194 花籠遊里
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[良き按配…その言葉が意味し期待させるものは明白であった。 指が退いた孔が微かに収縮する。既にそこは快楽を覚えて足りないものを求めているというのか。認めたくはなかった。]
んあっ、
[臀部を左右に開いて膝の上に導く手の温かみにすら小さく声が漏れる。頬へ落とされる接吻に眦が熱っぽく潤んだ。 窄まりに口に含んでいたそれが宛がわれるのを感じ、緊張を逃がすために吐息を吐いた。
視座の変わらぬ場所にある歪んだ唇が毒を紡ぐ。 今日も、昨日も、別の男に。 それはまさしく事実であり、淫蕩に溺れた自身の現実を示していた。]
あぁーーッ!!
[涙が頬を伝うがそんな感触は知覚できず。 自分が啼き声を高く上げていることにも気づかず。 逸らした身体は貫かれる衝撃に支配されていた。 一人の男に掌握される悦びに。]
(119) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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/* とれかめ、しあわせにおなり、な気持ち。
へくたんしゅごいなーってのとべるさんかわいいでおおおしてるの。 ひぇぇ
(-68) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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[櫻に雫が一つぽつりと落ちる。たった一滴だけ月を伝って。 何かを伝えた声は僅かに揺らめき、掠れ。 凛とした空気を纏う月花はそこには無い。
手折られたわけでも無く、変わらず花籠に収まっているのにも関わらず。 月光を浴びれぬせいなのか、俯いたまま。
執着しすぎたのだ、望み過ぎたのだ。]
――…… 、
[しあわせを、ゆめを、抱きすぎたのだ。]
(120) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[年期がいつか明けたなら。俺自身も、彼の年期も明けたなら。 本当の名前をそっと教えるつもりだった。 柔らかな音で奏でられる名の音を聞きたかった。
雪山にかかる月も、『本物の朧月』も共に眺めたかった。
身に余る望みは砕け散り、砂のように落ちていく。]
(*26) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[噤んだ唇は、封の代わりか。それとも失語か。>>112 隠蔽する心の在り処も知らず、花籠の底で朽ちても茶飯事。 ほんの少しだけ、淡焔の髪色がくすむのは惜しいと噛んだ。
現に彼はここ数日で、ゆらと能面に波を立たせるようになった。 そんなもの、唯の気のせいと一蹴してしまえる程度の変化だが、まるで彼の笑顔が、彼自身を庇っているようにも見えた。]
―――…来な、丁助。 お前さんは可愛げねぇな、悪辣よな。
何もかも、諦めたってぇなら、そんな顔して護るなよ。
[また、彼に言の刃を放ち、細い呼気を漏らした。>>114]
(121) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[悦は神経内を巡り駆け抜けて、彼を再構築する。>>113 理性と言う名の隔壁を破り、常識と言う名の偏見を捨てさせる。彼が得るべきは悦、花の快であり、人の性であった。
淫蕩を晒す彼は、何より喜悦に従順で、身体を支配する熱に熟む。弾む声は高く響き、彼を奏でて壊す男が嗤った。]
花籠には嘘ばかりが詰まっている。 暴くは蝶の性分よ、―――ッ、
[謳うよう奏でた誘惑。 されど、穿った途端、粘膜の収斂に絞られ、僅かに顎を引いた。待ち受けて歓迎する身体は絡みつくように甘く、熱い。
悲鳴は肉筒を拡張するよう陰茎を育て、みっしりと隙間なく埋め尽くす。根元まで咥えさせた身体は窄まりの皺をピンと張り詰めさせて、緊張を強いる。>>119
間を開けず、呼吸の暇さえ与えずに、喰い締めてくる肉輪を掻いて、再び突き刺す律動を開始。深々と貫くたびに、細い身体に収まる臓腑を突き上げた。 彼の腕を己の背に導き支えれば、身体を跳ね上げさせた。奔放な律動は放縦を与え、未熟な粘膜に雄を擦り付けて歪めていく。]
(122) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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ーとある月夜の晩ー
[その日は久しぶりに客をとらずともよい晩だった 理由は簡単、駆け落ちした娼と客を探すのに廓総出での捕物となったからだった 障子をあけて久しく真夜中には見ていなかった月を見つめる どこか霞がかった朧月、それを見るたび涙がこぼれそうになる
泣く資格すら、ないのに
年期がいつかあけたなら、彼に売られた際に捨てた名を 自分の本当の名を告げたかった。その名で呼んで欲しかった 彼と共にいられたならば、しあわせだったのだ
そんなことは土台無理な願いであるとは、分かっていてもそれに縋りたかったのだ]
……―――
[かつての友の名を、呼ぶ 願わくば手と手とりあった彼らが無事逃げ切れれば良いと願いながら、月を見つめて嘆くのだ]
(+6) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/21(Sun) 01時頃
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[淡く吐き出す呼気は喉から溢れ、僅かに汗が浮く。 傍に呼んだ花へ片手を差し伸べつつ、数度虚空を掻いてから、紅華の手を取ろうか。]
見ていろよ、丁助。 ――― 眼を逸らすな、嘘吐きめ。
