25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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― 屋上から自室へ ―
[途中、いきなり明が駆け出すのには、急いで声を駆けるが、その背中は消える。]
ど、どうしたんだ?
[そして、小鳥も主の元へと去っていく。]
とりあえず、一旦戻る。 今はおとなしくしておけ。
[そして、セシルを抱えたまま、落とさぬように、大事大事に抱えて、己の部屋に戻っていく。]
そうだ。あの絵は、見えぬものを描いた絵か?
[部屋につけば、その絵画を目にし、そう訊いた。 頷けば、そうか、と小さく答え、]
(2) 2010/08/08(Sun) 08時半頃
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――…このことは、他の者にはまだ言うな。 お前は自覚してないかもしれんが、
能力がある。 腹の子のこともあるが、その能力においても、 センターとしては、お前を保護する義務がある。
[そう表上には述べて……それから。]
だが、俺がお前を買うのはそれが理由ではない。 そう、気持ちわかるといえば嘘になろう。友人であり、いとし相手を失い、己は変化し、先は見えぬ…。
(3) 2010/08/08(Sun) 08時半頃
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生きるというのは、つらいな。 だが、だからこそ、その分、何かに甘えてもいいのだ。
[そう、もし、生きてここを出られたとして、 セシルは腹の子、その能力でセンター管理になることは間違いない。だが……]
そして、甘えて、とりあえず、力をつけろ。 しっかり、するんだ。
お前を助けるものはいる。 そして、強く、それでも生きたいと思うのであれば……。
[そこからは、センターの人間としては言ってはならぬこと、なので、続けない。 でもわかるだろう。
(いつしか、逃げろと……。) (その子を、己と同じ、管理された存在にしたくないのなら)]
(4) 2010/08/08(Sun) 08時半頃
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― B棟自室 ―
[セシルを寝台に寝かせたあと、 使用人を呼び、乱れた髪を改めて整うように切り揃えよと告げる。 そのあとは湯浴みをさせ、服は彼の所望するものを持てと。]
――……明?どうした?
[そのとき、明が飛び込んできただろう>>4:@64]
何……夜光が?
[その死の報せに、ぐぅっと唸った。]
どこだ、場所は。
[そして、セシルにはおとなしくするように告げ、現場に向かう。]
(5) 2010/08/08(Sun) 08時半頃
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― 夜光の命が消えた場所 ―
[そして、明もともに来ただろうか。 その遺体は、センター管理のものに囲まれていた。]
手をつけていないだろうな。 検分する。
[イアンへの報告は飛んだときいて、うむと答える。 それから無残な夜光の姿を見回して…]
この書状は、 なんだ?
[血染めのくしゃりとした手紙を引き抜いた。 そして、それを開き、眉を寄せる。]
――……夜光はイアンと会っていたのか?
[明がいたならば、考えを求めた。**]
(6) 2010/08/08(Sun) 08時半頃
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…霞。
[彼は目覚めているだろうか。
解らないが、声にしてみる]
/*
ひどいたいみんぐで おちて ごめんな さい (正座。
昨夜本当に申し訳なかったです!
酷いタイミングで寝落ちるとかあり得ない…orz
…本郷?
夜光は手筈通り、天満月の傍から話して喰らったが…
[そちらは行けなかったと知るか。]
…すまない。
[其れが総ての答えとなる。
捕えることすら叶わなかった]
私は、無能だな。
[狼として。
人としてなのかもしれないが]
弱い。
[溜息と共に]
…彼は、人目のあるところで、派手に発作を起こして倒れたらしい。
それでは流石に、仕損じても仕方なかろう。
[わずかため息が、それに交じるか。]
喰い残しで多少満たせるならば、勝手口横の空の桶の中へ少し…
…そうか。
つまりは運があれに味方したと。
[ぽつりと枇杷の音を聞きながら呟く。
何処かへと届けようとしているような音。
己が最期を約束したものへと届けられるかのように聞こえた]
余り気が多くては、小鳥に喰われても何も弁護してやれん。
大切ならば、きちんと手間をかけて育ててやるが良いよ。
[少しだけ声はわらう。
花主であることを辞めようとしている己が何を言うのかと
そう思えばこそ零れたかすかな自嘲]
気をつけるが…こればかりはわたしの本質故仕方ない。
あちこちに分けて散らさなければ、一人に重ねれば壊してしまう。
雛鳥は…鷹にでも鶴にでもしてみたい。
だから、その前に喰らうわけにはいかぬでね。
随分と重量級の愛をお持ちだことよ。
まあ、私の関わることではないがね。
[小さく吐き出す息が少し震えた。
悲しみでも喜びでもなく。
まるで薬が切れたことに耐える兆候の如く]
…喰らいたい、か?
