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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 01時半頃
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― 回想・自宅 ―
[狂ったような笑い声は暫く続いた。 随分と人気がなくなってはいても、 時折、通りすがる人も居て、 そんな人たちは一様に、例外無い色の眸を向けた。]
[だから、ただ、ただ、女は笑った。 現実を遮るのは、何時も夢。
例外無く襲い来るものだから、目一杯抵抗した。 ふらふらと視界が揺れても立ち続けた。 太股を叩き、時には頬を張って。
けれど、意識は途切れてしまう。]
― 回想・了 ―
(20) 2010/07/05(Mon) 02時頃
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― 翌朝・作業場 ―
[次に女が意識を取り戻すのは作業場だった。 薄汚れた手、ぼさぼさの髪、使い古した作業着。
何故こんな格好で此処にいるのか。 女には当然、一切の記憶が無い。
怖くなる。手がかたかた、と震えた。 自身を信じられなくなる要素がまた一つ増える。 所謂、自動症。 しかし、そんな名前も症状も、知る由は無い。]
(22) 2010/07/05(Mon) 02時頃
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漂白工 ピッパは、とにかく自身を落ち着かせようと何度も深呼吸した。
2010/07/05(Mon) 02時頃
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だいじょうぶ。 ……だいじょうぶ、だいじょうぶ。
[地を見つめながら繰り返す、願い事。 それは呪文を唱えるかのように。 "呪い"だと言い張っても、怖い事に変わりは無い。
す、と立ち上がり一度浴室へ消える。 汚れを落とし、着替えを済ませれば]
……行こう。 お供え、しにいかなきゃ。
[現実から逃れるように、外へ。]
― 自宅→ ―
(26) 2010/07/05(Mon) 02時頃
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― →酒屋 ―
[自宅を出れば、一直線に向かうのは 目的の品を願う為の、場所。
道中、此方を見てひそひそと声を立てる者。 明らかな距離を取る者。 奇異な視線を寄越す者、が居たが。
意識の内に入れる事無く、辿り着く。]
ゴドウィンさん。
[店先に彼の姿を見れば、小さく呼びかける。]
(28) 2010/07/05(Mon) 02時頃
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[女は彼の抱える物を知る由も無い。 よしんば知ったとして今、何を言えるだろう。
右手が微か、震えているのを見た。 されど、年齢か。 もしくは職業柄、なのかと思ってしまう。]
お久しぶりです。 先日は、お茶とサンドイッチ。 ……頂きました、ごちそうさまでした。
[この言葉で何処まで伝わるのかは解らない。 けれど、感謝を伝えたのだから、ある程度の覚悟は持っている。]
(33) 2010/07/05(Mon) 02時頃
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うん、とても。
[女は微笑して頷いた。 彼が醸す雰囲気が女を幾らか落ち着かせたから。 ふ、と柔い吐息を吐いて]
お陰様で、一緒に……時間を過ごせたの。 ―――、有難う、御座いました。
[ひとつの言葉に、極力の思いを篭めた。]
(48) 2010/07/05(Mon) 02時半頃
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そんな事、無いよ。 お茶も、美味しくて。 流石だね、って二人で笑ってた。
[敵わない、などと零しあった事も。 ふわりと女の表情が綻ぶ、過去。]
(83) 2010/07/05(Mon) 04時半頃
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…
[礼を返されると笑みのまま、俯いた。暫しの沈黙を経て]
うん。
[最後まで。微笑のまま頷いて、"彼女"の話を終える。 緩やかに顔を上げると]
ゴドウィンさん、御願いがあるの。 同じお茶を、頂けますか?
