229 流水花争奪鳥競争村
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― 第二の試験 ―
[痩せた?]
[そんな一言に>>3] [錆色の瞳が瞬いて]
[真横に引いた口から、 ふっ と、堪えきれず空気が漏れた]
ははっ
[眉下げて噛み締めるみたいな笑み。 口元手の甲で隠しても視線はそのまま]
そうだね、痩せたよ。
[笑う口元から離した手を胸元に置いた]
(87) 2015/07/08(Wed) 00時頃
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[それから、 大きくなる目も。 言葉も。 ひとつひとつ受け取るまなざしが
”期待しないで待ってる”
言葉なく細まった*]
(88) 2015/07/08(Wed) 00時頃
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― 面談試験 ―
[扉を開けると室内の空気がふっと横を過ぎる] [清らかな水の匂いと温度]
[ コツ コツ ささやかな足音] [裸足の彼女の前で足を止めた。 前に立つと、彼女の方が背が低かった]
…
[視線はゆっくりと。 足のつま先から、薄手の布を辿り、細い指先。 胸の膨らみにやや逸れてから彼女の顔を見る]
(94) 2015/07/08(Wed) 01時頃
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アマルテア。
[名前を呼んで、視線が合うのを待つ。 そっと手を伸べて、細い指先に触れる]
(95) 2015/07/08(Wed) 01時頃
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[拒まれるなら、 その一挙一動さえ目に焼き付けるつもりで。 微かに触れた先。 温度もかたちも確かめるように、 ぎゅっと手を握る]
…うん、 [訳もなく、好きだと思う]
(96) 2015/07/08(Wed) 01時頃
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散歩は好き?
[近い距離で、ほんの小さくくすりとして]
遊びに行こう、アマルテア。 お弁当を持って。 森の少し先に開けた場所があるんだ。 今は僕しか知らない。
案内するよ。
[無邪気さを添えず わざと、子供の頃の言葉をなぞった]
(97) 2015/07/08(Wed) 01時頃
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ところで、聞いていいかな。
[面談の部屋を去る前、ひとつ思い出したように]
君がまた会いたいと思っていたのは、 待っていたのは、
どんな僕?
[尋ねはそんな言葉*]
(98) 2015/07/08(Wed) 01時頃
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― 昼前 待機室 ―
[椅子に腰掛け頬杖をついたかたち。 リッサが落ち着きなく動き回っているを 見ているような見ていないような。 本人としてはぼんやりとしているだけだが 下がりの眉のせい困っているようなそんな顔。
テラスに居る男とは面識がない。 水質管理局長のご息子ということは、 使用人として知っている]
(111) 2015/07/08(Wed) 04時頃
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!?
[リッサの謎のかけ声に、驚いて顔を上げた>>100 一瞬ここにいないアマルテアへの応援かと思ったが、 どうやらただの返事だったらしい]
[浮かぶ苦笑。 おこられないといいけど。声は内心で]
[男の姿が待機室からなくなり] [やがてリッサの姿もなくなる]
[腕時計の秒針がささやかに時を刻む]
[朝来て焼いたサンドイッチ用のパンが そろそろ冷めた頃合だ、…昼も近い。 厨房へ向かおうと腰を上げると、リッサが戻って来た>>105 何やら助けを求める目配せにこっそり頷いた]
(112) 2015/07/08(Wed) 04時頃
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今日はリッサが作ってあげたいんじゃないの?
