3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[伸ばされた 手 に]
[青碧 が僅か 滲む]
[声が 出ない]
[声に ならない]
――、 …なんで
[謝る。] [見ていない]
[それ を 見ていない。]
[のに]
ゥァあぁぁぁああぁぁぁあああ!!!!!!
ああああぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!
[光が 白が 消えた]
[残っているのは もう 夜明けの色]
[夜明けを必要としてるのは ―― 。]
あ。
ぁ、… ッ
[――フィリップの。
搾り出すような 劈くような、
悲鳴が 嘆きが慟哭のような
あかをふるわせる ふるわせる――
あのひとは、 もう いない]
[もうそこに、声はない。]
[あるのは 光 を失った 闇 と。]
[絶望と 狂気。]
[響く声 聴こえていても
今は、返さない。]
[じくじくと 侵蝕する 絶 望。]
[きこえない
きこえない
こえがきこえない
絶望と狂気が揺らめいて
より深い闇を構成する]
何、セシル……
[今更になって、ようやく、言葉を返す。
裡に 在るのは――]
お前 今、どこ?
ケイトは?
ドナルドは、
居るの、傍に。
[淡とした、なにものも載せない、闇 の声。]
…――、 校舎、…南棟
…木、を。 見に行こうかと、思って
[――歩きながら
闇の声は酷く なにも ない ような 色]
…―― 、ケイトは、 消えた
やっぱり 何処にいるか 分からないみたいだ
ドナルドは、
[―― ひとつ、頷くような気配が、あった。
橙がわらったのを、 知らない。]
木 …… ?
ああ。
[あそこはまだ 闇 が 薄いのか。
ケイトの話。思考するように。]
元・用具室じゃ、ねーの。
俺ら、戻って来た時本来の場所に居たけど。
[その後の。
何事もなかったかのように、闇 は 話す。
頷く気配、]
そう。
[頷く。
声には何も載せないまま。]
俺?
俺は
[闇 の中 どこにでも 繋がる。]
―― すぐ近くに
[行くつもりで。]
用具室は 、塞がってて
扉が、ない。
改築の時、埋められた んだろう
あそこに隠されてる、なら…
工事の時、 …ばれると、思うんだが…
[何処か訥々と、離す。]
…壁に塗り込められてる、…
可能性も …ないでは、…ないが、今は
[――気づかない。]
…木の様子を、…見たいと思う。
あそこは
掘り返される可能性も
低いから もしかしたら
[闇 は そこに 何の熱も 色も なく。]
ああ、そうか。
そうだな、確かに…… 座布団を出したとか
当時の 用務員 が言ってたから。
戻した時にも気付くだろうし 第一 壁に埋めるなんて
所有者でもなきゃ 無理 か。
[乾く時間、人を近づけないようにする為に。
また、学校でそんな事をすれば、どうして、と 問われるだろうし。
用務室の鍵が少女が消えた時に 無くなったとなれば、いくらなんでも警察も調べるだろう。今更に、気付く。]
そうだな、 わかった。
[俺は。
殺す のだと。
誰を、とは、まだ、言わない。]
――…ああ。
[グロリア が。
気配が 消えたことを
口にすることは、できなかった。
大丈夫なのかなんてことも
訊けるはずが ない。]
[ドナルドに、向ける言葉。
現れた、意味。
俺が 殺す
いつか、言った言葉。
言わずとも、誰よりも先に意味は知れるか。]
邪魔 すんのか。
今更。
[しずかに 平淡に 闇 纏うこえ。]
―― …… 皆殺すって、言ったよな。
… …っ、 !
[皆殺す。嗚呼、本当に、今更]
ドナルドは、……駄目だ
[仇なのに。
ひどい矛盾で、
軋む
薄紫]
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