223 豊葦原の花祭
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[ 砂の上。 草木の垣根。 蕾の合間。
探してみたけれど、見つからなかった。
何かがざわめいている。浮き足立っている。 みんながみんな定められた場所に集まるようにして向かっている。
それを、何処か遠くの出来事のように受け止めた。 ああ、そう言えばさっきの子に名前を聞くのを忘れたな、なんて。後悔も。
深く長い陰に隠れるようにして、蹲る。
自然、垂れ下がった襟足が土に触れる。
こんなに、長かったっけ。 ]**
―――………。
(12) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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―――何が嘘で、ほんとう、だというの。
(-5) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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[答える声 は ない。]
(-6) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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[ 漠然と、 おなじ だと、思った。 ]*
(-7) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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―20XX/5/XX―
[ くるり。
中途半端に伸びた髪がクセになっていた。 鏡に映るぼくの姿は、萎れた花弁みたいに覇気がなくて。 今日も今日とて違う花々を束ねた贈り物片手に、白けた面をしていた。
ライラック。やまぶき。矢車草。アリウム。芍薬。かすみ草。鈴蘭。苧環。
この季節に根を植え付けては世界を彩る彼ら。
でも、ぼくが手にしたのは 勿忘草。紫蘭。金瘡小草。
どれだと思う? ]
(-10) 2015/04/20(Mon) 10時頃
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君が拾ってきたあの子、もう…三歳になるよ。
[ 水を張った小瓶に花を生けながら、ぼくは今日も語りかける。
冬の静けさはもうすっかりとなくなっていて、代わりに芽を出し始めたのは微かな夏の気配。
カーテンで覆うことのない窓からは眩しい日差しが君を照らす。 ]
雪みたいに白い猫。 だからって雪ちゃんなんて名前、どうかと思ったけど。
[ 底冷えする寒さの中。
困った顔をしてぼくの元へ訪れた君。 両手に抱えた小さな塊を差し出しては、ぼくの元で飼えないかって声をかけてきた。
幸いぼくの両親は、動物が好きだったから快く迎え入れることになって、でも現金なことにぼくは君と会える理由が出来たことに喜んでいたっけ。 ]
(-11) 2015/04/20(Mon) 10時頃
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…あれから、二年か。
[ ちいさな子供だったぼくらは。
今年の冬を迎えれば大人になる。 でも君の時間は止まったまま動かない。
植木に根付くようにして、君は眠っている。
甘い、花の香りに包まれた箱庭の中で。]
(-12) 2015/04/20(Mon) 10時頃
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[ くるり。
視界を覆う黒髪。 僅かな隙間から、乾燥した白い指先を覗いた。 ]
読まなくちゃね。
[ 頁を捲る間際、そっと重ねては熱を伝えて。
いつか、君が触れてくれた時に感じた柔らかさに想いを馳せる。 ]
(-13) 2015/04/20(Mon) 10時頃
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[ ねぇ、お狐様。
予言は、いつ当たるの?
両手に、お顔に御座す、その姿。
お面に覆われた奥の底。 どんな顔をしているかなんてぼくには分からない。
彼女がよろめいてしまったことも、 偶然であっても、苦しそうな声も、薄情にもぼくは見捨ててしまったのだから。 ]
(24) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ 目覚めてすぐは心地よかった。
掠れていたけれど、確かに声は出たし。 足は地についた。 指先だって不器用に動かせて 飛び込んでくる世界が全て鮮明に映ったというのに。
太陽が天辺を下り、お月様が顔を覗かせてからは、心臓は棘が立ったようにささくれ立っている。
見つからなかった。
もう、夜は訪れている。 紙切れ一枚の約束。 お爺さんは覚えていないかもしれないのに。
それでも“思い出したくない”なんてことはないんだと。 奇跡を見て見たかったのに。 ]
(25) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ しゃがみ込んだ先。
折れた細い枝が足元にあった。
きっと元は強い幹から伸びていたんだろうに、もうそこから蕾を芽吹かせることなく、終えてしまった一本。
残る花弁は瑞々しく美しいものなのに、ね。]
(26) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ かつん。 がつり。 かつん。
大きさも異なれば、響く音も別のもの。 少しずつ鼓膜を叩く物音>>20に とうとう顔を上げることが出来ない。
だって、似ているんだ。 かかとに当たった硬い音>>1:24に
見つかってしまったと、腕を抱く力を強めた、ら。
“この人”は、ぼくに声をかけたんだ。 ]
(28) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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………君は、だれ?
