人狼議事


258 【突発誰歓】鬼渡し弐

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【赤】 トレーサー キルロイ

おもん! 今日がお前の命日だ!

2016/11/21(Mon) 00時頃

【赤】 旅籠 おもん

 
    ―――― 彼岸花。


   その花を表す言葉の一つに『 悲しい思い出 』がある。
 

(*0) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
 御門という姓は曼珠村ではよく知られていた姓だった。
 子どもは知らない、苗字の意味。

 …誰かその血筋の者が結婚すると結婚相手の兄弟と
 結婚した者の姉妹を結婚させるという村の中での取り決め。
 御門の血筋に生まれるのは殆ど男で、相手には事欠かない。
 田舎では女より、男のほうが重宝されるから。そんな理由で。

 あたしの許嫁は生まれたときから決まっていた。
 

(*1) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
 御門亜珠沙( あたし )には幾つか年の離れた幼馴染がいた。
 それはもうすぐ、夫になる予定のひとだった。

 …そう、都会に出て、可愛い後輩>>4:*4まで作って、
 そうして婚約の報せを寄越してきた…あの人。
 家で決められた婚約なんて受け容れがたいって
  …… 村を飛び出していったのは随分と前になる。

 嫌いなわけじゃないんだって、彼はあたしに言った。
 でもね、許嫁としては見られないって言った。

 お互い気心知れた仲で、小さな頃からずっと一緒にいて
  そのまま生涯一緒なんだって思っていたのにね。
 応援してくれって手紙には書いてあった。

 …応援、出来ると思う?
 って、ひねくれた返事すら返せなかった。
 返事は書けないまま、あたしは手紙を仕舞いこんで今に至る。
 

(*2) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
 彼の婚約者には会ったことがある。
 彼の生まれ故郷を観たいって言ったらしい。
 いつかあたしの働いてる旅館に泊まりに来た。
 その時に番号を交換したわ。あたしの名前は知っていたって。

 それで後で電話をかけた。「元気ですか」って。嫌なあたし。
 本当はアンタのことなんかどうだっていいのに。
 何度もやめようとしたし、
 無駄だってわかっているのに「彼を出して」って。
 言いたくなるのをこらえて、幸せなの?って元気?って聞いた。
 遠回りに探りを入れたのよ、嫌なあたし。
 それなのにあのひとは付き合ってくれた。
 時間も遅かったのに嫌そうな素振りもなくて。
 

(*3) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
 幸せなのね。彼は大事にしてくれる?…そう。
 気にしていない風に装っていたって落ち込んでるあたし。
 あのひと、慰めてくれたわ。
 とてもやさしかった。それって彼に愛されているから。

 そうでしょう?

 電話越しに何でもないようにあたしは何を望んでいるの?
 あのひとが彼に飽きられるようにって願っているの?
 自分のように?…そう、自分のように。
 

(*4) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
戻ってくればいいのにって彼に伝えて。
此方で暮らせばいいじゃないって。

望んでいることは言葉にできない。
あのひとはいつまでも電話に付き合ってくれる。
あたしには話したいことなんてないのに。

誘いをかけているだけなの、
話していたら彼の話が出るんじゃないかって。

あいつはどんなものが好きなの?
仕事は何をしているの?…今、幸せそう?

聞きたいことは聞けなくて、
「明日の予定は」なんて聞いたの。馬鹿なあたし。

言いたかったことはひとつだけなのに。
「あいつを電話に出して」やっぱりそれだけなのに。
 

(*5) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
 昼間は気丈なあたし。収穫祭の被り物みたい。
 電話をした夜も、しない夜も時々泣いているの。
 うらやましくて、うらやましくて。
 「あたしのところから逃げていかないで」って泣いているの。

 季節外れの赤い赤い華を見つけた時に、
 幽霊に浚われて楽になれるならそれでもいいって思ったわ。

 そんな都合のいい話、あるわけがなかったのにね?*
 

(*6) 2016/11/21(Mon) 01時半頃

【赤】 旅籠 おもん

かえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえして
 返して返して返して返して返して返して返して返して返して
 返して返して返して返して返して返して返して返して返して
 返して返して返して返して返して返して返して返して返して
 返して返して返して返して返して返して返して返して返して
 返して返して返して返して返して返して返して返して返せ返せ
返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ
返せ返せ返返返返返返返返返返返――――――――……


      誰だっていい  おねがいだから
 

(*7) 2016/11/21(Mon) 14時頃

【赤】 旅籠 おもん

 

     あたしを愛してくれる人を 連れて行かないで 

 

