人狼議事


241 線路上の雪燕

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視点:


【人】 記者 イアン

[辺りから聞こえる乾いた銃声は、そう遠くない>>4:129
逃げた狼は、恐らく近くに潜んでいるのだろう。
気づかぬうちに、両の拳を堅く握っていた。
息を詰め、微かに吐き出す呼気は寒空の元で白く染まり、消える。
一瞬の隙を突いて、獣は自分に、或いはペラジーに襲い掛かるかもしれない。
次の瞬間には喉元を食い破られ、呼吸もできずに死ぬかもしれない。


張り詰めた空気の中、
……何もできない無力な自分が、不意に可笑しく思えた。

ふふ、と小さく笑えば、隣を歩くペラジーには怪訝な顔をされたかもしれない。]

(0) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 05時半頃

【人】 記者 イアン

[好奇心から来る楽しさからではない。
恐怖に気が狂ったわけでもない。

だって、そうだろう。現実なんて、こんなものだ。
自分が今まで知ったつもり紙面へ書いた事実は、実際こんなものだ!
厄災はある日突然、何の前触れも無くやってきて、為す術もなく全てを食い荒らして去っていく。
全てを実感している。筆を折りたくなるくらい、自分の書いた記事はチープで、とてもくだらないと!

声に出して笑おうとすれば続く罵声に>>4:129我に返って、ペラジーと顔を見合わせた。彼の表情に、一瞬緩めた緊張を再び張り詰めて道を急げば、その先に居たのはシェリーの姿だった。>>4:112]


……シェリー!

[どうして此処に、と言いかけたところで、ペラジーが、先に彼女へと尋ねた。
シャベルを支えに立ち上がったシェリーの腕は、>>4:110まるで何かに引き裂かれたような跡がある。]

(1) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 05時半頃

【人】 記者 イアン

シェリー、その腕は。

[尋ねるまでもない。断じて、銃創などではないのだ。
>>4:141続く彼女の言葉からも、狼と遭遇したのだということが確信できる。
ポケットのハンカチをそれとなく差し出せば、彼女は受け取ってくれただろうか。

彼女は着いていくことを所望する。せめて、見届けたいと。
彼女の瞳に宿る決意は固いものに思えた。
どうする、と少しだけ困った顔でペラジーの方を見れば、彼の表情はどんなだったか。]

俺は、今更一人で帰すには危ないと思う。
狼がどこから出てくるか、わかったもんじゃあない。
でもペラジー、君を一人にさせるわけにもいかない。
……ちゃんと見届けて、帰ろう。
三人で……、

[そこまで言って、>>4:144此方を見据える瞳に気づき。>>4:74確か、ラウンジ車でシェリーと共に居た少女だ。
ほとんど出掛かった言葉を、直した。]

……四人で、の方が、いいかな?

(2) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 05時半頃

記者 イアンは、メモを貼った。

yuj1n. 2015/12/03(Thu) 06時頃


【人】 記者 イアン

[この旅で出会った女性は、みんな揃ってお転婆ばかりだ。
列車の上にだって登ろうとする櫻子を思い出し、>>3強がるシェリーを眺めながら。

危険だってことも考えないのか、と思ったところで、自分も同じようなものか、と言葉を飲み込んだ。
どうやら彼女を叱る権利は、自分にはなさそうだ。]

どういたしまして。

[洗って返してくれよ、と冗談めかして言えば、シェリーの方も>>4赤毛の少女に気がついたらしく、キャロライナ、と彼女の名前らしい言葉を口にした。

ここまでやってきた彼女もまた、他の女性達同様にお転婆なのだと思っていたものだから、>>9>>10咎めるその言葉には驚いた。

夜風が髪を、ひゅうと凪ぐ。この寒空の下で、上着も無いのは随分と堪えた。
我慢できずにくしゃみをしたのは、丁度>>14ペラジーがシェリーの傷を心配したとき。]

(36) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 23時頃

【人】 記者 イアン

[ペラジーは此方を眺めると、>>15戻ろうと提案する。]

……いいのかい、人狼は。

[確認するようにペラジーへと問えば、彼は何と返しただろうか。

やがて>>25シェリーも戻ることに同意すれば、やれやれ、と首を振って。]

戻ろうか、列車まで。

[>>26雪燕は静かに、乗客の帰りを待って佇んでいる。
真っ黒な空から月もはみ出しかけたころ、雪燕の鳴く声が夜の闇に溶けた。

……どうやら、運行を再開する合図のようだ。]

置いていかれるよ、急ごう!