[厨房の隅っこでリッサと並ぶ。 茶葉もフレーバーも選ばせて、 手伝うよりは、教える態。 蒸らしの時間に砂時計をひっくり返す]
あとは、おどれおどれ〜って念じる時間。 茶葉が上手に踊っていたら大丈夫だよ。
[見えるように耐熱ガラスの容器を選んだ。 リッサが念じている間に温めたカップの水気を拭いた]
(113) 2015/07/08(Wed) 04時頃
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それじゃあ、いってきます。
[紅茶と弁当の支度を終えれば皆へ一声掛ける。 昼前の忙しい時間だ。 ああ、とかおうとか返事は素っ気なくも、 横を通る度遠慮なく背中を叩かれた]
〜〜〜〜〜〜〜っ
[背中に季節外れのもみじでも咲いてそうだ。 痛みに涙目、それでも笑って。頭を下げた]
(114) 2015/07/08(Wed) 04時頃
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― 昼 ―
[城下町への坂とは反対側の門。 足下にリュックを置いた青年は、 藍色のパーカーを羽織った軽装の出で立ち]
[腕時計を眺めて、神殿の方を見る] [待合室に居ればちょうどの時間は知らせて貰えたが、 なんとなく、早めに出てアマルテアを待つ時間]
[ぐっと伸びをする]
[ぐぐぐっと横に体を倒して、戻して。 ふっと力を抜いた。 門の壁にとんと背を預けたら、 赤くなってるであろう背の痛みに壁に預けずまっすぐ立つ]
(115) 2015/07/08(Wed) 04時頃
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[空は快晴。遠く山々は青い。 湖の中心に浮いた神殿と森を繋ぐ石橋。 橋の向こうには白樺の木立が並ぶ色。
渡る風が心地よくて少しの間目を閉じる]
[とくり、とくりと心音が聞こえた*]
(116) 2015/07/08(Wed) 04時頃
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[落ち着かせた筈の心音が ひょこりと覗いた顔に跳ね上がる]
――。
[かぁぁと、頬に朱が混じった]
あ、ああ。…うん、
待ってた。
[逸れそうな顔をぐ、と留めて。 嬉しさは目元に滲む]
(128) 2015/07/08(Wed) 13時頃
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うん。 すごく。似合うよ。
大人びてるけど、かわいい。
[恥ずかしさ隠さず素直に伝え]
僕は、変かな…?
[パーカーの胸元を撫でる]
(129) 2015/07/08(Wed) 13時頃
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[連れて行ってよ]
うん。
[なんとなくこのまま] [なんでもないデートみたいに、手を取って] [どきどきした気持ちだけを連れていきたかったけれど]
――でも、その前に。 ちゃんと、話したいことがあるんだ。
[息を吸って、吐いて。 ぱしりと自分の赤い頬を叩いて締める]
(130) 2015/07/08(Wed) 13時頃
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思い出づくりにここに居る訳じゃないから。
[目を見て前を向く。 ――面談が終わった日、後悔をした]
僕から、君を。見ているだけじゃなくて。 今の僕を知って欲しいと思う。 君が何を見て、どんな風に思っているのか。 知りたいと思う。 言えない日だって傍に居たいと思う。
僕が好きなのはアマルテアだ。
(131) 2015/07/08(Wed) 13時頃
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本当は、君と居られるならどこでも良かったんだ。 行きたいところや好きな場所を聞けば良かった。 僕の何を知りたいのかも。
[後悔はあっても、 今はまっすぐに彼女を見詰めて、 言葉を区切れば足下のリュックを背負った]
(132) 2015/07/08(Wed) 13時頃
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…お待たせ。
行こう。
森でなくてもいい、 一緒に見てみたいものがあれば、 今からでもそこに行こう。
[装いは完全にピクニックだったけれど、 どこへでも行く心意気を篭めて手を伸べた*]
(133) 2015/07/08(Wed) 13時頃
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[常より僅かにきりっとさせた眉が、 噴き出す様子にきょとんと定位置に戻る。 ぐっと引き寄せられて、ぺいっとされた]
[間近でさんざん浴びた言葉に ぱちぱち瞬いていてから素直にこくりと頷く]
(143) 2015/07/08(Wed) 14時半頃
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…うん?