[ 闇夜に眩く映る色素の薄い髪。
風がそよぐ度にきらきらと輝く絹>>21に、一瞬世界が静まる。
しゃがみ込んだままではあるけれど、上向いた表情がその人と向き合うことがあれば、水の中に溺れていたかのように瞳が揺れていることが分かるだろうか。
そのまま、少し言葉を悩むように唇を震わせて、声かけに応えるためにすぐに首を振る。 ]
(29) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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手紙が、見つからなくて。 お願いごと、…書いてもらったのに…っ、
……ねぇ、手伝って…!
[ 名も知らない人。
もう少し落ち着いていたのなら、彼の脚に注意がいったのかもしれなかったけど。 いっぱい、いっぱいなぼくにとっては、立ち上がればすぐにこの人を見つめる。
指差した先は紙が舞っていった先。 奇しくも淡墨桜の方角ではあるがぼくは気付くことなく、藁にも縋るような思いで、この人の返事を待つ。]
(30) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ 肩に加わる微かな温かさ>>32
咄嗟に目を見張らせつつも、宥めるような言葉に一度、浅くも息を吸い込んでは吐く。 それでも脈打つ心臓は軋んだ音を奏でていたけれど、少しだけ、なりを潜めて、徐々に一定の速度に変わりつつあった。
動揺は隠せなかったけど、頷き>>33が見えれば分かりやすく目元が綻んで、でも彼の脚とそのお供を見れば、遅れて視線を上にあげる。]
…鶴も亀も、舞を踊るんでしょ? それに兎にも勝ったんだ。 …手伝ってくれるなら、助かるよ。
紙には桜を一緒に見れますように、って、そう書いてある。 筆で記されてる。 桜を見つける前に、見つかるといいんだけど。
[ 見かけた人がいることを願うようにつま先で土を踏みしめる。 水なんて吸っていないのに、何処か足取りが重たくなってしまうのは、こころの持ちようか。
分からぬまま、彼が歩き出すなら調子合わせつつ周囲に視線を移しただろう。]
(34) 2015/04/20(Mon) 15時頃
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[ 間。
思わず視線を彼の方に向けた。 でも約束のことを口にされれば>>35 言葉を飲み込み頷く。]
海だって自由に泳げるんだ。 それに、…鶴みたいに覗いたら消えてしまわないから、ずっといいよ。
[ 戯れとばかりに軽い調子で返したつもりだった。 でも、思ったよりも水気を含んだ空気になりそうだから、誤魔化すように肩を揺らして、]
…ありがとう。亀さん。
[ 亀の如く鈍間なんて喩えていた彼だけど、ぼくはそう思わないから彼に向き合って。
杖の音を辿るようにして、周囲を見渡した。 ]
(36) 2015/04/20(Mon) 16時頃
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[そうして歩き出した途中。
他の参加者とすれ違うことはあったか。 会ったのなら風に吹かれ飛んでいった紙を知らないか尋ねるのだけど。
一つ間が空いたのなら、そうだ。一つ聞いてみよう。とばかりに唇を動かす。]
ねぇ、淡墨桜は奇跡を起こせるって、本当…かな。 もし願いが叶うなら君は、何を願うの?
