人狼議事


233 逢魔時の喫茶店

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エフ! 今日がお前の命日だ!


 ― 夜 ―

[暗い路地。
街灯はあるものの光は弱く、中には壊れているものもあっただろうか。
そんな暗い、街の奥。

ぽつりと一軒輝く店に、揺れているのは小さな看板。
ツタの絡まるその店に煌々と明かりが灯っていても、周囲の住人は一切気付く事がなかっただろう。

その店は、辿りつけない。
その店は、人を拒む。
   特に、招かれざる者を。

ただ君の場合、決して拒まれる事は無く、
扉は昼間と同じように、すんなりと口を開く筈だ。]



   [ cafe & bar ]
   [  Twilight  ]
 


[昼間の営業より照明を落とし、店内を淡い光が包む。
カウンター背後の棚に並ぶのはコーヒーサイフォンではなく、コーヒーカップでも無く、無造作に張り付けた伝票でも無い。
棚を飾るのは、輝く色彩
様々な種類の酒瓶が並び、瓶が、グラスが、淡い光の中できらきらと煌めいていた。

出迎えたのは普段通りの店主の声だっただろう。
だが、着て居る物はいつもと違う。
白いシャツに、黒いベスト。
ピシリとアイロンのかかったそれを当たり前のように身にまとい、]


 ― cafe & bar ≪Twilight≫ ―

 いらっしゃい。

[笑んだのは、確かに昼間と同じ男。**]


 − cafe & bar ≪Twilight≫ −

[昼の気怠さを一切感じさせない、
凛とした空気の中。
妖しく、秘めやかな雰囲気を醸し出す淡い照明。

ごく一部の、限られた者だけが足を踏み入れ
ひと時の美酒を、特別な時間を過ごすことを赦された場所。]

  ――…いらっしゃいませ

[別人のように様変わりするのは、店主だけではない。
バーテンとは別、ウエイターとして誂えた制服に身を包み。

訪れる客へ、恭しく腰を曲げて出迎え、背筋を伸ばす。
視界を覆う前髪は今は緩く後ろに流され
縦横無尽に跳ねるがままにされている後ろ髪と合わせて、
ひとつに束ねられている。]**


酒屋 ゴドウィンは、メモを貼った。

2015/08/07(Fri) 08時半頃


 − cafe & bar ≪Twilight≫ −

[厨房から入口は直接見えない。
 しかし、凛とした空気とスタッフの挨拶の声で、客が来た事は分かる。

 厨房担当の蛇は、黒いシェフコートの黒髪姿。
 新たな迎え入れの声に、微笑んだ。

 仕込みは上々。
 さあ、今夜は、どんな客が訪れたのだろうか?**]


 はは、
 あんまり固くならないで。

[ゆるく棚にに凭れかかる姿は、きっと彼のく奥と同じだっただろう。
昼間と同じように繋いできた手に目を細め、緊張丸出しの青年>>+17にほんの少し笑う。
昼と夜、姿は違えど中身は同じ。
それはヒト以外の彼らと同じように、入っている物は、いつもと変わらないのだから。

望まれれば、コーヒーもホットケーキもフロートも幾らでもお出ししよう。
昼と同じように。

厨房の準備も、いつもと変わらず問題なし。
今からトワイライトは、ちゃんとした仕事の時間。]


 いや?別に、そんな堅い店じゃないし。
 昼と同じでヘーキヘーキ。

[確かに夜は本営業であるものの、店自体の空気まで綺麗に分ける気もなし。
しっかりしているのは外見だけで、それを証拠に店主はゆるい。

席への案内はトレイルがしただろうか。
メニュー表は随分分厚く、中には聞いたことの無いような物も多くあるだろう。
料理やつまみは別の者に任せて、自分の担当はアルコール。

勿論、よく分からないからお任せでと頼まれれば、合いそうな物を提供するつもり。]


[堅苦しい挨拶は出迎えまで。
久しぶりに新規のお客とあって少々気合いを入れてみたが、
想像以上に尻込みされてしまった。

尤も、彼を待つ受難はここからなのだけど。
それは、あとのお楽しみ。]

  そうそう、気楽に楽しんで
  服? ……着てるからいいんじゃない?

