18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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それ。 人狼の存在理由は、きっと悩むことだと思うぜ。 自分はどちらに属したいのか。 獣としての本能を抑え、人間としての理性を護るか。 それともその逆か。
[自身の問いに答えない男に、少年なりの存在理由を伝える。]
―――なっ、
[振り上げられた腕、その先に延びる爪に。 殺される、少年はそう感じた。 細い腕を盾にして頭を庇う。]
……っ、
どうせなら、背中にしてくれないか?
[腕から血を流したまま、男に無防備な背を向けてみた。]
(+60) 2010/07/07(Wed) 00時半頃
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[ ちょっとした脅かしの心算だった。>>+61 腰を抜かすの少年をからかってやろう、その程度の悪戯。 誤算といえば、少年の反射神経が想像を上回っていたことか。]
バッ――!
[ 慌てて爪を引っ込めるも間に合わず、腕を掠めるように裂いた。]
危ねえなテメエ! 危うくその腕斬り落とすトコだったじゃねえかッ!!
[ 逆上し、慌てて腕を戻した。派手に血は流れるが、爪に残る手応えは浅い――傷は残らず癒えるだろう。]
まあ、男にしたら掠り傷だろ……自慢できるぜえ? 人狼の爪を受けて生きてるんだしなァ!
[ 頭を書いて笑い飛ばし、振りかぶる。 ――今度は、人の手で、思いっきり。]
ほらよッ!!
[ 手のひらは、少年の背を正確に捕らえた。]
(+61) 2010/07/07(Wed) 00時半頃
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[もしも、自身の両親を奪った人狼がドナルドなら許せない。 けれど、今、目の前にある過去において、ドナルドは両親を殺しはしなかった。 だから、少年は憎みきることはできなかった。否、寧ろ、憎んではいけないと、少年は思っている。]
(母さんの笑った顔、怒った顔、どっちも好きだけど……)
[あの日、少年が処刑を買って出たわけは、見れなかったから。 ドナルドが疑われ、あれ以上苦しんでる母の姿を見たくなかったのだから。]
ありがとう、ドナルドさん。
[背を押されれば、嬉しそうに笑う。 今度は、ちゃんと階段を上がれるだろうか。 目の前には、一匹の″案内人″。]
(+62) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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全てが終わったら、林檎食べてみてよ。 ほらぁ、いっぱいなってるでしょ? 果実の禁断、解いておいたからさ。
[こっちの世界からでも触れるようにしておいたよ。 そう付け加えて、少年は笑う。 男は、何か問うただろうか。 どんな問いがあっても、少年が答えるのはこれだけ。]
ふふふ、
僕から皆への―――贈り物(プレゼント)。
[溜まった魔力、その少しだけを使った贈り物は、 願いを叶える、幸福の果実。]
(+63) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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欲張ったら、堕ちちゃうからね。 アダムとイヴみたいに。
じゃぁ、
(+64) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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[少年の姿は闇へと消える。 ドナルドの目には、儚く消えるように映ったか。]
―――さようなら。
(+65) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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―未来へ続く階段―
何だよ。 罰じゃなくて魔力だったのか。
……って、あぶねぇ。 使い果たさなくて良かったぜ。
[″案内人″から堕ちた理由を聞けば、小さく舌打ちする。 けれど、少年の目元は確かに緩んでいた。]
なら……今回は大丈夫そうだな。
[闇に浮かぶ、時の螺旋。 チクタク、チクタク。 時を刻む音と共に、少年の足音が響くのだった。*]
(+66) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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[ まるで、霞の様に消えて行く少年に目を丸くした。>>62]
――ふん。
[ 少年は向かった先は天国か、もしくは此処とは違う何処かか。]
俺は、林檎なんざ喰わねえよ。
[ だが、まあ一つくらいはいいだろうか。 ――背を向けて、来た道を戻る。]
(+67) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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