(37) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 23時頃

【人】 記者 イアン

[張り詰めた空気はそのままに、慌てた様子で周りを促せば、列車の運行再開には間に合っただろうか。

斯くして、冒険は終わる。
冷え切った身体が、そよぐ風が、鉄錆の匂いが、雪燕の吐く煙が、イアンの中に実感を確かに残した。

これは決して、紙面の上の虚構ではないのだ。]

(38) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 23時頃

ー 或る廃村 ー

[風に揺れる漆黒のコートの下、
滲み出た真っ赤な血だまりが大地を汚していた。
僅かに上下するそれは白い朝霧の中。
見守る者も、追う者も居ない。

その下から、赤く染まった子供の手が緩慢に這い出した。
何か、掴もうとして、そのまま力を失う。]



 ………こに…いるん…だよ…ね……
  …………ね………



[伸ばした方向には、靴跡が付いている。
靴跡は真っ直ぐに馬小屋に向かい、そこで途絶えている]


[伸ばした方向には、靴跡が付いている。
靴跡は真っ直ぐに馬小屋に向かい、そこで途絶えている。

[空っぽの馬小屋の中から、駆け出す物が1つ。
小さな白鼠だった。血の匂いを嗅ぎつけたのだろうか。
素早く裸の地上を駆け、膨らんだコートの上に駆け上がると
ぢぢ、と首を傾げてからふすふすと匂いを嗅ぎ。
突如毛を逆立てると、逃げ去っていった。

霧の向こうに、四つ足の生き物が立っている。

毛皮で覆われ、逞しい前半身に対して
後ろ足はややほっそりとしていた。
音も立てずに微動だにせぬ子狼の側に歩み寄ると、

その首元に、大きく開いた己の顎を埋め込んだ。]*


【人】 記者 イアン

 ― 列車内・ラウンジ ―
[冷え切った身体に、温かな、深い琥珀色した液体が染み渡る。
ラウンジのランプの柔らかな光が、カップの水面に反射した。

ようやくやってきた虚脱感にイアンは嘆息し、テーブルに肘をついて頬杖してみせる。

怪我をしていたシェリーのことが気がかりであったが、>>52キャロライナが彼女についていたから、きっと大丈夫だろう。


>>54自分の元から少し離れ、窓辺に立つペラジーを見た。

「人間の言葉は、届かないでしょう」。

麦畑から去る時、彼の言った言葉>>49には、諦めにも似た感情が漂っていたように思う。

……彼の探していた答えと、折り合いがつけられればいいが。
今、彼にそのことを尋ねるのは酷なように思えた。]

(80) yuj1n. 2015/12/04(Fri) 20時半頃

【人】 記者 イアン

[やがて、手当てに向かっていたシェリー>>63がラウンジまで戻ってくれば、
血が取れなかった、と言い新品を差し出す彼女には、いいよと笑って断って。
彼女が渋るようであれば、苦笑しながら受け取ったとは思うが。]

ほんとうに、女の子が、無茶しちゃあ駄目だからね。

[お転婆なのはいいけれど。
そう言うイアンに、彼女は何か反論しただろうか。

イアンは、シェリーと人狼の少年の間に何があったのかを知らない。
知らないが、>>4:141見届けたい、と言った彼女の目は、好奇心旺盛な年頃の女の子の目、というよりは、覚悟を決めた強い女性の瞳だったように思う。]

……弱いんだよなあ、そういうの。

[本当は、強く叱るべきなのかもしれないけれど。
ぼやいた声は、シェリーに聞こえただろうか。]