[服装への不安については、>>+18
店主に続いてけろりと言い放つ。
言葉の意味は、説明せずともおのずと理解できるだろう。]


[ひとしきり驚いてもらったところでカウンターとテーブル、
希望の席を尋ねて案内しよう。

二人連れなら少し奥のテーブルの方が落ち着いて過ごせる。
ホレーショーのカクテル捌きがみられるのは、
カウンター席の特典だ。]

  ん? ああ。ありがとう

[装いこそキッチリしているが、態度は夜の方が軟化する。
>>+19リツからの褒め言葉は素直に受け取り、
分厚いメニューに面食らう様子にくすりと笑って。]

  言えば、大抵のものは出てくるよ
  うちのシェフも、バーテンも腕は確かだから

[そういえば二人は、追悼会には顔を出していなかったっけ。
ケイの料理を口にするのも、もしかしたら初めてかもしれない。]


  ――…ああ、そうだ

[昼と変わらず喜色満面のエフと、>>+5
まだまだ挙動不審なリツに向けて。>>+21]

  見ての通り、この店には色んな奴がいる
  中には、得体の知れない生き物も
  いるかもしれない

  でも、怖がる必要はないよ
  不安ならエフさんだけ、見てればいい

[恐らくエフ本人からもフォローが入ると思うし、
彼と一緒なら何も心配もいらないだろうけど。
同じ人間として、ちょっとしたアドバイスを耳元で囁く。]


  では、注文がお決まりになりましたら
  声かけてくださいね

  ごゆっくりどーぞ

[ゆるりと笑みを浮かべて、その場を離れる。
ひとを観る眼、なんてものトレイルは持っていない。
誰も信じていないから、警戒と観察を怠らないだけ。

でもここでは、その必要がないから。
視界を覆うことなく、注意は向けるものの

昼間より上手く、"見ないふり"もできる。>>+11>>+22]*


  まー、そんな感じ
  昼は道楽なんだって

[トレイルにとっては、どちらも大差ない。
人手が足りない時は簡単なメニューを作ったりもするが、
だいたいは他の店員に任せている。]

  そう、今は厨房かな?
  コーヒーね。かしこまりました

[ケイが彼らが交わした約束については聞いてはいない。
ただ、来店をとても楽しみにしていた覚えはある。

リツの飲み物も決まればひとまずオーダーを通し、
先日話題になったばかりのワイバーンの翼が見えれば。
「最大積載量ってどんくらいすか?」なんて声をかけたり。]


[コーヒーと、コーヒーと、雲。
まるで詩のようなオーダーを厨房に伝えれば、返事はあったか。]

  それもそうなんだけどさ
  慣れない内は、色々刺激が強いかなって

[面白いもの、他では目にできないものはここには沢山ある。
新規の客――特に人間は、概ね歓迎されるものだが。
それが、そのままプラスで相手に伝わるとは限らない。

ここの客はどれもこれも、悪戯好きが多いから。]


[今日も店主の酒は、尋常でない肌色の客から好評だ。
シェイカーを振る彼の横で、
つまみを盛りつけながら小声で尋ねる。]

  あの、さ。――今度……なるだけ早いうちに
  休みが欲しいんだけど

[昼でなく夜に、こういった願いを申し出るのは珍しい。
こちらの営業が本番だと理解しているからだ。]

  昼間、その分働くからさ。ねっ?

[いつになく殊勝なことを並べて、店主の返事を待った。]


―― cafe & bar ≪Twilight≫ ――

[いらっしゃいませ、とマスターやトレイルが口にするのに合わせて、深く一礼する姿がある。
 昼間の赤とは真逆に、黒基調の制服に身を包んで、そこに居る。

 カウンターの奥の客の注文を聞いては記憶して、バーテンのマスターに投げる。
 それから、伝票に書き留めて管理をする。
 名詞と筆記のやり取りで可能な仕事を出来る限り率先してやるのが、昼間働かない代わり。
 厨房の洗い物も片付けていたりしたから、最終的にエフたちと話す機会が持てたのは、少ししてからだった。]


  コーヒーと、コーヒーと、雲の糸
  了解


[オーダーを復唱
 獏と人間が見える。
 あの獏は珍しく蛇のコーヒーを好んでくれているが。

 早速のデビュー
 慌てるのか、案外肝が座っているのか。
 それを楽しみながら見守るのも、人外の役目]


こんばんわ。
……オレのことって、言ってない?