[答える声はあっただろうか。 ゆったりと足取りなれど視線は泳がせて。
少しずつ花弁の香りが強くなっている。 蕾がもう芽吹いたのかもしれない。 はやる気持ちを押し込めるため唇を引き結んでは、 また作業に戻る。]**
(37) 2015/04/20(Mon) 16時頃
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[ “消えてしまうのは、怖いですか”
頭の中、反芻する言葉>>41を受け止めながら、左胸が呼応するように脈打つ。 彼の唇にはゆぅるりとした月が弧を描いている。 だから、怯えまずに、今度は、逃げてしまう前に。]
…消えちゃったら、もう会えないかもしれない。 忘れられたく、ないよ。 ……なんてね。
[ 唇が、勝手に動いては、主張する。 だから誤魔化しに一言付け足しては、今更に茶化した笑みを向ける。
ああ、そうだ。 笑顔は、便利だった。 そう教えてくれたのは誰か、覚えていないのだけど。 ]
(53) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ 願いを叶えてくれるかもしれない>>1:42
嘘か本当かは分からないけれど、耳にした話について尋ねてみた>>37 さすれば答えは、彼の周りには願いを実らせた人の話はまだ流れていないようで。
少しの沈黙が訪れれば、つられたように彼の顔を、唇を、立てられた人差し指を。 砂を引き摺る音の中、じっと見つめる。
でも、口元に添えられた指先に、 逃げられたような心地になってしまって。 自分だけ、教えるなんて。 そんな想いがこころの中を渦巻いた。]
………大切な人が、いたはずだから。 約束をしたんだ。…確か。 だから、会いに行きたい。
[ でも問われたなら、ぼくには覆う程大きな仮面も手もないから、言葉として形に残す。
たとえ、願いが叶わなくたって。 ]
(54) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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亀さんとぼくの内緒だよ。
[ この時だけは分かち合えるから。 ]
(55) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ そして更に足を動かした先。
気付けば履いていた革靴は泥に塗れていたし、髪も汗が張り付いて、とても見れたものじゃなくなっていた。
でも、土を踏み締めた時 先に見える木の枝に引っかかった白い鳥が、ゆらゆらと頼りなさそうに翼を泳がせている。
それが、淡い黒を乗せた模様を刻みつけていた>>1:59ことを知れば、小走りで進んでいく。 ]
あった…けど、
[ ぼくの身長では届きそうにない。
思わず彼を見て、周りを見た。 ]
(56) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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かみさまは、意地悪だね。
[思わず零した一言。 やっと見つけたのに、届かない場所にある紙切れ一枚に。 眉を寄せて、睨むようにして空を見上げる。]
どうして、ぼくじゃないといけないんだろう。 …かみさまなら、みんな平等に愛してくれればいいのに。
狡いよ。
[ 子供の戯言だ。
それでも吐き捨てずにはいられなくて。 ぎゅっと両手のひらを握りしめては、彼に向き直る。
鼻頭が少し傷んだけれど、ここまで来てくれて手伝ってくれたのだから、お礼を、言わなくちゃ。 ]
(57) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ なのに、うまく言葉が出なくて。
でも、伝えなきゃ、いけないから。]
亀さんの、お陰で見つかったよ。
[ 心配させちゃダメだと、無理やり唇に、頬に、力を込めて、笑わなきゃ。 ]
………ありがとう。
[ だって、きっと。
手伝うと申し出てくれて、ここまで着いて来てくれたのは、本心なのかもしれないから。
子どもの我儘を、理不尽な悲しみを、見つからないように、押し込めて。 ]
(59) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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お願いごとに、綺麗も、大きさもきっと、ないよ。
絶対に叶うとは限らないかもしれないけど、でも …一緒に探せるかもしれない。
だからいつか、聞かせてね。
[ 笑みを向ける。 ]
ぼくは、もう少しここにいる、から。
[ 指の爪は白んできてる。
お面を被るのはそろそろ限界。 だから、少し疲れたなんて言い訳をすれば、木の根元に腰を下ろす。
彼はどうするだろう。 選択肢は彼に任せる心算で、逃げるように足元を見つめる。]
(60) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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メアリーは、亀吉に話の続きを促した。
2015/04/21(Tue) 01時頃
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[ 不恰好に蹲っていた。
それは初めて彼と出会った時のように。 ただ違うのは、深みを帯びた空の下では自分の影さえもよく見えなくて。