[眼前で殻を破り、新たに生まれ変わるニコラスを見せる。 今の金華には偽りなど欠片もなく、ただ、己の希求に甘んじ、身体を拓いていた。貪られるだけの哀れな存在、しかし、とても、うつくしい。
更に嬌声を聞かせるように、或いは単に蠢動に抗いきれず、麗人の奥まった場所を先端で抉った。白濁混じりの先走りが小さな泡を立てて内で次々弾けていく。
卑猥な水音は際限を知らず、彼の媚肉を酷使させ、視られる喜びを心身に覚えさせる。己の熱塊も、彼を陵辱したがる素直を露呈。 ニコラスの肩に回した腕で圧を掛け、跳ねる隙を狭めてストロークの短い一打を幾度も撃ち込んだ。
傍若無人なる男は一度全てを壊してゆく。 ひっきりなしに肌を穿つ生々しい音が牢を巡り、淫香が濃く煙る*]
(123) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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/* トレイルさんと亀吉さんは駆け落ちがんばれ、 力強く応援しているよ…!
しかし、丁助さんの彼是を上手くキャッチ出来ている気がしなくて大変申し訳ない気持ち。 もうちょっと上手に動けるようになりたいなぁ。
(-69) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[過ぎた滋養を与えた花はやがて枯れる。濡れそぼった翅は空を裂く邪魔をする。
されども重なる鼓動の音から花は揺らぐことをせず。 蝶から紡がれる夢物語に耳を傾ける>>117]
…『花』は、美しくなければならないのです。
[世辞には浪漫のない捻くれた呟き。 けれども陶酔し切ったような瞳はただ甘い毒を望み、酔ったように身を寄せ、胡蝶の夢に目蓋を閉ざします。]
……人、に?
[『花』として花籠に束ねられてから、何度も夢見ては諦めた願い。 綴られた囁きは何処までも甘く、緩やかに花弁を濡らす。
ゆっくりと、花さえも知らない色に染まり変わる]
(124) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[コクリと音を立てたのは喉仏が唾液を嚥下したために。 自分達が今何をしようとしているのか。その意味が分からない訳では無い。判らない筈が無い。
今日人づてに聞いた話によると以前身を置いていた主人がまた所望しに訪れたという。 楼主がどう答えたのかは知らぬ所ではあるが、どちらにせよ多額の金をかけられた身。
抜け出せば、逃げ出せば、唯では済むまい。
それは耳に聞いていた『ちょう』と同じ道やもしれぬというのに。]
………。
[花は、ただ目の前で差し伸べられた翅に焦がれるように花弁を揺らす。
梔子は何も囁かない。瞳を持たぬ花は唯々盲目に蝶へと花びらを濡らすだけ。
きっと花ならば、そう在るべきなのかもしれない。]
(125) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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…いずれ花も蝶も散るもの。 でも、人として…生きることを、…望んでもいいのなら。
──…貴方と、死にたい。
[重なる掌は霧雨に振られ、冷たく冷えている。 それは雨粒に打たれた故か、それともこの身に潜む陰によるものなのかは、分からない。
それでも、水気を含んだ重たい睫毛で真っ直ぐに紺瑠璃を見つめれば、花は言葉を口にする。
甘ったるい情人のような戯言を。 水面に揺れる花は月の隠れた空の下、指先をそっとその人に重ねて]
……連れて行って下さい。 花籠の外へ。
(126) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[はにかむように笑っては誘うように腕を引く。
腕を引き連れた場所は中庭奥にて存在した扉。 老朽の進んだものなれど力を込めてこじ開ければ、何とか人は通れそうで。
何故修繕されぬまま置いてあったのか、そしてそれを伝えてくれた見習いが知っていたのかは知らぬ所ではあるけれども、縋れる場所はここしか存在せず]
…足は早い方なんです。
[頬を引き攣らせつつも、一言。 思ったより軋んだ音は大きく中庭にて響く。焦ったように振り返りつつも、掌を硬く握り締め]
──…。
[唇だけで言葉を紡げば、そっと外の気配立ち込める先へと足を伸ばした。 重なり合う影は二つ、霧雨にて朧気に溶ける*]
(127) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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……幸せです。
(-70) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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["ならば放って置いてはくれますまいか。" 薄く砥いだ言の葉に、花として其れは返すに相応しくない。>>121]
護る、とは。 一体何を仰るのか。
[笑みより更に眉尻を下げる。 苦笑に近い声色で、来い、と告げる蝶の元へと。
近く、自分でも自分のまぐわう相手でもない精液の香りが濃くなった。>>123]
目は、逸らし、ません。 逸らしてなど、おりません。
[強く握られた腕から、振動は伝わる。 震えた声は、身体が揺れた所為だと、脳に言い訳する。
女を識りたいと言った蝶が奏でる音色が、全身に絡み付いてくるようだ。>>2:154]
(128) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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あ、うぐっ、うぁ…!