(*8) 2016/11/21(Mon) 14時頃

【赤】 旅籠 おもん

[ 未練を殘し澱んで固まつた澱。
 其の塊とも言ふべきものがかの鬼の面だと誰が思ふだらうか。

 器の中に沈んだ感情を、蓋をしてゐる何かを
  ソレは無理にでも呼び起こさうとする。>>1:*1

      其の結果、表出するのもある意味器自身なのである。 ]

 『 あくまで、之は切つ掛けに過ぎぬ物よ。
   負の感情を持ち合はせてゐるのはウツワなのだから。 』

[ "あたし"の顏で鬼(あなた)のやうに喋る器は
 "あたし"であり"あたし"ではない。

              …… 声無き聲で喋るのは"鬼"。
             只今は此の姿を借りてゐるに過ぎぬもの。 ]

(*9) 2016/11/21(Mon) 14時頃

【赤】 旅籠 おもん

[ どこか遠くで――或いは近くで
 温かな光が彈けるのを見た。>>#1

          あれはなに?
           ――"あたし"には關係のないものでせう。 ]


            [ …知つてゐるだらう?
             分かつてゐるだらう? ]


     [ 逃げて往つたものは關係がない。
      鬼を渡すべきものはまだ其処此処にいるのだから。* ]

(*10) 2016/11/21(Mon) 14時頃

【赤】 旅籠 おもん

 
  [ 思ひは、すべてに先立ち
                     すべては 思ひに成る

           思ひこそは すべてを統ぶ

     穢れたるおもひにて 且つかたり 且つ行なはば

   引くものの跡を追ふ かの車輪の如く 苦しみ彼に從はん ]
 

(*11) 2016/11/21(Mon) 14時頃

【赤】 旅籠 おもん

[ 惡巧みをしようとしてゐるの?
 無駄だよつて鬼の貌はけらけらと嗤う。 ]

             [ 長い年月の果てに、ありとあらゆる感情が
               注ぎ込まれてきた面は 嗤う 嗤う。 ]

 逃げれば追ふぞ 逃げねば鬼は渡される
  さあ、どちらを選ぶもお好きにおしよ。

[ 嗤い聲は眼前の彼らには聞こえないが、
 嗤うやうな哭くような其の表は彼らの目からも見えるだらう。 ]

     …何處までもお逃げ。逃げて、逃げて捕まつておくれ。
   さうしたら叫び度くなるやうな氣持ちも輕くなるだらうから。

[ 其れは誰の本音だらう。
 "あたし"――其れとも、"鬼"? ]

(*12) 2016/11/21(Mon) 21時半頃

【赤】 旅籠 おもん

[ ネリエルと云ふ彼、
 相手に武器に成るやうなものを渡すとは
 お人好しと云ふか優しいと言ふのか ]

   まさに足を"掬"はれる事態に成らないといいけれど?

          [ 樂しや樂しやと笑ふ鬼。
            喋る聲とはまた違ふ聲色を零す。 ]

 重し入りの長布、扨てはて引つかからずに驅けられるやら。

[ 足止めの準備は萬端整へた、後は相手の出方次第と。 ]

(*13) 2016/11/21(Mon) 22時頃

【赤】 旅籠 おもん

[ 相手方二人がわざと捕まるやうな場所を選んで
 驅けていくことには氣がつかぬ。さう、"鬼"ですらも。 ]

 戀人同士でもあるまいに、何か企みでも?

    [ 勘繰れども、遙か先を行く二人が
      素直に答へて呉れやうはずもない。>>24 ]

   …萬一何か謀を考へてゐるとしても、追ふだけ。
     捕まえられたなら其れでよいのだから。

          [ 但し、結論は一つ。
            最後に"鬼"を渡せればよいのだから、
            企みごとなど氣にする價値もないものだ。
               走る姿を追ふことだけ考へてゐれば。 ]

(*14) 2016/11/21(Mon) 22時頃

【赤】 旅籠 おもん

[ 足を刺す小砂利は痛いが、
 逃げるを追ふ躯の胸の底はもつと痛む。

           其の理由を"鬼"(あなた)は知らない。
            其の理由をあたしは知つてゐる。 ]

 逃がさない――逃がさない!もう、逃がさない…!

[ 叫ぶやうな哭くやうな聲の理由は誰も知るまい。
 抑もにして聲を屆け度い相手すらいないのだから。

          緋色の裾が飜るたびに掠れるほど、叫ぶ。
          ―― 誰も聽く者のない赤い色の世界の中で。 ]

(*15) 2016/11/21(Mon) 22時半頃

【赤】 旅籠 おもん

 
  つかまえた。 …つかまえても、何にも変わりゃしない
   少しは楽にもなれるかって期待――したのにさ。

  … やっぱり、世の中そう上手くは行かないもんなんだね。
 

(*16) 2016/11/21(Mon) 23時頃

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