275 突然キャラソンを歌い出す村
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――朝――
……雨か。
[微かな頭痛に頭を抑えながら起き上がる。 春先の低気圧は好ましくない。深く息を吐き、のろのろと支度を始める。 顔を洗い、グラス一杯の水を飲む。 朝食はトーストとレタスを千切っただけのサラダ、それからオレンジジュース。 ついでに頭痛薬を飲んで、制服に着替えた。]
(19) 2018/03/25(Sun) 20時頃
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[♪ 窓枠を穿つ音 俺の心も削っていけ 迷いなどいらない 必要なのはただチカラだけ
この身体凍てつかせ ひとり孤独になればいい 想いなどいらない 囚われの狗には過ぎたもの]
……面倒だな。
[♪ Ah 薔薇の棘が刺さろうとも それが己の運命(さだめ)なら Ah 紅い鎖に縛られても 痛みなどありはしない]
(20) 2018/03/25(Sun) 20時頃
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[通学路を行けば、クラスメイト>>9とどこかで見た顔>>16。 それと>>5――誰だあれは。まあいい。]
よう、遅刻女。 今日は遅れずに済みそうだな。
[ふ、と小さく笑って、集団の横を通り過ぎる*]
(21) 2018/03/25(Sun) 20時頃
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♪
濡れたまま立ち尽くす on floor
こんなんで終わると思ってた?
笑わせないで子猫じゃあるまいし
かならずあなた 手に入れてみせる
視線の先にある pretty girl
気づかないと思っているの?
見くびらないでわかっているから
あの娘のことなんか 考えられないようにしてあげる
さぁ来るのよ masquerade party
1歩オトナの女性見せてあげる?
身体と身体密着(あ)わせて
踊りましょう?
あの娘のいない場所で―――――――
あの娘の処遇に関してはお好きにどうぞ――――
直接『手を下さないでいい』から楽でいい、わ。
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――休み時間――
へえ……不審者。 気をつけなきゃだめだよ。 制服ってそれだけで目をつけられやすいらしいから。
[転校生故の物珍しさか、目立つ白髪のせいか。 先週から俺の席の周りには女子生徒が輪を作っている。 今日の話題は先日見つかった不審者のことだ。 何でも、今日その人物と似た男を見かけた生徒がいるらしい。 随分早朝のことで、部活の朝練前の準備にやってきたところ、桜の樹の下>>31で見かけたとか。]
(62) 2018/03/25(Sun) 22時半頃
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♪
笑顔の仮面で踊りましょう
誰かの掌が舞台でも
踊るだけなら阿呆になれる
あなたの仮面の下 どんな貌でも関係無い
此度の私はくるくるくらり 狂ったようにただ踊る
――私の渇きを潤すのはあの娘だけ
……そう。
好きにさせて貰うわ。
あなたも――… いえ、言うまでも無いわね。
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[さて、隣の席に座るクラスメイトは、どうやらあの遅刻女の兄のようだ。 朝方の素の口調>>21と、にこやかにクラスの女子に話しかける時の雰囲気の違いに思うところあるかどうかは知らない。 俺はクラスの中で面倒事を起こしたくないだけだ。]
妹さんも、気をつけないとね。 ……ソフィアちゃん、だっけ?
[朝の威嚇>>60など気にも止めない素振りで、隣に話を振る。 彼女ちょっと間抜けそうだからね、という本音は胸に秘めておいた。]
(63) 2018/03/25(Sun) 22時半頃
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(不審者……か)
[まさか、とは思いながらも、可能性は捨て切れない。 標的《ターゲット》は生徒とは限らない。そして、その存在は秘匿されているのだから、関係者として認識されていない可能性もある。 心の中の刃を、静かに冷たく研ぎすませた。]
(68) 2018/03/25(Sun) 22時半頃
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へぇ……
それは大変だ。
[明らかな敵視が混ざった視線>>70を受けて、こちらはすぅと目を細める。 "狼"は多い。簡単に聞き流せる言葉ではなかった。 一匹に対して使う言葉ではない。あまつさえ、不審者の話は降って湧いたものだ。 佐倉チアキ――何を知っている?]