[口元を指して、エフに聞いてみる。つまりどれぐらい言葉に気を使うべきかと。夜の客の中には、もう一切修正をかけなくてもそのまま喋れる客も、ゼロではないからだ。
 YesNoの疑問文は反語になっても大抵意味が通るから楽でいい。]


[棚から取り出す珈琲豆は、2種類。

 ひとつの豆は、吸血鬼の庭園で育てられたもの。
 育てているのは、吸血鬼に愛された人間だ。

 ここに招かれた彼らのように、深く深く繋がりを得た、先輩の作ったものだ。

 ヨモツヘグイ。
 その入口は、人間の手で祝福を受けると良い。


 挽かれた豆から漂う香りは、深い。
 濃い、濃い、夜の色のコーヒー。
 いつものように、ユニコーンの角を浸した水で、抽出する。


 これは、リツの為に]


[もう一つは、人間を愛した吸血鬼が育てる豆。
 月と血の香りが僅かに漂う豆。

 二度と離さないと誓った、吸血鬼の心を信じて。
 絶対に見棄てたりしないようにと、人外達の心に刻むための、一杯。


 これは、獏の為に]


  こっちがリツ、こっちが獏の旦那な。


[他の料理が有るので、運ぶのはウェイターに任せて]


[雲の糸。

 地味ながら入手が難しい貴重品である。
 そもそも獏や精神を食う生き物向けの品は総じて入手困難であるのだが


 棚から取り出すのは、白く濁った大瓶。
 フライパンの上に、蝙蝠の羽を散らす。
 そして、羽の上に、大瓶を傾け雫を散らした。
 雫は花弁に触れた途端にふわりと雲のように膨らむ。

 雲に細長い串を差し込み、引く。
 編み物のように、透明な糸が光を弾いた。
 弱火で炙りながら糸を依り合わせ、網目状の繭の形にまとめ直した。


 独特の香りが漂う、雲の糸。
 竜の血をソースに掛けて、完成]


[悪夢好きで辛党のエフィの為に、味付けは苦めに。

 普段の雲の糸は、薔薇の花弁で香りづけしたスイーツになる事が多い。
 そのせいか、どことなく盛りつけが可愛らしいのはご愛嬌である]


[おはようと、獏からの言葉に挨拶代わりに笑みを向けて、手元は別の客からのオーダーに忙しい。

もしリツがこう言った店に馴染みがなくとも、きっと映画やドラマで目にした事のあるシェイカーを振って、

使うのはジン、レモンジュース、チェリーリキュール。
兼のワイバーンに差し出したのは、逆三角形のグラスに注がれた、軍用機の名を持つ白いアヴィエーション。]


 今度?夜に?
 ――別に構わないけど、

 …トレくん、珍しーね。

[夜に遊びに行くなんて。
新しく友達でも出来た?なんて聞いてみようかとしたのだけれど、それは人のプライベートなので別にいいだろう。
そもそも、お互い子供じゃないし。

まさかその『友達』が自分もよく知る奴とは思いもせず、OKの返事は早急に。
日にちが決まったら教えてねなんて言って、望むなら、日中も休みを出そうか。

ひっそりと持ちかけられたお願いに同じくひっそりと答え、おねだりの様なそれに肩を揺らして笑う。]


  ほい、雲の糸できたぜ

[出すと同時、別の料理に取り掛かる。
 暫くは厨房は、忙しいようだ**]


  お待たせしました
  コーヒーと、コーヒーです

  お間違えのないよう

[深く濃い香りが立ち込める方を、リツへ。
続いて、芳醇、かつ不思議な香りを湛えた方を、エフへ。

シェフの気持ちが籠った、最初の一杯。
求められれば、それぞれの豆の違いを説明しただろう。

配膳は勿論、二人の会話の隙間を狙って。]


[続いて完成した雲の糸。
ドラゴンの鱗と違い稀少性が高いのか、
試食を頼まれたことはない。

盛りつけこそ可愛らしいが
なんとも形容が難しいそれを何食わぬ顔でトレイに乗せて。]

  お待たせしました

[エフの前に運ぶ。伝票などの管理はコテツ任せなので、
そのまま軽く一礼すると、新たな注文を受けにテーブル席へ。]*


  ん? んー。まあ、そんなとこ

[休みが貰えない、ということはないだろうと思っていた。
言い出し難かったのは、理由を聞かれた時に。
なんと答えたらいいか困る気がしたから。

客観、ありふれた約束でも。
トレイルにとってはそうじゃないと、こんな時まで意識して。]

  ――…ありがと、ホレさん

長年、つかず離れずの距離で共に過ごしてくれた、
数少ない人間の、友人に向けてはにかむような笑みと共に礼を。]


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