(81) yuj1n. 2015/12/04(Fri) 20時半頃

【人】 記者 イアン

[その後は、いくらかラウンジで誰かと話をしたかもしれない。

カップの紅茶が底をついたとき、ふと思い出したのは>>4:106ルーカスとの約束。
去るとき背中に投げかけられた声に、「ああ」とだけは返したのだけれど、果たしてルーカスにはそれは聞こえていただろうか。

ラウンジに彼の姿は無い。一等車両の方だろうか。
彼が疲れて眠っていなければ、約束通り一つでも奢ろうと席を立つ。

捨てられたように放置されたシルクハット>>4:130を、彼の個室に見つけるのは、もう少し後の話。]**

(82) yuj1n. 2015/12/04(Fri) 20時半頃

【人】 記者 イアン

[……結局、眠る時間は一瞬たりとて無かった。

座席に戻れば、散乱した荷物や鳥籠達がイアンを出迎えたからだ。
急ブレーキの際に落ちて開いたのだろう、籠から出てきた鳩達は不機嫌そうにイアンを見る。
彼等は鳴いた。居心地の悪いこの旅の数々の不満をぶつけるように鳴いた。
窓も扉も開いていなかったのが、せめてもの幸いだった。]

ったく、人の気も、知らずにっ!

[暴れる鳩を捕まえ、籠へと無理矢理押し込んで、ため息をついたその瞬間。
>>#4スウェルグへの到着を告げる声が聞こえた。
窓の向こうには、朝焼け色のインクを落とした海が、静かに佇んでいる。
それが見えたのも、ほんの数秒のこと。
景色はぶつりと遮断され、駅へのそれと変われば、駅の喧騒がイアンをやがて日常へと引き戻す。]

(109) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 01時頃

【人】 記者 イアン

[30分遅れ。目的の会見の開始時間まで、あと3時間を切っている。入りは1時間前。
……つまりはあと、2時間も残されていない。


慌てて荷物をかき集め、落ちた写真機の動作も確認することなく首に掛ければ、乱雑に鳥籠を掴んで扉を開いた。

時間はあまり残されていないが、間に合うことなら、この短い旅で出来た友人達に、挨拶の一つぐらいはしておきたい。

扉の外、或いはホームで。
見知った顔には出会っただろうか。

扉を出るとき、ローズマリーが『鳩の気も知らないで』、と言わんばかりにくるっく、と鳴いた。]

(110) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 01時頃

【人】 記者 イアン

 ― スウェルグ駅・ホーム ―

[欠伸を噛み殺してホームへと降り立てば、ちょうど目に見えたのは>>117昨夜行動を共にした、キャロライナと呼ばれていた少女の姿。
疲れた様子も見せずに、威勢良く軽食売りとやりとりする彼女を見ながら、この旅で出会った女性は、本当にお転婆ばかりだな、と苦笑する。]

すみませーん、俺もそれ一つ!

[背後から近づきながら大きな声でそう言えば、彼女はこちらに気がついただろうか。
気づいたならば、手を振る代わりに片手の鳥籠を軽く振っただろう。
鳥籠の中の鳩は、いい加減諦めたようにされるがままだ。]

(132) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 20時半頃

【人】 記者 イアン

[やがて、シェリーもこちらへやってきたならば、怪我の具合はどうかと尋ねて。

あまり良くないようであれば、自分の荷物も仕事も構わず、彼女を手伝おうかとも思ったのだけれど。
こちらが何か言う前にやってきたペラジー>>123が申し出た>>124ものだから、黙っておいた。]

やあ、ペラジー、お早う。
一時はどうなるかと思ったけれど、無事にたどり着けてよかった。
……すっごい寝不足だけど。

[ペラジーにはそう笑いかけて。]

いや、俺のはいいよ。シェリーちゃんのを頼む。
そう、今から仕事だよ。
舞台女優の会見だってさ。

[昨日の夜の出来事より、よっぽど退屈で、眠くて仕方ないだろうさ。
そう言えば、ペラジーはどんな顔をしただろうか。]

(133) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 20時半頃

【人】 記者 イアン

鳩?ああ、揃いも揃ってご機嫌ナナメさ。寝心地が最悪だったんだろうね。

[やれやれ、といった様子で首を振れば。改めてペラジーの方へと向き直り。
>>80ラウンジで、聞けなかった言葉を彼へと尋ねる。]

……君は、これからどうするんだい?