[今見つかればどうなるかなど、分かりきってはいても。
餓えは耐え切れぬと己も知っている。]
…。
センター飼いの花が。
[とんでもないことをしてくれた。
獣ではない、人による人殺し]
喰らう前に、気が狂いそうだ。
…もう、送ってやるよりほか…ないのだろうか。
[旧く、共に競った友故に…。
言葉に滲むものは伝わってしまうか。]
…どうしてもそれ以外に、手立てがないのなら。
[声は、震える。
何故かはわからないけれど、泣きたい気持ちでいっぱいだった。
できるなら、己の命を代償にしてでも、
こちら側へと呼びもどしてやりたいと男は願うけれど]
[そんな声を、そんな思いを、彼から感じたは久方ぶりか。
彼の…蓮の浄土の舞手を枯らせてから、彼の心も枯れてしまっていたようにみえていたから。]
貴方をこちら側へ呼び戻したは、彼故に…?
…そうかも、知れん。
[一度枯れてしまったのは己の中の蓮の花。
種を蒔けど芽吹かぬのは心の硬いから。
鑢をかけて泥の中で芽吹き。
そしてまた花をと。
今思えば、そういうことだとわかるのだけれど、
結局男が聲にしたのは微かなわらいごえだけ]
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― 納屋 ―
[何かが起こっている。 いやな空気だけ……。
書状にあるイアンの名前。]
いや、イアンが獣であることは絶対にない。 奴は何よりも獣を嫌っている。
(71) 2010/08/08(Sun) 18時半頃
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[獣ではない。なら人なのだろうか?]
[獣たれ、獣たれ、獣たれ。獣より、獣たれ]
[そうやって、己の人間性を殺し
舞い続けた青年は果たして人なのか?]
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>>@2
[明の言葉にかぶりを振る。]
なぜ人と交わるのか。詳しい理由はわからぬ。 ただ、人は、交わりたがるものだろう。
人の血が入っているのならば、 それは、もう、致し方ないことかもしれない。
セシルは獣ではないだろう。 これは推測だがな。
[夜光の名が出るとしばし、沈黙する。]
交わりたい、人の部分と 食らう、獣の部分。
彼らは不安定だ。
(73) 2010/08/08(Sun) 18時半頃
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[心に不安が過ぎる。
ただ、殺せばよいと彼は習ったのか?
一人でなく二人な理由。
それは、片方が狼に落ちてしまった場合、
その処置もできるか?]
[殺すものの取捨選択][殺す理由、理念]
[そう言ったものは、舞い手の本懐の外]
[望まぬ舞も、
ただ、ただ請われれば舞った舞い手の外。]
[そうして、対が獣に堕ちればまた舞い殺す。]
[それで己が獣に堕ちて、終われるなら、それも道]
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>>@4
セシルの子…というより、セシルの身柄はセンターが管理することになるだろう。 まずは無事に生まれるかどうか。 生まれても、まともであるとは限らない。
そして、人の子の形で生まれたならば、 それは、ある程度までは育てられる。
のち、人狼発症しないような処置が取られ、検査をパスすれば、以後、生活は一般人と同じだ。
[そこまで言って黙る、処置は何かとは言わず。]
(77) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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>>@5
ん?何かが聴こえてるのか?
[その時、報告がまた入る。 イアンが、殲滅≠ノ動いていると、 無差別の……。]
――……何。 殲滅許可は出していない。
ぐ……。
[もう、駄目かもしれない。 報告義務も無視し、守秘義務も違反した。 殲滅部隊だからといって、勝手にそれを始めていいわけではない。 なんのために二人いるのかと…。]
(79) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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[また、中空から声が聞こえる。誰?]
……何って……看取って、いる
[小さく鼻を鳴らして。呟く]
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