まるで、世界にひとり取り残された気分になった。
一緒に歩いていた頃は、初め騒がしかった心臓も言葉を交える度に穏やかになりつつあったのに。
理不尽な文句を撒き散らす子どもを受け入れてくれる優しさ>>64にずるずると付け入る自分に、自己嫌悪していた。
彼が木々を見上げていたことを知らないぼくは、声>>65がかかってもつま先を眺めていて。
でも、その先に一羽が止まれば、はたっと容易く呼吸が止まってしまう。
惚けたように、向けられた視線を真っ直ぐ見つめ返したんだ。 ]
(69) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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………ずるい。
[ 不思議と耳に流れては染み透る声>>66 少し遅れて頭が意味を咀嚼し始める。
咄嗟に零した言葉は、不貞腐れたもの。 でも、口元には、綻ぶ前の弧確かに乗せて。 ]
ぼくだって、…忘れないよ。 ……ちゃんと、恩返しだってしてあげる。
[ 滲む瞳の中、落し物を手のひらで抱きながら見上げて。 でも、あまりにも遠い気がしてしまったから、空いた片手を付いて、そっと腰を持ち上げる。
そうすれば、差はあれど縮まる背丈と、距離で]
でもこれじゃ、ぼくばっかり内緒を君に伝えてしまいそうじゃないか。
[ 拗ねたような口振りで愚痴を零しつつも、その唇で我儘を強請ってみたんだ。 ]
(70) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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……ぼくのこと、忘れないでいてね。
[ そのまま、杖を持っていない方の彼の手を見つけられたのなら、小指同士をそっと絡める素振りだけをして、すぐに離そうと。
また並び合うことが出来たのなら、視線を淡墨桜の方へと向けて。]
亀さんも桜、見に行こうよ。 淡墨桜のかみさまは、願い事を叶えてくれない“ケチ”かもしれないけど… 一番綺麗だって、聞いたから。
みんなで、見たいよ。
[ そっと彼の腕の裾を掴めば、やんわりと促した。 ]
(72) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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[ 笑みの裏側>>74までは察することは出来なかったから、次を彷彿させる言葉に素直に喜ぶことにして。
約束を結ぶ度に巻き付ければ、唇は満足そうに緩んだだろう。 ]
じゃあ、ぼくが一番だ。
[ なんて、何処か誇らしげに胸を張りながら。 ]
(95) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ ぼくのお願いごとに彼がどう思ったのかどうかは分からない。 でも着いて来てくれる音に肯定だと捉えた。
足を引き摺る音>>75 杖の音。
少しずつ、人通りに出ているのか増える声。聲。こえ。
かつん。
彼の語る ないしょ ]
(96) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ 行かなくては。
私の探す『どこか』が淡墨桜の元へあるかもしれないから。
でも、一人で向かうのが怖かった。
どうしてきみは行かなくちゃいけないの。 きみの探す『どこか』は、どこ?
尋ねたいことはたくさんあった。
でも、君は振り向く>>77 ぼくの方を見て、ただ。 唇の端を上げて礼を口にしたんだ。]
ぼくは、“君”の隣にいるよ。
[だから、前を向いて歩く彼にそっと、その言葉を押し付ける。
たとえ、気休めでしかなくとも。]*
(97) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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―淡墨桜―
[ 人の姿。笑み。賑わい。
先程まで二人で歩いていたからか まるで一気に現実へと引き戻されたような感覚に陥る。
無意識に一歩だけ、彼の方へ歩み寄りながら、月光を浴び、透けるような美しい枝葉に双眸を向ける。
でも此処からじゃ朧気にしか見えない。 だから彼の提案>>78に頷いて、当然のように一緒に、と声をかけたのに。
左右に揺れる月色に輝く髪色。 もうひとつ、彼が口にした内緒>>79に ]
(98) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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―――ぼくが、いるよ。
(-47) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ 半月が、夜空を上がっていく。 ]
(99) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ ハッと意識が浮上する。
気を失えていた訳ではない。 だが、確実に耳元で落ちた言葉は花弁のように儚く霞む程ちいさなものだったけれど。
確かに、掬い上げて。
彼にも同じ言葉をかけようと思った。 でも、聞こえるんだ。
誰の声だろう。 ――知っているはずでしょう。 知らないよ。 ――知らないふりをしているだけ。そうでしょう?
