25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 23時頃
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[―――現ではなく、夢…その狭間。]
……夢であっても…
[――…叶うのならば。 月明りに浮かぶような白い手が頬に触れると 結われた髪が震えるように揺れる。 濡れた瞳は目の前の同じ顔から逸らせない。
おずおずと、同じように…手を伸ばし、届かぬ筈の月に触れる。]
(771) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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―――……かす み…
[雫拭われ近い距離で呼ぶ名は、 幾度も白く穢した月の夜と同じく、 欲をなんとか押し殺した艶めいた響き]
(772) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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[触れた手は、 白い頬をすべり首へと絡め引き寄せるように
霞む月の姿を とらえた。]
(773) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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[艶帯びる声に短く零れるは熱の篭る吐息。 あの頃と変わらぬ幼き笑みよりも 花を経た後の今の姿の方に…煽られる。]
――…一夜……夢が…見たい…
[埋まらなかった過去の月の日の記憶を。 共に在った証を刻みたい…刻まれたい。]
(782) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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[濡れた黒檀が伏せられると雫が落ちる。 同じ温度の吐息を絡め、月の下で交わす口付け、]
――…かすみ…
……隠れよう…、
[艶めいた笑み、きっと今は同じ顔をしている。 幼き日の言葉で霞の手を取ると隠すのは本邸の奥座敷に。]
(786) 2010/08/07(Sat) 00時頃
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― 本邸・奥座敷 ― [今は人狼の騒ぎのことも忘れて、 二つの月は白布の波の中へと隠れ。]
―――…、
[欠けた時を埋めるように名前を呼び合い、 触れる場所から一つに溶け合おうとする。
同じ長さの髪をも絡めて霞む月の白い喉が反れれば 其処には刻まれる永遠には決して残らぬ証。]
[濡れるは瞳ではなく触れ合う熱の孕む場所。 ――――…どれほど、夢を見たか。]
(791) 2010/08/07(Sat) 00時頃
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[ゆっくりと丹念に開いていけばそれだけ目の前の艶は増し、 白から薄く紅く色付いていく姿は正に花の如し。]
―――…かす み…
[隠すことを止めた艶めいた声は憂いを宿して。 強請られるまま暴いていけば裡から一つに解け合った。
穿てば啼く声を甘く掠れるまで欲し、 朧月に染まっていく声が、白へと果てるまで。]
……かすみ…、
…私にも…欲しい…
[啼く同じ顔に切なげに求めるのは、同じ形の証。 与えられれば朧の啼く姿も、霞む月にまた似て。]
[其れは月の在る場所が傾ぐまで続けられようか。 夢が終わる時を、少しでも引き伸ばすように…共に。]
(815) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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―――… …っ …い、
[喘ぐ声の中に混じる、望み。 満たし、満たされることでその願いは遠ざかる。 それはとても甘美で――…けれどもこれは、一夜の夢で。]
[また染まる白、果てた時に涙流す黒檀は憂いを 深くして。]
(824) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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