223 豊葦原の花祭
情報
プロローグ
1日目
2日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
8
9
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
/* 以上でおわりです! お粗末様でした!
(-116) tyu-gakusei 2015/04/26(Sun) 00時半頃
|
|
/* 皆さんお疲れ様です。 僕も締め前に挨拶を。
rokiです。 普段は芋かゴブリンで、そうじゃないときは大体さいのすのストーカーやってます。 初同村は稲毛ちゃんだけでしたが、皆さん普段から宜しくして戴いてて有難い限りです。
とても楽しく村建てやらせて戴きました。 至らない点もあったかと思いますが、精進致しますので今後とも宜しくお願い致します。
(-117) roki 2015/04/26(Sun) 00時半頃
|
|
─伊那の淡墨桜─
[昔むかし。 淡墨桜が、まだただの桜の若木だった頃。すぐに散る桜よりも、花も長く香りのある梅が好まれた時代。
少しばかり色味の珍しいその桜を、大層愛した歌人がいた。 葉桜の夏も、葉も落ちる秋も、木枯らしの冬も、元気か、枯れてはいまいか、また綺麗に咲いてくれるかと。 お節介なほど世話を焼き、飽く迄話し掛け、そうしてよく、詩を詠んでいた。
季節が何周か巡り、桜の幹も太く育ち枝ぶりも大きく、随分立派になった頃。 時節に流され立場も変わり、その地を去ることになった歌人は、桜の若木に『必ず帰る』と身勝手な約束を置いて、そうして二度と帰らなかった。
桜の若木が、歌人が死んだことを知ったのは、彼がその地を去ってから、半世紀も経ってからだった。]
(93) roki 2015/04/26(Sun) 00時半頃
|
|
[死というものがなんなのか、木である己には分からない。 だから、葉桜の夏も、落ち葉の秋も、木枯らしの冬も。待ち続けた。 途中、違う場所に植え替えられる事になったのは、とても困ったけれど。どうすることも出来ないから、せめて人目につくよう、大きく育ては良いと思った。
慎重に枝葉と根を伸ばし、光を沢山浴びて、色を幹の内に溜め込み、春には精一杯、美しく。 一番きれいに咲いたなら、己を見間違えずにきっと見付けてくれる。
だってあのひとは帰ってくると言ったのだ。 それは、己がこの世に生じて一番最初の約束だったのだ。
そうやって帰りを待つ間に、気が付けばたくさんの人との約束が積み上がっていた。 また来年。 また来年。 きっと見に来よう。
果たされる約束と、果たされない約束。幾重にも積み重なって、そうしてとうとう古木と呼ばれるほど年輪が重なった頃。
自分が『何』なのか、ようやく気が付いた。]
(*2) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
神様になれば、何時までだって待ってられる。 此処から動くことは出来ないけど、いつか、が果たされなくても。待って、られるだろ?