(134) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 20時半頃

【人】 記者 イアン

[>>143ペラジーへの問いかけは、意外にもあっさりと返ってきた。
人生を決めなければ。
そう言った彼の決意の表情に、安堵し、笑う。
少し小さくなった声で続く言葉>>144>>147には、彼の様々な思惑が詰まっていた。
彼の故郷、見知らぬ異郷の地、アイラ。
胸が熱くなるのは、きっと好奇心のためだけではないだろう。

そこは大切な友人と、その友人の大切な人が、探し求める場所。]

……君の大切な人のためなら、それはきっと叶えないと、ね。

[彼が選んだ旅路は、大変な道のりになるのだと思う。
少し心配そうな目で見れば、そんな視線に気づいたのか、彼はやがて言葉を続けた。
その言葉に、心配げな顔はやがてにやりとした笑みへと変わる。]

(193) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 23時半頃

【人】 記者 イアン

[教養、マナー、言語能力、そして行動力。出会ってからの彼の言動を振り返る。
……成る程、どれをとっても、働くには申し分ない。
彼の旅路の行く先を考えても、それは至極理にかなっているものに思えた。]

……なかなか、厳しいよ?

[ニタニタと、少しだけ底意地の悪い笑みを浮かべながら。
丁度先日、編集長から言われた言葉を思い出す。
『一人であちこち走り回ってないで、お前もいい加減地方にアシスタントの一人や二人でも置いてみたらどうだ』

――ペラジーがそれでもいいと言うのならば、彼は今日、今すぐにでも記者見習いだ。]

(195) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 23時半頃


[何処か遠くで、葉のこすれ合う音が聞こえる]
[枯れ果てた麦畑は名も無き雑草達に制されるのだろう]
[その傍らにじっと佇む、丸裸の樹木の枝に]
[褪めた赤色の外套と、黒く硬度を持ったコートは旗の様に結びつけられ]
[地平線の向こう側からの潮風を浴びて翻る]
[根元には櫛と、髭剃りと、眼鏡が]
[供物の様に等間隔に並べられていたが]



[ 誰も、小さな少年の姿を]
[ 茶毛の獣の姿を見つける事はなく ]


[1つ、狼の遠吠えだけがか細く響いていた]
 


【人】 記者 イアン

 ― 後日 サラグニッド・タイムズ編集部 ―

[サラグニッド・タイムズ新聞社は、今日も今日とて忙しない。

流れるように動き続けるオフィスの仲間達を眺めながら、イアンは「青いうみねこ亭」へと掛けた電話を切った。
内容は、つい先程、>>138自分宛てに届いた小包のうちの一本を送る旨。

『雪燕の紳士より』
住所も無しに書かれた気障な宛名に、してやられたと頭を抱えたのは一時間前ほどのこと。
また、彼に貸しができてしまった。
次にどこかで会ったときには、今度こそ酒を奢らなければ。


編集部は今日も騒がしい。
遠い異国の鉄道計画の話や、或る冒険家の話、最近話題の詐欺師の噂のあれやこれや。
騒然とする編集部の片隅で、デスクに戻ったイアンは原稿用紙との睨み合いを再開する。

担当するコラムの締切は今日。その書き出しを決めるため。
悩んだ末に、やがて彼は万年筆を走らせた。]

(210) yuj1n. 2015/12/06(Sun) 00時頃

【人】 記者 イアン

[雪燕は、今日も誰かの旅路をひた走る――――]

(211) yuj1n. 2015/12/06(Sun) 00時頃

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