[首を傾ぐ。 もらえたのなら、其れを手に礼を言い。 "また"、と再会を願い手を振って、場を辞するだろう。]
(84) 2010/07/05(Mon) 04時半頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 04時半頃
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やだ。 ……辞めてよ、子供じゃないんだから。
[頭を撫ぜられれば、口ではそう言うものの。 表情はそのまま寄りかかってしまいそうな 弱い笑みを一瞬だけ、見せた。]
ん。
[彼が奥へと入っていけば、 この後、アイリスが座したであろう席に、座り待つ。]
あ、……ありがとう、御座います。 また。 …………また、貰いに来るね。
[だから、元気で。言外に強く、願いを篭めて。 優しい彼に祈りを篭めて、手を振り場を辞する。]
(91) 2010/07/05(Mon) 04時半頃
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― 墓場 ―
…
[そして足は一直線に墓場へ。 道中、今度は自警団と出会った。 しかも前よりも多い人数で。 呪ってやろうか、と脅したら結局は逃げて行ったが。]
見て? ……おじさんから貰ったよ。 一緒に、飲もう?
[す、と屈みこんでは、 水筒から少量、"リンダ"に掛けて遣り 少量を、供えた。]
(96) 2010/07/05(Mon) 05時頃
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おじさんが、子供、だって。
[苦笑する。 彼から見れば、女も、リンダも。 大切な、"子供"なのかもしれない。 其れは女が愛した、"村"の形。]
リンダ。 ……あの、ね。
[けれど、気付いてしまった事がある。 彼の優しさが。祖父と、不思議と、重なった。]
………おじさんが。
[それ以上は言葉にならなかった。 何を、願えと言うのか。 どれもこれも、それは遠い空の星のようで、届かない。]
(98) 2010/07/05(Mon) 05時頃
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[煌く星は今、何処に在るだろう。 明るい陽が知る事を遮った。
どちらも嫌いになれないで居る。 どちらも、好きだから。
愛してしまったから。
だから届かない星も。 星を隠す朝も。]
―――、理不尽、だよね。
[ただ、笑う事しか*出来なかった*]
(104) 2010/07/05(Mon) 05時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 05時頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 12時頃
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― 村はずれの丘 ―
…
[墓地を離れ一路、丘へ。 折角だから華を摘んで来ようと足を伸ばしたのだが]
気持ちいい。
[そよぐ風の心地よさに眸を閉じた。 薄桃を撫ぜていく優しさを小瓶に摘めてしまいたい。]
ん――。
(114) 2010/07/05(Mon) 12時頃
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― 村はずれの丘 ―
[見上げる空は蒼い。]
[高く遠い場所で数羽の鳥が旋回している。]
[さぁさぁと風は優しく薄桃を撫ぜ続けている。 滑らかに進む時が、胸中の小瓶から記憶を漏らす。]
(130) 2010/07/05(Mon) 14時頃
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/*
うーん…w
(-45) 2010/07/05(Mon) 14時頃
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/*
結構、伏線は張った心算、なんだけど。 そのどれもが活きて居ないと言う。
此処まで活きないのは久しぶりかもしれない。 見立てを誤りすぎた感。
一寸、次回の教訓にします。
(-48) 2010/07/05(Mon) 14時半頃
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― 村はずれの丘 ―
[漏れ出る記憶はやがて凪いで行く。 此れ以上はときつく栓をした。
―――、そっと双眸を閉じて。]
此れかな
[しゃがみ込み、眸を開く。 幾つか摘んだのは、ローズマリー。 "記憶"をそっと、添える為に。 静か、後にすれば向かうは静寂の地。]
― →墓地 ―
(141) 2010/07/05(Mon) 14時半頃
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― 墓地 ―
[屈み込み]
[添えた華]
[ふうわり微笑して]
(151) 2010/07/05(Mon) 15時頃
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漂白工 ピッパは、ふと横に視線を遣ると新しく増えた墓標に気付く。
2010/07/05(Mon) 15時頃
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[新しく増えた墓標]
[刻まれた名]
[傾く水筒]
[滴る茶に乗せた小さな祈り]