―――どうせ、あなたはいなくなってしまうのに。 無責任なこと、…言わないでよ!
ああ、わたしの声が聞こえる。]
(100) 2015/04/21(Tue) 11時半頃
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…まだ、恩返しは済んでいないから。 だから、……届けてよ。
叶えられないかもしれないけど、ふたりでなら持てるかもしれない。
[ワンピースの裾の中に手早く突っ込めば、袋に入った星型の砂糖菓子を取り出して、]
あなたの為のお願いごとを。
[ 聞かせて。
そう付け足す前に 後ろから、横から、溢れた人並みに押されるようにして引き下がる。
自然と離れていく距離。 時折振り返りながらも、徐々にその姿は見えなくなって。 *]**
(101) 2015/04/21(Tue) 11時半頃
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―20XX/6/5―
[ じめり。
湿り気を帯びた外気の空気とは裏腹に、 空調管理の行き届いた君のお城は相変わらず、綺麗に整えられ過ぎている。
君と世界を隔離する厚い硝子窓。
鵐に降り注ぐ雨粒が叩きつけたとしても、まるで遠い出来事のように君の瞳が覗くことはない。 ]
…おはよう。 今日は、少し遅くなってしまったね。
[ ごめん、と口にしながら荷物を下ろす。 時刻は夕暮れ時…よりは遅い夜の気配を迎えつつある頃。
リュックを下ろせば、露わになる水袋。 そこに閉じ込められた朱色を君に見せびらかすように掬い上げたんだ。 ]
(-59) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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……三年前、君と縁日に行ったの、覚えてる? その時さ、中々上手く金魚を捕まえられなくて君、文句ばっかり言ってたね。
[ ピチピチと、酸素を求めて喘ぐ魚。 水を浴びた姿は空気に触れ合う度に乾いていって、ああ、君とよく似ている。 ]
不貞腐れたきみのご機嫌を取るために、金平糖を買ったら、同じ甘いものでも甘酒がいいだの… ああ、狐面を被ってだの、
君は本当に…我儘だった。
[ 桜色の着物を召してぼくの腕を引くきみ。 夜空を見上げて、花が灯るのをまだかまだかと待ち望んで。
薄い紙一枚に綴った願いを 括り付けたんだ。 ]
(-60) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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勝手で、気儘で、……自由で、 あの時も驚かされたよ。
[ 星に願ったお願いごと。
君は枝に飾るのではなくて、 空に飛ばしてしまった。
その時は驚いたんだ。 君には願いがないのかと。
でも君はぼくに向き合っていったね。 ]
「 願ったって、叶わないから。 」
[ 口元を緩ませて、でも困ったような表情で君は、隠そうとして。 何でも心の内に隠そうとしてしまうからぼくは、君に伝えたんだ。 ]
(-61) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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ぼくがいるよ。
[ だから、大丈夫だって。
君が、うまく呼吸が出来なくても。 手を繋いで傍にいることは出来るから。
だから、来年も「 桜の咲く晩。 あの場所で待ってる 」って。
星に、君に、お願いをしたんだ。]
(-62) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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[ でも君は怒ってしまった。
「 無責任なことを言わないで。 」
そう言ってぼくを睨み付けた。
決して涙を流すことのない目尻は 兎のように赤らんでいるのに。 強がりな君は尚も取り繕うとして、失敗して。
でも、剥がれつつある仮面を ぼくはもっと知りたいと思った。]
(-63) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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[ じめり。
薄くぼくの姿を映し出す床に、雨が落ちる。 大人しくて、小振りで、でも確かに熱を持ったものだ。
それは舌に乗せるとピリッと辛い。]
あと、一ヶ月だ。
[ 天の川が夜空に浮かぶのは。
そして、君が、二十歳を迎えるのは。 ]
(-64) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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[ 忍冬。うつぎ。梔子。紅花。萱草。百合。紫陽花。
がらんどうに咲く 染められた花は、何色?
