疑似的に作り出されたもう一つの街では 街中に存在するすべての電話が突如として けたたましい着信音を鳴らし始めていた。 携帯電話も、黒電話も、壊れかけの電話機ですら 通話が可能な機器はすべてが騒音を撒き散らした。 それは誰かが電話に応答するか、 きっかり60秒が過ぎた頃――ぱたりと途絶える。
(#2) 2018/10/10(Wed) 04時頃