[肩と一緒に落とされた言葉。 聞き返すまでもなく連呼され、 駄々っ子みたいなアマルテアに ふっと笑みがこぼれてしまう]
うん、ごめん。
[伸ばされた手を取る]
そういうとこ、 結構好き。
[聞き飽きたと言われたこと。 悪びれず添えて、手を引いた]
(144) 2015/07/08(Wed) 14時半頃
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[白樺の木立の影に入れば涼しくなる。 人が踏みしめてできた小径。 木漏れ日がまだらに落ちていた。 気温もあって虫は少ない]
アマルテアはどうして今まで結婚しなかったの。
[小径の途中、脇道へ逸れる際。 服を枝葉に引っ掛けないように、 茂る枝を片腕で押さえて彼女の通る道を造る]
(145) 2015/07/08(Wed) 14時半頃
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[ほどなく森を進むと、視界がさっと開けた。 柔らかな草地は崖の一辺。 里と神殿を一望できる。 滝へと落ちていく小川の水辺には色とりどりの花が咲く。 日当りのよい斜面には陽射しを受けた瑞々しい野菜の畑。 下から吹き上げる滝の飛沫が空気を潤し虹を作っていた]
ついたよ。
[転ばぬようにと繋いでいた手をふっと離す。 髪を後ろに流して清々しい空気を顔に浴び ぐっと伸びをした。
敷布はこれから敷くけれど。 ここならどこでごろごろしても 柔らかい草地が彼女の体を受け止める]
(146) 2015/07/08(Wed) 15時頃
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[小さなうなり声を聞いても 質問を取り下げる気はさらさらない。
苦虫を噛み潰した顔ってこれかー。 などと、得心をしつつ。
小径を進みながらも ぽつぽつと零される項目に ひとつひとつ頷いたけれど モテ期の来なかった青年には ぴんと来るような来ないような]
いい女って大変なんだね…
[しみじみ、まずそんな感想を口にして]
(162) 2015/07/08(Wed) 17時頃
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そっか。
[フランクの話へはそう言って、 亡くなった過去の男のことを何も知らない。 そんな風に思う相手がいて、 無くして、今そう思うまで。 其々に生きて来た時間の空白を想う間]
(163) 2015/07/08(Wed) 17時頃
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ふっと、冷めるか。 僕はそういう経験ないからなぁ…
[アマルテアのことだけじゃなくて。 料理も勉強も辛くとも冷めたりはしなかった]
誰の何を見てんのよ。とか? んん、違うかな…
冷める、冷めるかぁ…
[むむ、と眉間にあまり出来ない皺を寄せる。 視界が開けるまで、思案顔は続いた]
(164) 2015/07/08(Wed) 17時頃
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[開放感のある草地についた] [弾む足取りとご飯の催促]
いえっさー。
[少しおどけた敬礼を返す。 レジャーシートを広げて飛ばないように荷を置く。 携帯コンロで手洗い用の湯をゆるく湧かしておく。 サンドイッチの詰まる弁当箱の蓋を開けて用意した。
厨房人として味の好みは熟知していたから、 詰められtものはほとんど彼女の好きな具材。 隅っこに少しずつ自分の好きなもの。 小分けの入れ物には川魚のマリネや果物がある。 保冷の容器に入れてきたからまだ冷たいままだ]
(165) 2015/07/08(Wed) 17時頃
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[あらかた揃ったところで、 手洗いのぬるま湯をボウルに移した。 小鍋は紅茶の為にもう一度コンロに掛ける] ん?
[小さい花をつつきながらの話>>155 ふるりと揺れて露が零れる。 はじめは何の話か判らなかったが 聞くうちにバレンタインのことに至る]
[お腹の音に小さく笑ってから]
(166) 2015/07/08(Wed) 17時頃
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でも、喜んでくれたでしょ。
[ただ、と紡がれるきっかけを受けて>>156 ぐるりと回してそのまま渡し返す言葉。
意地悪をしている訳ではないのは、 ふわりと届けた声音が物語る]
(167) 2015/07/08(Wed) 17時頃
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[アマルテアが立ち上がる気配に、 鍋の具合を見ていた視線を上げる。 こちらは適当な岩を椅子代わりに腰掛けていた]
…
[ラルフは――] [声音にがんばりを感じて、青年は笑みの気配をひっこめる] [視界の端には握られた両手も入る]
うん、いいよ。 聞くよ。
[彼女の話を遮らない程度に促す]
(168) 2015/07/08(Wed) 19時頃
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