コリーン！ 今日がお前の命日だ！

　コリーン姉様………？

[響く声は、あどけなささえ纏っていて、
ただ、その手に握られたナイフだけが
明確な悪意を、害意を現していた]

　いらないわ…　何も

[嗚呼どうして
守ると言った、あの優しい手は傍にないのだろう。

死に囲まれて、ただ一人立つ。
濃すぎる血臭に、息がつまった]

可愛い、可愛い、ポーチュラカ様。

　　　　

――――…探し出さなくては。

―――――…見つけ出さなくては。

――――――――…手に入れなくては。


あの"林檎"を、早く。

　兄様…

　私…　私

[手に手を取り、赤に濡れた二人は廊下を行く]

[望む先などもうわからなくとも

悪意は止まることを許してはくれない]