[立ち枯れて逝く事よりも、永遠を、不変を選んだ。 高く高く積み重なった小さな約束が、己をそこまで押し上げたのだ。
伏せた目の奥で、揺れる面影。 もうその誰かのことなんて、ほとんど、顔も思い出せないのだけれど。
それでも、小さな約束で、無意識に、そんな意図も無く、己をを支えてくれた全ての人や、けものや、あやかしたちに、ずっと寄り添い咲いていたい。 その気持ちを、役目を、与えてくれた一番最初の約束を、いつか果たすことが出来るのなら────]
やっぱり、『おかえり』ってさ。 言いたいなあ。
(*3) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
[ぽたぽたと、花が落ちる。
段々と白み始めた空に、もう夜明けが近いことを知った。 ほんと少しだけ墨を乗せたような、白い桜の花弁。 目の前にひらりと落ちたそれを、小鈴は手のひらでそうと掴まえた。]
……きれい。
[うすずみさま≠フ世話役を仰せつかって、三年。 いつも、この時だけは傍に寄ることを許して貰えない。 木の上に招かれていた者たちも今はそれぞれ地面に降ろされて、見上げた淡墨桜の、下から数えて四番目。一際太い枝に、見慣れた姿が手を広げて立っていた。]
(94) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
[温い風が容赦なく花を浚って。 枝はもう、深夜の満開が嘘のよう。 その光景は、何度見ても胸の奥が騒ぐ。 いつだって、祭りの終わりはどこか、さみしい。
桜の花さえ咲かなければ、こんな気持ちにはならないんだろうか。 ふと思う。 すぐにそれを打ち消した。だって、この光景を見ないで終わる春なんて、信じたくない。
そうしている間にも、空は白々と明けて。 花祭りの夜が──終わりを、告げる。]
(95) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
[ぽたぽたと、花が落ちる。
枝の上の男は、両腕を広げて全身で風を受ける。 散っていく花弁は、雪のように降り積もって、一面半紙に淡墨を撒いたよう。
涙みたいだ。
唇だけが動いて、天を仰ぐ。温い風が浚った花弁に、雫が混じったのはきっと気のせいだろう。
眼下の景色をぐるりと見渡す。 祭りの喧騒は薄れて、もうみんな帰り支度をしている頃。 葉桜や冬枯れの桜を愛でるものはそうは居ない。それでも、もうほとんど花の残らないこの樹を見つめる目はあったろうか。]
(96) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
[ふと、幾らか疎らになった人々の中に、並んで立つ二人の少女の姿。 古めかしいセーラー服を着た外神の娘。痩せてはいるけれど、日に焼けていない肌はつやつやと血色が良い。 隣に並ぶ少女は、初めて見る顔だ。けれど、その着物の裾に舞う蝶を見付ければ、淡墨桜の口の端が、優しいやさしい弧を描く。]
約束、だもんな。
[呼んだ名前は、もう失われたものなんだろう。 次会う時には、きっと新しい名を呼ばせてくれる。また会いに来ると、脳裏の幼子はそう言ったのだから。
目元を緩め、にんまりと。 美味いものを食べて、誰かと話して。祭りの最後は、楽しい気分で──]
(97) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
じゃあ、またな。
(98) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
[ひらり、最後のひとひらが落ちて。光の蝶が群れを成す。淡い光は白んだ空に溶け。
そうして、うすずみさま≠ニ呼ばれた男の姿は、朝日の中に解けて、消えた。]
(99) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
昔むかし。 とある領主の城の庭に、一本の桜の木が献上された。 大変色味の珍しいそれは、傷まぬように人手を多く雇って慎重に移植が行われたという。 さて、その雇われた者の中に、口を利かぬ庭師の男がいた。 彼は出自こそ不明だが、植物の扱いにとても長けていたため、桜を掘り返す際にも大層重宝されていた。 明日にはいよいよ植え替え、というある晩のこと。 件の庭師が、人目を忍んで桜を植える為に掘られた穴へと近付くと、こっそりとその底を一尺ほど掘り進めた。 そうして、柔らかくなった穴の底に抱えてきた箱を埋めると、土を被せて均し、そ知らぬふりで朝を待った。 植樹は無事に終わり、その腕を買われた庭師は仕事を与えられ、ついにはその地に住まうようになる。やがて時が経ち、世代が代わり、庭師の家系はいつしか樹医へと家業を変えていった。
(100) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
|
庭師の男は、家庭を持ってもたいそう無口でほとんど口を利かなかったため、桜の木の下に埋められた箱がなんだったのか、知る者はいない。 彼がかつて、世相に流され、ついには故郷に帰れず逝ったとある歌人の付き人であったことも。かつての主が死の間際に、遺骨をある場所に埋めて欲しいと頼んだことも。 箱の上に植えられた桜が、のちに伊那の淡墨桜と呼ばれることも。 誰ひとり、神様ですら知ることの無い、*真実である。*
(101) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る