[赤い花のそれとはまるで違う荒々しい質量。 それが律動を開始したのなら、僕は悲鳴を上げる為の空気すら満足に得られずに体内を攪拌されていく。
初めて振るわれる暴力。屈服。 それに快楽を覚える倒錯的な自分がいることに気づくと、叫びとも呻きともつかぬ音を発していた喉は、甘い高い媚を発させるようになる。]
ひ、いや、好い…っ!
[己を貫く獰猛に、段々と涙を流していた瞳は求めるものへと変質していく。 圧倒的な力の下で僕は、剥がれ剥かれ自分自身さえ識らなかった本質を暴かれていく。]
(129) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[吐息、嬌声、だらしなく垂れる唾液。 何の偽りようもなく僕の口から漏れていく。]
あぁ、もっと、んあぁ…ッ!!
[やがて僕は壊れたように、自分を壊す暴力を求める言葉を口にし続けるようになる。
自分の姿がどう見えるか、自分が何をしているのか。そんな余計なことを考える隙はもうない。 ただ自分を襲い来る快楽に従うだけ。
敗北、隷属、屈従、悦楽、暴悪……
それが壊れた美が狂い求めるものであった。]
(130) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[快楽に善がる蝶を見詰める仮面は、相変わらず。 唯、眉根はきつく寄せられて。
其処に、亀裂は確かに。
花よりも花らしく、花の悦びに浸る蝶を、見詰めていた**]
(131) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/* ドMじゃねーか!(ばしーん
ニコラスがそんなPCだったなんて私すら知らなかったぜ!マジかよ。
(-71) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/09/21(Sun) 02時頃
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/* トレイルさんごめんなさい…!
(-72) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/*んで、翌日スッキリした顔で「あー気持ちよかった」って現れるんだろ?ニコラス。お前そんな柔ちゃうもんな。でも腰とケツはアイテテテってなっとるかもしらんけど。
(-73) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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[ 嗚呼、月が堕ちては花開いた、と。
重なった掌を、影を。暫く呆然にも似た色で見つめたならば、軈てはその口元を、喜愛に緩め。 同時に花が雨の下咲き開いた>>127のを収めると、こころの擽られる感覚に、然し背筋を上る悪寒に唯震えては歯の奥にて情を噛み千切り。]
…死ぬなんて、物騒だなァ。
[共に、と。 呟かれた言葉の、何と切なく、儚気で――愛おしいものか。 口先には揶揄いを乗せながら、然し涙雨に紛れ一筋仄かに透明が頬を伝い。 「俺もキミと、同じ気持ちさ」なんて。 そんな歌にも歌えない素の言葉を吐いてみせてはまた喉にて嗤う。
朽ちた木扉は雨が染み込み色濃く立ち塞がるけれど。 されとて花の一押しで口を開けてしまったのならば、其の先に視える光は希望か、其れとも。]
(132) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/09/21(Sun) 02時頃
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大丈夫、転けても俺が、支えてあげる。
[ひとつ。踏み出した。 ふたつ。強く踏み込んだ。 そうしてみっつ。「彼」の手を強く握り。
視えた先に見えたもの、それが何であれ。 鉢と籠、花と蝶、愛反れぬ二対として生きるくらいならば。 同じ者として、生きていた方がましだと。 そう想ったのならば、其の先に見えたものは、宵闇とは反対のものなのだろう 。
ただ館にはさよならさえ告げずに、前だけを向き。 紛れる煌の方へ、ただ宵闇の籠へは影を伸ばした。]
(133) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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[胸に過る痛みを見ぬように視線は一度だけ地に落ちる。 濡れた地面を彩る数々の秋の彩り>>2:5
誰の手によって植えられたものなのか。考えずとも鮮明に脳裏に思い浮かばせ、青年は顔を顰めた。
