─ 夕暮れ時の来訪猫 ─
ぅにゃ〜〜〜ふ〜〜……
[まだ暑さ残る季節。
長毛の放蕩猫は、涼を求めて木陰に寝転んでいた。
日中はひどく強かった陽射しも、影が長くなる頃には一段落し、庭木を抜けて吹いてくる風がとても心地好い。
……一月少し前に同居仲間となった白黒の猫……ドナルドの経過はとても良好なようで、最近は元気に各所を跳ねまわっている姿をよく見ていたが、ここに来ることになった経緯が経緯なだけに、まだ手は出していなかった。
フラフラ遊びに出た先で、持ち前のコミュ力により得た噂では、彼はこの辺り一帯のボスだったらしい。
そのわりに出会うことがなかったのは、活動時間がずれていたか、偶々、彼の縄張りから外れていたか。]
……派閥って怖ぃよなぁ〜……
[ひんやり気持ちのいい草の上に腹を押し付けながら、ぼやく。
ライオンの噂もあれ以来聞かなくなったし、やはり平和が一番と、ふにゃ〜〜と呑気な欠伸をした時だったか]
……ぅなす?
[木陰に、白黒の猫がやってきた。>>*200]
(*204) nordwolf 2015/01/15(Thu) 08時半頃