(73) 2018/03/25(Sun) 23時頃
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狼、ねぇ。
[朝、きろりと向けられた視線を思い出す>>75。 嫌われたものだ。まったくあんなに嫉妬心を顕わにして、彼の言葉を借りればどちらが狼だろうか。 行く手を阻むように立ちふさがった男もそうだ。あのとっぽい女ひとりに、必死なことで。 笑いそうになるのを、すんでで堪える。]
(84) 2018/03/25(Sun) 23時半頃
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……ごめん、ちょっと具合悪いから、保健室行ってくるね。 大丈夫、一人で平気だから。
次の授業だけ休むって、言っておいてもらえる。
[周りを囲む女子生徒に、伏し目がちに伝える。 雨が引き起こす鈍痛は引いているが、それ以上に探らなければならないことが多い。 ふらり席を立つと、廊下を曲がり階段を下っていく。]
(85) 2018/03/25(Sun) 23時半頃
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フェルゼは、保健室の扉をノックした**
2018/03/25(Sun) 23時半頃
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――保健室――
[どうぞ、と促されれば>>93扉を開ける。]
すみません、少し頭痛がして――
[そう言って、ベッドに潜りつつ連絡を取るはずだった。 隠れてしまえば、時間が取りやすい。密な連絡には持って来いだと思った――が。]
(102) 2018/03/26(Mon) 01時頃
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[どくん と 心臓が高鳴る。 そこに座っていた男を見た。その相貌は、まるで鏡を見ているような錯覚さえ呼び起こす。]
……か、んでら、フェルゼ。三年の。
[君は>>95、と問われて、こちらも震える声で返した。 心臓がうるさい。知らないはずだ、こんな、こんな男は。 なのに――どうして、こんなにも。]
(104) 2018/03/26(Mon) 01時頃
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[♪ 交わるはずのない十字架《Cross》 分かたれた運命は知らず知らずに 俺達を惹き寄せる二律背反《Antinomy》 出会うべきじゃない一人と一人
光と闇 真逆でいられればよかったのに 裏と表 因果めぐり逢うOuroboros
答えをおくれよ これは正しかったのか Noが下されても 俺達の手は繋がってしまったけど 廻り始めた運命の輪は いずれ絡み合う未来を示して 解けていく 純白のCaduceus]
(106) 2018/03/26(Mon) 01時半頃
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君、は。
先生じゃないんだろう……?
[ベッド、貸してもらえるかな、と白いシーツを指さし示す>>95。]
(109) 2018/03/26(Mon) 01時半頃
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――保健室――
ざしきもり、かめきち――そう。
[>>110鏡写しの相手だが、名前を聞いても記憶にない。 心臓の鼓動だけが警鐘を鳴らす。それでも、その意味を知ることはついぞできないまま、頷くのみ。 学年違いの同い年。まあ、義務教育でもないのだから、そういうこともあるのだろう、とだけ思う。 事情を詮索するつもりはない。]
先週、始業式の日に。
[転校生かと聞かれれば、肯定した。 周知の事実だし、隠すことはない。]
(123) 2018/03/26(Mon) 02時半頃
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ああ、いや――うん。そうだな。 大丈夫、だけど、ありがとう。
[>>111実質仮病なのだが、場所を欲していたのに違いはない。 パーティションで区切られたベッドの片方に身を横たえた。]
そう……なら、その時に利用記録とか、書けばいいかな。
[養護教諭は近く戻るらしい。 自由が効く時間はあまり長くなさそうだ。 張りのある、薬の匂いのしみたリネンを肩まで引き上げ、連絡用端末をその中で動かす。 慣れたものだ、指先の感覚だけでも、簡単なメッセージくらいは送れる。]
(125) 2018/03/26(Mon) 03時頃
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"一週間ほど前より、不審者の目撃情報あり。 本日再び目撃された模様。
また、狼は多いと発言した男子生徒を確認。 発言内容から、狼が一名ではないと確信している模様。 何らかの情報を得ていると思われる。注意されたし。 生徒氏名:佐倉チアキ 3年X組"
(126) 2018/03/26(Mon) 03時頃
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"追伸: 座敷守亀吉という名前の人物について教えてほしい"
(127) 2018/03/26(Mon) 03時頃
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[送信する。あとは《組織》からの反応を待つばかりだ。 ふぅ、と息を吐いて、パーティションの向こうの気配を探る>>113。]
……なあ。 さっき、何を言おうとしたんだ?
