の世界にも館は繋がっているはずだ。
そう思案に置いて、何気なく続く言葉に眉を上げた]
…交戦中?相手は。
[大丈夫かと問いはしないが。
語尾を上げ、続く報告を待つ沈黙を*置く*]
―――――z_____ ポン
『あら? 安定したわ。何かノイズが減ったみたい。これでアバター動かしやすくなるかな。よく見えるようになったし。何かたくさん増えたみたいだけど。…ていうかこの人誰だろうね、ボクに似てない?』
『ま、いっか。とりあえずアレの探索をそろそろはじめよう。フラグアイテムはちゃんと回収しないとね。いつのまにか銀の王子様も仲間に加わってるみたいだし、持っていけば何か反応あるでしょう』
『……あれ? ここってうちじゃない? ああでも何かちょっと違うね。あぁー 並行世界? そういうことねー』
[08:聖JKDS学園屋上にて]
ならばこれらの『欠片』は私が所持を。
そして私も、この相手が真に敵になりえるかどうか確かめようか。
……主の心煩わせる事無いように。
交戦相手はヨーランダ=アンギュロス=ブラッド・ダーク・バビロンス。
武装は槍と剣。
剣の方が本命らしい。
能力は傷の再生……いや。
一度完全に手ごたえのあった一撃からも復活してきた。
群体(わたし)とは違うようだから所謂、魔力的なものだろう。
[報告促す沈黙への返しは早い。]
交戦理由は、よくわからん。
どうも機嫌を損ねたらしく、向うから仕掛けてきた。
[愉快げに唄(こえ)を響かせた。]
……いや。
誰よあんた。
[ノイズが晴れたと思ったら、知らない声が好き勝手に喋っていた。]
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