おとつい自分との出会いを「しあわせ」だと口にし>>1:*27 数々の教えを伝えてくれたその人自身を裏切る行為なのだろうから。
『花』としての振る舞いや心を苦労して見守ってくれた先生や
同じ年の瀬であることから砕けた調子で言葉を交わしていた青年のような世話になった恩を仇で売るような選択でもあるのだろう。
それでも儚き一夜の夢で終わってしまうかもしれなくとも。 この身が朽ちてしまおうとも、繋ぎ合った指の絡まりを見下ろせば、唯々幸福そうに口元は弧を描く。]
…ごめんなさい。
[囁きは雨の中、消えていき その姿はもう花籠にて揺られることは、無い*]
(*27) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/*あ、よくかんがえたら名前ニコラスならあれができるではないか!
にっこにっこにー☆ いつもにこにこあなたに笑顔を届けるニコラス・ベルにこ☆ 青空もー、にこー!
私は一体何をやってるんだろう。
(-74) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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― 館→ ―
―――おいで、亀吉。
[ざくり。ざくり。 霧雨に濡れた体を揺らしながら、一層色の強まった靴先を葉に土に沈めながら、男は人の手を引いた。
森の奥の奥。 花籠から遠く離れた知る人の無い土地へ、ただ二人。歩む。
「痛くはないかい。」 「疲れてはないかい。」 「もうすぐだから、大丈夫さ。」
夜の張り巡らす蜘蛛の巣から逃れた「蝶」は、声色朗らかに花へ語り掛けては、不安を生む胸を掻き。花を守るようにその隣へと寄り添う。]
(134) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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――大丈夫。 きっと俺達は、幸せになれるから。
[物語を綴るのは人間だと――翅を亡くした蝶は笑う。夜に飛ばなくなった蝶は昼に唄い、腕を花の…否、人の頬へと伸ばしては撫ぜ。 …ただその瞳が同じく不安に揺れていたのならば、その気を和らげるように微笑んではみただろうか。]
キミはここで、俺を待ってて。 …大丈夫、ここなら誰も、キミを見付けない。
[森の奥の奥。ただ木々に囲まれ小川の流れるその場所で。ちいさな家が在ったならば、其処に人を招き入れる。ひらり、ひらひら。翅の名残の鱗粉は、空気に踊っては地面に落つ。 そうしてパタリとその木造扉を閉めたなら、横の開けた窓から顔を出し、また囁く。]
(135) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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―――必要なもの、集めて来るから。 直ぐに戻るよ。
[その淡藤が窓辺に寄って来たなら、その髪先へと指を通したことだろう。 然しそうで無いのなら、少し寂寥を滲ませた笑みを張り付け手を小振り。
霧雨に濡れた体は、今や乾いてちいさく嚔を催すけれど。 男はただ、人を想っては歓喜に溢れる音を唄う。]
勝手に月に、帰らないでね。
[其れは嘗て月と呼んで居た彼を揶揄ったもの。其れは嘗て、囚われていた籠を比喩したもの。 くつくつと咽を鳴らしたのならば、男は漸く、名残惜し気に時折後ろを振り返りはしたけれど――その家から歩みを遠ざけ。
―――その姿が森の奥へと戻る事は、きっと *]
(136) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/* ニコラスさんも丁助さんもかわいい。 ニコラスさんは色っぽくて震えるし、 丁助さんはぐらぐらまでが丁寧で素敵だ。
そしてトレイルさんイケメンですなぁ。
(-75) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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[主を失った数匹の金魚は水面下にて踊る。 ぶくぶくと揺れる泡。 パチリと音を立てて浮かび上がったのは──一匹の梅の花。 水草を尾びれに絡ませながら、ぷかりと姿を煌めかせた。
もう泳ぐことは無い*]
(137) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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