飾られた鶴は鳴くことなく、萎れていた。]*
(-65) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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―淡墨桜―
[ 人混みに流されるまま、いろんな人の声を聞いた。
おとな。こども。おとこ。おんな。 老いも若いも、疎らな音は、 三日月の形>>112をした声を掻き消して、やがて一瞬の無言。
月が昇る>>#1 ]
………ぁ。
[ 同時に芽吹く花弁。
薄紅の奥に隠れていたのは、月明かりに生える白。
“ 桜の咲く前の晩 ” それはもう、終わってしまった。 ]
(127) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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………なんだ。 “嘘つき”は…。
[ 握りしめてすっかり萎んだ紙に目線を映しながら、呟く。
でも、こうやって手元に戻ってきたものを見下ろせば思い出す。 狐面で顔を隠した女の子のこと。]
…見つかったよ。
[ 手紙は。
でも、約束は、まだ、 ]*
(128) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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[ ぼんやりと淡く光を帯びる花弁を見つめる。
風にあおられ、ふるりと揺れる白い四枚の翅の如く花に。]
でも、“まだ桜は散ってない”よね…?
[ 視線をついっと逸らす。 そのまま、人を掻き分けるように腕を伸ばし、足を踏み締めて。
まるで人のように、望むように、探す。]
(131) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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[ 魚が打ち上げられる音よりも深く轟く、少しだけ嗄れた声>>155
今までに聞いたことのない声。 でも縫い止められたように、頭上を見上げた。
桃。 視界を遮る色に眉を寄せる。 そっと指先を伸ばせば、花びらが、そこにあって。 ]
『あの巨木の桜、又の名を淡墨桜のお力を借りに来たのです。 私も彼と同じ桜の木であるのでね。』
[ 音もなく肩を震わせてくれたあの人>>1:41を思い出した。 ]
(167) 2015/04/22(Wed) 01時頃
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|
…………。
[ 都合の良い解釈だろう。
過る考えを打ち消すように頭を振ろうとして、やめる。
ひらり。
落ちる花弁が、頁を捲る音と重なる―――。]
(168) 2015/04/22(Wed) 01時頃
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―20XX/7/18―
[ 千羽折られた翼を連ねられた紙は、羽ばたくことなく佇んでいる。
ピ、ピ、ピ。 一定の速度で刻まれる心電図。 睫毛は伏せられたまま、開くことはない。
ふつり。
一輪の花の香りだけが残っている部屋で。 開くことのない一冊だけが置いてけぼりになった箱の中。
蹲る姿を見ていた。 腕を、指を、伸ばせたらいいのに。
氷に覆われたみたいに、動かなかった。 ]
(-85) 2015/04/22(Wed) 01時頃
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|
「 これじゃ、花と変わらないね。 」
[ あなたがわたしに話しかける。
唇は笑んでいるのに、左胸は正常に動いているのに。
こんなにもうまく息が吸えないの。 ]
(-87) 2015/04/22(Wed) 01時頃
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ねえ、名前を呼んで。
[ そう伝えられたら、
あなたにそれを強請れたなら、 それだけでよかった。
あなたがわたしのために嘘を吐いたこと。 子猫を飼ってくれたこと。 お祭りでわたしにくれた言葉。
全部、全部、全部、全部。 覚えてる。
なのに、この手は何も掴めやしない。 ]
(-88) 2015/04/22(Wed) 01時頃
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