18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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ああ、腹減った! 畜生、面倒くせえ!
[ 麓の町が閉鎖されては食事もままならない。
人間には決して聞こえない声で喚き散らす。]
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[ 突如現れたサイモンを睨みつける。]
おい、テメエ、今度は何だってんだよ……あァ?
[ 椅子から立ち上がり、詰め寄る。]
(4) 2010/06/29(Tue) 01時頃
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テメエのせいでこっちは息の詰まる思いだ!
噛み砕くぞ気狂い野郎!
[ 決して表には出せない言葉で、口汚く罵る。]
[少女が“聴いた”のは、本当にサイモンの声だけだったのだろうか。
どこか、違う気がして。
胸騒ぎがして。
ぎゅ、と自身の腕を抱く。]
今度は何だ? この気狂い!
次訳わからねえことホザいて見やがれ、五体バラバラにしてカラスに食わすぞ!
[ 己の声を聞けるものが居るとはつゆ知らず、罵り続ける。]
[また。
“聴こえた”、“届いた”声。
だれ。
なに。
なんなの。
考えても、わからない。
――わかりたく、ない…]
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姿をくらましたかと思ったら意味不明なこと言いやがって。 貴様は何様だ? ああ!?
[ こちらの剣幕などお構いなしに大声で喚くサイモン。 怒りよりも強い恐怖を抱いた。 この男にこれ以上話をさせてはいけない。]
もういい、テメエは口を開くなッ!
[ 拳を強く握り、サイモンの顔面へと叩きつけようと。]
(8) 2010/06/29(Tue) 01時頃
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どけッ! コイツのせいでこんな面倒になったんじゃねえかッ!
[ フランシスカ、ヤニクを押しのけてサイモンに迫るも、とうとうガストンにその手を捕らえられた。>>9、>>12、>>13 暫く睨み合った後、拳の力を抜く。]
……放せよ、ガストン。 白けた、帰って寝る。だから、放せ。
[ 力を存分にふるえば、目の前の男の拘束など簡単にひねり潰す事はできる。 それに思い当たり、頭が冷えた。]
(14) 2010/06/29(Tue) 01時半頃
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クソッタレ、この熊野郎……。
いつか潰してやるからな、覚えとけ!
[ 力はふるえない。
聞こえないことをいい事に、罵る。]
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[ 解かれた手をふらふらと振る。>>18]
け、居もしねえバケモノ相手に何時までも怯えていやがれ。 下らねえ。
[ サイモンを通りすぎて扉を蹴り開けた。]
(19) 2010/06/29(Tue) 02時頃
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[ 去り際、フランシスカの視線を感じ、肩越しに睨んだ。]
何見てやがる、死にてえのか。
[ そして、そのまま外へ。]
[“声”が。した。はっきりと。
鼓膜を震わす、声ではなく。
直接、届くかのような、 ”声”。]
……な、んなの。
[思わず、口から洩れたのは。
――同じような、“声”だった。]
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―自宅への道―
[ カツカツと肩をいからせながら歩く。 その心を支配するのは、憤怒ではなく焦燥。]
……早いところ始末をつけないと、まずいな。 ああ、クソッタレ、町でやりすぎたか。
[ あの男が何を知っているのかは知らないが、早急に口を封じなくてはならない。 恐れにもした思考のせいか、その耳には聞こえたはずのヘクターとタバサの声は頭に入らなかった。>>11、>>16 考えを巡らせながら、公開に渋い顔をしながら歩く。]
ああ、腹減った……畜生。
[ 紅く輝く満月――これが頭上に在る間は、飢えは酷くなるばかり。]
当分は町に降りられないだろうし、いっそ――。
[ 立ち止まり、月を見上げる。 ――禍々しい笑みを浮かべた。]
(32) 2010/06/29(Tue) 02時頃
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……“声”。貴方、の?
[――そう、“声”を放ちながら]
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―路地・回想―
[ 隣、急に現れた影に思わず顔を押さえた。>>47 張り付いた笑みを見せないように。]
……何か用か? テメエ。
[ その影が先程突き飛ばしたフランシスカだという事に気付き、笑みは次第に薄れていく。 殴れなかった男の顔が頭にちらついて離れない。]
用がないならさっさと帰れ。 テメエん家はこっちじゃねぇだろ。
[ 突き放すようにして歩き去る**。]
(67) 2010/06/29(Tue) 10時頃
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[ その足を止めたものは、人の声ではない。
間違いなく同属のそれに、思わず振り返った。]
……ハッ。テメエも狼かよ。
全然気付かなかったぜ。
[ 心底愉快だとでも言うように、腹を抱える。]
そろそろ我慢も限界だ。
仲間のよしみで選ばせてやるよ。
――フランシスカ、誰を喰らいたいか選びな。
[ 同胞にしか届かない声をあげて大いに笑った。]
おお、かみ……?
