103 善と悪の果実
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貴方様の方が、余程。
[あの林檎のようだ、と。 言外に潜めた音は、笑みに隠した。]
(165) 2012/09/26(Wed) 00時頃
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[去りゆく背を見送る。 オスカー殿は壇上の近くへと。 そして夕の闇が傍に揺らめき、優雅な仕草で戯れる。]
おや、さすがは“夕闇伯”。
[右足を揺らし銀を鳴らせる。 それはわざと、これのことかと確認をするよう。 目を細め、唇は弧を描く。]
なあに、何の変哲もない装飾品ですよ。 いや―――ラベルとでも言っておきましょうか。
[戯れには戯れを。 闇には闇を。]
(166) 2012/09/26(Wed) 00時頃
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グロリア様も既に…。 だとすれば“楽園”を追放されてしまうやも知れませんね。
[輝かしいそれを眺め、甘くこぼれる夕闇伯の声を聞きながら。 僕の視線は夕闇伯を移したまま。]
貴方ほどのお人でも、魅了されてしまうのですね。 それはそれは、なんて果実だ。
[ふふ、と。]
(167) 2012/09/26(Wed) 00時頃
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[やがて空気は張り詰め、不穏さを醸し出す。 体躯のいい刺青の男。 テラスで見た…ジェフ殿が背を向けた男だろう。 二人の醸し出す空気に、僕は表情を変えることなく。 片方を見、もう片方を見。]
…“いい子”にしているよう、言われましたしね。
[そんな一言をこぼした。 子供の僕が仲裁に入ったところでどうしようもないだろう。 近くにいた使用人に頼み、切欠を作らせた。]
夕闇伯、シャンパンのお味はいかがです? 僕もいずれ、貴方と杯を交わしてみたいものだ。
[夕闇と刺青の間に立ったとて、僕の背では壁にもなりはしない。]
(168) 2012/09/26(Wed) 00時半頃
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[一度視線を刺青へとくれる。 乱闘騒ぎなどしてくれるなよというようでもあり、どこか… …その乱闘を望むようでもある。 濡れた烏の色を向け、小さく一度だけ頭を下げた。 仲裁に入る身、満足に挨拶も出来まいと気を使ってのことだが それが彼にどこまで届くか…。]
そういえば、あれは歌わぬオルゴールだとか。 パーティに参加なされているコリーン嬢も、歌を生業にしていると聞き及んでいます。 お知り合いだったようですが、彼女の歌を聞いたことは?
[野暮な言葉をかけるつもりはない。 さらりと話を摩り替えるようにと選んだ話題だが さて、こちらもどれほど夕闇に届くのか。]
(169) 2012/09/26(Wed) 00時半頃
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それぞれにパーティを楽しんでいらっしゃる様子ですね。 あまりこのような場所に呼んで頂く機械は少ないですが… ここでの出会いが、なにかしらの繋がりになることもあるのでしょうか。
[ふと、遠く見えたのはジェフ殿とペラジー殿。 いまだ僕には彼なのか彼女なのか分からぬ人と、どこか親密そうにしている。 そこに何か芽生えるのかと、子供は興味を示すようでもあり。
けれどどこかその眸は、氷のように冷たい。]
(172) 2012/09/26(Wed) 01時頃
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[烏の眸は射る。 そこには冷たい憎悪と羨望を持って。]
……………。
[言葉はない。 ただただ、“男女”と思わしき二人を見詰めている。]
(*16) 2012/09/26(Wed) 01時頃
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[返る視線の先。 それは女性的な、穏やかな笑み。 そこに返すのは濡れた烏の色と、届くはずもない呟き。 すぐに野暮な視線は外し、夕闇の君へと。]
……さて、人の波は疲れてしまいますね。 僕はそろそろお暇させて頂きます。 先に場を辞すること、お許し頂ければ。 どうかごゆっくり。
[恭しく頭を下げて、歩き出す。]
(180) 2012/09/26(Wed) 01時半頃
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…………ふっ。
[笑みには笑みを。 黒く塗りつぶされ、光さえ灯らぬこの眸に “蛇”のような女の顔を刻み込んだ。]
(*19) 2012/09/26(Wed) 01時半頃
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/* 邪気うたれたい、こいウェズ!!! そしてウェズがとても、いじめられっこかわいい!!
夕闇v.s.刺青 のお二人もこれまた素敵。 色気むんむんな警官&学者も素敵。
ぼく、どこ行こう…!! でももう時間がないのでお部屋に戻るよ!!
(-55) 2012/09/26(Wed) 01時半頃
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ああ、申し訳ない。 僕に宛がわれた部屋はありますか?
[使用人に声をかける。 平等にと命を受けているからか、招待状を見せた時の非礼さはない。 けれどその眸に侮蔑の色を隠せていないようだった。]
有難う御座います。
[気に留めることもなく、部屋の場所を聞くと二階へ向けて歩き出した。 大広間の扉の前、一度この宴全体を見回すために振り返って。]
(182) 2012/09/26(Wed) 01時半頃
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豪奢ですね。 皆、幾分と浮かれていらっしゃる。
[喉を鳴らして―――嘲う。]
精々、禁断の実に狂わされてしまわぬよう。
(184) 2012/09/26(Wed) 02時頃
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[届きはせずとも、不気味な視線は青白く怯える男の背を撫でた。
大広間を見渡し。 壁際に佇む少女を捕らえつつ。
一瞥し、扉をすり抜けた*]
(186) 2012/09/26(Wed) 02時頃
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[少女の髪の赤へ。 そして林檎と似た色の髪へ。
その視線の先。 ――否、その眸。
甘い林檎の蜜を啜ろうとする、そんな眸を烏は捕らえる。 微笑を向けたのは、扉をすり抜けるほんの一瞬前。]
(*21) 2012/09/26(Wed) 02時頃
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