32 ABSOLUTELY CHRONO LIMIT―絶対時空極限―
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―崩壊《再生》を迎える世界―
[崩壊の刻――
それは再生の刻]
形あるものはいつか必ずなくなる。 けれどそれは再生でもある、のね
[塔に突き立てられた海賊旗。 それに少しだけ触れ、 少女の霊は空へと昇る]
生まれ変わったら、 ダンディなパパとかっこいいお兄ちゃんが欲しいな――
[魂の、再生の刻**]
(11) abiko 2010/09/25(Sat) 07時半頃
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― 黄昏の白昼夢 ―
[ひとりぼっちの世界。
青年は膝を抱えるように蹲ったまま。
遠くで”姉”達の声が聞こえた気がする。
ふと視線を上げると、ぼろ、と服の端が光の粒子になる様子が目に映った。]
嗚呼、もう…終わるんだね。
僕の、負けか。
[自嘲気味に笑う口元。
赤い世界の向こうでは、闇《夜》に光《朝》が訪れようとしている。
崩壊の刻《シヴァの瞳》の消滅は、贄となった青年の消滅。
辛うじて留まっていた精神《いしき》も、その刻限を迎える。]
――――…僕は、何が出来たんだろう。
僕は、何も変えられなかったのかな。
[ほろほろ、ほろほろ。
淡い光が解けるように零れていく。
懐かしい歌と共に、その光は暖かさと優しさを確かに届けて。
胸が、苦しくなる。]
…僕の、幸せを?
[男の声を追いかけるように、呟く。
ふわり、頬を撫でる風が吹いた気がした。]
…Зоя?
[身体から零れる光に少女の顔が映る。
その表情は柔らかな笑みを湛えて、淡く消えた。]
みーちぇ、カリュちゃん、ベネ、みんな。
[続けて吹いた優しい風。
青年は立ち上がって風を追うように見上げる。
浮かぶ光に、大切な人達の笑顔が灯って消えていく。
こみ上げる熱いものが瞳から零れ落ちて、赤い世界に透明な音を奏でた。]
―――――…テッド?
[最後に残った、一際輝く小さな光。
今にも朽ちてしまいそうな腕を必死に伸ばして光に触れようとした刹那。]
――― パァアアン! ―――
[赤い世界に亀裂が奔って罅割れ弾け飛び、茜色の光になって闇へと還って逝く。
青年だった光も同じように弾けて、茜色の光と共に闇へと喪われていった。
青年《少年》が伸ばした手。
その手が、焦がれた光に届いたかどうかは―――*]
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―継続した世界《トキハメグル》―
[そこにあるのは古びた骨董屋。 からんころんとチャイムが鳴り、ひとりの女が2人の幼子を連れて店へと。 店には既に先客がいて、その先客《フロイライン》は女に頬を膨らませひとこと]
いやぁよ。 このお人形《マトリョシカ》ちゃんはあたしのものだもんねーっだ!
[少女がそう言った時、どこかで猫の鳴く声が聞こえた**]
(69) abiko 2010/09/28(Tue) 11時頃
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