[思いもしなかったその言葉に、口から漏れたのはただただ反芻するだけの“声”。
――「テメエも」
――貴方も?
――…あたし、も?
腹を抱える男。
無意識的に、脇腹を押さえる少女。]
…限界、て。な、かま、て。
――……誰、て、なに…
あたしは……あたしは…
[何を“声”に乗せたらいいのか、わからなくて。ただ、無意味な単語が漏れるのみ。]
[ 届いた声なき声に嘆息を返す。]
……なんだ、テメエ目覚めたてかよ。
使えねえな。
[ いつまで経っても混乱から抜け出せないフランシスカに見切りを付けるように、再び背を向けて歩き出した。]
希望がないんなら俺が勝手に決めさせてもらうぜ。
文句言うんじゃねえぞッ!
[ 誰を喰うか――誰が一番旨そうか、集会所に集った者の顔を思い出しながら。]
[使えない。使えない。
仲間として?
狼、仲間?
――思考は回る、ぐるぐると。ぐるぐると。]
――…っ。
[行き場のない思考。
再び遠ざかる気配。
――待って。
出かかる言葉。
けれどそれに続ける何かを、今の少女には見つけられなくて。
言葉を飲んで。
しばらくその場に佇むか。]
[ 迷い、途方に暮れているような同胞の気配を感じながらも、その足を止めることはない。]
付き合ってられねえよ。
……明日までに決めたんならそっちに合わせてやる。
しかし、だ。
[ これで最後、と足を止めて振り向き、牙を剥いて見せた。]
何時までもウダウダやってるんならテメエの分はねえぞ!
一晩よく考えるんだな!
[ 遠吠えにも似た雄叫び。
それ以上は振り返らずに自宅へと。]
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―自宅―
[ ――激しい痛みが左目に走った。]
痛……ぅ。
[ 今はもう存在しない眼球を労るように、眼帯の上からなぞる。 目覚めの良い朝、には程遠かった。]
クソッ……。
[ 悪態を付き、のそのそとベッドから這い出る。 靴を履き部屋から出ようとしたところで、昨日投げつけた干し肉が視界に入った。]
もう用はねえよ。
[ 昏い笑みと共に踏みつけ、外へと出た。]
(128) 2010/06/29(Tue) 22時半頃
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―集会所―
[ 荒くドアを開ける。 少し寝過ごしたせいか、いつもとは違い既に結構な数の人間が集っていた。 昨日暴れたせいか。いくつかの視線がこちらを盗み見るような感覚。]
なんか用かよ。
[ 誰にともなく吐き捨て、台帳へ。 荒く己の名を書き付けて、部屋の隅、半ば己のものとなった席へ乱暴に座った。]
(130) 2010/06/29(Tue) 22時半頃
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だりい。さっさと夜になりやがれ。
[ 一旦禁を解けば、腹の虫は大声で要求し始める。]
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[ ぐるりと見回す。 目のあったのは誰だったか。]
で? あの野郎はどうした? マトモな事喋ったか?
[ 答える声はあっただろうか。]
(144) 2010/06/29(Tue) 23時頃
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[ ミッシェルの言葉に溜息を吐いた。>>146 安堵が混じっていたことを見抜いたものは居たかどうか。]
あいつ、アヘンでもやってるんじゃねえか?
[ 少し余裕が生まれたせいか、肩をすくめてみせた。]
(149) 2010/06/29(Tue) 23時半頃
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何を知ったのかは知らんが、ヤツの話を間に受けるようなのは居ないだろうな。
[ くつくつと笑うように、声ならぬ声で哂う。]
だが、気狂いは何するかわからん。
面倒起こされる前に死んでもらうか。
……男の肉なんざ旨いもんでもないが、干し肉よりはマシだろうよ。
[ 肉の味を思い出すように、夜を待ちわびるように。]
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[ 落ち着いたら腹の虫が騒ぎ始める。 皆がそれに手を伸ばすのを見て手を――。]
……ふん。
[ ――結局、手を伸ばすことはなかった。 そっぽを向いて目を瞑る。]
(156) 2010/06/30(Wed) 00時頃
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空腹の方が、飯は旨いもんだしなぁ?
[ 笑いを堪えて呟く。]
[手を伸ばすそぶりを見せたのにもかかわらず出されなかったそれ。]
………。
[“食べる”から、だろうか。
そんなことを思いながら少女はぱくりとサンドイッチを口にしたのだった。]
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