(152) 2010/07/05(Mon) 15時頃
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安心して 酒場のおじさんが ……淹れて呉れたものだから
[漏らす声は穏やかだった]
――、それも可笑しな話か
[安心、などと。 緩く首を振って、瞑目した。]
(155) 2010/07/05(Mon) 15時頃
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[陽光と馨。 一時は、燦燦と――*]
(165) 2010/07/05(Mon) 15時半頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 15時半頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/06(Tue) 01時半頃
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― 墓場 ―
ぁ
[背中に走る鈍い痛み。 開かれた眸が捉えるのは変わらぬ空。 意識は夢と現実を幾度かクロールした。]
……っ
[ゆっくり、リンダの墓標からカラダを離す。 深く、息を吐いた。]
ごめん。
[苦笑と共に小さな、謝罪を向ける。]
(336) 2010/07/06(Tue) 02時頃
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漂白工 ピッパは、立ち上がり、辺りを見回した。
2010/07/06(Tue) 02時頃
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[緩やかに辺りを一望する。 けれど人の気配を感じる事は無かった。]
何か、あるかな
[呟きながらギリアンを探し小屋へ。 小さく呼びかけてから入るのは、 女なりの気遣いの、心算。]
はいるね。
[更にもう一つ、断って静々と。]
(337) 2010/07/06(Tue) 02時頃
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― 墓場の小屋 ―
…
[小屋の中を見ても、其処にギリアンの姿は無かった。 何か手伝える事があるなら、聴きたかったが。
さて、どうしようかと考えながら見回すと 襤褸なテーブルの上に置かれた食べ物と、袋(>>201)。]
…
[現金な物で、 くぅ、と小さく御腹が鳴った。]
(339) 2010/07/06(Tue) 02時頃
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[テーブルの上を何度も何度も視線が滑る。 しかし食べ物と袋以外、何も見つからない。
そ、と袋に触れた。]
……?
[ちら、と袋の中身を覗き込む。 ビスケットが遠慮がちに潜んでいる。]
ギリアンの?
[彼の物であるに違いは無いが。 誰も答えることのない問いは、小屋に寂しく響いた。]
(342) 2010/07/06(Tue) 02時半頃
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[食事の用意をしたまま、出ているのだろうか。 ならばすぐに戻るかもしれない。
女は椅子に座して、暫く待った。 袋を見る事、5秒。
周囲を見回すこと、2秒。 袋に視線を戻して、6秒。
薄桃を弄る事、十数秒。 袋を見つめながら、8秒。
溜息を、漏らす。]
(344) 2010/07/06(Tue) 02時半頃
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ごめん――。
[眸をきつく閉じて そ――っと袋に手を伸ばし、一枚取り出した。]
一枚。 ………一枚だけ、だから。
[其れをそのまま、口に銜え 前歯で齧りながら、そそくさと椅子を立ち 小屋を、一度後にする。]
(345) 2010/07/06(Tue) 02時半頃
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― 酒場付近 ―
…
[墓標へ供えた水筒を返そうと、 酒場へやって来たとき、だった。
少し手前で、声(>>349>>350)だけが耳に届く。]
……ッ
[きゅ、と強く水筒を掴み、 隣の建物の陰に身を隠し、聞き耳を立てている。]
(351) 2010/07/06(Tue) 05時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/06(Tue) 05時頃
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[壁に凭れ、その場にそっと腰を降ろす。 水筒を抱いたまま空を見上げた。
傾き始めた陽を眺め、俯いて。 二人の会話を聞き続けている。]
(357) 2010/07/06(Tue) 05時半頃
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[気付けば涙が滲んで居た。 拭うことも忘れそっと立ち上がる。
"呪い"という言葉が内から溢れ、 握った水筒にひたひたと零れ落ちた。
ごめんなさい。 音の無い唇が紡いで静かにその場を後にする。]
― →大通り ―
(359) 2010/07/06(Tue) 05時半頃
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