聞かせてくれよ。
[飲み込まれた言葉>>111の先を求めながら、問いに反して瞼を閉じる。 ゆるゆるとした穏やかな睡魔が訪れるのは、気圧やベッドの温もりのせいだけではない。 呼吸の間隔すら重なるような、もう一人の自分とすら言える相手の波長――その同調《シンクロ》に、心が凪いでいくから。
亀吉が答えをくれるならば、それに反応する程度は意識を保っているが。 会話が途切れれば、僅かの休息を得る**]
(128) 2018/03/26(Mon) 03時頃
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――保健室――
[静かな睡魔に引きこまれそうになってすぐ、いくつかの声>>133がする。 熱のあるらしい女子生徒が連れてこられたようだ。 さすがに連絡用の仮病でベッドを占有してもいられない。 端末を制服のポケットに押し込んで、身体を起こす。]
……だめだよ。 ちゃんと、ベッドで寝ないと。
[ソファに横たわる女子生徒>>138の手を取り、起こす。 代わりにソファに凭れかかる。亀吉との距離は近くなりはしたが、さて他人のいる状況でできる話があったか、どうか**]
(139) 2018/03/26(Mon) 09時半頃
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――保健室>>152――
……そうだな。 同い年で知らないやつってのは、学校じゃあそうそうない。
驚かせて、悪かった。
[心配そうな声色には申し訳なさが若干募る。 先ほど見えた亀吉の顔は、健康優良な男子高校生のそれには見えなかった。 ベッドが必要なのはむしろそっちのほうだろう。]
いいよ。 話してるほうが紛れることも、あるだろ。
[せめて、話くらいには応えよう。 ――それにも、自分が彼のことを聞きたいという意志が混じってはいたが。
女子生徒が集団でやってきたのは、その頃だ。 ソファで眠ろうとした女子をベッドに促す。 代わりに座った合皮張りのソファは割合やわらかく、ベッドでなくても眠れそうな心地よさはあるが、それでも具合の悪い女子をここには寝かせられない。]
(182) 2018/03/26(Mon) 19時半頃
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同い年なんだ、フェルゼでいい。
[かんでらくん、と言い直す>>155のを聞いて、薄く笑う。 教科書を読む様子に、授業には出ていないのか、と邪推した。]
[♪ 『地球一周分の距離 Instrumental ver.』]
前、は――専門学校みたいなところにいた。 こういう学校と違って人数は少なくて、普通の勉強以外にもいろいろなことを勉強する。 身体は別に弱くない。 今日みたいな雨の日は、少し頭痛がするときもあるけど――普段は、特に。
あとは?
[女生徒に――もちろん亀吉にも聞かれて構わないような、当たり障りのない事柄を並べる。 身体は弱いのか、と聞かれて、自分自身を重ねているんだろうか、と思う。 まさか彼が、自分自身も知らない双子の兄だなどと、考えもしなかった。]
(183) 2018/03/26(Mon) 19時半頃
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――保健室――
[亀吉とは、求められるままにぽつぽつと話をして。 養護教諭が来れば、利用登録を済ませてしばらくそのまま休ませてもらった。 ポケットの中の端末が振動する。"返信"だ。
二限の終鈴が鳴る少し前。戻るのにもちょうどいい時間だろう。]
――それじゃ、先生。 ありがとうございました。
[養護教諭にそう告げ、保健室を後にしかけたが、振り向いて]
(195) 2018/03/26(Mon) 22時半頃
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